【肩甲骨はがし】肩甲骨のストレッチ方法・メニューを徹底解説
長時間のデスクワークによる肩こりに悩まされている方必見!肩甲骨周りの筋肉をストレッチしてコリを改善していきましょう。あまり知られていませんが肩甲骨をストレッチすることで、代謝が良くなったり睡眠の質が高まったりと多くの効果が得られます。詳しいストレッチの方法やコツ、目安のセット数まで併せてご紹介していきます。
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アイキャッチ画像出典:common-fitness.com
「肩甲骨はがし」とは?
「肩甲骨はがし」とは、無理やり肩甲骨をはがすことを指すわけではありません。肩甲骨周りの筋肉をほぐすことで、肩甲骨を本来の正しい位置へ矯正していきます。すると自然と姿勢も正しく整えられ、関節の歪みまでも徐々に矯正されていきます。
まずは、肩甲骨はがしのストレッチをするためにも肩甲骨の位置や構造について、しっかりと理解していきましょう。
肩甲骨とは
肩甲骨とは、胸郭(きょうかく)の外側から後ろ側にかけて位置する扁平骨(へんぺいこつ)です。肩を回す際には骨へ触れられるのも肩甲骨の特徴の1つです。
主に、体幹と上肢(上腕・前腕・手)をつなげるはたらきをしています。そのため、肩甲骨は球技などのスポーツには欠かせない、大切な役割を担っていると考えられます。骨の表面積も大きいため、しっかりと肩甲骨を動かすことでその周りの筋肉も十分にほぐすことができるのです。
肩甲骨はがしのメリット
近年注目を集める肩甲骨はがしですが、このストレッチにはどのようなメリットがあるのでしょうか?メリットを理解して、モチベーションを高めてから取り組むようにしていきましょう。
血行が良くなる
肩甲骨周りの筋肉を積極的に動かすことで、その周りの血管が刺激されます。血管が刺激されるとそれと共に血液の流れが促進され、血行が良くなります。
血行の流れが良くなるということは、血液によって運ばれる酸素や養分がスムーズに全身へ運ばれることを意味します。また、体内の老廃物も滞留させることなく流すことができるため、血流を促進させることはとても大切です。体内からコンディションを整えるためにも、肩甲骨ストレッチには大きな効果が期待できます。
代謝の促進
血流が促進されるということは、酸素が全身へ運ばれやすくなるため、酸素を得た細胞が活性化されます。細胞が活性化されると、それぞれの組織や器官のはたらきが高まります。1つ1つの細胞の動きが活発になると、基礎代謝と呼ばれる代謝が上がります。基礎代謝とは、人間が生命維持活動を行っている状態で消費されるエネルギーを指します。つまり、基礎代謝を向上させると普段から消費するエネルギーが高まるため、痩せやすい体を手に入れることができるのです。
肩こりが改善される
先述した通り、肩甲骨とは表面積の広い骨であるため、肩甲骨を動かすことによって同時にほぐすことのできる筋肉が多くあります。コリを改善するためには、その周りの筋肉を動かすことで柔軟な筋肉をつくっていくことが大切です。肩甲骨を動かすことは、その周りの多くの筋肉を刺激して動かすことにもつながり、結果として肩こり改善に大きな効果があります。
1. 5分でできる!簡単肩甲骨はがしストレッチ
オフィスでも隙間時間にささっとできる、簡単な肩甲骨はがしストレッチをご紹介していきます。ストレッチの1つ1つが5分以内で取り組めるのでぜひ、手軽に取り組んでみてください。
1-1. 肩回しストレッチ
肩回しストレッチの正しいやり方
1. 椅子に浅めに腰かけて背筋を伸ばす。
2. 両手を肩に着けて、両肘を胸の高さで正面に向ける。
3. 肘を正面に向けたまま、あごの高さまで持ち上げる。
4. 両肘を開き、手を肩に着けたまま肘を天井へ向ける。
5. 肘を外側に開き、円を描くように肘を下に向ける。
6. 2の姿勢に戻り、3~5を繰り返す。
セット数の目安
5~10回を1セットとして、3~4セットを目安に行いましょう。
注意するポイント
・1周あたり10~20秒程度かけて回すように心がけてください。
・しっかりと肩甲骨が動いていることを感じて動かしていきましょう。
・背中に棒が刺さっているようなイメージで、背筋を保ちながらストレッチしていきましょう。
・力むと効果が下がってしまうので、呼吸をリラックスして続けながら行うようにしてください。
1-2. 首筋ストレッチ
首筋ストレッチの正しいやり方
1. 椅子などに座り、背筋を伸ばす。
2. 右手を左のこめかみに当て、左手は背中を通して腰の右側へあてる。
3. ゆっくりと頭を右斜め前へ倒す。
4. 背中へ空気を入れるイメージで、3~4回呼吸をする。
5. 両手を開放し、左右反対側も2~4を同じように繰り返す。
セット数の目安
左右交互に3~5セットを目安に行いましょう。
注意するポイント
・頭を傾ける時には頭を遠くへ離すイメージでゆっくりとストレッチしていきましょう。
・背中へ呼吸を入れるためには、背中を膨らませるように深く呼吸をしてください。
・呼吸で背中をほぐすストレッチなので、意識を呼吸に向けてリラックスしていきましょう。
1-3. 後ろ背伸びストレッチ
後ろ背伸びストレッチの正しいやり方
1. 足を肩幅に開いて直立し、両手を後ろで組む。
2. 可能な限り腕を上げていき、胸を張る。
3. 呼吸を続けながら20~30秒間キープする。
4. 脱力して腕を体側に戻す。
セット数の目安
5~10セットを目安に、無理のない程度で行いましょう。
注意するポイント
・腕が上に上がらない人はゆっくりと呼吸を吐き出しながら、少し上体を前傾させましょう。
・呼吸をすると筋肉の緊張を緩められるため、意識をして呼吸を続けましょう!
・後ろで手が組めない人はタオルの両端をつかんで行ってください。
・腕を遠くに伸ばすイメージでストレッチを進めていきましょう。
1-4. フラッグストレッチ
フラッグストレッチの正しいやり方
1. 背筋を伸ばして足は肩幅に開いて立つ。
2. 左手の甲を背中につけて肘を張る。
3. 右手で左肘をつかみゆっくりと前へ引っ張る。
4. 20~30秒間キープして1の姿勢に戻る。
5. 反対も2~4まで同じように行う。
セット数の目安
左右交互1回ずつを1セットとして3~5セットを目安に取り組みましょう。
注意するポイント
・手を背中に回した時は肘をしっかりと張りましょう。
・肘を前に持ってくるときには無理をせず、気持ちよく感じる範囲でストレッチしてください。
・自然な呼吸を意識して続けましょう。
1-5. スタティックスストレッチ
スタティックストレッチの正しいやり方
1. 両足を腰幅に開き直立する。両腕は体側。
2. 頭の上で両腕を組む。
3. 両手を天井に近づけるイメージで高く持ち上げ、できる人はやや背面に腕を引き上げる。
4. その状態で20~30秒間キープ。
5. 力を抜いて1の姿勢に戻る。
セット数の目安
3~5セットを目安にしっかりとほぐしていきましょう。
注意するポイント
・両腕を引き上げるときに腰を反らせないように気を付けましょう。
・頭が天井からつるされているようなイメージでリラックスしながら取り組みましょう。
・呼吸を静かに続けながらストレッチを行ってください。
1-6. 羽ばたき動作ストレッチ
羽ばたき動作ストレッチの正しいやり方
1. 足を肩幅に開いて直立する。両腕は体側にしておく。
2. それぞれの手で半円を描きながら、両手を頭の上で合わせる。
3. 手のひらを外側に向けて、肘を先行させて脇を閉じる。
4. 肘が胸の位置で一直線になるようにして、2~3秒静止。
5. 静かに1の姿勢へ戻る。
セット数の目安
5~10回を1セットとして2~3セットを目安に行いましょう。
注意するポイント
・両腕を動かす際に背中が反りやすくなってしまうので気を付けましょう。
・背筋に1本の棒が突き刺さっているようなイメージで姿勢を正してください。
・肩や背中に力が入りすぎないよう、呼吸を自然に続けていきましょう。
2. 10分でしっかりと!徹底的に肩甲骨をほぐすためのストレッチメニュー
お風呂上りや就寝前におすすめな、徹底的に肩甲骨をほぐすストレッチメニューをご紹介していきます。ストレッチはリラックスして取り組むことが大切です。時間を気にせず、ゆったりと実践してみてください。
2-1. キャット&ドッグのポーズ
キャット&ドッグのポーズの正しいやり方
1. 四つん這いになり、手は肩幅で膝は腰幅につく。
2. お腹を天井に近づけるイメージで持ち上げる。
3. 1の状態へ戻る。
4. ゆっくりとお尻を天井に突き出すようにして胸を床に着ける。
5. 1の状態へ戻る。
セット数の目安
3~5セットを目安に行いましょう。十分時間をかけてリラックスしながら取り組んでください。
注意するポイント
・背中を丸めるときはへそをのぞきこむように意識してください。
・ドックポーズで腰を反り過ぎないように注意しましょう。
・骨盤の真下に膝、肩の真下に手をつけるように意識してください。
2-2. ねこの背伸びのポーズ
ねこの背伸びのポーズの正しいやり方
1. 両手は肩の真下、膝は腰の真下にして四つん這いになる。
2. つま先を付けてかかとを上げたまま、ゆっくりと胸と顔を床へ近づける。
3. 腰を高く上げたまま10~20秒ほどキープ。
4. 1の姿勢に戻る。
セット数の目安
3~5セットをゆっくりと繰り返しましょう。
注意するポイント
・腰を後ろに引くときには腰の位置を高く保つように意識しましょう。
・できる人はわきの下も床に着けるようにするとよりストレッチが深まります。
・肩に力が入らないように注意してください。
2-3. 椅子を使った肩甲骨はがしストレッチ
出典:fanblogs.jp
椅子を使った肩甲骨はがしストレッチの正しいやり方
1. 四つん這いになって椅子を左腕の外側に置く。
2. 手は肩の真下、膝は腰の真下に着くように調整する。
3. 左肘を90度に曲げて、肘から先を椅子に乗せる。
4. 背筋を伸ばしながら顔を床に向ける。
5. 10秒間ほどキープ。
6. 右腕も1-5を同じように繰り返す。
セット数の目安
左右交互1回ずつを1セットとして3~4セット行いましょう。
注意するポイント
・椅子はなるべく肩の高さと同じくらいのものを使うようにしてください。
・呼吸は背中に入れるように意識してゆっくりと呼吸を続けましょう。
・お腹が落ちてしまわないように、背中を平らな状態に保ちましょう。
2-4. 鷲のポーズ
出典:192abc.com
鷲のポーズの正しいやり方
1. 床に座り、あぐらかまきつ太ももで脚を交差させる。
2. 背筋をしっかりと伸ばし、姿勢を整える。
3. 両腕の肘をほぼ直角に曲げる。
4. 右肘を左肘の真下に当てる。
5. 右の前腕は、左腕の外側を通り顔の前へ。
6. 余裕があれば両掌を合わせる。
7. 20~30秒間キープ。
8. 2の姿勢に戻り、反対側も同じように3~7を繰り返す。
セット数の目安
左右交互1回ずつを1セットとして、3~4セットを目安に行いましょう。
注意するポイント
・肩周りに力が入りすぎないよう、呼吸を続けてゆっくりとストレッチしていきましょう。
・できるだけ、肘の位置は胸の高さで保つようにしてください。
・今回は肩甲骨を集中的にストレッチするため、鷲のポーズの脚は省略しています。しっかりと肩甲骨に注目してストレッチを進めていきましょう。
2-5. チャイルドポーズ
チャイルドポーズの正しいやり方
1. 四つん這いになる。
2. 肩の真下に手、骨盤の真下に膝が来るように調整する。
3. ゆくりと息を吐き出しながら、お尻をかかとの上に下ろす。
4. 腕を伸ばし、てのひらを床に着けて頭の先に伸ばす。
5. 上半身をリラックスさせながら、おでこを床に着ける。
6. 30秒~1分程度キープする。
セット数の目安
2~3セットを目安に、1回ずつリラックスしながら時間をかけて丁寧に行いましょう。
注意するポイント
・可能な範囲で、脇を床に近づけるイメージをして腕を伸ばしてみてください。
・体に力が入らないように注意して、呼吸を自然に続けていきましょう。
・呼吸をする際には背中に空気を入れて、大きく膨らませるイメージをしていきましょう。
肩甲骨はがしで魅せる背中づくりを
デスクワークが多かったり背中を意識せずに日常生活を送っていたりすると、姿勢が悪くなる可能性が高くなります。また、姿勢が悪くなると肩こりや腰痛を引き起こすため、様々な日常生活に支障が及ぶことも。今回ご紹介した肩甲骨はがしストレッチは、セルフストレッチで誰でも手軽に取り組める内容になっています。オフィスでの隙間時間や自宅での就寝前などにぜひ取り組んでみてください。すっきりした背中を目指して、魅せる背中づくりをしていきましょう!
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この記事のライター
茨城の筑波山生まれ。「いばらぎ」じゃなくて「いばらき」です。