ケトルベル(ゴブレット)スクワット|下半身を鍛えるトレーニングを解説
ケトルベルを使ったフロントスクワットは通称ゴブレットスクワットとも呼ばれますが、そのやりかたとフォームのポイントを解説します。
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アイキャッチ画像出典:gymbox.de
ケトルベル(ゴブレット)スクワットが効果のある筋肉部位
大腿四頭筋の英語名称・構造・部位詳細・起始停止
読みかた:だいたいしとうきん
英語名称:quadriceps
部位詳細:大腿直筋|外側広筋|内側広筋|中間広筋
起始:腸骨下前腸骨棘・寛骨臼上縁|大腿骨大転子外側面・転子間線・殿筋粗面|大腿骨粗線内側唇|大腿骨前外側面
停止:膝蓋骨上縁・脛骨粗面|膝蓋骨上外側縁・頸骨粗面|膝蓋骨上内側縁・脛骨結節|膝蓋骨・頸骨粗面
ケトルベル(ゴブレット)スクワットは、膝関節を伸展させる作用のある大腿四頭筋を中心に、その拮抗筋であるハムストリングス、臀筋群や下腿筋群など下半身全体に効果の高いトレーニング種目です。
ハムストリングスの英語名称・構造・部位詳細・起始停止
読みかた:はむすとりんぐす
英語名称:hamstrings
部位詳細:大腿二頭筋長頭|大腿二頭筋短頭|半膜様筋|半腱様筋
起始:坐骨結節|大腿骨粗線外側唇・外側筋間中隔|坐骨結節|坐骨結節内側面
停止:腓骨頭|腓骨頭|脛骨内側顆・斜膝窩靭帯|脛骨粗面内側
なお、さらに詳しい全身の筋肉名称と作用については下記の記事をご参照ください。
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ケトルベル(ゴブレット)スクワットのやり方
ケトルベル(ゴブレット)スクワットでもっとも大切なポイントは、胸を張り背中を丸めないようにすることで、これにより上半身が安定し下半身に負荷が集中します。
■ケトルベル(ゴブレット)スクワットのやり方
1.胸の前で両手でケトルベルを保持してして構える
2.胸を張り、膝をつま先より前に出さないように気をつけ、やや斜め下方にしゃがんでいく
3.太ももが床と平行になるまでしゃがんだら、反動を使わずに立ち上がる
本種目は、動作の折り返しポイントで反動を使うと膝に負担となりますので、確実に筋力でコントロールするように注意してください。
また、つま先の向きと膝の向きを揃え、膝関節にねじれ負荷がかからないようにすることも重要です。
ケトルベル(ゴブレット)スクワットのメリット
ケトルベル(ゴブレット)スクワットの最大のメリットは、あえて高い位置でケトルベルを保持することで、上半身のブレを抑え(上半身を安定化させ)、下半身に効率的に負荷を集中させられる点です。
逆に、胸を張り背すじを伸ばすフォームがとれていないと、上半身が過剰にグラつきデメリットに転じてしまいますので注意してください。
ケトルベルトレーニングの特徴とメリット
ケトルベルトレーニングの最大の特徴は、同様に片手で扱うダンベルとは違い、ウエイトの重心とグリップ位置が異なることです。これにより、ケトルベルの保持にはバランシング能力が要求され、また、バランスをとりながら動作を行うことで体幹インナーマッスルに効果があります。
筆者のジムにおいても、スポーツ競技により有効な実践的な筋肉を鍛えたい格闘技系の選手はケトルベルトレーニングを行っています。
なお、筆者の運営するジムで主に行っているケトルベルトレーニングの種目は下記の記事内で紹介しているような種目です。
▼実際に行っているケトルベルトレーニング
安全のためにエイトストラップを
ケトルベルトレーニングでもっとも気をつけたいのが、手からケトルベルが離れてしまう「グリップアウト」です。グリップアウトを起こすと、ケトルベルが落下または前方・後方に飛んでしまい非常に危険です。
グリップアウトを起こしてもケトルベルが落下することがないよう、エイトストラップの使用を強く推奨します。
ケトルベルトレーニングの負荷回数設定
筋トレで鍛える筋肉=骨格筋には三種類の筋繊維があり、それは、以下のようになります。
○遅筋(持久筋・SO筋・赤筋)
持久的な運動および筋収縮の主体となる筋繊維の種類が遅筋です。収縮する速度が遅く(Slow)、酸素(Oxygen)をエネルギーにして収縮することからSO筋と呼ばれています。筋トレにおいては、20回以上の反復回数で限界がくるような低負荷・高回数でトレーニングします。
○速筋(短瞬発筋・FG筋・白筋)
10秒以内の瞬発的・爆発的な筋収縮の主体となるのが、速筋のなかでも短瞬発筋と呼称される筋繊維です。この筋繊維は、収縮速度が非常に速く(Fast)、筋細胞内のグリコーゲン(Glycogen)をエネルギー源として収縮するのでFG筋とも呼ばれます。筋トレにおいては、10回以下の反復回数で限界がくるような高負荷・低回数でトレーニングします。
○速筋(長瞬発筋・FO筋・ピンク筋)
やや持久的な1分ほどの筋収縮の主体となるのが、もう一つの速筋である長瞬発筋と呼ばれる筋繊維です。収縮速度が比較的速く(Fast)、呼吸による酸素(Oxygen)をエネルギー源とするためFO筋とも呼ばれています。筋トレにおいては12~15回の反復回数で限界がくるような中負荷・中回数でトレーニングします。
ケトルベルトレーニングにおすすめのグッズ
出典:glfit.net
ケトルベルトレーニングで装着したいのが、腰椎を保護するとともに腹圧を高めて瞬発力パフォーマンスを向上させるトレーニングベルトです。なかでも、写真のようなナイロン製ベルトは激しいケトルベルトレーニングの動作のなかでも身体にフィットしますので、革製のトレーニングベルトよりもおすすめです。
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この記事のライター
アームレスリング元日本代表/ジムトレーナー/生物学博物館学芸員/一般社団法人JAWA日本アームレスリング連盟常任理事