ダンベルプレス厳選5種類|効果的なフォームや床でのやり方も解説
大胸筋を鍛えるウエイトトレーニングとして、多くの人が初めに体験するのがダンベルプレスです。しかし間違ったフォームで行うと効果がないばかりか、肩を痛めるリスクもあります。今回は、効果のある筋肉部位別に4種類のダンベルプレスをご紹介するとともに、トレーニングベンチがない場合の床でのやり方も解説します。
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アイキャッチ画像出典:jawa-armwrestling.org
ダンベルプレスが効果のある筋肉
大胸筋・三角筋・上腕三頭筋に効果がある
ダンベルプレスは主に、胸の筋肉・大胸筋、肩の筋肉・三角筋、腕の後側の筋肉・上腕三頭筋といった上半身の押す筋肉群全て効果があるプッシュ系ダンベルトレーニングの基本種目です。
まずは、これら3つの上半身の押す筋肉の作用と共働関係を解説します。
大胸筋の部位分け
大胸筋は大きく上部・下部・中央部(内側・外側)の3つの部位に分けることができ、それぞれに作用が異なります。
○大胸筋上部
大胸筋上部は斜め上前方に上腕を押し出す作用があり、三角筋との共働関係の強い部位です。
○大胸筋下部
大胸筋下部は斜め下前方に上腕を押し出す作用があり、上腕三頭筋との共働関係の強い部位です。
○大胸筋中央部(内側・外側)
大胸筋内側は上腕を前方で閉じる作用があり、前鋸筋と共働関係の強い部位です。また、大胸筋外側は開いた上腕を閉じる作用があり、小胸筋と共働関係の強い部位です。
三角筋の部位分け
三角筋は前部・側部・後部の3つの部位にわけられますが、そのなかで上腕を前方および斜め上前方に押し出す作用のあるのが三角筋前部です。大胸筋上部と強い共働関係にあります。
上腕三頭筋の部位分け
上腕三頭筋は長頭(図中赤色)と短頭(内側頭・外側頭)の3つの部位から構成されており、肘関節を伸展する作用があります。また、上腕三頭筋長頭は上腕の筋肉のなかで唯一体幹(肩甲骨)と接合しており、大胸筋下部と強い共働関係にあります。
▼参考記事
ダンベル筋トレの基本
ダンベルトレーニングの初心者向けの基本情報は、下記の記事をご参照ください。
ダンベルトレーニングをはじめて行う方に向けて、ダンベルの種類や男女別の適正重量、ダンベルを使った初心者向けの筋トレメニューをご紹介します。
基本のダンベルプレス4種類
基本となるフラットベンチダンベルプレス
上半身の押す筋肉群(大胸筋・三角筋・上腕三頭筋)の全てに効果があり、基本となるのがフラットベンチで行うダンベルプレスです。
ダンベルを肩より頭方向に下ろすと肩の関節を痛める可能性がありますので注意してください。また、ダンベルを押し上げた位置でダンベル同士を合わせて、腕を閉じる方向に力を入れると大胸筋が最大収縮して効果的です。
大胸筋上部に効果的なインクラインダンベルプレス
大胸筋上部と三角筋前部に効果的なダンベルプレスがインクラインベンチで行うインクラインダンベルプレスです。
インクラインベンチは様々なトレーニングに応用できるので、自宅用に一台トレーニングベンチを購入するとすれば、下のようなデクラインにもなるタイプのインクラインベンチがおすすめです。
▼おすすめのインクラインベンチ
大胸筋下部に効果的なデクラインダンベルプレス
インクラインとは逆の傾きのデクラインベンチで行うデクラインダンベルプレスは大胸筋下部と上腕三頭筋に効果的なやり方です。なお、肘を閉じ気味で行えば上腕三頭筋長頭に、肘を開き気味で行えば上腕三頭筋短頭に負荷がかかります。
上腕三頭筋に効果的なダンベルトライセップスプレス
通常のダンベルプレスとはダンベルの握り方が逆の逆手で行うのがダンベルトライセップスプレスです。上腕三頭筋全体に効果がありますが、特に上腕三頭筋長頭に対して効果的な種目です。
ベンチがない場合のダンベルプレス
床で行うフロアーダンベルプレス
自宅にダンベルはあるけれどトレーニングベンチがないという方も少なくはないと思います。そのような場合、可動域は狭くなりますが床でダンベルプレスを行うことで、ダンベルプレスと同様の効果を得ることも可能です。
大胸筋上部や下部にベンチなしで効かせるアイデア
トレーニングベンチがないので、インクライン&デクラインプレスをするのをあきらめる人も多いと思いますが、大胸筋上部に効果のあるインクラインダンベルプレスや、大胸筋下部に効果的なデクラインダンベルプレスはやはり行いたいですよね。
プレス系種目のマストアイテムはリストラップ
プレス系種目でもっとも多発するトラブルが「手首の痛み」ですが、これは手首を垂直に保てず、関節に斜め方向の負荷がかかることが原因です。これを防ぐためにはリストラップと呼ばれるトレーニングギアが最適です。
また、あえて手首をリストラップにあずけ、斜め方向軌道の動作を行えるなど、非常に便利です。
リストラップには安価なものもありますが、そのような普及品のサポート力は弱く「おしゃれリストバンド」になってしまわないよう、IPF(世界パワーリフティング協会)公認品の正規品を使用することを強くおすすめします。
▼参照ページ
ダンベルプレスにおすすめのダンベル
新たに自宅用にダンベルを購入するのならば、こちらのラバーダンベルがおすすめです。筆者のジムでも長年使用していますが、本体もラバーも傷むことなく問題なく使用できています。
ダンベルプレスと合わせて行いたいダンベルフライ
ダンベルプレスと合わせて行いたい大胸筋のダンベルトレーニング種目がダンベルフライです。この種目も数種類のバリエーションや床で行う方法があります。筆者のブログでも解説していますので、興味のある方は是非ご一読ください。
大胸筋トレーニングの基本を知ろう
今回はダンベルプレスのやり方を詳しく解説・ご紹介しましたが、大胸筋トレーニングの基本中の基本といえば、やはり腕立て伏せです。腕立て伏せには数多くのやり方があり、たいへん奥の深い筋トレ種目です。
ダンベルプレスで大胸筋を鍛えたらダンベルローイングで背筋も鍛えよう
ダンベルプレスで大胸筋を鍛えたら、拮抗筋である背筋もダンベルで鍛えたいですね。背筋のダンベル筋トレの代表種目といえばダンベルローイングですが、下記の記事は数多くあるダンベルローイングのなかでもおすすめの種類を厳選してご紹介したものです。
▼関連動画
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この記事のライター
アームレスリング元日本代表/ジムトレーナー/生物学博物館学芸員/一般社団法人JAWA日本アームレスリング連盟常任理事