ワンハンドローイングのやり方|角度により効果のある部位やベンチなしのやり方
ワンハンドローイングは、自宅でダンベルを使って効果的に背筋群を鍛えられるダンベル筋トレ種目で、角度により効く部位が変化します。各バリエーションを解説するとともに、ベンチなしで行う方法もご紹介します。
- 75,206views
- B!
アイキャッチ画像出典:seannal.com
ワンハンドローイングが効果のある筋肉部位
背筋群を中心に上半身の引く筋肉全体に効果的
ワンハンドローイングは、背筋群全体に効果のあるダンベルトレーニングで、なかでも背中側部の広背筋、背中中央部の僧帽筋に高い効果があります。
また、トレーニングの姿勢を維持する動作のなかで、脊柱起立筋を中心とした背骨沿いの筋肉群=長背筋群にも副次的効果があります。
さらには、肘を屈曲させる動作をともなうので二の腕前側の筋肉・上腕二頭筋、ダンベルを握る動作で前腕筋群などにも効果のある、上半身の引く筋肉の基本トレーニングとも言える種目です。
なお、さらに詳しい全身の筋肉の名称と作用に関しては、下記の記事をご参照ください。
▼関連記事
参照記事
ワンハンドローイングのやり方とポイント
ワンハンドダンベルローイングの最も基本的なやり方がこちらの動画で、その手順は以下の通りです。
■ワンハンドダンベルローイングの正しいやり方
1. 片膝と片手をベンチにつき背すじを伸ばして構える。
2. 前を見て背中を丸めないようにダンベルを引き上げる。
3. 肩甲骨を寄せきり背筋群を完全収縮させる。
4. ゆっくりと効かせながら元の位置までダンベルを下ろす。
■ワンハンドダンベルローイングのポイント
1. セット中は背中を丸めないように気をつける。
2. 体幹をひねり背筋群を最大幅で動かすようにする。
ワンハンドダンベルローイングの最大のメリットは、片手で行うことにより広い動作範囲がとれることです。このため、体幹のひねりを加えながら、最大幅で動作を行い、背筋群を最大伸展・最大収縮させてください。
また、肩甲骨の寄せが甘く、背中が丸まった様態で動作を行うと、負荷が背筋群ではなく上腕二頭筋に逃げてしまいますので注意が必要です。
ダンベルの種類と選び方
出典:bukiya.net
ダンベルには、アイアンダンベル・ラバーダンベル・クロームダンベル・アーミーダンベル・アジャスタブルダンベルなど多くの種類があり、それぞれに長所と短所があります。
筆者の運営するジムでは、トレーニング目的や男女によって最適なタイプを使用していますが、具体的なダンベル各種の種類と特徴については下記の記事にまとめました。
よくある質問が「自宅筋トレに何キロのダンベルを買ったらいいですか?」というものがあります。結論とおすすめの種類を先に言えば、男性ならラバーダンベルの60kgセット、女性なら20kgのアーミーダンベルとお答えしています。 また、自宅で男女兼用で使うのであれば、最新のアジャスタブルダンベルもチョイスの一つと言えるでしょう。
おすすめできる品質のアイアンダンベルとラバーダンベルを国内主要メーカーからご紹介するとともに、楽天&Amazonの購入価格も比較できるように一覧カタログ形式にしました。是非ご活用ください。■アーミーダンベルアーミーダンベルは転がらず床や家具
ワンハンドダンベルローイングの目的別の回数設定
筋トレで鍛える筋肉=骨格筋には三種類の筋繊維があり、それは、以下のようになります。
○遅筋(持久筋・SO筋・赤筋)
持久的な運動および筋収縮の主体となる筋繊維の種類が遅筋です。収縮する速度が遅く(Slow)、酸素(Oxygen)をエネルギーにして収縮することからSO筋と呼ばれています。筋トレにおいては、20回以上の反復回数で限界がくるような低負荷・高回数でトレーニングします。
○速筋(短瞬発筋・FG筋・白筋)
10秒以内の瞬発的・爆発的な筋収縮の主体となるのが、速筋のなかでも短瞬発筋と呼称される筋繊維です。この筋繊維は、収縮速度が非常に速く(Fast)、筋細胞内のグリコーゲン(Glycogen)をエネルギー源として収縮するのでFG筋とも呼ばれます。筋トレにおいては、10回以下の反復回数で限界がくるような高負荷・低回数でトレーニングします。
○速筋(長瞬発筋・FO筋・ピンク筋)
やや持久的な1分ほどの筋収縮の主体となるのが、もう一つの速筋である長瞬発筋と呼ばれる筋繊維です。収縮速度が比較的速く(Fast)、呼吸による酸素(Oxygen)をエネルギー源とするためFO筋とも呼ばれています。筋トレにおいては12~15回の反復回数で限界がくるような中負荷・中回数でトレーニングします。
つまり、ダイエット目的で身体を引き締めたい場合は20回、細マッチョトレーニングなどで適度に筋肥大したい場合は15回、本格的に筋肉を増やすトレーニングでは10回で反復限界がくる重さの設定でトレーニングを行ってください。
参照記事
角度を変えて広背筋側部に効かせるデクラインワンハンドローイング
先にご紹介した通常のワンハンドローイングは、僧帽筋および広背筋のなかでも中央部に効果の高いトレーニングで、上半身の厚みをつけるのには適していますが、逆三角形の広がりを作るために重要な「広背筋側部」にはあまり負荷がかかりません。これは、以下のような広背筋の部位別の作用と関わっており、通常のダンベルローイングが動作軌道が斜め下方から腕を引き寄せる軌道になるからです。
■広背筋の部位と作用
1. 広背筋中央部:腕を下方と前方から引き寄せる。
2. 広背筋側部:腕を上方から引き寄せる。
上の動画はデクラインダンベルローイングと呼ばれる、広背筋側部に負荷を加えられるやや特殊なワンハンドローイングのバリエーションで、上半身を大きく倒してやや下方に向けることで「腕を斜め上方から引く軌道」でダンベルを引き上げ、広背筋側部に負荷を加えられるバリエーションです。
ベンチを使わないウォールワンハンドローイング
ベンチを使わずに壁に手をついて行うウォールワンハンドダンベルローイングは、トレーニングベンチのない環境で行うのに適したバリエーションです。通常のワンハンドローイングに比べて、腰に負担がかかりやすいので、より慎重に「背中を丸めず動作を行う」意識が必要になります。
ワンハンドローイングの効果を高めるグッズ類
パワーグリップやリストストラップがおすすめ
■パワーグリップ
■リストストラップ(エイトストラップ型)
特に初心者の方で、ワンハンドダンベルローイングで多いケースが「背筋力よりも先に握力がなくなってしまい、十分に追い込めない」というものです。
ワンハンドダンベルローイングに限らず、筋トレは101%で追い込んではじめて大きな効果がでます。写真おパワーグリップやリストストラップなどの握力補助グッズを使用して、確実に背中の筋肉を追い込むことをおすすめします。
なお、筋トレにおすすめの実際に筆者のジムでも使用しているグッズ類につきましては、下記の記事にまとめてありますので、是非ご参照ください。
▼筋トレ効果を高める器具グッズ類を見る
参照記事
この記事のキーワード
この記事のライター
アームレスリング元日本代表/ジムトレーナー/生物学博物館学芸員/一般社団法人JAWA日本アームレスリング連盟常任理事