インナーマッスルの鍛え方。効果的なメニューからトレーニングのコツまで徹底解説

体を大きくするために表層筋の筋トレを継続して進めているうちに、スランプに陥る場合があります。そんなときにおすすすめなのがインナーマッスルトレーニングです。インナーマッスルとは、深層筋と呼ばれる目に見えない筋肉で、内臓や姿勢を支えるために必要とされています。インナーマッスルを鍛えるメリットやコツも併せてご紹介します。

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アイキャッチ画像出典:www.so-net.ne.jp

インナーマッスルとは

筋肉は何層にも重なり体を覆っていて、その筋肉の中での位置を示すために「インナーマッスル」「アウターマッスル」という言葉が使われます。特にインナーマッスルとは、深層筋とも呼ばれる体の奥深くに位置する筋肉です。

インナーマッスルは体の奥深くに位置する筋肉の総称であり、頭・腕・脚以外の胴体全ての筋肉を指す「体幹」とは異なります。つまり、インナーマッスルとは筋肉の『深さ』の概念であり、体幹とは筋肉の『位置』の概念を指します。

出典:bodix.jp

また、インナーマッスルは意識的に動かすことのできない筋肉(不随意筋)を含むため、アウターマッスルと同時にトレーニングを行うことが難しいとされています。実際、インナーマッスルを集中的に鍛えることは難しく、その効果を実感することもなかなか困難です。
しかし、インナーマッスルを鍛えることで、少しずつ体の使い方や姿勢に変化が現れます。その結果、日々のトレーニング効果が高まったり、痩せやすい体づくりにつながります。筋トレがマンネリ化してきた方にもおすすめです。ぜひチャレンジしてみてください。

インナーマッスルを鍛えるメリット

鍛えにくくその効果も実感しにくいインナーマッスルを鍛えるメリットとは一体どんなものなのでしょうか。メリットを理解するとインナーマッスルの大切さがしっかりと実感でき、トレーニングへのモチベ―ジョンも高まります。

動作調整能力の向上

インナーマッスルには「動作を補助するはたらき」があります。体をひねったり、手足の微妙な動きをしたりする際にインナーマッスルが必要です。関節がガチガチに固まった状態では手首のスナップや肩の回旋を行うことはできません。普段は意識しませんが、このような動きをする際には繊細に動きを調整するインナーマッスルが活躍します。そのため、インナーマッスルを鍛えると、より細やかな体の使い方ができるようになるのです。

関節や姿勢の矯正

先述した通り、インナーマッスルは体の奥深くに位置する筋肉で、内臓や関節を支えています。そのため、インナーマッスルをしっかり鍛えると、下がっていた内臓の位置を正常に戻すことができます。それに合わせて関節も矯正できるため、正しい姿勢を保つことができるようになります。
内臓や関節は正しい位置を保つことで、正常な機能を発揮すると言われています。思わぬ怪我を予防するためにもぜひインナーマッスルをトレーニングしてみてください。

基礎代謝を高める

基礎代謝とは、日常生活の中で無意識に消費されるエネルギーのことを指します。基礎代謝を高めるためには、血流を促し全身の細胞に酸素がしっかりと運ばれることが大切です。各器官の細胞は酸素を得て活動が活発化します。血液循環が活発になると基礎代謝が高まり、結果としてエネルギー消費量が大きくなります。すなわち、インナーマッスルを鍛えて基礎代謝を高めることで痩せやすい体を作ることができるのです。

インナーマッスルを鍛えるコツ

インナーマッスルを鍛えるメリットが分かったところで、実際にトレーニングをする際に気を付けたいポイントをご紹介していきます。何度も述べているように、アウターマッスルとは鍛え方が異なるため、慎重にしっかりとコツを抑えていきましょう!

細く長い呼吸

インナーマッスルを鍛える際に最も大切なのが細く長い呼吸です。具体的には、ろうそくを吹き消すようなイメージで、しっかり吐き切るように意識しましょう。この呼吸だけでも腹筋の奥深くの筋肉を刺激できるため、仕事中や移動時間に試してみてください。
トレーニングの際は1動作1呼吸を目安として、しっかりと呼吸を続けていきましょう。力みすぎは逆効果となってしまうので注意してください。

鍛える筋肉を意識

これはアウターマッスルを鍛える際にも当てはまることですが、鍛える筋肉をしっかりと意識しながらトレーニングに取り組むと、より高い効果が得られるとされています。筋肉へ意識を向けて、集中的に鍛えようとすることで正しい筋肉の使い方ができるため、期待する効果が出やすくなるのです。トレーニングメニューに取り組む際には、1つずつどの筋肉を鍛えているのかを意識して行っていきましょう。

ゆっくりと等速な動作

インナーマッスルを鍛える際には、ゆっくりと等速な動作を心がけてください。理由として、インナーマッスルは遅筋(ちきん)と呼ばれる、持久性を持つ筋肉であることが挙げられます。対するアウターマッスルは、速筋(そっきん)と呼ばれ、瞬間的に大きな力を発揮する筋肉であるため、負荷の大きな動作をトレーニングに取り入れることが多くなります。
インナーマッスルとアウターマッスルの比較からも分かる通り、両者のトレーニング方法には大きな違いがあります。インナーマッスルトレーニングでは、遅筋を鍛えるためにもゆっくりと等速で、負荷をかけ続ける必要があるのです。じんわりと辛いトレーニングになるので忍耐力が大切ですね。

1. 自宅でできるインナーマッスルトレーニング【基礎編】

インナーマッスルトレーニングは基本的に自重で行います。自宅でも簡単に取り組めるため、お風呂上りや就寝前に取り組んでみてください。

1-1. ヒップリフト【脊柱起立筋・腹横筋】

ヒップリフトの正しいやり方

1. 床に仰向けで寝る。
2. 両膝を曲げて膝の真下に両足を置く。両足裏を床に着ける。
3. 手のひらは床に着けて、両脇をたまご1個分開いておく。
4. お尻を床から離し、骨盤を天井に近づけるイメージで持ち上げる。
5. 膝からお腹までが1直線になったら動きを止める。
6. 約10秒ほどキープ。
7. ゆっくりとお尻を床に下ろす。
8. 4~7を繰り返す。

セット数の目安

3~5回を1セットとして5セットを目安に行いましょう。

注意するポイント

・バランスを保つためにも両腕でしっかりと体を支えるようにしてください。
・お尻を持ち上げる時にはかかとで床をしっかりと押すのがポイントです。
・呼吸を忘れずにリラックスしながら続けていきましょう。
・お尻を上下する際には等速でゆっくりと動かすように意識してください。

1-2. ドローイン【腹横筋】

ドローインの正しいやり方

1. 両手を肩の真下に置き、膝を腰幅で床につけて四つん這いになる。
2. 息をゆっくりと吸い、お腹が大きく膨らませる。
3. お腹を床から突き上げられているようなイメージで、10秒かけて息を吐き切る。
4. 1の姿勢に戻る。

セット数の目安

ゆっくりと5セットを目安に取り組んでいきましょう。

注意するポイント

・息を吸う際には、背中まで酸素を送り込むようなイメージをしてみてください。
・息を吐き切る際に力みやすくなってしまうため、リラックスして取り組むように意識していきましょう。
・呼吸は細く長く意識しながら続けていくようにしてください。

1-3. サイドプランク【内腹斜筋】

サイドプランクの正しいやり方

1. 膝を伸ばしたまま両脚をそろえて体を横にして寝る。
2. 下側の肘を肩の真下に置く。
3. ゆっくりと腰を床から離して持ち上げる。下の足の側面を床に着ける。
4. 頭から足先まで一直線になるように調整する。
5. 姿勢をキープ。

セット数の目安

30~60秒間を目安にキープしていきましょう。左右交互に3~5セットを目安に取り組んでください。

注意するポイント

・腰が上がりすぎないように気を付けて姿勢を調整してください。鏡で全身を映しながらのトレーニングがおすすめ。
・上側の腕を頭の先に伸ばしてキープするとより負荷が高まります。
・肩に力が入りすぎないようにしっかりと足へも体重をかけていきましょう。

1-4. 寝ながらインナーマッスルトレーニング【内転筋】

出典:syayoyu.com

寝ながらインナーマッスルトレーニングの正しいやり方

1. 体の側面を床に着け、下側の腕の肘を曲げて頭を支える。
2. 上側の手は胸の前で手のひらを付けて置いておく。
3. 上側の脚を下側の脚の前に交差させる。
4. 上側の脚の膝を曲げ、足裏を床に着ける。
5. 下側の脚を伸ばしたまま、ゆっくりと床から離す。
6. バランスが取れる位置で2~3秒間キープ。
7. 等速で床に脚を下ろす。
8. 5~7を繰り返す。

セット数の目安

10回を1セットとして、左右交互に3~5セットずつを目安に取り組みましょう。

注意するポイント

・脚は等速でゆっくりと動かすように意識してください。
・呼吸を止めずに自然に続けましょう。
・膝が曲がると効果が低くなってしまうため、注意して取り組んでください。

1-5. フロントブリッジ【体幹】

出典:allabout.co.jp

フロントブリッジの正しいやり方

1. 四つん這いの姿勢から、肘から手先までを床に着ける。
2. 両脚を後ろに伸ばし、腰幅でつま先立ちになる。
3. 頭の先からかかとまでが一直線になるように調整。
4. 姿勢をキープ。

セット数の目安

はじめは60秒を目標に、最大3分間キープしてください。セット数は1~5セットを目安に行いましょう。セット間のインターバルは30~60秒間がおすすめです。

注意するポイント

・セット間のインターバルを短くすることで強度の高い体幹トレーニングになるため、インターバルの時間も意識して取り組んでください。
・頭からつま先までが一直線になる姿勢が理想です。腰が上がったり下がったりしないように気をつけましょう。
・姿勢がキープできなくなったらトレーニングを中止してください。無理に続けると別の部分に負荷がかかり逆効果になってしまいます。
・呼吸は自然に続け、無駄な力が入らないように注意してください。

2. 自宅でできるインナーマッスルトレーニング【応用編】

応用編ではややアクティブな動きを含むトレーニングをご紹介していきます。インナーマッスルを鍛えるための基本事項を忘れずに、ゆっくりと自分のペースでトレーニングを進めましょう!

2-1. ダイアゴナルトレーニング【背筋・腹筋】

出典:gethealthyu.com

ダイアゴナルトレーニングの正しいやり方

1. 肩の真下に手をつき、骨盤の真下に膝をつけて四つんばいになる。
2. 背中が一直線になるように姿勢を整える。
3. 右腕を肩の高さで前に伸ばし、同時に左脚を床から離し、真後ろに伸ばす。
4. 2~3秒間キープ。
5. 息を吐き出しながら背中を丸め、肘と膝を近づける。
6. 2~3秒間キープ。
7. 3~6を繰り返す。反対側も同じように行う。

セット数の目安

10回を1セットとして左右交互に2~3セット繰り返しましょう。

注意するポイント

・手足を伸び縮みさせる際には等速でゆっくりと動かしてください。
・トレーニング中バランスがとりにくい場合には、しっかりと一点を見つめるようにしましょう。
・片手片足になると重心がずれてしまいがちになるため、手足へ均等に体重がかかるように調整してください。

2-2. ニートゥチェスト【腹直筋(下部)・腸腰筋】

ニートゥチェストの正しいやり方

1. 膝を軽く曲げて足裏を床に着けておく。
2. 両手を肩よりも少し後ろに置いて体を支える。
3. 両足を浮かせて膝・足同士を着ける。
4. ゆっくりと膝を胸に近づけるイメージで引き込む。
5. ゆっくりと3の位置へ足を戻す。
6. 4~5を繰り返す。

セット数の目安

10回を1セットとして、2~3セットを目安に丁寧に取り組みましょう。

注意するポイント

・スタートポジションは、頭から腰までが一直線になるようにキープしてください。
・脚を引き込むときには下腹部を内側に織り込むイメージを持ちましょう。
・呼吸を細く長く行うように意識してください。

2-3. スロースクワット【腹横筋・内転筋】

スロースクワットの正しいやり方

1. 足を腰幅に開き、両手は肩の高さで前に伸ばす。
2. ゆっくりと腰を下ろし膝が90度に曲がるところで止まる。
3. 10~20秒間キープ。
4. 等速で膝を伸ばし1の姿勢に戻る。

セット数の目安

10回を1セットとして、2~3セットを目安にゆっくりと負荷をかけていきましょう。

注意するポイント

・インナーマッスルを鍛えるために等速でゆっくりと動くようにしてください。
・両手を伸ばすときは肩の位置がずれないように気を付けましょう。
・背中に棒が刺さっているようなイメージで、お尻から頭の先まで一直線を保ちましょう。

2-4. ツイストトレーニング【多裂筋・腹横筋】

ツイストトレーニングの正しいやり方

1. 仰向けで手足を伸ばして寝る。
2. 両腕を肩の高さで横に伸ばす。
3. 両脚を床から離し、膝が腰の真上になる位置で90度に曲げる。
4. ゆっくりと床に着く寸前まで左へ倒す。
5. ゆっくりと3の位置へ戻る。
6. 4~5を右側も同じように繰り返す。

セット数の目安

10回を1セットとして2~3セットを目安にトレーニングを続けましょう。

注意するポイント

・左右に動かす際には等速でゆっくりと動かし続けるように意識しましょう。
・頭や胸はしっかりと固定して、下半身だけをツイストするように注意してください。
・太もも同士を寄せ合うことで内転筋を意識してトレーニングを進めましょう。

2-5. スーパーマンロウ【脊柱起立筋】

出典:imgkid.com

スーパーマンロウの正しいやり方

1. マットの上にうつ伏せの状態で寝る。
2. 両手を肩幅で頭の先に伸ばす。
3. 両足を腰幅に開き、つま先を床に着ける。
4. 顔と胸を床から離す。目線は斜め前遠くを見つめる。
5. 両腕を床から離し、耳を挟むように斜め上へ伸ばす。
6. 両肘をお尻側へ引き、脇を締める。
7. 6の状態のまま、両手を後ろに伸ばす。
8. 脱力して1の状態に戻る。

セット数の目安

7~10セットを目安としてゆっくり丁寧にトレーニングを進めていきましょう。

注意するポイント

・1つ1つのポーズで1.2秒間静止して負荷をかけていきましょう。
・あごは軽く引いて、肩から首にかけてまっすぐになるようにしてください。
・腕を動かすスピードはゆっくりと等速で行いましょう。

体の奥深くの筋肉へ注目して

アウターマッスルばかりに注目が集まりがちですが、アウターマッスルを安定させるためにもインナーマッスルは欠かすことができません。また、体の引き締めトレーニングのために、インナーマッスルトレーニングは大きな役割を果たします。

体の奥深くにある見えない筋肉だからこそ、集中力を高めてじっくりと鍛えていきましょう。アウターマッスルと同時に鍛えることで、さらに大きな効果も期待できますよ。

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