マシンチェストプレス|大胸筋の基本ジム筋トレのやり方と適切な重量回数設定を解説
ジムでのマシントレーニングで、大胸筋の基本種目となるのがチェストプレスです。そのやり方を動画をまじえて解説するとともに、怪我を防止するための注意点を解説します。また、あわせて筋トレ目的別に適切な重量回数設定もご紹介します。
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アイキャッチ画像出典:weighttraining.guide
マシンチェストプレスが効果のある筋肉
大胸筋を中心に三角筋と上腕三頭筋など
マシンチェストプレスは、胸の筋肉・大胸筋を中心に肩の筋肉・三角筋、腕の筋肉・上腕三頭筋に効果があります。 このほかに、小胸筋や前鋸筋といった大胸筋周辺のインナーマッスルにも効果的です。
大胸筋の英語名称・構造・部位詳細・起始停止
読みかた:だいきょうきん
英語名称:pectoralis major muscle
部位詳細:上部|中部(内側)|下部
起始:鎖骨の内側|胸骨前面第2~第6肋軟骨|腹直筋鞘前葉
停止:上腕骨大結節稜
大胸筋は体幹上部前面に位置する筋肉で上部・下部・内側・外側に部位わけされます。その作用と共働筋は以下の通りです。
○大胸筋上部
腕を斜め上方に押し出す作用があり、三角筋前部と共働します。
○大胸筋下部
腕を斜め下方に押し出す作用があり、上腕三頭筋長頭と共働します。
○大胸筋内側
腕を閉じ前方に押し出す作用があり、前鋸筋と共働します。
○大胸筋外側
開いた腕を閉じる作用があり、小胸筋と共働します。
三角筋の英語名称・構造・部位詳細・起始停止
読みかた:さんかくきん
英語名称:deltoid muscle
部位詳細:前部|中部(側部)|後部
起始:鎖骨外側前縁|肩甲骨肩峰|肩甲骨肩甲棘
停止:上腕骨三角筋粗面
三角筋は上腕最上部に位置する筋肉で腕を上方に押し出す作用があり大胸筋と共働します。また、前部・側部・後部の三部位に分けられますが、それぞれの作用と共働筋は以下の通りです。
○三角筋前部
腕を前に上げる作用があり、この動作では僧帽筋と共働します。
○三角筋側部
腕を横に上げる作用があり、この動作では僧帽筋と共働します。
○三角筋後部
腕を後ろに上げる作用があり、この動作では広背筋と共働します。
上腕三頭筋の英語名称・構造・部位詳細・起始停止
読みかた:じょうわんさんとうきん
英語名称:triceps
部位詳細:長頭|外側頭|内側頭
起始:肩甲骨関節下結節|上腕骨後面|上腕骨後面
停止:尺骨肘頭
上腕三頭筋は上腕の後面に位置する筋肉で上腕筋群のなかで最大の筋肉です。長頭と短頭(内側頭・外側頭)に部位わけされ、その作用と共働筋は以下の通りです。
○上腕三頭筋長頭
肘関節を伸展させる作用と上腕を回外させる作用があり、回旋動作では回旋腱筋版と共働します。
○上腕三頭筋外側頭
肘関節を伸展させる作用があり、この動作では上腕三頭筋内側頭と共働します。
○上腕三頭筋内側頭
肘関節を伸展させる作用があり、この動作では上腕三頭筋外側頭の補助として共働します。
なお、さらに詳しい筋肉の名称と作用については下記の記事をご参照ください。
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マシンチェストプレスのやり方と注意点
肩関節に負担のないように注意して動作する
こちらが模範的なマシンチェストプレスの動画です。マシントレーニング全般にも言えることですが、マシンは動作の軌道が決まっており、多くは直線軌道ですので、曲線運動である筋肉の動作とは完全に軌道が一致することはありません。
この軌道の歪みは、固定されたマシンではなく柔らかい人間の筋肉と関節にずれとなって生じます。ですので、事前に軽い重量で十分にフォームと軌道の確認を行う必要があります。
■マシンチェストプレスの正しいやり方
1. 肩などに負担のないようにシートを調整する。
2. 肩甲骨を寄せたまま前方に腕を押し出す。
3. ゆっくりと効かせながら元の位置に戻る。
マシンチェストプレスの場合、最大の注意点は肩関節より拳が下になるようにシート高を調整することです。これにより、肩関節への負担が大幅に軽減されます。
また、軌道が大きく変化する深いポジション(大胸筋を最大伸展させる位置)までは肘を引かないことをおすすめします。
大胸筋上部に効果的なインクラインマシンチェストプレス
大胸筋のなかでも上部に効果の高いバリエーションが、斜め上方へ腕を押し出す軌道で動作を行うインクラインマシンチェストプレスです。背中を浮かせたりすると、せっかくの斜め上方への軌道が失われますので、セット中は常にしっかりとシートに背中をつけて動作を行ってください。
大胸筋下部に効果の高いデクラインマシンチェストプレス
大胸筋のなかでも最も体積が大きく、鍛えることで全体のボリュームアップになるのが大胸筋下部で、この部位に対して集中的な効果があるのがデクラインマシンチェストプレスです。
マシンチェストプレスの目的別の重量回数設定
筋トレで鍛える筋肉=骨格筋には三種類の筋繊維があり、それは、以下のようになります。
○遅筋(持久筋・SO筋・赤筋)
持久的な運動および筋収縮の主体となる筋繊維の種類が遅筋です。収縮する速度が遅く(Slow)、酸素(Oxygen)をエネルギーにして収縮することからSO筋と呼ばれています。筋トレにおいては、20回以上の反復回数で限界がくるような低負荷・高回数でトレーニングします。
○速筋(短瞬発筋・FG筋・白筋)
10秒以内の瞬発的・爆発的な筋収縮の主体となるのが、速筋のなかでも短瞬発筋と呼称される筋繊維です。この筋繊維は、収縮速度が非常に速く(Fast)、筋細胞内のグリコーゲン(Glycogen)をエネルギー源として収縮するのでFG筋とも呼ばれます。筋トレにおいては、10回以下の反復回数で限界がくるような高負荷・低回数でトレーニングします。
○速筋(長瞬発筋・FO筋・ピンク筋)
やや持久的な1分ほどの筋収縮の主体となるのが、もう一つの速筋である長瞬発筋と呼ばれる筋繊維です。収縮速度が比較的速く(Fast)、呼吸による酸素(Oxygen)をエネルギー源とするためFO筋とも呼ばれています。筋トレにおいては12~15回の反復回数で限界がくるような中負荷・中回数でトレーニングします。
つまり、ダイエット目的で身体を引き締めたい場合は20回、細マッチョトレーニングなどで適度に筋肥大したい場合は15回、本格的に筋肉を増やすトレーニングでは10回で反復限界がくる重さの設定でトレーニングを行ってください。
マシンチェストプレスにおすすめの筋トレグッズ
手首の保護にリストラップを
大胸筋トレーニングで注意したいのが手首への負担ですが、リストラップと呼ばれるトレーニンググッズを手首に巻くことで、手首関節を保護・補強でき、効率的な筋トレを行うことが可能です。
このほかにも、スミスマシンベンチプレスにはトレーニングベルトなども必要となります。筆者のジムで実際に使用しているおすすめのタイプを下記の記事にまとめましたので、是非、ご参照ください。
▼おすすめの筋トレグッズを見る
参照記事
競技団体による正しい筋トレ知識メディア 【トレーニング情報コーナートップへ】 初心者のためのジムマシントレーニ
競技団体による正しい筋トレ知識メディア 【トレーニング情報コーナートップへ】 自宅(自重トレーニング・チューブ
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この記事のライター
アームレスリング元日本代表/ジムトレーナー/生物学博物館学芸員/一般社団法人JAWA日本アームレスリング連盟常任理事