【自重の体幹トレーニング】効果的に腹筋まわりを鍛える筋トレ方法とメニュー
筋トレの中でも注目度の高い体幹を、自重を使って効率的にトレーニングしましょう!自重は基本的に器具を使わないので安全で手軽に行うことができ、ケガの心配も少ないです。ずっと遺伝だと思っていた自分の体質すらも、このトレーニングだけで改善されるかもしれません。体幹を鍛えるメリットや具体的なやり方を徹底解説します!
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そもそも体幹とは?基礎知識をここで確認!
1. 「腹直筋」と「腹横筋」
筋肉には、表面に見える形で存在する「表層筋(アウターマッスル)」と、内部にあって目には見えない「深層筋(インナーマッスル)」の2種類があります。よくみなさんが「腹筋を割りたい」と言って鍛えるのは表層筋の「腹直筋」と呼ばれる筋肉です。対して今回ご紹介するのは、その腹直筋の奥に存在する深層筋の「腹横筋」と呼ばれる筋肉の鍛え方です。腹直筋は鍛えれば「腹筋が割れる」という非常にわかりやすい効果が現れますが、腹横筋は深層筋なので鍛えても目に見える効果は基本的に現れません。体幹やインナーマッスルを鍛えるというと、本来は腹横筋を鍛えなくてはならないのですが、ここを勘違いしてしまうと元も子もなくなってしまいます。しっかりと違いを把握しておくようにしましょう。
2. 体幹=インナーマッスルではない
実は、体幹とインナーマッスルは別の概念を指します。その違いを普段から意識してトレーニングを行っている人は非常に少ないと思います。簡単に言ってしまえば、体幹は「頭・腕・脚以外の胴体部分すべての筋肉」のことで、インナーマッスルは前述のように「体の深層部の筋肉」のことです。体幹トレーニングではインナーマッスルももちろん鍛えることができますが、それと同時にアウターマッスルも鍛えることができます。ですので、「体幹トレーニングはインナーマッスルを鍛えることだ」という認識では50点。「体幹トレーニングは身体の胴体部分の筋肉を鍛えることで、表層部の筋肉も深層部の筋肉も鍛えることができる」ここまで覚えれば文句なしの100点満点と言えます。今回はインナーマッスルもアウターマッスルも両方鍛えることのできる「体幹」のトレーニング方法について詳しく解説していきたいと思います。
3. 強い負荷はNG
体幹部を鍛えるときは、そこまで強い負荷をかける必要はありません。むしろ「もう少しできる」と感じるくらいの負荷でセット数を多くこなしたほうが効果的に筋肉に刺激を与えることができます。負荷はその姿勢の継続時間で決めることができるので、例えば「30秒姿勢をキープしたら10秒休む、これを3セット行う」などとあらかじめ秒数とセット数を決めておいて、きつければ減らしていくという風に調節するとより効率よくトレーニングを行うことができます。最大でも「ちょっときついな」と主観的に感じるくらいの負荷でやめるように心がけましょう。
体幹を鍛えると得られる効果!
1. 体質改善
身体の外側の筋肉というのは比較的誰もが意識して鍛えますが、中側の筋肉はどうでしょうか。あまり意識してトレーニングをする人はいないのではないでしょうか。中側外側関係なしに言えることではありますが、私たちの身体は筋肉量が増えれば脂肪がなくなります。脂肪がなくなるということは、まず体の引き締め効果が期待できます。そして筋肉がつくことで、太りにくく痩せやすい体質へと変わっていきます。脂肪を燃やして筋肉をつけ、さらに体質まで変えてしまうというまさに画期的なトレーニング方法といえます。
2. 代謝促進
筋肉量が増えるということは前述したとおりですが、それによりもたらされるもう一つの効果として知ってほしいのが「基礎代謝が上がる」ということです。基礎代謝というのは筋肉量と密接に関係していて、筋肉量が多い人ほど基礎代謝量が高いといわれています。基礎代謝量が上がれば何もしなくても勝手に脂肪が使われていくので、ダイエット効果が期待できるというわけです。
3. 姿勢保持
体幹の筋肉は姿勢保持にも重要な役割を果たしています。猫背や片足重心の人は体幹が安定していない可能性が高いので、この体幹部を鍛えるトレーニングをすれば自然と猫背などが治っていき、きれいな姿勢に生まれ変わることができます。姿勢が良ければスタイルもよく見えますし、何より第一印象がポジティブなものになるでしょう。
4. 腰痛や肩こりの改善
腰痛や肩こりは筋肉のコリだけでなく、骨の位置のずれから生じているケースもあるのだとか。筋肉には骨と骨をつなぎ合わせ安定させる役割があります。体幹部の筋肉を鍛えれば筋肉が安定して自分の力で骨をベストポジションに修正できるようになり、その結果腰痛や肩こりの改善につながるのです。
5. ケガをしにくくなる
体幹(特にインナーマッスルの部分)を鍛えると、身体のバランスを整えることができます。片足重心や猫背が改善されるのは前述もしましたが、こうしてバランスがよくなると転倒の危険も低くなります。「転倒なんて気を付けていれば平気」と考えていても、電車の中での急な揺れやうっかり誰かとぶつかってしまったといった突発的な場面ではどうでしょうか。こんな時にも体幹を鍛えていれば踏ん張る力がつくので、転倒を未然に防ぐことができます。
自重で効果的に体幹を鍛えるトレーニングメニュー!
1. プランク(初心者)
体幹トレーニングの中でも最もポピュラーな種目といえるでしょう。やりかたは簡単、地面にうつぶせになってから画像のように上体を腕で支えます。この時お尻や腰が下がりすぎないように注意して腹筋にしっかり力を入れましょう。まずは30秒キープしてみて、きつければ秒数を減らし大丈夫そうであればそのままもう1セット行ってみましょう。
2. サイドプランク(初心者~中級)
出典:dietcamp.me
サイドプランクも有名な体幹トレーニングの一つです。形としては普通のプランクを横向きで行うだけなのですが、身体のバランスが悪いとふらついてしまい姿勢の維持だけで一苦労です。しっかり目線は前を向き、腹筋に力を入れてお尻が後ろに突き出ないように心がけましょう。ふくらはぎが地面につかないように意識できるとさらに効果的です。秒数は通常のプランクと同じでまずは左右とも30秒キープ、そのあと自分の状態によって調節するようにしましょう。
3. シングルレッグ・ヒップリフト(初級)
出典:kin.mobi
仰向けに寝て片足を上げてから、もう片方の足を支点にお尻・背中を地面から浮かします。手は画像のように広げても手のしらを下にして体の横に沿わせておいても大丈夫です。これもお尻が下がりすぎたりしないようにしましょう。腹筋に力を入れて首から下、つま先にかけて1本の線を通したようにまっすぐとキープできるときれいなフォームになります。秒数は30秒を2セットを目安に自分の疲労度を見て調節してください。
4. シザーキック(初級)
出典:www.bing.com
仰向けになり片足ずつ交互に上下運動を行います。足は膝をなるべく伸ばしたまま上げられるところまで上げ、下げるときは地面につかないギリギリのところまで下げるようにしましょう。惰性で行うのではなく、足を上げ切ったとき、下げ切ったときに少し止める時間を作るなどして、メリハリをつけて運動するように心がけましょう。やり方は簡単なので初心者向けにしていますが、見た目以上にきついトレーニングなので初心者は左右合計10回を目安に回数を調整し、2セットから3セットくらいできるようにしてみましょう。
5. レッグツイスト(初心者)
仰向けになって手を横か八の字に開きます。そして足を膝が90度になるようにして上げて、腰から下を動かすようなイメージで左右にツイストします。ポイントは上半身が動かないように腰から下でツイストをすることです。左右ともギリギリのところまで振れたらその場で少し静止する時間を作るとさらに効果的なトレーニングとなります。秒数は30秒、2~3セットはできるようにしましょう。もしきつければ秒数を減らして、最低でも2セットはこなしましょう。
6. ドローイン(中級)
ここでどのトレーニングとも組み合わせることのできる「呼吸法」のご紹介です。呼吸法と聞いて侮るなかれ、ドローインはしっかり行えばこれだけで充分にインナーマッスルを鍛えることができる立派なトレーニングの一つです。ほかのメニューと組み合わせてもよし、ドローイン単体で行ってもよし。まずはやり方をしっかり押さえましょう。
基本的にどんな姿勢でもできますが、ここではわかりやすく仰向けに寝た状態から説明します。まず息をゆっくり大きく吸い込んでいきます。この時お腹は膨らませるのではなく、へこませていきます。胸を大きく膨らませるイメージで息を吸い込みます。そして息を吸いきったら吐いていきますが、吐くときにお腹をさらにへこませます。おへその下あたりに「丹田」と呼ばれる体の中心、気の集まる場所がありますので、そこを意識するようにするとさらに効果的なドローインをすることができます。
お腹をへこませている時間を最初は15秒を目安にして、徐々に秒数を伸ばしていけるように練習してみましょう。ほかのメニューと組み合わせる場合は、くれぐれも無理のないように注意してください。
7. ダイアゴナル(中級)
スタート姿勢はプランクと似ていますが、ダイアゴナルでは右手と左足、左手と右足という風に対角の手足を同時にあげてバランスを取りながら体幹を鍛えるというもの。これもバランスが重要になってくるので、もしあまりにもふらつくようであれば、地面についている足のつま先ではなく膝を支点にしてバランスをとってもいいでしょう。これは最初に左右20秒キープをしてみて強度を調節し、2セットくらいできるようにしましょう。
8. ロールダウン(中級)
上半身の重みを利用した体幹トレーニング。膝を90度に曲げて座り、手は膝の上に乗せておきます。そしてゆっくりと上体を後ろに倒していき、肩甲骨の下が地面につくくらいまで倒したら3秒ほど姿勢をキープして、また最初の姿勢へとゆっくり戻っていきます。とにかくゆっくり行うことで負荷は強くなります。息を止めないように注意しながら、10回×2セットを目安にきつければ回数を減らしてトレーニングしましょう。
9. ニートゥーエルボー(中級)
動きながらバランスをとるので、まさに腹筋部の体幹を鍛えるのにうってつけなメニューといえます。スタートの姿勢は膝を支点にしたダイアゴナルと同じです。右手を伸ばしたら左足も後ろに伸ばし、ここから少し動きが加わります。対角(ここでは右手左足)の手足を伸ばした状態から徐々に体の中心に集めていき、ちょうど肘と膝が胸の真下あたりでピッタリつくようにします。肘と膝がついたらゆっくりと元も姿勢に戻っていきます。これを左右10回ずつ行い、回数を調節しながら2~3セットできるようにしましょう。
10. 水平クランチ(中級~上級)
膝を90度にした状態で仰向けになった後、膝の角度をキープしながら地面とすねが水平になるように足を上げます。上体は肩甲骨が地面につかないくらいを意識してキープし、目線は太もものあたりを見るようにします。手も地面と水平に指先までしっかりと伸ばしてこの姿勢をキープしましょう。息を止めてしまいがちなのでその点には注意を払い、バランスをとってなるべくふらつかないようにします。秒数は15秒キープしてみて調節し、2セットは最低でもこなせるようにしましょう。
11. ツイストクランチ(上級)
基本姿勢は水平クランチと同じですが、それに捻る動作を加えさらにバランスをとるのを難しくした上級者向けのトレーニングメニューです。水平クランチの姿勢から手を頭の後ろに組んで、右手を前に出す時は左足を、左手を前に出す時は右足を引き寄せ、画像のように捻って体幹部を刺激します。引き寄せないほうの足は伸ばして地面にはつけないように意識しましょう。膝は90度を保ち、呼吸も止めないように注意しましょう。回数は左右10回を目安に、2~3セットはできるようにしましょう。
12. サイドブリッジ(上級)
最後にご紹介するのはサイドブリッジというトレーニングです。サイドブリッジはサイドプランクと似ていますが、腕を伸ばした状態で行うのでよりバランス感覚が求められます。注意するところもサイドプランクと同じで、お尻が落ちすぎないこと、ふくらはぎを地面につけないようにすること、腰を後ろに引かないこと上げているほうの足の膝はなるべく伸ばしたままにすることなどに気をつけましょう。
このトレーニングは左右10秒ずつを1セットとし、3セットを目標にしてやってみましょう。ちょっときついと感じたらセット数を減らし、交互に同じ回数だけ行うように注意してください。
メニューを組み合わせて自分だけのワークアウトを作ろう!
ここまで紹介してきたメニューを組み合わせて、自分だけのワークアウトメニューを作ってみましょう。
【30秒トレーニング→10秒休み】を7回繰り返し、半分で30秒の長めの休憩を入れると、ちょうど5分間のワークアウトをすることができます。以下はワークアウトの例です。ご参考までにどうぞ!
1. プランク(30秒トレーニング→10秒休み)
2. サイドプランク右(30秒トレーニング→10秒休み)
3. サイドプランク左(30秒トレーニング)
~30秒の長めの休憩~
4. レッグツイスト(30秒トレーニング→10秒休み)
5. ダイアゴナル右(30秒トレーニング→10秒休み)
6. ダイアゴナル左(30秒トレーニング→10秒休み)
7. 水平クランチ(30秒トレーニング→10秒休み)
ここまででちょうど5分間のトレーニングとなります。これを1日に最低1セットはやる、1日複数セットやってセットごとに少しずつ内容を変えてみようなど、工夫をすれば自分だけのオリジナルメニューを作ることだってできます。自分で作ったメニューですから、モチベーションも高く維持できるのでは?
体幹トレーニングは負荷がそこまで強くない分「本当に効いているのかな?」と不安に思うこともあるかと思いますが、その刺激は確実に身体の奥まで届いています。続けることで強い身体の芯を手に入れて、外見だけじゃなく中身も強い最強の肉体を手に入れましょう!
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この記事のライター
都内在住、スポーツと音楽と食べることが大好きな体育大学3年生。体育大生とはいえ本人はインドアも好んでいたり。休日は外でバリバリサッカーを教えていたり、友達とカフェ巡りやらショッピングをしたり、おでかけしたり、家にひきこもったり。大学で学んだ知識などを活かしてフィットネス系の記事を主に書いています。でんぱ組.incと水族館が大好きです。どうぞよろしくお願いします。