意外と知らない?腹筋トレーニングを効果的にする呼吸法
これから夏本番を迎えるにあたって腹筋トレーニングを始めた人も多いのではないでしょうか?「思ったより腹筋が割れない」と感じている人必見です。正しい呼吸法を取り入れるだけであっという間に欲しい腹筋が手に入ります。今回は道具を使わずに、家で手軽にできるトレーニングと共に呼吸法を紹介します。
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アイキャッチ画像出典:toughmudder.co.uk
腹筋の構成
腹筋トレーニングをする際には腹筋の構造を理解して、意識しながらトレーニングを進めていくことも大切です。呼吸法やトレーニング内容に入る前に、簡単に腹筋の構造について説明します。
まず腹筋はシックスパックで知られる「腹直筋」とその両脇に広がる「腹斜筋」の大きく分けると2つに分類されます。
腹直筋とは「アウターマッスル」と呼ばれる、すぐに外見に分かる筋肉を指します。激しい運動や筋トレをすると短期間でつき、主に姿勢を保ったりスポーツにおけるあらゆる動きをサポートする筋肉です。
それに対して腹斜筋とは「インナーマッスル」と呼ばれる、腹部の内臓を支えるコルセットのような役割をする筋肉を指します。腹筋を鍛えるにあたって腹斜筋は必要不可欠です。
なぜならインナーマッスルがしっかり鍛えられていないと、きれいなシックスパックを保つことができないからです。
また腹斜筋を鍛えることできれいな逆三角形のくびれも手に入ります。腹直筋などのアウターマッスルに比べてなかなか筋トレの効果が見えにくいインナーマッスルですが、地道なトレーニングを積み重ねていきましょう。
腹筋トレーニングに必須な呼吸法
先述した通り、腹筋には鍛えるべき2つの筋肉があります。
しかし、ただ単にトレーニングをしただけでは筋肉はつきません。トレーニングと同時に、鍛える筋肉に合わせた正しい呼吸法が必要なのです。
腹筋トレーニングに必要な呼吸法は案外知られていませんが、その効果は抜群です。普段の腹筋トレーニングに正しい呼吸法をプラスするだけで、筋肉のつくスピードも速くなり質も圧倒的に良くなります。
まず腹筋トレーニングの際に意識するべき呼吸の仕方として、
「身体を起こすとき」に息を吐く、
「身体を倒すとき」に息を吸う、
という2つを前提条件として実践していきましょう。
また、より強力なトレーニングをしたい場合は身体を倒す際のスピードを遅くすることで、より大きな負荷がかかります。すぐにでも筋トレの効果を実感したい人はぜひ試してみてください。
腹直筋トレーニングでの呼吸法
腹直筋のトレーニングでは、筋肉へ集中的に負荷がかかるため息を止めてしまう人が多くいます。しかしそれはトレーニング的に逆効果であり、血圧も急激に上がってしまうため危険を伴います。
まずは呼吸を忘れずにし続けることを目標に正しい呼吸法も身に着けていきましょう。
腹直筋トレーニングでは鼻から息を吸い、口から息を吐くことに注意します。
口から息を吐く際には、口笛を吹くように細く強く息を吐きましょう。息を吐いたときに呼吸音が出ていると、正しい呼吸法に近づいている証拠です。
そして息を吐く際には、1回で一気に息を吐き切るようにしましょう。
最初は1回でお腹の中の空気を全て吐き切ることが難しいかもしれません。そんな時はトレーニングのスピードを落として、しっかりと呼吸を吐き切ることを意識してください。
この呼吸法することによって、ただ腹筋トレーニングをした時よりもより大きな負荷が腹筋に加わり、いつもと同じ腹筋トレーニングも効果が別格のものへと変化します。
腹斜筋トレーニングでの呼吸法
腹斜筋のトレーニングでは、「腹式呼吸」と呼ばれる呼吸法を行います。
腹式呼吸といえば合唱の際に使われる呼吸法として有名ですが、実は腹筋トレーニングにはなくてはならないものなのです。
腹式呼吸とは、「鼻から吸った空気をお腹に入れて、口から吸った空気を吐き切る」ものです。
まず「空気をお腹に入れる」ということがよく分からないかもしれませんが、そんな時は床に仰向けになってお腹の上に手をのせながら、約5秒間かけてゆっくりと鼻から息を吸ってみてください。息を吸った際にお腹が膨らむことを確認できると思います。
これがいわゆる「空気をおなかに入れる」という状態です。
また、息を吐く際は腹直筋トレーニングの呼吸法と同様、口から細く長く息を吐き切ります。約5秒間かけてゆっくりと吐き出してください。空気を吐き終わった時にお腹が薄くなっていたら、しっかり吐き切れている証拠です。お腹の中の空気を全て絞り出すイメージで吐き切りましょう。
この一連の流れが腹式呼吸のやり方です。
この呼吸法を腹斜筋のトレーニングに取り入れて行います。
すなわち腹斜筋のトレーニングは、1回1回をとてもゆっくり行うことになります。腹式呼吸はお腹の中の空気を吐き切ることに大きな意味があるため、丁寧に時間をかけてトレーニングを進めていきましょう。
また、腹式呼吸を身に着けることによって脂肪燃焼効果を上げることができるため、無駄な脂肪を落としながらしっかりと筋肉をつけることができるようになります。
分かりやすい腹式呼吸の動画も参考にしながら、ぜひ実践してみてください。
腹直筋トレーニング
Vシット(V字腹筋)
出典:www.st38.net
出典:www.st38.net
ダイレクトにシックスパックを鍛え上げるのにつながるトレーニングです。初めはきつく感じるかもしれませんが、継続的に実践していくことですぐに効果が現れます。
まず仰向けに寝て、両腕は頭の上でバンザイのポーズにします。
あごを引き、お腹を覗き込むようにしながら両脚と上半身を持ち上げます。このときに勢いや反動で身体を持ち上げないように注意しましょう。
次に、息を吐きながら両手で足のつま先を触り、身体がV字になったらゆっくりと仰向けの状態へ戻します。
この動き20回を1セットとして3セット目標で行うことがおすすめです。
初めはセット数を少なくして、徐々に増やしていくのもよいでしょう。
フロントブリッジ
フロントブリッジは腹筋トレーニングの中では珍しく、うつぶせで行うトレーニングです。腰痛の人は反り腰にならないように注意しながら行ってください。
まずうつぶせになり、手の平~肘までを床に着けます。このとき両脚は伸ばし、つま先は曲げて身体を支えます。
次に腰を床から浮かせて、頭からつま先にかけて平らになるように上体を保ちます。だいたい30秒~1分程度キープできるとより効果があります。
このトレーニングはその日の身体の状態に合わせて時間を調整するようにしてください。
腹斜筋トレーニング
ツイスティング・クランチ
ツイスティング・クランチはウエストの引き締め、腹部の脂肪燃焼に効果的なトレーニングです。
まず両膝を立て仰向けになり、手は頭の後ろで組んで置いておきます。このとき両ひざの間はこぶし1つぶんあけておいてください。
次に右肘と左膝をつけるようにゆっくりと上体を起こします。上体を起こした際、しっかりとウエストがひねられているかを確認しましょう。右肘と左膝が限界まで近づいたら、起きてきた軌道を通って仰向けの状態に戻ります。
これを左右交互に繰り返します。左右1回で1セットとすると15~20セットがおすすめです。
レッグレイズ・ツイスト
レッグレイズ・ツイストは腹筋はもちろん、太ももの内転筋も鍛えられる一石二鳥トレーニングです。
まず仰向けに寝て両手を広げ、両足を床と垂直に上げます。
次に腹筋を意識しながら、両脚を左右交互に一定の速度で倒していきます。床に足が付く直前で動きを止め、同じ軌道を通って床と脚を垂直な状態に戻します。このとき上体が動いてしまわないように気を付けましょう。
左右15回を2~3セット行うのがおすすめです。
また、腰痛がある人は膝を緩めて同じことを行ってください。
サイドクランチ
サイドクランチは、腹斜筋を重点的に鍛えたい人におすすめなトレーニングです。
まず床に横になり両足をそろえます。このとき膝を少し曲げても構いません。
下側の手は腹斜筋に添え、上側の手は頭の後ろに添えます。胴はまっすぐにしたまま保ち、脚は上体より後ろに行かないように気を付けましょう。
上体を持ち上げる時は、脇を潰すイメージでゆっくりと持ち上げます。
両サイド10〜15回を3セット行うのがおすすめです。
夏はもうすぐ
初めから全てのトレーニングをたくさんこなす必要はありません。
回数をこなすことよりも、正しい呼吸法と腹筋トレーニングを丁寧に行うことの方が重要です。
自分のこなせる範囲内で、無理のないように少しずつ継続させていくこと心がけてください。
例えば、今回取り上げたトレーニングのうち数個をピックアップして、自分専用のトレーニングメニューを作っても良いでしょう。
最初はきつく感じる呼吸法も、徐々に簡単にこなせるようになります。それは腹筋周りの筋肉がしっかりと定着した証拠でもあります。
ほんの数日で効果の現れる筋肉もあれば効果を実感しにくい筋肉もありますが、どれも魅力的な身体を作るためには欠かせないものです。バランスのとれた筋肉トレーニングを続け、素敵な夏を手に入れましょう。
夏へ向けた身体作り、まだ間に合います。
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この記事のライター
茨城の筑波山生まれ。「いばらぎ」じゃなくて「いばらき」です。