なぜ食事のカロリーは全く気にする必要がないのか?(後編)

前編では「カロリーって、何?」「1カロリーって、どのような定義?」そんなところから始まり、栄養成分の表記について言及致しました。後編は、もう一歩踏み込んでカロリーの全貌を把握しましょう。

homarehomare
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消費カロリーの3要素はどんぶり勘定

出典:pixabay.com

「太る・痩せるは、摂取カロリーと消費カロリーのシーソーで決まる」と、よく言われますが…「摂取カロリー」は、前編でお伝えしまたように、実態のない尺度から算出した量です。本来は、この時点でシーソーが成り立ちません。「消費カロリー」は、以下3つに分類されます。

1.安静時のエネルギー代謝(基礎代謝)
2.運動によるエネルギー代謝(活動代謝)
3.食事による代謝(食事誘導性熱代謝:DIT)
では、順に見ていきましょう。

1.基礎代謝
まず、「基礎代謝」という定義を再確認しましょう。基礎代謝とは、心身ともに安静な状態の時に、生命維持のために消費される必要最小限のエネルギー代謝量のことです。今や一般にも普及した体組成計で測定すると「1,500kcal」など、ポンと数字が出てきます。日々測定している方はお気づきかもしれませんが、毎日そんなに変化がないように思えますが、基礎代謝は、1日の中で… そして毎日毎日… ダイナミックに変動しています。
ほぼ同じような生活スタイルの2日の朝晩の体重増減を、比べたことがありますか? 例えば…火曜日と木曜日、もしくは第1週目の水曜日と、第2週目の水曜日etc.
生活スタイル(仕事・食事・運動etc.)が変わらないから、体重の増減も変わらないのでしょうか…もし比較したことがない方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度試してみてください。

・同じ時間に起きる
・同じものを食べる
・排便回数を合わせる
・仕事時間をほぼ同じにする
・運動量を同じにする
・入浴時間を合わせる

朝晩でピタリと一致する確率は極めて低いです。ということは、日々変動しているということになります。基礎代謝が変動する要因として、大枠は「ストレス」「睡眠不足(質)」「食べ過ぎ」「栄養不足」「過度な運動」「運動不足」「疲労の蓄積度」などが考えられます。体組成計は、統計的分布に基づいて、体重における水分量から推測しているにすぎません。アバウトであることは明白です。この項目においても、シーソーが成り立ちません。 メタボを予防改善するためにも重要なファクター「基礎代謝」、それをアップさせる方法については、様々な本やサイトで見ることができますが、私の腹に落ちるものは正直少ないです。 ほとんどのものが、構成比率で38%を占め、トップである「筋肉」にアプローチして基礎代謝を上げよう、と謳っています。それ(筋肉)以外の62%の方が重要なのは明白です。

運動における消費カロリーは特にどんぶり勘定

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2.運動によるエネルギー代謝(活動代謝)

これはもう身近ですよね。掃除機がけ10分間で約●●kcalとか、ウォーキング30分間で約●●kcalとか… ここでも、「活動代謝」の定義から再確認していきましょう。活動代謝とは、お仕事や運動において消費されるエネルギーです。活動代謝量は、体を活発に動かすほどその量が増加します。
「脂肪を燃やすには、活動代謝を上げよう」と、よく耳にしますが…あなたなりには頑張ったつもりでも、もしかしたら消費量自体は上がっていないかもしれないですし、逆に頑張っていないつもりでも、上がっているかもしれないです。正確には、誰もわかりません。神様でも、正確にはわかりません。「えぇ?! ジムのエアロバイクに消費量が出ますけど」って…あれも、呼吸・座席の高さ・こぐ姿勢・ペダルへの足の置き方などで大きく変わってきます。数値はあくまでも目安でアバウトと言えます。この項目においても、シーソーが成り立たないのは明白ですね。

食後は体温が上昇

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3.食事による代謝(食事誘導性熱代謝:DIT)

あまり聞き慣れない単語ですね。定義を見てみましょう。食事誘導性熱代謝とは、食事をした後、安静にしていても代謝量が活発になることです。食事をすると、食べ物を噛み砕いて飲み込み、消化・吸収するといった活動が活発になることで、体熱が産み出されエネルギー消費量が増えます。この現象は、食後まもなくから起こり、1時間後に最高となった後、徐々に減ります(3~10時間ほど続く)。
DITとして消費されるエネルギーは、栄養素によって違い、
・たんぱく質:約30%
・炭水化物:約6%
・脂質:約4%
・総合的:摂取カロリーの約10% とされています。
全てに「約」が付いています。この項目においても、シーソーが成り立ちませんね。

やせる・太るのカロリーシーソーは結果論

出典:www.photo-ac.com

前編を含めたこれまでのことをまとめてみます。
1.カロリーの定義
2.基礎代謝量
3.活動代謝量
4.食事誘導性熱代謝(DIT)

これら全て、実体のない尺度から算出し、更にアバウトなどんぶり勘定によるものです。以上のことから、上記のシーソーは…結果論です。もし、あなたがある一定期間で痩せたとしたら、その期間中「摂取カロリーよりも消費カロリーの方が多かった」ということです。また、ある一定期間で太ったとしたら、その期間中「摂取カロリーよりも消費カロリーの方が少なかった」というだけのことで、結果論でしかありません。

カロリーは、ダイエットなどボディメイクをしている最中に、日々追っていくべきものではないのです(というか、正確に追えるはずもありません)。ゆえに、メタボを予防・改善するためには、まずはカロリーを無視した方が良いのです。

食事についてもっと掘り下げたい方は、このような本が参考になるでしょう。

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なぜ食事のカロリーは全く気にする必要がないのか?(前編)

なぜ食事のカロリーは全く気にする必要がないのか?(前編)

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斉藤情報事務

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