焼酎は太らないって本当?カロリーと糖質について考えてみた
ダイエットをしていても、お酒は飲みたいものですね。そんな時に最適なのが焼酎だそうです。蒸留酒と呼ばれる焼酎やウイスキーなどは、太る原因である糖質が含まれていないと言われています。本当に糖質を含んでいないのか、カロリーはどの程度なのか、焼酎の種類から飲み方まで調べてみました。
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お酒と肥満
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過酷なビジネスの現場で精神をすり減らしていると、仕事帰りに「ちょっと一杯飲んで帰ろう」とストレス解消に居酒屋へ立ち寄ることも多いのではないでしょうか。そこで考えて欲しいのはお酒の種類。特にダイエット中の方にとっては大事な問題です。そもそも肥満の原因の一つは「糖質」の摂り過ぎといわれています。でもお酒の全てに糖質が含まれているかというとそうではありません。お酒は大きく「醸造酒」と「蒸留酒」に分類できますが、醸造酒の代表はビール・日本酒・ワインなど、蒸留酒の代表は焼酎・ウイスキー・ブランデーなど。そして、醸造酒に比べて蒸留酒に含まれる糖質は極めて少なく、肥満を気にされる方にとって蒸留酒はおすすめだということになります。
焼酎のカロリーと糖質を調べてみた
具体的に焼酎のカロリーや糖質量がどの程度なのかを調べてみました。文部科学省「食品成分データベース」によると、重量100gあたり本格焼酎と呼ばれる単式蒸留焼酎(乙類)ではカロリーが146kcal、糖質については炭水化物量として表示され0g。連続式蒸留焼酎(甲類)は206kcalと0g、一方清酒は同じ基準で109kclと4.9g、ビールは40kclと3.1gとなっています。カロリーだけを見るとビールが少ないと思いがちですが、実はアルコール度数が違うため、アルコール1gあたり7kcalを差し引くと、焼酎(乙類)がビール同量に比べ約-50%になり、かなりの低カロリーとなります。同時に炭水化物量もゼロです。
このデータベースは、文部科学省が開発したものであり、試験的に公開しているものです。
【参考】飲酒量の単位
一般に「お酒を飲んだ」というとき、アルコールが体や精神に与える影響は、飲んだ量ではなく摂取したアルコールの量で決まります。飲酒量を純アルコールに換算すると、焼酎(度数25%)50mlとビール(度数5%)250mlが同じになります。「今日はどれくらい飲んだのかな」と思ったときの参考にしてください。
飲酒量の単位 » 酒を飲んで「酔い」などの効果をもたらすのはアルコールですが、酒に含まれるアルコールの濃さ(強さ)は千差万別です。アルコールの体や精神に対する影響は、飲んだ酒の量ではなく、摂取した純アルコール量が基準となります。酒に含まれる純アルコール量(ドリンク数)を知っていれば、飲んだ酒の影響や分解時間などが推定できます。
【参考】炭水化物と糖質について
食品の成分表などを見ると「糖質」だけの表示は少なく、一般的に「炭水化物」と表示されています。タンパク質と脂質を含めて三大栄養素と言われているためで、炭水化物には「糖質」と「繊維質」が含まれています。
炭水化物 / 糖質 » たんぱく質、脂質と並ぶ三大栄養素のひとつ。炭素と水素の化合物で、消化されてエネルギー源となる。
焼酎の種類について
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難しい数字の話はこのくらいにして、焼酎が低カロリーで炭水化物(糖質+繊維質)の含まれていないお酒だということがわかっていただけたでしょうか。そこで焼酎を選ぶときの参考に、焼酎甲類・乙類などと呼ばれる焼酎の種類についてみてみましょう。なお、酒税法上はそれぞれ「連続式蒸留しょうちゅう」「単式蒸留しょうちゅう」と定義されています。
焼酎甲類
発芽させた穀類、果実、糖質を含むもの(糖蜜など)を原料として、連続して発酵液を蒸留する「連続蒸留機」によって造られた、アルコール度数が36度未満の焼酎をいいます。なんども蒸留を行うのでアルコールの純度が上がり、原料の風味は無くなりますが、クセのない爽やかな味が特徴。通常はカクテルや酎ハイなどで用いられます。
焼酎乙類
米・芋・麦といった材料を用い、発酵液を一回毎に材料を入れ替える単式蒸留機によって造られ、アルコール度数が45度以下の焼酎です。蒸留を行うのは一度だけであることから、アルコール以外の香味成分や雑味成分が残され、材料の持つ風味や味わいを楽しむことができます。
混和焼酎
焼酎のラベルに「甲乙混和焼酎」といった表記があるものをご存知でしょうか。その名の通り甲類と乙類をブレンドした焼酎をいいます。乙類の割合が5%以上50%未満の焼酎を「甲乙混和焼酎」、50%以上95%未満を「乙甲混和焼酎」と表示しています。
本格焼酎
本格焼酎とは、「単式蒸留しょうちゅう」のうち穀類、いも類、清酒かす、砂糖などのアルコール含有物を蒸留したものとされています。意外に細かな規定がありますが、詳細は酒税法や各種の施行規則に譲るとして、基本的には「単式蒸留しょうちゅう」である焼酎乙類だと思って差し支えないでしょう。
ダイエットと焼酎
焼酎がダイエットに適したお酒であることはわかっていただけたでしょうか。更に言えば、焼酎甲類の場合は、酎ハイなど割って飲むことが多く、割る物によっては糖質が多くなる可能性がありうるので、単式蒸留焼酎である「焼酎乙類」を選ぶことをおすすめします。ここで注意が必要なのは飲み方。焼酎はアルコール度数が高いので、どうしても何かで割って飲みます。お湯や水なら問題はないのですが、甘い飲料や果汁を使うと結果的にカロリーや糖質量が増えてしまい、なんのために焼酎を選んだのかわからなくなります。
焼酎とおつまみ
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ここまで読んでいただいた方は、太らないためには焼酎がおすすだということをわかっていただけたと思います。そこで、もう一つの大事なポイントは飲むときのおつまみ。いくら焼酎に炭水化物が含まれていないといっても、一緒に食べるおつまみが高カロリー・高糖質では本末転倒。そこで、おすすめの「おつまみ」として簡単に食べられて低カロリーな野菜を中心にご紹介します。
枝豆
おつまみの定番枝豆。「枝豆」という種類ではなく、収穫時期が違う大豆です。枝つきのまま茹でるので「枝豆」という呼び名となったともいわれています。100gあたりの炭水化物量は約9g。他にも「メチオニン」「ビタミンB1」「ビタミンC」といった栄養素が豊富に含まれ、アルコールの分解を助けることで、肝臓への負担を軽減してくれるそうです。
きゅうり
きゅうり100gあたりの炭水化物量は3g、エネルギーは14kcaですが、そのほとんどが水分。「世界一栄養価の低い野菜」と呼ばれているものの、ビタミンCやβカロテンなども含まれています。夏場は冷やせばあっさりと食べられ、ネギやごま油を軽くまぶすだけでもおつまみに変身します。
さつま揚げ
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野菜ではちょっとお腹に応えないという方には、焼酎の本場鹿児島の伝統食「さつま揚げ」がおすすめです。100gあたりの炭水化物量が13.9g、エネルギーは139kcalなので量を調整する必要はありますが、ビタミンやミネラルなどがバランスよく含まれているそうです。
何事も適量が大事
仕事帰りの飲酒やダイエット中にお酒が飲みたくなったら、ぜひ焼酎を試してみましょう。「焼酎は臭い」というのは過去の話。最近は女性ファンも多く、マイルドで飲みやすい焼酎が店頭に並んでいます。でも、美味しいからといって飲みすぎないように注意しましょう。厚生労働省が「節度ある適度な飲酒」について次のように定義しています。
「通常のアルコール代謝機能を有する日本人においては、節度ある適度な飲酒として、1日平均純アルコールで20g程度である」
純アルコール20gというと、アルコール度数25度の焼酎だと約110ml(0.6合)です。適量を守って楽しく焼酎を楽しんでください。
飲酒のガイドライン » 厚生労働省の示す指標では、節度ある適度な飲酒は1日平均純アルコールで20グラム程度の飲酒ということになります。また女性や高齢者、飲酒後にフラッシング反応を起こす人は、これより飲酒量を少なくすべきであると推奨しています。これらのガイドラインと既存のエビデンスから、健康を守るための12の飲酒ルールを提案します。