自立神経を整える「片鼻呼吸」で心身の疲れを癒す毎日行う呼吸法
よく耳にする自律神経とは?呼吸と密に関連する自律神経を解説します。さらにストレスや生活リズムの乱れによる自律神経のバランスの崩れを片鼻呼吸で解消します。その方法とは?
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臓器の活動をサポートする重要なもの
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自立神経は、循環器系、呼吸器系、消化器系などの生命を維持するための臓器の働きを、24時間体制でサポートしている大事な役割を担っています。雑誌やTVなどのメディアでよく、「自律神経の乱れ」などといった言葉を耳にしたことはありませんか?この自律神経には2種類あり、それぞれの働きを全うしています。しかし生活の乱れやストレスなどの精神的な疲れから、自律神経の働きが阻害されてしまうのです。そうなると自律神経が管轄する臓器にも何らかの影響が出て、カラダの不調を引き起こす原因となってしまいます。そんな自律神経はちょっとしたことで乱れてしまいがち。そこで今回紹介するのが自律神経のバランスを整える呼吸法です。毎日行う自律神経を整える呼吸法で健康的な心身を保ちましょう。
自律神経は2種類ある
自律神経にはそれぞれ違う役割を持った神経が2種類あります。主に日中や興奮しているとき、アクティブに動いているときなどに働く「交感神経」と、夜や、睡眠時、入浴時などのリラックスしているときに働く「副交感神経」です。健康な心身を保つためには、この2種類の神経がそれぞれ適切なタイミングで働いてくれることが重要です。しかし人間のカラダはとても精工にできているため、外界からのちょっとした刺激で神経のバランスが乱れてしまうことは珍しくありません。
交換神経とは?
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交感神経は、主に昼間に働くことでカラダをアクティブに働かせます。なんだかやる気が出ないなという日は、副交感神経が働いているのでしょう。そして交換神経は興奮しているときや緊張しているときにも働く神経で、夜なかなか眠れないときは、本来副交感神経が働く時間ですが交感神経が優位になっているのでしょう。このようになかなか寝付けない方は交感神経が活発に働きやすいことが考えられます。合わせて自立神経のバランスが乱れがちです。
副交感神経とは?
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副交感神経とは、リラックスしているときや休息しているときに働く神経です。基本的には夕方から夜にかけて優位になります。2つの神経のバランスが整っていれば、夜は副交感神経の働きにより自然と眠りにつけるのです。しかしこのバランスが乱れてしまうと寝つきが悪くなったり、睡眠の質が落ちたりします。快適な1日を過ごすためには、この相反する2種類の神経を正常に働かせる必要があるのです。
自律神経を整えるには?
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では、2種類ある自律神経を整えるにはどうしたらよいのでしょうか。そこで鍵となるのが「呼吸」です。人間は意識的に腸や肝臓などを自分で働かすことはできませんよね。腸は今は休ませておこうなどといった、自分の意思で臓器をコントロールができないのが普通です。それもそのはずこれは神経の役割なのですから。しかし、人間のカラダで唯一自分の意思で自由にコントロールできる器官があります。それが呼吸器官です。呼吸は深くしたり浅くしたり、止めることまでもできます。この呼吸をコントロールすることで自律神経を整えることが可能になります。
「片鼻呼吸」で自律神経を整える
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私達は日常で片方の鼻からのみ空気を出しているのを知っていますか?実は両方の鼻から空気を出しているわけではないのです。鼻の奥にある鼻甲介(びこうかい)と呼ばれる部分が、無意識に右の鼻と左の鼻をスイッチしています。片方の鼻で呼吸する時間はおよそ2.5時間と言われています。これを過ぎると自然と違う鼻に切り替えられているのです。
さらに右の鼻は交感神経を優位にし、左の鼻は副交感神経を優位にするとされています。鼻の下に指を当てて、どちらの鼻から空気が出ているか確認してみましょう。今、どちらの神経が優位に立っているかが分かりますよ。このようにそれぞれの神経の働きが密接に関連する片鼻呼吸を「意識的」に行うことで神経の働きをコントロールし、自律神経を整える効果が期待できるのです。
片鼻呼吸の方法
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片鼻呼吸は意識的に神経の働きをコントロールします。バランスを整えるために、ある一定の規則的な呼吸を行っていきます。まずは、楽な姿勢で座り背筋を伸ばしましょう。右手を広げ、中指と人差し指を曲げます。親指は右の鼻を塞ぐときに使い、薬指と小指は左の鼻を塞ぐときに使います。まず親指で右の鼻を塞いで、左の鼻から息を吐ききります。そのまま左の鼻から息をゆっくりと吸いきり、薬指で左の鼻を塞ぎ右の鼻を開いて右から息を吐きます。そのまま右の鼻から息をゆっくりと吸い、右鼻を塞いで左から息を吐きましょう。左から吸って、右から吐きます。この動作の繰り返しです。吸う息と吐く息ができるだけ同じ長さ・深さになるようにコントロールすることがポイントです。
3分~5分程繰り返すと次第に気持ちが落ち着き、心身共に安定してくる感覚を味わえます。このとき自律神経が整ってきたと考えていいでしょう。毎日決まったタイミングに行うも良し、気持ちが落ち着かないときに行うも良し、1日1回のペースで実践してみてください。
片鼻呼吸で安定した心身に整える
交感神経、副交感神経はどちらも欠かすことのできない大事なものです。どちらもバランス良く働くことは、カラダのトラブルを予防することにもつながります。2つのバランスが整うことで気持ちも落ち着き安定してくるでしょう。緊張状態が続いていたり、なんだかボーっとする時間が続いているときは片鼻呼吸をゆったりとリラックスして行ってみてください。右の鼻と左の鼻、それぞれに新鮮な空気を同じ分だけ通すことで、偏っていた天秤を均等に整えることができるでしょう。大事な会議のときや外せないイベントのときなどにも、心身を平常心に保つ方法として効果を発揮する呼吸法です。毎日1回、是非取り入れてみてくださいね。
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この記事のライター
1児のママ、元ヨガインストラクター。大好物のお酒を封印中。ヨガ・睡眠・お風呂・糖分・カフェインが好きです。