筋肉コンディションアップの最終手段?水抜き・塩抜き・カーボローディング
ステージ上でバッキバキの体をアピールするボディビルダー達は、大会当日にベストなコンディションとなるよう極めて綿密な計画を立て、それを実行しています。彼らの持つノウハウをちょっとだけ利用することで、一般のトレーニーでも「大切な日」をワンランク上の体で迎えることができるのです。
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アイキャッチ画像出典:www.annbbf.jp
脂肪を薄く!筋肉を際立たせたい!
ステージ上でのボディビルダーの体というのは威圧感というかある種の人間離れした凄みのようなオーラを放っています。それは並外れた筋肉量もさることながら、限界まで削り落とされた脂肪の薄さ、まるで皮がそのまま筋肉に張り付いているのではないかと思わせるような、生きるか死ぬかの限界ギリギリのコンディションによるものなのでしょう。
このような極端な体の状態は、ボディビルダーといえどもたった1日しか継続することはできません。彼らはコンテスト当日のために何日も前からトレーニングや除脂肪以外に、様々なテクニックを駆使して準備を進めているのです。
もちろん一般の人や、コンテストに出る予定のないトレーニーがボディビルダーと同じようなコンディションの作り方をそのまま真似する必要はありません。しかし、彼らの持つノウハウを無理の無い範囲で活用することで、例えば仲間たちと海やプールに遊びに行く日や、パーティーや結婚式に出席する日など、特別なタイミングにコンディションをベストな状態へと持っていくことが可能となるのです。
塩を抜くと水分が抜ける
人間の体は水分の貯蓄量が多すぎると「むくみ」が現れます。個人差はありますが、顔や下肢、腹部などが膨らんでしまい、筋肉のカットは見えなくなってしまうのです。これを防ぐためには当然のことながら体内から水分を追い出さなくてはなりません。
水分を抜くといっても水分摂取を完全に断ってしまってはそれこそ体調を壊してしまいます。目標とする日の前日の夜からは水分摂取を多少控えなければなりませんが、その前段階として「水分を必要としない体の状態にする」ことが大切なのです。
人間の体は塩分(ナトリウム)の量が多いとそれを薄めるために水分を貯めようとします。塩辛い物を食べると喉が渇くのはこのためですね。つまり、逆に言えば体内の塩分濃度が低くなれば、これを保つために体は自然と水分をおしっこという形で外に出そうとするのです。
また、同時にカリウムを摂取することで更に水分排出作用が高まります。カリウムは果物や野菜ジュースなどに多く含まれています。
塩抜きは目標の日の3日程前から始めましょう。そして前日の夜からはあまり水分を摂らないようにします。ただ、利尿剤を使って体が自然と発揮する力以上に水分を出そうとすると筋肉が痙攣したり、血圧が低下し過ぎて目眩が起きたりするので注意が必要です。上手くすれば、硬質感のあるソリッドな体に仕上げることができますよ。
糖質をコントロールしてサイズアップを狙う
出典:topicks.jp
塩抜き・水抜きの次はカーボローディングについてです。これは長距離ランナーもよく行うテクニックなのでご存知の方も多いかもしれませんね。
筋肉はそのエネルギー源として内部に糖質(筋グリコーゲン)を貯蔵しています。そして筋グリコーゲンは1gにつき3gの水(結合水)を保有しています。筋グリコーゲンや結合水は、筋肉の見た目のサイズに直接影響を与えますから、人前に立つ時は筋グリコーゲンの量を貯蔵できる限界値まで高めておいた方が都合が良いのです。
ちなみに長距離ランナーの場合は見た目を良くするためではなく、スタミナを維持するためにカーボローディングを行うのですが、やり方や原理は基本的に同様です。
カーボローディングの実践法
カーボローディングは単に糖質を摂取しまくるだけでは成功しません。まず、ローディングする前にディプリートしなければいけないのです。
カーボディプリートとは、糖質を「抜く」作業です。筋グリコーゲンは筋肉を使う事でしか消費できません。ですから、二日間程糖質をほとんど摂取しない生活を続けながら同時に全身の筋肉をくまなくトレーニングによって追い込んでいきます。
この時、あまり強い負荷は掛けずに高回数で追い込むようにします。これは普段の時期と違って筋肉に深いダメージを負ってしまうとスムーズに回復するのが難しいからです。
糖質カットと筋トレによって筋グリコーゲンが完全に枯渇すればいよいよローディングしていきます。糖質にはブドウ糖やショ糖、デンプンなどいろいろあります。どれを摂っても良いのですが果物に多く含まれる「果糖」だけには注意が必要です。実は果糖は他の糖と違い肝臓には貯蔵されるのですが筋グリコーゲンとしてはほとんど貯まってくれないのです。
オススメの糖質補給食品としては干し芋ですね。その他和菓子類も脂質が少なくバランスが良いと言えます。もちろん米やパスタ等も良いのですが、この時期は同時に塩抜きをしている人も多いと思われますので塩分には要注意です。私の知人などはパスタに蜂蜜をかけて食べていましたがとても美味しそうには思えませんでした。
塩抜きによって水を抜こうとしているのに、カーボローディングによって筋肉内に水を貯めることが出来るのか?と思われるかもしれませんね。塩抜きによって抜くのは主に皮膚と皮膚の下にある脂肪の水分です。逆に糖質とともに水を貯めようとするのは筋肉内部。この違いがあるからこそ今回ご紹介したテクニックは同時併用が可能なのです。
ただし、実際に行う時は体調管理に十分注意してください。また、体質によっては効果があまりハッキリと現れないケースもあります。自分にとって最適なコンディション調整方法を探してみてくださいね。
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この記事のライター
コンテストフィジーカーとして日々鍛錬しております。ボディメイク・筋トレ・フィットネス関連を中心に執筆致します。筋トレノウハウやサプリメントに関しても全て自分で実践している物。使用した経験がある物に限定しております。ネットに溢れるウソの情報や質の悪い情報を淘汰するため戦い続けます!