バランスボールダンベルプルオーバーのやり方|体幹も同時に鍛える上半身筋トレ
ダンベルプルオーバーはやり方によって大胸筋から広背筋まで効く場所が変化する、少し特徴のあるトレーニングですが、そこにバランスボールを組み合わせることで体幹インナーマッスルにも効果があり、総合的な上半身トレーニングとして人気なのがバランスボールダンベルプルオーバーです。
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アイキャッチ画像出典:youlookgoodfor40workouts.wordpress.com
バランスボールダンベルプルオーバーが効果のある筋肉部位
大胸筋
バランスボールプルオーバーは大胸筋に効果のあるトレーニング種目で、一般的な大胸筋トレーニングが横方向に収縮刺激を加えるのに対し、本種目は縦方向に刺激を入れることのできる数少ない種目です。
このため、刺激に変化をつけたい大胸筋の発達停滞期などにメニューに組み込まれることも多い筋トレ種目です。
広背筋
また、バランスボールプルオーバーは大胸筋の拮抗筋である、背中の筋肉・広背筋にも効果の高いトレーニング方法です。特に、懸垂以外の自宅背筋トレーニングでは鍛えにくい広背筋側部にも効果があるので、ホームトレーニーにとっては重宝する種目として知られています。
体幹インナーマッスル
また、本種目はバランスボールを使った不安定な姿勢でのトレーニングですので、姿勢を安定させるために重要な役割をはたす体幹インナーマッスルに対しても副次効果があります。主な体幹インナーマッスルは以下のとおりです。
お腹の筋肉:腹筋群(腹直筋・外腹斜筋・内腹斜筋・腹横筋)
背中の筋肉:長背筋(板状筋・脊柱起立筋・横突棘筋)
▼女性のための筋肉図鑑
▼筋肉部位の構造と作用
バランスボールダンベルプルオーバーと肘の角度
まずは、こちらの動画をご覧ください。ダンベルプルオーバー時の上半身の筋肉の収縮を3DCGで再現した動画です。ダンベルプルオーバーの動作時には、大胸筋と広背筋が同時に収縮している様子がおわかりいただけると思います。
そして、本種目を行うときに、肘の角度と開き具合を調整することで、大胸筋をターゲットにしたり広背筋をターゲットにしたりすることが可能です。
出典:bukiya.net
このことを、図解でわかりやすく解説したのが上の図で、肘の角度および開き具合と効果のある筋肉部位の関係は以下のようになります。
・肘を曲げて閉じる=大胸筋
・肘を伸ばして開く=広背筋
前者を「ベントアームプルオーバー」、後者を「ストレートアームプルオーバー」と言います。
▼参照記事
ダンベルプルオーバーはフォームによって大胸筋にも広背筋にも効果のある変わった種目です。大胸筋に対しては数少ない縦方向の刺激が与えられ、また、背筋トレーニングそしては、数少ない「上から腕を引かなくても広背筋に効く」種目で懸垂設備のないトレーニ
バランスボールダンベルプルオーバーのやり方
まずは、大胸筋か広背筋のどちらかをターゲットにするかで肘の角度を決めます。つまり、前者なら肘を曲げ(ベントアーム)、後者なら肘を伸ばして(ストレートアーム)行います。なお、動画は広背筋に負荷がかかる肘を伸ばして行うバリエーションです。
■ベントアームダンベルプルオーバーの正しいやり方
1. 上背部をベンチにつけ仰向けになり胸の上にダンベルを構える。
2. 肘を曲げたままダンベルを後方に下ろす。
3. 大胸筋に意識を集中し肘を閉じながら元に戻す。
■ストレートアームダンベルプルオーバーの正しいやり方
1. 上背部をベンチにつけ仰向けになり胸の上にダンベルを構える。
2. 肘を伸ばしたままダンベルを後方に下ろす。
3. 広背筋に意識を集中し肘を開いたまま元に戻す。
■ストレートアームダンベルプルオーバーのポイント
1. 肘を曲げないように気をつける。
2. 肘を閉じないように気をつける。
3. 背中を浮かせないようにする。
■ベントアームダンベルプルオーバーのポイント
1. 肘を伸ばさないように気をつける。
2. 肘を開かないように気をつける。
3. 背中を浮かせないようにする。
バランスボールダンベルプルオーバーの負荷回数設定
筋トレで鍛える筋肉=骨格筋には三種類の筋繊維があり、それは、以下のようになります。
○遅筋(持久筋・SO筋・赤筋)
持久的な運動および筋収縮の主体となる筋繊維の種類が遅筋です。収縮する速度が遅く(Slow)、酸素(Oxygen)をエネルギーにして収縮することからSO筋と呼ばれています。筋トレにおいては、20回以上の反復回数で限界がくるような低負荷・高回数でトレーニングします。
○速筋(短瞬発筋・FG筋・白筋)
10秒以内の瞬発的・爆発的な筋収縮の主体となるのが、速筋のなかでも短瞬発筋と呼称される筋繊維です。この筋繊維は、収縮速度が非常に速く(Fast)、筋細胞内のグリコーゲン(Glycogen)をエネルギー源として収縮するのでFG筋とも呼ばれます。筋トレにおいては、10回以下の反復回数で限界がくるような高負荷・低回数でトレーニングします。
○速筋(長瞬発筋・FO筋・ピンク筋)
やや持久的な1分ほどの筋収縮の主体となるのが、もう一つの速筋である長瞬発筋と呼ばれる筋繊維です。収縮速度が比較的速く(Fast)、呼吸による酸素(Oxygen)をエネルギー源とするためFO筋とも呼ばれています。筋トレにおいては12~15回の反復回数で限界がくるような中負荷・中回数でトレーニングします。
つまり、ダイエット目的で身体を引き締めたい場合は20回、細マッチョトレーニングなどで適度に筋肥大したい場合は15回、本格的に筋肉を増やすトレーニングでは10回で反復限界がくる重さの設定でトレーニングを行ってください。
基本的なバランスボールトレーニング
自宅で気軽に取り組め、筋力に自信のない女性にとっても簡単な筋トレであるバランスボールトレーニングですが、まずは以下のような基本種目で全身をまんべんなく刺激していくとよいでしょう。
上半身の押す筋肉:バランスボール腕立て伏せ
上半身の引く筋肉:バランスボールバックエクステンション
お腹の筋肉:バランスボールクランチ
下半身の筋肉:バランスボールスクワット
なお、これら4種目の具体的なやり方は下記のリンク先をご参照ください。
また、具体的なバランスボールトレーニングの一週間のメニュープログラム例は、下記の記事をご参照ください。
バランスボールの種類と選び方
出典:wglint.com
バランスボールの標準サイズは直径が65cmタイプのものですが、小柄な女性にはやや大きく扱いづらいので、直径55cmタイプをおすすめします。
また、ホームセンターなどで安価で売られているものは安全性の観点からおすすめできません。やはり、メーカー製のアンチバースト仕様のものが、使い勝手もよく安全ですのでおすすめです。
▼バランスボールの種類と選び方
女性のダイエット筋トレや体幹トレーニングに人気のバランスボールですが、ホームセンターなどで安価に入手できるものは耐久性・弾力性などの観点からあまりおすすめできません。やはり、安心のアンチバースト仕様の有名メーカ品がグリップ感や使用感もふくめ
ダンベルの種類と選び方
出典:bukiya.net
ダンベルには、アイアンダンベル・ラバーダンベル・クロームダンベル・アーミーダンベル・アジャスタブルダンベルなど多くの種類があり、それぞれに長所と短所があります。
筆者の運営するジムでは、トレーニング目的や男女によって最適なタイプを使用していますが、具体的なダンベル各種の種類と特徴については下記の記事にまとめました。
よくある質問が「自宅筋トレに何キロのダンベルを買ったらいいですか?」というものがあります。結論とおすすめの種類を先に言えば、男性ならラバーダンベルの60kgセット、女性なら20kgのアーミーダンベルとお答えしています。 また、自宅で男女兼用で使うのであれば、最新のアジャスタブルダンベルもチョイスの一つと言えるでしょう。
おすすめできる品質のアイアンダンベルとラバーダンベルを国内主要メーカーからご紹介するとともに、楽天&Amazonの購入価格も比較できるように一覧カタログ形式にしました。是非ご活用ください。■アーミーダンベルアーミーダンベルは転がらず床や家具
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この記事のライター
アームレスリング元日本代表/ジムトレーナー/生物学博物館学芸員/一般社団法人JAWA日本アームレスリング連盟常任理事