【ハムストリングスのストレッチ】太もも裏を効果的に柔軟にする最強ストレッチ方法・メニュー
ハムストリングスとは太もも裏にある筋肉の総称です。運動をした後、前屈をしようとすると太もも裏が痛くなったことはありませんか?ハムストリングは疲労しやすく固まりやすい筋肉とも言われています。運動後にしっかりとストレッチすることで翌日のトレーニングに支障をきたさないようにほぐしていきましょう。
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アイキャッチ画像出典:soccerlife24.com
ハムストリングとは
ハムストリングは大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋の総称です。主に太ももの裏側の筋肉を指します。ハムストリングの由来はHam(ハム)とStrings(ひも)で豚のもも肉をハムにする際、これらの筋肉の腱をひっかけて作られる事に起因します。
ハムストリング筋は「ランナー筋」とも呼ばれ、走ることが多い人はとても良く発達しています。特にスプリンターのハムストリングは目覚ましく発達しています。膝を曲げて股関節を伸ばす動作において使われる筋肉で、運動前後のストレッチがとても大切です。
大腿二頭筋
大腿二頭筋の主な働きは膝関節の屈曲です。また、大腿二頭筋の長頭は2つの関節をまたぐため「二関節筋(にかんせつきん)」と呼ばれています。名前の通り膝関節のみならず、股関節の伸展にも関与している関節です。この筋肉が固まると骨盤が後傾したり、膝が内側に入って半月板の故障を招いたりする恐れがあります。
半腱様筋
半腱様筋は主に膝関節を屈曲させる作用を持ち、股関節の内転や下腿部の内旋にも作用します。また大腿二頭筋と同様、膝関節と股関節をまたぐ二関節筋です。
特に短距離走の選手に発達が見られる筋肉です。走行中に急制動では膝関節伸展位で股関節の過屈曲が強要されるため、半腱様筋や半膜様筋の肉離れが生じやすいと言われています。
半膜様筋
半膜様筋は大腿二頭筋や半腱様筋と同様二関節筋で、はたらきも半腱様筋とほとんど同じです。加えて、膝関節屈曲時の内側半月板や後方関節包の挟み込みを防止し円滑な屈曲運動を誘導している役割を持ちます。
また半膜様筋をストレッチするためには、股関節をやや内旋させた状態で行うと効果的にストレッチを行うことができます。
ハムストリングをほぐすメリット
下半身の疲労回復効果
ハムストリングは非常に負担がかかる部分なので、疲労しやすく固くなりやすいです。また、ハムストリングが固くなると腰の筋肉が引っ張られて腰痛を起こしやすくなります。その結果血行が悪くなり、腰から下の血液循環が滞ってより疲労の回復が遅れます。
しかしハムストリングをしっかりとほぐすことで血行を改善することができ、不要な老廃物や二酸化炭素がスムーズに体外へ排出されます。栄養素や酸素も身体全体へ運搬されるため、エネルギーも十分に補給できるのです。
肉離れの防止
ハムストリングスの肉離れは、走行中に起こることが多いと言われています。原因として挙げられるのは、不適切な走行姿勢やフォームです。姿勢やフォームを改善していくことはもちろん、運動前後のストレッチやケアを欠かさず行うことで肉離れのリスクを削減できます。
腰痛の予防
ハムストリングスが硬いと前傾姿勢をとるときにハムストリングスが伸びてくれないため、背骨に負担がかかり結果的に腰痛の原因となってしまいます。ハムストリングスを柔らかくすることでスムーズに前傾姿勢をとることができるようになるため、腰痛を予防したいという方はハムストリングスのストレッチを取り入れることがおすすめです。
1. 自宅で簡単にできるハムストリングストレッチ
道具を使わずすぐに取り組めるストレッチを紹介します。運動前後はもちろん、寝る前のリラックスタイムへ取り入れるのもおすすめ!床の上にヨガマットなどを敷くとよりリラックスできますよ。
特にリモートワークがメインという方は座る時間も多くなり、体が硬くなりやすいので積極的に取り入れるようにしてください。
1-1 運動前におすすめ!ハムストリング短時間ストレッチ
ハムストリング短時間ストレッチの正しいやり方
1. 前屈がどれくらいできるか試してみる。
2. 右足の踵を前に出し少し浮かせて、つま先は天井へ向ける。
3. 2の状態のまま踵で床を10回たたく。
4. 2の状態のままつま先で床を10回たたく。
5. 左足も同じように2~4を繰り返す。
6. 両足で床に立ち、太もも裏を両手でさすりながら前傾する。
7. 1と同じように前屈を試す。
セット数の目安
左右交互に1回ずつを1セットとして、3~5セットを目安に取り組みましょう。
注意するポイント
・つま先を天井に向けたとき、踵を前へ突き出すようなイメージを持ちましょう。
・踵やつま先を床に着けるときに膝が曲がらないように注意してください。
・筋肉を緊張させすぎないようにリラックスして行いましょう。
1-2 片脚前屈ストレッチ
片脚前屈ストレッチの正しいやり方
1. 右脚を伸ばし、左脚は膝で二つ折りにするように曲げて座る。背筋はまっすぐ伸ばす。
2. ゆっくりと呼吸をしながらへそを右脚先へ近づける。
3. できる人は右足を両手でつかみながら体を引き寄せる。
4. 10秒ほどキープしたら1の姿勢に戻る。
5. 左右の脚を入れ替えて1~4を繰り返す。
セット数の目安
左右交互に1回ずつを1セットとして5~10セットを目安に取り組みましょう。痛みを感じたら無理をしないで回数を調整するようにしてください。
注意するポイント
・初めの姿勢になるときは腰が後ろに落ちてしまわないようにしっかりと骨盤を立たせましょう。
・前傾するときは背筋に1本の棒が刺さっているイメージで!
・呼吸をしっかりと続けてリラックスしてください。
・ハムストリングが伸びているのを意識してストレッチを続けていきましょう。
1-3 前後開脚ストレッチ
前後開脚ストレッチの正しいやり方
1. 両脚を肩幅に開いてまっすぐに立つ。
2. 右足を前に出して、左右の足が一直線上にあるようにする。
3. 右脚の膝が曲がらないように注意しながら上体をまっすぐに倒していく。
4. 両手はスネを持つか、できる人は床に両手をつける。
5. ハムストリングが伸びていることを感じながら10~15秒間キープする。
6. 上体を脱力してへそをのぞきこむようにゆっくりと上体を起き上がらせる。
7. 1の姿勢に戻り、左足を前に出して2~6を繰り返す。
セット数の目安
左右交互に1回ずつを1セットとして5~10セットを目安に行いましょう。
注意するポイント
・上体を倒すときは骨盤で折るようなイメージで上体をまっすぐ保ちましょう。
・自然な呼吸を続けるように注意してください!
・前傾が難しい人は無理をせずに、背筋と膝を伸ばすことだけを守ってストレッチしてください。
・膝を後ろに押し込み過ぎないように気を付けましょう。
1-4 寝ながらストレッチ基礎編
寝ながらストレッチ基礎編の正しいやり方
1. 手脚を伸ばして仰向けに寝る。
2. 右脚の膝を胸に近づけるイメージでゆっくりと引き寄せる。
3. 胸に近づけられたら膝を両手で抱える。
4. 無理のない位置で20~30秒キープ。
5. 両手を放しゆっくりと1の状態に戻る。
6. 左脚も同じように2~5を繰り返す。
セット数の目安
左右交互に1回ずつを1セットとして5~10セットを目安に取り組みましょう。
注意するポイント
・片脚を持ち上げる際に、伸ばしている方の脚が床から離れてしまわないように気を付けましょう。
・骨盤が傾かないよう、お尻がしっかり床に着いているのを確認してください。
・自然に呼吸を続けるのを忘れずに!
1-5 寝ながらストレッチ応用編
寝ながらストレッチ応用編の正しいやり方
1. 手脚を伸ばして仰向けに寝る。
2. できる範囲で膝を伸ばしながら左脚をあげていく。
3. もも裏を両手で抱え、息をはきながらゆっくり胸の方へ脚を引き寄せる。
4. できれば片手でつま先を押さえ、反対の手で膝を伸ばすように軽くそえる。
5. 10~30秒間キープする。
6. 両手を放したらゆっくりと脚を床へ下ろし1の姿勢に戻る。
7. 右脚も同じように2~6を繰り返す。
セット数の目安
左右交互に1回ずつを1セットとして3~5セットを目安に取り組みましょう。
注意するポイント
・脚を胸に近づけるときはしっかりと呼吸を吐き出してリラックスしましょう。
・伸ばしている脚が床から浮かないように意識してください。
・自然な呼吸を続けてできる範囲でストレッチしてください。
2. 道具を使ったハムストリングストレッチ
タオルやチューブ、椅子などちょっとした道具を使ったハムストリングのストレッチを紹介します!十分にストレッチに取り組みたい人へおすすめです。簡単な道具でできるものばかりなのでぜひ挑戦してみてください!
2-1 ベンチを使ったストレッチ
ベンチを使ったストレッチの正しいやり方
1. ベンチやベッドに座り、右脚を伸ばしてのせる。左脚は床に下ろしリラックス。
2. 背筋をまっすぐ伸ばして両腕は体側。
3. ゆっくりと骨盤から前屈するイメージで上体を倒す。背筋は伸ばしたまま!
4. 背筋を伸ばした状態が保てる範囲で倒し、10秒ほどキープ。
5. ゆっくりと上体を起こして2の姿勢に戻る。
6. 伸ばす脚を入れ替えて2~5を繰り返す。
セット数の目安
左右交互に1回ずつを1セットとして3~5セットを目安に取り組みましょう。
注意するポイント
・背筋を伸ばすときは頭が天井から引っ張られているようなイメージで!
・しっかりと呼吸を意識しましょう。
・太もも裏が伸びていることをしっかり確認しましょう。
2-2 椅子を使ったストレッチ
椅子を使ったストレッチの正しいやり方
1. 椅子に浅く座り背筋をしっかりと伸ばす。
2. 左脚を伸ばし左のつま先を天井へ向ける。
3. 背筋を伸ばしたままゆっくりと上体を前傾させる。
4. できる人はそのまま両手で左足をつかみ前屈する。
5. できる範囲で前屈し、10~20秒間キープする。
6. 脱力してゆっくりと上体を起こし、1の姿勢に戻る。
7. 右脚を伸ばし、2~6を繰り返す。
セット数の目安
左右交互に1回ずつを1セットとして3~5セットを目安に取り組みましょう。
注意するポイント
・上体を前傾させるときにつま先がしっかりと天井を向いているように意識してください。
・自然な呼吸を続けましょう。
・骨盤がずれてしまわないように常に確認しながら前屈していきましょう。
2-3 チューブを使ったストレッチ
チューブを使ったストレッチの正しいやり方
1. 床の上に両脚を伸ばして座る。背筋はしっかりと伸ばす。
2. チューブか長いタオルを左足に引っかけ、両端を手でつかむ。
3. ゆっくりと呼吸をしながら上体を床に倒し、同時に左脚を持ち上げる。
4. チューブを引く力を調整しながら太もも裏が伸びる位置で15~30秒程度キープする。
5. 左脚を下ろすのと同時に上体を起こす。
6. 1の姿勢に戻ったらチューブにかける脚を入れ替える。
7. 右脚も同じように2~6を繰り返す。
セット数の目安
左右交互に1回ずつを1セットとして5~10セットを目安に取り組みましょう。
注意するポイント
・脚を上げるタイミングと上体を下ろすタイミングを同時にするのが難しい場合は、上体を倒したまま脚だけを持ち上げるのがおすすめです。
・脚を持ち上げた時にお尻が浮いてしまわないように気を付けましょう。
・自然な呼吸を忘れずに!
2-4 ストレッチポールを使ったもも裏ほぐし
ストレッチポールを使ったもも裏ほぐしの正しいやり方
1. ストレッチポールを横向きに置き、ポールより後ろに座る。
2. 両手を肩よりも後ろにつき、ポールに太ももの裏が乗るように両脚を伸ばす。
3. 両手で体を支えながらポールの上を前後させて太もも裏をほぐす。
4. 手の着く位置を変えてポールへ当てる太ももの角度を調節する。
セット数の目安
1セット30~60秒を目安に5セット程度取り組みましょう。
注意するポイント
・肩に負荷がかかり過ぎないようにしっかりとポールに乗ってもも裏をほぐしましょう。
・両脚を乗せてバランスをとるのが難しい人は、片脚ずつ乗せてほぐしてください。
・滑りにくい床の上で行うようにしましょう。
柔軟なハムストリングを目指して
太もも裏をほぐして柔軟性を高めていくと、より効果的なトレーニングに取り組めるようになります。柔軟性はけがの予防だけでなく、疲労回復効果など多くの面でキーポイントとなってくるのです。今回紹介したストレッチはどれも手軽にできるものばかりです。呼吸をしっかりと意識しながらリラックスしてほぐしていきましょう!
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この記事のライター
茨城の筑波山生まれ。「いばらぎ」じゃなくて「いばらき」です。