ダンベルデッドリフトのやり方|目的別の重さの決め方と呼吸方法を解説
ダンベルデッドリフトは自宅での背筋トレーニングのなかでも、ずば抜けて高い負荷をかけて鍛えられる種目です。しかし、効果の高い反面、正しいフォームで行わなければ腰痛を引き起こすリスクもありますので、まずはしっかりと基本を知ってから取り組みましょう。
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アイキャッチ画像出典:www.stack.com
ダンベルデッドリフトが効果のある筋肉部位
僧帽筋
ダンベルデッドリフトの効果の高い筋肉部位として、まず上げられるのが背中中央部の筋肉である僧帽筋です。僧帽筋は肩甲骨を引き寄せる作用を持っているので、特にダンベルデッドリフトのフィニッシュポジション近くで高い負荷がかかります。
広背筋
僧帽筋とならんでダンベルデッドリフトの効果が高い筋肉部位が、背中の筋肉である広背筋です。なかでも、下から腕を引き寄せる作用のある中央部に対して高い負荷がかかります。
脊柱起立筋・臀筋群・大腿四頭筋・ハムストリングスにも効果がある
ダンベルデッドリフトが効果のある筋肉部位は全身におよび、脊柱沿いのインナーマッスル・脊柱起立筋、お尻の筋肉・臀筋群、太もも前側の筋肉・大腿四頭筋、太もも裏側の筋肉・ハムストリングスにも効果があります。
さらに詳しい全身の筋肉の名称・作用などについては下記の記事をご参照ください。
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ダンベルデッドリフトの正しいやり方
ダンベルデッドリフトにはさまざまなバリエーションがありますが、こちらの動画のルーマニアンダンベルデッドリフトがもっともスタンダードな種目で、そのやり方と動作ポイントは以下の通りです。
■ダンベルデッドリフトの正しいやり方
1. ダンベルを両手に持ち胸を張って構える。
2. 膝を軽く曲げ背中を反らせたままダンベルを下ろす。
3. やや上を見ながらダンベルを太ももに沿わせて引き上げる。
4. 肩甲骨を寄せきり背筋群を完全に収縮させる。
■ダンベルデッドリフトの動作ポイント
1. 背中を丸めない。
2. お尻を突き出し膝を曲げる。
3. 膝をつま先より前に出さない。
ダンベルデッドリフトの正しい呼吸方法
一般的にウエイトトレーニングにおける呼吸方法の基本は、「力を入れながら息を吐き、戻ってから息を吸う」というもので、これは筋肉が息を吐く時に収縮し、息を吸う時に弛緩する特性を考慮してのことです。
ダンベルデッドリフトのなかでも特に高負荷、おおよその目安として片手の重量が20kgを超えるような場合、一般的な呼吸方法とはやや異なり、「息を吸って胸にためたまま挙上を行い、引き上げた位置で息を吐いて吸い、息をためたまま下ろす」というのが正しい呼吸方法になります。
こうれは、高重量トレーニング時に共通で、重量を移動させるときには息をためて腹圧を高め、最大筋力を向上させることが目的です。
ダンベルデッドリフトの目的別の重さの決め方
筋トレで鍛える筋肉=骨格筋には三種類の筋繊維があり、それは、以下のようになります。
○遅筋(持久筋・SO筋・赤筋)
持久的な運動および筋収縮の主体となる筋繊維の種類が遅筋です。収縮する速度が遅く(Slow)、酸素(Oxygen)をエネルギーにして収縮することからSO筋と呼ばれています。筋トレにおいては、20回以上の反復回数で限界がくるような低負荷・高回数でトレーニングします。
○速筋(短瞬発筋・FG筋・白筋)
10秒以内の瞬発的・爆発的な筋収縮の主体となるのが、速筋のなかでも短瞬発筋と呼称される筋繊維です。この筋繊維は、収縮速度が非常に速く(Fast)、筋細胞内のグリコーゲン(Glycogen)をエネルギー源として収縮するのでFG筋とも呼ばれます。筋トレにおいては、10回以下の反復回数で限界がくるような高負荷・低回数でトレーニングします。
○速筋(長瞬発筋・FO筋・ピンク筋)
やや持久的な1分ほどの筋収縮の主体となるのが、もう一つの速筋である長瞬発筋と呼ばれる筋繊維です。収縮速度が比較的速く(Fast)、呼吸による酸素(Oxygen)をエネルギー源とするためFO筋とも呼ばれています。筋トレにおいては12~15回の反復回数で限界がくるような中負荷・中回数でトレーニングします。
つまり、ダイエット目的で身体を引き締めたい場合は20回、細マッチョトレーニングなどで適度に筋肥大したい場合は15回、本格的に筋肉を増やすトレーニングでは10回で反復限界がくる重さの設定でトレーニングを行ってください。
参照記事
下半身を同時に鍛えるスモウデッドリフト
ダンベルスモウデッドリフトは、大きく足を開いて行うバリエーションで、足と足の間でダンベルを保持してデッドリフト動作を行います。
大腿四頭筋・臀筋群といった下半身にも強い負荷がかかり、背筋群と同時に鍛えられるのが最大の特徴で、特にダイエット系トレーニングのダンベルデッドリフトの定番として人気があります。
動作ポイントはルーマニアンスタイルとほぼ同じですが、本種目ではつま先と膝を曲げる方向を揃えることに特に注意してください。内股になったり、外股になった状態で動作を行うと、膝関節に強い捻れ負荷がかかってしまいます。
ハムストリングスを鍛えるスティッフレッグドデッドリフト
スティッフレッグドダンベルデッドリフトは、膝を曲げずに行うバリエーションで、太もも裏側のハムストリングスから臀筋群にかけての下半身背面=ヒップラインに大きな効果があります。このため、ダイエット系トレーニング・ヒップアップトレーニングとして人気です。
本種目は高重量を追及するタイプのトレーニングではなく、筋肉を完全伸展させることにより効果を高める「ストレッチ系筋トレ」ですので、15回~20回の反復が可能な重量設定で行ってください。
参考にした公的サイト
ダンベルデッドリフトにおすすめの筋トレグッズ
トレーニングベルト
トレーニングベルトは腰を締め付けて筋力をサポートすることにより「腰を保護する」働きがあるほか、腹圧を高めることによって「最大筋力を向上させる」作用があります。
自宅での筋トレでも、とくに追い込んだ効果的なトレーニングを行い方には必須のアイテムです。
なかでも、写真のようなナイロン製のタイプは簡単に洗濯できて清潔な上、丸めるととてもコンパクトになりますので、公営ジムなどに出かけるときにも便利です。
パワーグリップorリストストラップ
ダンベルデッドリフトで多いケースが「背筋力よりも先に握力がなくなってしまい、十分に追い込めない」というものです。
筋トレは101%で追い込んではじめて大きな効果がでます。下記の写真のようなパワーグリップやリストストラップなどの握力補助グッズを使用して、確実に背中の筋肉を追い込むことをおすすめします。
なお、筋トレにおすすめの実際に筆者のジムでも使用しているグッズ類につきましては、下記の記事にまとめてありますので、是非ご参照ください。
▼筋トレ効果を高める器具グッズ類を見る
参照記事
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この記事のライター
アームレスリング元日本代表/ジムトレーナー/生物学博物館学芸員/一般社団法人JAWA日本アームレスリング連盟常任理事