ダンベルフライのやり方とコツ|効果的な重量設定と床での方法も解説
ダンベルフライは大胸筋内側にも効果の高い、胸の仕上げトレーニングとして最適な種目ですが、そのやり方と種類・コツを解説するとともに、筋トレ目的別に最適な重量設定や床での行い方についてもご紹介します。
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アイキャッチ画像出典:www.workoutbox.net
ダンベルフライが効果のある筋肉部位
ダンベルフライは、胸の筋肉・大胸筋に対して集中的な効果のあるトレーニング種目で、なかでも大胸筋内側に有効です。大胸筋内側が鍛えられると、いわゆる「胸の谷間」がはっきりとし、見た目にメリハリのある胸わまりになります。
また、本種目は自宅系トレーニングでは数少ない大胸筋内側のトレーニングとも言えます。
なお、さらに詳しい筋肉の名称と作用については、下記の記事をご参照ください。
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ダンベルフライのやり方とコツ
こちらが、模範的なダンベルフライの動画で、ダンベルフライのなかでも男性向きの「ヘビーダンベルフライ」のやり方です。
■ダンベルフライの正しいやり方
1. ダンベルシャフトが平行になるよう胸の上で構える。
2. 肘の角度が90度前後を保ったままダンベルを下ろす。
3. できるだけダンベルを下ろして大胸筋を最大伸展させる。
4. 大胸筋内側に意識を集中して元の位置まで戻す。
■ダンベルフライのコツ
1. 肘と手首の真上にダンベルを保持して行う。
2. 肩甲骨を寄せて大胸筋の可動範囲を広げる。
3. 顎をやや引き気味にして動作を行う。
ダンベルフライの最大のポイントは、できるだけダンベルを深く下ろして、大胸筋を最大伸展させることですが、肘の角度を浅くしてしまうと高重量が保持できなくなってしまいます。
肘を90度前後に保ち、常にダンベルが肘と手首のラインの垂直線上に位置するように保持して動作を行ってください。
また、大胸筋の収縮と連動する首の動きは「屈曲」です。セット終盤で苦しくなると、つい頭をベンチに押し付けがちですが、それでは逆効果になります。顎を引いて大胸筋を完全収縮させてください。
▼コラム記事
参考にした公的サイト
ダンベルの種類と選び方
出典:bukiya.net
ダンベルには、アイアンダンベル・ラバーダンベル・クロームダンベル・アーミーダンベル・アジャスタブルダンベルなど多くの種類があり、それぞれに長所と短所があります。
筆者の運営するジムでは、トレーニング目的や男女によって最適なタイプを使用していますが、具体的なダンベル各種の種類と特徴については下記の記事にまとめました。
よくある質問が「自宅筋トレに何キロのダンベルを買ったらいいですか?」というものがあります。結論とおすすめの種類を先に言えば、男性ならラバーダンベルの60kgセット、女性なら20kgのアーミーダンベルとお答えしています。 また、自宅で男女兼用で使うのであれば、最新のアジャスタブルダンベルもチョイスの一つと言えるでしょう。
おすすめできる品質のアイアンダンベルとラバーダンベルを国内主要メーカーからご紹介するとともに、楽天&Amazonの購入価格も比較できるように一覧カタログ形式にしました。是非ご活用ください。■アーミーダンベルアーミーダンベルは転がらず床や家具
ダンベルフライの目的別に効果的な重量設定
筋トレで鍛える筋肉=骨格筋には三種類の筋繊維があり、それは、以下のようになります。
○遅筋(持久筋・SO筋・赤筋)
持久的な運動および筋収縮の主体となる筋繊維の種類が遅筋です。収縮する速度が遅く(Slow)、酸素(Oxygen)をエネルギーにして収縮することからSO筋と呼ばれています。筋トレにおいては、20回以上の反復回数で限界がくるような低負荷・高回数でトレーニングします。
○速筋(短瞬発筋・FG筋・白筋)
10秒以内の瞬発的・爆発的な筋収縮の主体となるのが、速筋のなかでも短瞬発筋と呼称される筋繊維です。この筋繊維は、収縮速度が非常に速く(Fast)、筋細胞内のグリコーゲン(Glycogen)をエネルギー源として収縮するのでFG筋とも呼ばれます。筋トレにおいては、10回以下の反復回数で限界がくるような高負荷・低回数でトレーニングします。
○速筋(長瞬発筋・FO筋・ピンク筋)
やや持久的な1分ほどの筋収縮の主体となるのが、もう一つの速筋である長瞬発筋と呼ばれる筋繊維です。収縮速度が比較的速く(Fast)、呼吸による酸素(Oxygen)をエネルギー源とするためFO筋とも呼ばれています。筋トレにおいては12~15回の反復回数で限界がくるような中負荷・中回数でトレーニングします。
つまり、ダイエット目的で身体を引き締めたい場合は20回、細マッチョトレーニングなどで適度に筋肥大したい場合は15回、本格的に筋肉を増やすトレーニングでは10回で反復限界がくる重さの設定でトレーニングを行ってください。
参照記事
床で行うダンベルフロアーフライ
ダンベルフロアーフライは、ベンチ類がない環境でダンベルフライを行うバリエーションです。床で行うとダンベルフライ最大のポイントである「大胸筋を最大伸展させる」ことが難しくなりますが、肘の角度を浅くして(肘を伸ばし気味で)行うことで、大胸筋の可動範囲を稼ぐことが可能です。
この場合、ダンベルをしっかりとコントロールできるように、軽めの重量設定で行うことが大切です。
大胸筋上部内側を攻めるインクラインダンベルフライ
インクラインダンベルフライは、大胸筋のなかでも上部内側に負荷が集中するバリエーションです。
セット終盤で苦しくなると、つい腰を浮かせがちですが、そうなるとせっかくの斜め上方への動作角度が通常のダンベルフライと変わらなくなってしまいますので、最後までしっかりとベンチに背中をつけて動作を行ってください。
大胸筋下部内側を攻めるデクラインダンベルフライ
デクラインダンベルフライは、大胸筋のなかでも下部内側に効果の高いバリエーションです。斜め下への動作角度は、大胸筋の筋力が発揮しやすい角度になりますので、やや重めの重量設定で肘を90度前後に保って行う方法をおすすめします。
筋肥大向きのハイブリッド種目・ダンベルフライプレス
ダンベルフライプレスは、ダンベルフライとダンベルプレスのハイブリッドのような種目で、ヘビーフライのバリエーションの一つです。
ダンベルを下ろす動きはダンベルフライに準じ、ダンベルを上げる時は「腕を閉じる」というよりも「真上にダンベルを上げる」イメージで動作を行うのがコツです。
▼参考記事
ダンベルフライにおすすめの筋トレグッズ
手首の保護にリストラップを
大胸筋トレーニングで注意したいのが手首への負担ですが、リストラップと呼ばれるトレーニンググッズを手首に巻くことで、手首関節を保護・補強でき、効率的な筋トレを行うことが可能です。
このほかにも、ダンベルフライにはダンベルやインクライン・デクラインベンチ類も必要となります。筆者のジムで実際に使用しているおすすめのタイプを下記の記事にまとめましたので、是非、ご参照ください。
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参照記事
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この記事のライター
アームレスリング元日本代表/ジムトレーナー/生物学博物館学芸員/一般社団法人JAWA日本アームレスリング連盟常任理事