【初心者向け】フルマラソンを完走するために効果的な筋トレメニュー
初心者ランナーのためにフルマラソンを完走するために効果的な筋トレメニューを紹介します。自宅で行う自重トレーニングを中心に、膝が痛くならないための筋トレなども徹底解説します。筋トレメニューを上半身と下半身に分けて、それぞれのトレーニングの目的と効果をわかりやすく説明します。マラソン初心者必見です。
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マラソンに筋トレは必要なの?
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「マラソンランナーはみんな細いから、筋トレなんか不要なのでは?」と思っているランナーは多いと思います。いやいや、決してそんなことはないのです。確かにボディービルダーが行うような筋トレはランナーには必要ありませんが、適切な方法で筋トレを行えば、効率的なランニングフォームへの矯正、走力の向上、さらには怪我の予防にもつながります。ランニングのレベルアップを目指している方や普段の練習に変化をつけたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
初心者ランナーのための筋トレ~下半身編~
ここでは、下半身を中心としたトレーニングを紹介します。下半身を鍛えることでランニング時のストライドが広がり、伸びのあるフォームで走れることが可能になります。また、膝などの障害予防にもつながるのでランナーにとっては一石二鳥です。
縄跳び
「えっ、縄跳び!?」と思われた方も多いと思います。しかし、縄跳びはランニングのレベルアップに大きな効果をもたらします。特に、ランニング初心者の方は、走行時の接地時間が長い傾向にあるので、縄跳びをすることでピッチ数を改善することにつながります。また、瞬発力を鍛える縄跳びはランナーの「ばね」を強化するので、走りに軽快さが増します。
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ポイントとしては、出来る限り接地時間を短くし、地面からの反発を利用してポン、ポンと弾むように行いましょう。また、縄を回すのが遅いと必然的に接地時間が長くなり、ドスンドスンと地面の反発を利用していない飛び方になってしまうので注意しましょう。ランニング前のウォーミングアップの一環として、5〜10分程度行ってみてはいかがでしょうか?
ランジ
ランジを行うことで、腸腰筋を鍛えることが出来ます。
腸腰筋とは、大腰筋と腸骨筋両方のことを意味しており、骨盤の周りに位置しているため、腿を前方に振り出す動作に機能します。腸腰筋を鍛えることで、脚を引き上げる力が増すため、より大きなストライドを可能にします。
動画の通り、最初は自重でフォームを確認しましょう。まず、立位姿勢から片足を大きく前に出します。この時、背筋が伸びていること、踏み込んだ足の膝とつま先が同一方向を向いていること、踏み込んだ足の膝の角度がおよそ90度になっていることを確認しましょう。そして、踏み込んだ足をもとの位置に戻します。この行為を左右の足で繰り返します。
これまでの運動経験が比較的少ない方であれば、自重でも十分な効果が得られます。しかし、ジムに通っていてトレーニング経験がある方であれば、自重だけの負荷では物足りないので、バーベルなどを使って負荷を高めることも可能です。「低強度、高回数、短インターバル」を原則にして行いましょう。20~30回反復できる重さで、インターバルは1~2分、2~3セットが目安です。
スクワット
筋トレといえばという感じですよね。デッドリフト、ベンチプレスと並んでBIG3と称されます。スクワットはハムストリングス(太腿裏)や大殿筋、脊柱起立筋など背中から下を中心とした大きな筋肉に作用します。優れたランナーほど、これらの筋肉が発達していることが明らかになっています。スクワットはバーベルを用いるのが一般的ですが、初心者であれば自重でも十分なトレーニング効果を得ることが出来ます。スクワットを行う際に注意してもらいたいのは、しゃがみ込む時に背中が丸まらないようにすること、膝は常につま先と平行を保っていること、そして、膝がつま先より前に出ないようすることです。
ランジと同様、「低強度、高回数、短インターバル」を原則として行いますが、スクワットは多くの筋群を動員し、回復するまでに時間がかかるので、頻度は週2回程度に抑えましょう。
また、足幅を広めにとると太腿の内側の内転筋により負荷を与えることができ、ランナーが発症しやすい膝の怪我の予防にもなります。
レッグカール
レッグカールはハムストリングスを強化するのに特化したトレーニング。ハムストリングスはランニングにおいて最も重要な筋肉の一つで、この筋肉を強化することで、マラソンで30キロ過ぎたあたりの粘りの局面にも生きてきます。動画はマシーンで行っていますが、ジムに行く時間がない方はチューブでも対応可能です。ハムストリングスは鍛えにくい部位なので、意識して鍛えていく必要があります。
初心者ランナーのための筋トレ~上半身~
上半身の筋トレというと、ベンチプレスなどの大胸筋や上腕を発達させる筋トレを連想しがちですが、ランナーにとっては体重が重くなるなどのデメリットがあるため、一般的にはあまり必要とされていません。それよりも、腹筋や背筋などのいわゆる「体幹」とよばれる部位を鍛えることで、走行時の上体の安定性につながります。体幹トレーニングというとなんだか難しそうな気もしますが、そんなことはありません。以下に、初心者でも簡単に行える体幹トレーニングを紹介します。
プランク
体幹トレーニングというと、このプランクを連想する方が多いのではないでしょうか?プランクは主に腹部のインナーマッスルである腹横筋や脊柱起立筋に作用し、走行時の姿勢の安定にもつながります。プランクを行う際のポイントは、肩と骨盤のラインが床に対して平行になっていることです。よくお尻が上がってしまって山型になってしまっている人がいますが、それではあまり効果が得られないので、トレーニングする際は誰かに見てもらいながら行うといいと思います。この状態をキープして、10〜30秒、3〜5セットほど行いましょう。
サイドプランク
サイドプランクは腹斜筋と呼ばれる腹部の横側の筋肉を刺激します。ランニングには身体のひねりを伴いますので、腹斜筋を鍛えることで上半身と下半身の滑らかな連動につながります。サイドプランクもプランクと同じように、頭から足までが一直線になるようにしましょう。この状態をキープして、10〜30秒、左右3〜5セット行いましょう。
ダイアゴナル
ダイアゴナルは腹横筋や脊柱起立筋、そして大殿筋などの体幹を構成する筋肉に作用するので、とても効果の高い体幹トレーニングです。体幹トレーニングは、あえて身体を不安定な状態にすることで身体の中心部の筋肉を刺激することを目的としているので、正しいフォームで行うことを心がけましょう。ダイアゴナルのやり方としては、まず四つん這いになり、一方の腕と反対側の脚を一直線に伸ばします。この時、伸ばしている手の高さは肩と水平になるように、また、伸ばしている脚の足首は90度になっていることを確認してください。この状態をキープして、10〜30秒、左右3〜5セット行いましょう。
バックブリッジ
主に脊柱起立筋、大殿筋、腹横筋に作用します。やり方は、まず仰向けにして膝を立てます。次に肩、骨盤、膝が一直線になるように骨盤を持ち上げます。この時、背中が反りすぎないように、注意しましょう。この状態を3秒キープし、10回を目安に行いましょう。負荷を高めたい人は、骨盤を上げた状態から片足を伸ばすとより負荷が高まります。
トレーニング例
日々忙しい社会人の方であれば、毎日筋トレを行うのは大変ですし、練習の疲れから普段の仕事に悪い影響が出てしまっては、元も子もありません。また、筋トレはマラソンの練習においては、あくまで補助的なものなので、メインのランニングの練習がおろそかにならないようにしましょう。ですので、週に1~2回行うのがベストだと思います。例えば週2日筋トレを練習に取り入れようとしたら、
A)スクワット
プランク
サイドプランク
バックブリッジ
B)ランジ
レッグカール
プランク
サイドプランク
ダイアゴナル
というような感じで、取り入れてみるといいと思います。また、筋トレをした後の飲酒は控えましょう。少量であれば問題ありませんが、多量のアルコール摂取は筋肉の回復を遅らせ、必要な栄養素の摂取を妨げてしまいます。トレーニング後のお酒は確かに美味しいですが、せっかくトレーニングしたのに十分な効果が得られないということになってしまいますので、少量で我慢するようにしましょう。
マラソンのトレーニングにぜひ筋トレを!
フルマラソンに挑戦しようと考えている方は、日々ランニングに励んでいると思われますが、いつも同じペースで同じ距離を走っているだけでは、成長も頭打ちになってしまいます。マラソンは走るだけがトレーニングではありません。現在活躍している多くのマラソン選手たちも、走る以外のトレーニングとして、筋トレを練習メニューに取り入れています。毎日の練習に変化をつけたい方や、雨などで走れない時もトレーニングしたい方は、今回紹介した筋トレを練習に取り入れてみてはいかがでしょうか?
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この記事のライター
高校までは陸上部に所属し中長距離に熱中。一転、大学では小さい頃から習っていたピアノに従事しています。趣味は音楽鑑賞と服を買いに行くこと。幅広いジャンルの記事を提供できればと思っております!