ダンベルカールのやり方と種類|目的別に最適な重量回数設定や効かせるコツ
ダンベルカールは、力こぶの筋肉・上腕二頭筋を自宅で本格的に鍛えることのできるトレーニング方法です。本種目にはターゲットにする部位によってさまざまなバリエーションがありますので、それらを解説するとともに、筋トレ目的別に最適な重量回数設定もご紹介します。
- 77,209views
- B!
アイキャッチ画像出典:www.dreamstime.com
ダンベルカールが効果のある筋肉部位
ダンベルカールが効果のある上腕二頭筋は、上腕前面に位置する筋肉で、いわゆる「力こぶ」の筋肉です。長頭と短頭から構成されており、それぞれの作用と共働筋は以下の通りです。
○上腕二頭筋長頭(外側)
肘関節を屈曲させる作用があり、上腕筋と共働します。
○上腕二頭筋短頭(内側)
肘関節を屈曲させる作用と前腕を回内させる作用があり、回内動作では回旋筋腱板と共働します。
なお、さらに詳しい筋肉の名称と作用については、下記の記事をご参照ください。
▼関連記事
ダンベルカールの正しいやり方とコツ
こちらが、ダンベルカールの模範的な動画です。ダンベルカールには数多くのバリエーションがありますが、まずは、基本となるこの動画のような、立った状態で構え、両手のダンベルを同時に上げるスタンディングダンベルカールから習得するとよいでしょう。
■ダンベルカールの正しいやり方
1. 両手にダンベルを持ち背すじを伸ばして立ちます。
2. 上半身を反らさないように気をつけダンベルを上げます。
3. ゆっくりとウエイトに逆らうようにダンベルを下ろします。
■ダンベルカールのポイント
1. 上半身を反らすと僧帽筋に刺激が逃げるので真っ直ぐ立つ。
2. 素早く下ろして反動で上げると筋肉に効かないのでゆっくり動作する。
3. ダンベルを小指と薬指で握りすぎると手首に負担がかかる。
ダンベルカールでもっとも避けたいのは、重量を追求するあまりコントロールできない重さでセットを組み、上半身を反らせながら反動で挙上動作を行うことです。このような上げ方をすると、上腕二頭筋には負荷があまりかからず、僧帽筋にばかり効いてしまいします。
また、本種目はダンベルを下ろす時にウエイトに逆らいながら筋肉に効かせるエキセントリック収縮(伸張性収縮)を行うことも非常に大切です。ダンベルを上げるときだけでなく、下ろすときにも確実にコントロールするようにしてください。
参考にした公的サイト
ダンベルカールのバリエーション
ダンベルカールの回旋動作について
上腕二頭筋は肘関節の屈曲以外にも、前腕の回旋運動を行う作用があり、この回旋動作をダンベルカールに組み込むことで、より強く上腕二頭筋を収縮させることが可能になります。
具体的には、上腕二頭筋短頭を追い込みたい場合には回外回旋を、上腕二頭筋長頭を追い込みたい場合には回内回旋を行います。
▼参照記事
ダンベルの種類と選び方
出典:bukiya.net
ダンベルには、アイアンダンベル・ラバーダンベル・クロームダンベル・アーミーダンベル・アジャスタブルダンベルなど多くの種類があり、それぞれに長所と短所があります。
筆者の運営するジムでは、トレーニング目的や男女によって最適なタイプを使用していますが、具体的なダンベル各種の種類と特徴については下記の記事にまとめました。
よくある質問が「自宅筋トレに何キロのダンベルを買ったらいいですか?」というものがあります。結論とおすすめの種類を先に言えば、男性ならラバーダンベルの60kgセット、女性なら20kgのアーミーダンベルとお答えしています。 また、自宅で男女兼用で使うのであれば、最新のアジャスタブルダンベルもチョイスの一つと言えるでしょう。
おすすめできる品質のアイアンダンベルとラバーダンベルを国内主要メーカーからご紹介するとともに、楽天&Amazonの購入価格も比較できるように一覧カタログ形式にしました。是非ご活用ください。■アーミーダンベルアーミーダンベルは転がらず床や家具
ダンベルカールの目的別の回数重量設定
筋トレで鍛える筋肉=骨格筋には三種類の筋繊維があり、それは、以下のようになります。
○遅筋(持久筋・SO筋・赤筋)
持久的な運動および筋収縮の主体となる筋繊維の種類が遅筋です。収縮する速度が遅く(Slow)、酸素(Oxygen)をエネルギーにして収縮することからSO筋と呼ばれています。筋トレにおいては、20回以上の反復回数で限界がくるような低負荷・高回数でトレーニングします。
○速筋(短瞬発筋・FG筋・白筋)
10秒以内の瞬発的・爆発的な筋収縮の主体となるのが、速筋のなかでも短瞬発筋と呼称される筋繊維です。この筋繊維は、収縮速度が非常に速く(Fast)、筋細胞内のグリコーゲン(Glycogen)をエネルギー源として収縮するのでFG筋とも呼ばれます。筋トレにおいては、10回以下の反復回数で限界がくるような高負荷・低回数でトレーニングします。
○速筋(長瞬発筋・FO筋・ピンク筋)
やや持久的な1分ほどの筋収縮の主体となるのが、もう一つの速筋である長瞬発筋と呼ばれる筋繊維です。収縮速度が比較的速く(Fast)、呼吸による酸素(Oxygen)をエネルギー源とするためFO筋とも呼ばれています。筋トレにおいては12~15回の反復回数で限界がくるような中負荷・中回数でトレーニングします。
つまり、ダイエット目的で身体を引き締めたい場合は20回、細マッチョトレーニングなどで適度に筋肥大したい場合は15回、本格的に筋肉を増やすトレーニングでは10回で反復限界がくる重さの設定でトレーニングを行ってください。
▼参照記事
上腕二頭筋長頭を集中的に鍛えるダンベルハンマーカール
ダンベルを縦に持って構えるダンベルハンマーカールは、上腕二頭筋のなかでも外側に位置する長頭に集中的な効果のあるバリエーションです。また、このほかにも肘の付け根に位置する「上腕筋」と呼ばれるインナーマッスルにも効果的です。
上腕筋は体積は小さいですが、半羽状構造と呼ばれる収縮力の強い筋繊維構造をしていますので、鍛えることで腕力が飛躍的に向上します。
なお、高重量でダンベルハンマーカールを行う場合は、ダンベルシャフトを握りしめすぎると手首関節に強い負荷がかかってしまいます。
実際に模範的なグリップの仕方をやってみましたので、ご参照ください。ポイントは親指と人差し指で作った輪の上にダンベルプレートを乗せるように保持し、中指・薬指・小指はあまり強くグリップしないことです。
▼参考記事
上腕二頭筋短頭を集中的に鍛えるダンベルコンセントレーションカール
ダンベルコンセントレーションカールは、ベンチなどに座り、膝の内側に肘を固定してカールを行うバリエーションで、片腕ずつ集中してトレーニングすることからコンセントレーション(集中する)という名前がついています。
ダンベルを上げるときも下ろすときもコントロールして、しっかりと効かせるようにしてください。また、肘を曲げながら前腕を回外回旋させることで、上腕二頭筋短頭が完全収縮して、さらに効果が高まります。
初心者におすすめのオルタネイトダンベルカール
初心者の方は、どうしても上半身を反らせてダンベルカールを行いがちです。そのような場合におすすめのなのが、オルタネイトスタイルと呼ばれる、左右のダンベルを交互に挙上するやり方です。
もちろん、反動は使わないように気をつけ、下ろす時にもしっかりと効かせるように意識するのは他のバリエーションと同様です。
腕を太くするためにはアームブラスターを活用しよう
ダンベルカールは、「いかに反動を抑えてストリクトに筋肉に効かせるか」ということが非常に重要で、特に腕を太くするための筋肥大トレーニングでは最重要です。
ジムで行う場合はアームカール台を使用しますが、自宅で行う場合には動画のようなアームブラスター(アームバスター・アームカールプレート)と呼ばれる器具を使用することをおすすめします。
筆者の運営するアームレスリングに特化した海外トレーニング器具を扱うマジョレンコ製作所日本正規輸入代理店では、仲介業者を通さずに、直接生産国からロット輸入することでアームバスターをリーズナブルに提供しています。
▼アームバスターを見てみる
ダンベルカールにおすすめの筋トレグッズ
トレーニングベルト
トレーニングベルトは腰を締め付けて筋力をサポートすることにより「腰を保護する」働きがあるほか、腹圧を高めることによって「最大筋力を向上させる」作用があります。
自宅での筋トレでも、とくに追い込んだ効果的なトレーニングを行い方には必須のアイテムです。
なかでも、写真のようなナイロン製のタイプは簡単に洗濯できて清潔な上、丸めるととてもコンパクトになりますので、公営ジムなどに出かけるときにも便利です。
リストラップ
上腕二頭筋トレーニングで注意したいのが手首への負担ですが、リストラップと呼ばれるトレーニンググッズを手首に巻くことで、手首関節を保護・補強でき、効率的な筋トレを行うことが可能です。
このほかにも、ダンベルカールにはダンベル類も必要となります。筆者のジムで実際に使用しているおすすめのタイプを下記の記事にまとめましたので、是非、ご参照ください。
▼おすすめの筋トレグッズを見る
参照記事
この記事のキーワード
この記事のライター
アームレスリング元日本代表/ジムトレーナー/生物学博物館学芸員/一般社団法人JAWA日本アームレスリング連盟常任理事