【背中のストレッチ】背筋を効果的に柔軟にする最強ストレッチ方法・メニュー
毎日のデスクワークで背中が凝り固まってはいませんか?見えない部分だからといってストレッチを怠ると思わぬ故障を引き起こします。姿勢の歪みや頭痛、腰痛など多くの問題の原因になりかねないのです。だからこそ日頃からしっかり背筋を柔らかくすることが大切。おふろ上がりや寝る前にしっかりと背筋をほぐしていきましょう。
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アイキャッチ画像出典:www.flickr.com
背筋をほぐすメリット
背中は知らず知らずのうちに凝り固まっていることを知っていますか?「背中に腕を回して左右の手をつなげない」「腕を直角に曲げて肘をつけたまま水平以上の高さに上げられない」「猫背だとよく言われる」思い当たる節がある人は要注意。背中が凝り固まってしまっているかもしれません。背中はあらゆる部位へ影響を与えるため念入りにほぐすことが大切です。ここでどんなメリットがあるのか確認していきましょう。
疲労回復を早める
日常的にデスクワークが多い人はなかなか背筋を使うことがありません。つまり筋肉を動かさないため背中の血行が悪くなります。そうすると老廃物がたまりやすくなり、なんだか背中がスッキリしないということが多く起こります。そういったときに背中のストレッチを取り入れると、血行が改善され老廃物も流れやすくなります。疲労をためないためにもストレッチは欠かせません。
肩こり・腰痛の緩和
肩こりや腰痛に背中は関係ないと考えてはいませんか?実は背中のコリが深くかかわっています。肩こりも腰痛も原因を追究すると背中が原因なことがしばしばあるのです。背中のコリによって姿勢が崩れ腰痛になったり、背中の痛みをカバーするために肩に余計な力が入ってしまったり。逆に考えれば背中をストレッチすることで肩こりや腰痛を緩和させることもできます。
ケガの予防
背中の柔軟を高めることはあらゆるケガの予防策となります。運動をする際、全てといっても過言ではないくらい背筋を使います。そのため背筋は十分なケアをすることが必要!またしっかり柔軟してからスポーツをすることでパフォーマンスの向上にもつながります。
老化予防
老化の兆候は背中から現れると言われることもあるほど、背中は若さを保つために大切な部分です。筋肉が見えなくても背中の姿勢だけで印象がすっかり変わることもあります。また背骨のきれいなS字が保てなくなると一気に老化が促進されます。背中のカーブを維持するためにもしっかりとしたトレーニングとケアを大切にしていきましょう。
基礎代謝を上げる
先述した通り、血流を良くすると十分な酸素が体中に運ばれて細胞が活性化されます。細胞が活性化されると筋肉が発揮するパフォーマンスも向上していきます。つまり普段と同じトレーニングをしても代謝を上げることで高い効果を得られるようになります。範囲の広い背中を重点的にほぐすことでしっかりと基礎代謝を上げていきましょう!
重点的にほぐしたい5つの部位
1. 広背筋
広背筋は人体で最も面積の大きい筋肉で、上部は僧帽筋によっておおわれています。主に腕をまっすぐに伸ばした状態から身体を引きつけるという動作へ貢献します。効果的なトレーニングはラットプルダウン、ロープーリー、ベントオーバーローイングなどが挙げられます。
2. 僧帽筋
僧帽筋は肩こりの自覚症状を起こす主要な原因筋と言われています。また肩甲骨を肋骨に安定し重いものを持てるようにはたらきます。主なトレーニングとしてバーベルシュラッグ、ベントオーバーローイング、ダンベルサイドレイズが挙げられます。
3. 肩甲挙筋
肩甲挙筋とは名前の通り、肩甲骨の挙上の役割を持つ筋肉です。首の後方側面に位置していてインナーマッスルの1つとしても知られています。肩甲挙筋の疲労が肩こりの原因となるため丁寧なケアも必要な筋肉です。主なトレーニングはシュラッグ、バーベル、ダンベルでの筋トレが挙げられます。
4. 棘下筋
棘下筋(きょくかきん)は肩関節の外旋筋の中では最も強力な筋肉だと言われています。主に肩関節の安定性を高めるはたらきがあります。主なトレーニングはエクスターナルローテーション、アウトワード・ローテーション、チューブアウトワードローテーションが挙げられます。
5. 菱形筋
菱形筋(りょうけいきん)は広背筋や僧帽筋の深層に位置する筋肉です。小菱形筋と大菱形筋に分かれていて、どちらもひし形の形をしています。肩甲骨を内転させるはたらきや下方回旋させるはたらきもあります。またテイクバック、ワンハンドロウイングなどのトレーニングで鍛えられます。
1. 魅せる背筋づくりストレッチ
魅力的な背筋を目指すためにはトレーニングに合わせて筋肉をほぐしていくことも大切です。柔らかな筋肉を維持することでしなやかな魅せる筋肉へ近づきます。またリラックス効果もあるので1日の終わりに取り組むと気分をリフレッシュできますよ。
1-1. 猫背ストレッチ【広背筋・僧帽筋】
正しい猫背トレーニングのやり方
1. 脚を腰幅に開き膝立ちになる。
2. 両手を胸の前で組む。直径40cm〜50cmのボールを抱えているようなイメージ。
3. へそをのぞきこむように背中を丸める。
4. 15秒間キープして2の姿勢へ戻る。
セット数の目安
5セット〜10セットを時間をかけてゆっくり取り組むようにしましょう。
注意するポイント
・背中がしっかり丸くなるように鏡などでフォームを確認しましょう。
・深い呼吸をゆっくりと続けてください。
・呼吸を背中に入れるイメージを持つのがポイント。
・腕の間が狭くならないように気を付けましょう!
1-2. キャット&ドッグのポーズ 【広背筋】
キャット&ドッグの正しいやり方
1. 四つん這いになり、手は肩幅で膝は腰幅につく。
2. お腹を天井に近づけるイメージで持ち上げる。
3. 1の状態へ戻る。
4. ゆっくりとお尻を天井に突き出すようにして胸を床に着ける。
5. 1の状態へ戻る。
セット数の目安
1〜5までを3〜5セットを目安に行いましょう。十分な時間をかけることを忘れずに!
注意するポイント
・背中を丸めるときはへそをのぞきこむようなイメージで。
・ドッグポーズは腕をしっかりと前に伸ばし脇がストレッチされるようにしましょう。
・ドックポーズで腰を反り過ぎないように注意!
1-3. 胸椎ローリング 【広背筋】
胸椎ローリングの正しいやり方
1. 自分を抱きしめるように腕を胸の前で交差させ、肩甲骨をつかむ。
2. 足は肩幅に開く。
3. みぞおちの上だけを動かすように意識しながら上体を回す。
セット数の目安
30秒を1セットとして2〜3セットを目安に行いましょう。回数を多く回すよりも胸椎だけを十分に動かすことが重要です。
注意するポイント
・肩甲骨をつかめない人は肩回りをつかんで取り組んでいきましょう。
・胸椎のみ動かすことを意識して、腰椎は動かさないように気を付けてください。
・しっかりと回しながら呼吸も等速で続けるようにしましょう。
1-4. 側面伸ばしストレッチ 【僧帽筋】
側面伸ばしストレッチの正しいやり方
1.背筋を伸ばす。
2.右手の甲を背中にあてる。
3.左手で右側の頭部を押えながら左肩へ首を傾ける。
4.首から肩にかけての伸びを感じてストレッチ。
5.30秒キープしたら1の姿勢に戻り、反対も同様に行う。
セット数の目安
左右交互1回ずつを1セットとして5セットを目安に行いましょう。
注意するポイント
・上体を傾けているときに僧帽筋が伸びていることを実感してください。
・背中に回している腕の肘と頭を引っ張るイメージを持ちましょう。
・真ん中に戻って姿勢をきちんとリセットのがポイント。
1-5. 首の前傾ストレッチ 【僧帽筋】
首の前傾ストレッチの正しいやり方
1. 背中に棒が刺さっているようなイメージで背筋を伸ばす。
2. 両手を頭の後ろで組み、ゆっくりと首を前に傾けていきます。
3. 自然な呼吸を意識し30秒を目安にキープする。
4. 1の姿勢に戻る。
セット数の目安
3〜5セットを目安にゆっくりと呼吸を続けながら取り組みましょう。
注意するポイント
・首を前傾させたときに背中も丸まってしまわないように気を付けましょう。
・強く押さえつけるのではなく、じんわりとストレッチするのがポイントです。
・僧帽筋が伸びていることを意識するとより効果的です!
1-6. 背筋リラックスストレッチ 【肩甲挙筋】
背筋リラックスストレッチの正しいやり方
1. 両手両脚を伸ばして床に仰向けに寝る。
2. 両脚をそろえて頭よりもさらに先へ足先を伸ばしていきます。
3. 20〜30秒間キープします。
4. ゆっくりと両脚を床へ戻していきます。
セット数の目安
2〜3セットを目安に行いましょう。負荷がかかり過ぎないように1セットあたりの時間は調整するようにしてください。
注意するポイント
・体が傾かないように両脚をそろえた状態をキープしてください。
・両腕は体側でしっかりと床につけるのがポイント!
・背中がしっかりストレッチされていることを実感しながら取り組みましょう。
1-7. 肘つかみストレッチ 【棘下筋】
肘つかみストレッチの正しいやり方
1. 背筋を伸ばして足は肩幅に開いて立つ。
2. 右手の甲を背中につけて肘を張る。
3. 左手で右肘をつかみゆっくりと前へ引っ張る。
4. 20〜30秒間キープして1の姿勢に戻る。
5. 反対も2〜4まで同じように行う。
セット数の目安
左右交互1回ずつを1セットとして3〜5セットを目安に取り組みましょう。
注意するポイント
・手を背中に回した時は肘をしっかりと張りましょう。
・肘を前に持ってくるときには無理をせず、気持ちよく感じる範囲でストレッチしてください。
・自然な呼吸を意識して続けましょう。
2. 自宅でできる魅せる背中づくりメニュー
背筋ストレッチに合わせて自宅で簡単にできる背筋トレーニングをご紹介します。背筋トレーニングはあまり場所も取らず手軽にできるのが大きなメリットです。ストレッチとトレーニングをどちらも継続していきましょう!先述した筋肉ごとにトレーニングを紹介していきます。ぜひ自分で組み合わせてメニューを組んでみてくださいね。
2-1. スキャプラ・シュラッグ 【広背筋】
スキャプラ・シュラッグの正しいやり方
1. 2脚の椅子の座面にクッションなどを置く。
2. 肘を座面の上につく。
3. 上腕を座面に垂直に立てて拳を握る。
4. 背中を丸めた状態から胸を天井へ突き出し肩甲骨を寄せる。
5. 1の状態に戻り1〜3を繰り返す。
セット数の目安
目安は1セット10回として3セット取り組みましょう。負荷がかかり過ぎないように体調に合わせた回数の調整が必要。
注意するポイント
・常にポジションは一定を保つようにしましょう。
・肩甲骨の開閉を意識してじっくりトレーニングしてください。
・呼吸を忘れずに!体中に酸素を取り込むイメージで。
2-2. YTWL 【広背筋・僧帽筋】
正しいYTWLのやり方
1. 肩幅に足を開いて立つ。
2. 膝を軽く曲げながら上体を前傾させる。両手は真下へ向ける。
3. 両手を斜め上に上げてYのポーズ。
4. 2の姿勢に戻る。
5. 2の状態から両手を真横に伸ばしてTのポーズ。
6. 2の姿勢に戻る。
7. 2の状態から腕と上体の角度を45度にしてWのポーズ。
8. 2の姿勢に戻る。
9. 2の状態から肘を体側につけてLのポーズ。
10. 2の姿勢に戻る。
セット数の目安
YTWLそれぞれのポーズを10回ずつ繰り返しましょう。フォームが崩れてしまう場合は回数を減らして、徐々に増やしていくようにしてください。
注意するポイント
・ポーズのフォームが崩れてしまわないように鏡などで確認しながら取り組みましょう。
・ポーズをとるときには等速で姿勢を変えて呼吸を忘れずに!
・1回ごとにきちんとリセットした姿勢に戻りましょう。
・肩甲骨を寄せる意識を持つのがポイント。
2-3. エクスターナルローテーション 【棘下筋】
エクスターナルローテーションの正しいやり方
1. マットなどを敷き横向きになって寝る。
2. 上側の手でダンベルを握る。
3. 上腕は体側にして前腕部分は内側に曲げる。
4. ダンベルを持ったまま手を上に持ち上げていく。
5. 地面と平行になったらゆっくりと3の姿勢に戻す。
セット数の目安
10回を1セットとして3セットを目安に取り組みましょう。ゆっくりと時間をかけて行うのがポイント!
注意するポイント
・手首を痛めてしまわないように、ダンベルは軽めのものを選ぶようにしてください。
・体がぶれてしまわないように気を付けましょう。
・呼吸は止めずに自然なリズムを心がけてください!
2-4. サイドベントストレッチ 【広背筋】
サイドベントストレッチの正しいやり方
1. 片手にダンベルを持ち、足は肩幅に開く。
2. ゆっくりとダンベルを持つ手を体側に下ろし、同時に上体を傾ける。
3. 5〜10秒間キープする。
4. 1の状態に戻る。
5. ダンベルを持つ手を入れ替えて2〜4まで同じことを繰り返す。
セット数の目安
左右交互1回ずつを1セットとして5〜10セットを目安に取り組みましょう。1回1回丁寧に時間をかけて取り組むようにしてください!
注意するポイント
・始める姿勢は背筋を伸ばして足を肩幅に開いた状態を意識しましょう。
・上体を傾けた時に腰の位置がずれないように注意してください。
・ダンベルの代わりにペットボトルなどでおもりを代用しても構いません!
2-5. セルフ肩甲骨はがし 【肩甲挙筋】
セルフ肩甲骨はがしの正しいやり方
1. 足を肩幅に開き、手を後ろで組む。
2. 可能な限り腕を上げていき、胸を張る。
3. 20〜30秒間キープする。
4. 脱力して腕を体側に戻す。
セット数の目安
5〜10セットを目安に気持ちよく感じる回数に調整して取り組みましょう。
注意するポイント
・腕が上に上がらない人はゆっくりと呼吸を吐き出しながら、少し上体を前傾させましょう。
・呼吸をすると筋肉の緊張を緩められるため、意識をして呼吸を続けましょう!
・後ろで手が組めない人はタオルの両端をつかんで行ってください。
2-6. 糸通しのポーズ 【肩甲挙筋・僧帽筋】
糸通しのポーズの正しいやり方
1. 手は肩幅、膝は腰幅に開き四つん這いになる。
2. 片手を床から離し天井に向かってあげる。
3. 持ち上げた手を床に下ろし、反対のわきの下へ腕を通す。
4. 肩を床に着け、両手をそろえる。
5. 上の手で下の手首を引っ張る。
6. 上の手を反対側の腰へ置く。
7. 胸を張って10秒間キープ。
8. ゆっくりと1の状態へ戻る。
9. 反対側も同じように繰り返す。
セット数の目安
左右交互1回ずつを1セットとして、5〜10セットを目安に行いましょう。
注意するポイント
・腰を痛めないように背中がひねられているかを確認しましょう。
・背中にまで呼吸を取り込むイメージを持つとより効果的!
・時間をあまり気にせずにゆっくりとストレッチしましょう。
完璧な魅せる背中へ
背筋を鍛えるだけでなくストレッチまでこなすことでしなやかな背中を手に入れられます。固い筋肉ではなく柔軟で故障の少ない筋肉づくりを心掛けていきましょう。今回紹介したストレッチはどれも自宅で簡単にできるものばかり。早速今日から始めてみてください!
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この記事のライター
茨城の筑波山生まれ。「いばらぎ」じゃなくて「いばらき」です。