筋トレは「ボリューム」が大切 10回3セットがオススメな理由を解説しましょう
筋肉を大きく育てるためには速筋繊維を効果的に鍛える必要があります。しかし、負荷は高くともあまりにも瞬間的な刺激だけでは筋肉は肥大してくれないのです。大切なのは適度な強度と適度な時間。キーワードは「トレーニングボリューム」です。最適なトレーニングボリュームで筋トレ効果をアップさせましょう。
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刺激が強いだけではダメ?
最新の研究では、筋肉を成長させるためには、「そこそこの強度」と「そこそこの筋力発揮時間」が同時に満たされる必要がある事が分かってきました。例えば助走をつけて思いっきり前方へジャンプするような動きは瞬間的にとても大きなエネルギーを出力しますが、筋力が発揮されている時間が短すぎるために筋肉の成長にはあまり繋がらないのです。逆に、連続で50回以上も行える極めて軽い重量でのトレーニングも筋肥大にはほとんど影響を与えることができません。
トレーニングセオリーには理由があった
私が筋トレ初心者にトレーニング方法を指導する場合、まずはほとんどの種目において「10回3セット」を基本としてもらいます。しかし、時々「なぜ10回3セットなのですか?」という質問を受けることがあります。どうして、重量を重くして5回ではないのか。或いは重量を軽くして20回ではないのか。確かに疑問に感じますよね。
そこで理解して頂きたいのが、トレーニングボリュームなのです。例えばベンチプレスの場合、1回しか挙げられない重量を100とした場合、重量90では4~5回、重量80では10回挙上できる計算となります。この時、100の場合は100×1=100ですが、90の場合は90×5=450、80の場合は80×10=で800となり、出力したエネルギー総量は重量80でのトレーニングが圧倒的に大きくなります。
一方、重量60の場合は20回以上挙上できる計算にはなりますが、この場合は負荷が弱すぎるため一回の挙上における速筋線維1本に対する負荷がほとんど無くなってしまうのでトレーニングの意味が消えてしまうのです。この絶妙なバランス、つまりトレーニングボリュームと一回ごとの刺激の強さがちょうど良く釣り合うポイントが、「10回が限界の重量で行うトレーニング」と言えるのです。
ちなみに、トレーニングボリュームを最適化すると体内で分泌される様々なホルモンも活性化することが明らかとなっています。ホルモンが具体的にどのようにして筋肥大に影響を及ぼしているかについては未だに全てが明らかとなっているわけではありませんが、後述の通り、ホルモン分泌量の増減を観測することでトレーニングのクオリティをある程度判定することが可能だと考えられているのです。
ドロップセット法のススメ
筋肉を成長させるためにいかに効率的なトレーニングが出来ているかを計る指標として、研究機関では成長ホルモンやインスリン様成長因子(IGF-1)の分泌量が、トレーニング方法によってどのように変化するのかの調査が行われています。
これまでの研究では一般的な、同じ重量を10レップ前後繰り返すトレーニング方法よりも、ドロップセット法(ディセンディング法)ではより多くの成長ホルモンやIGF-1が分泌されることが明らかとなっています。
ドロップセット法というのはウォーミングアップ終了後、10回程度が限界となる重量からスタートし、1回も挙げられなくなる度に約20%ウェイトを軽くしながらインターバル無しで連続で追い込んでいくトレーニング方法です。
ドロップセット法では必然的にトレーニングボリュームが大きくなりますし、時間あたりのトレーニング密度も高くなります。しかも確実にオールアウトするため非常に過酷なトレーニングとなるのです。上級者の中には最終的に1回も挙げられなくなった時点で更にパーシャルレップ法で追い込むという強者まで存在します(可動範囲を極めて小さく限定して行うトレーニング法)。
ただし、ドロップセット法は効果的ではあるものの毎回のトレーニングで行うのには向いていません。一部位につきせいぜい月に2~3回程度が限度です。それ以上行うと疲労が抜けなくなってしまいトレーニング頻度が下がり、逆にトータルのボリュームが下がってしまいますし、怪我のリスクも高くなってしまうのです。
ですから、初心者の方はまずは自分の限界値を見極めると共に、10回3セットを行いながらフォームを固め、使用重量をどんどん伸ばしていきましょう。そして壁にぶつかってどうしても成長が止まってしまった時に、ドロップセット法等をトレーニングに組み込んでいけばよいのです。
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コンテストフィジーカーとして日々鍛錬しております。ボディメイク・筋トレ・フィットネス関連を中心に執筆致します。筋トレノウハウやサプリメントに関しても全て自分で実践している物。使用した経験がある物に限定しております。ネットに溢れるウソの情報や質の悪い情報を淘汰するため戦い続けます!