【文学女子オススメ】絶対に騙されるミステリー5選
ミステリー小説は本の中でも読みやすく、手に取る回数が多いと思います。
今回は今まで読んだ作品で5本の指に入るオススメ小説をご紹介します。
- 12,054views
- B!
そもそも、ミステリーって?
ミステリーは基本的に、ナラティブといわれる文体や語り口を使った叙述トリックが有名です。
最近では、イニシエーション・ラブがその代表作といえます。
作者のミスリードが巧妙であればあるほどその作品は高く評価されています。
「ミステリーが読みたい!」早川書房のブックランキングの評価基準にもなっています。
そのくらいナラティブは重要ということになります。
『葉桜の季節に君を想うということ』 歌野晶午
この作品は、ナラティブミステリーの代表作といっても過言ではありません。
読者の思い込みをおもいっきり利用しています。
もちろんヒントも隠されているのですが、固定概念のせいで気付くことができないところがポイントです。
「何回も読み返したくなる」そんな作品になっています。
「何でもやってやろう屋」を自称する元私立探偵・成瀬将虎は、同じフィットネスクラブに通う愛子から悪質な霊感商法の調査を依頼された。そんな折、自殺を図ろうとしているところを救った麻宮さくらと運命の出会いを果たして―。あらゆるミステリーの賞を総なめにした本作は、必ず二度、三度と読みたくなる究極の徹夜本です。
『ハサミ男』 殊能将之
ハサミ男は2005年に映画が公開されています。
この作品のポイントは「語りは騙り」にいかに気付けるかだと思います。
本文中に隠されただけでなく、もしかするとタイトルにもヒントが隠れているかもしれません。
ハサミ男の視点、警察の視点が交互に書かれていることからが読者を惑わします。
美少女を殺害し、研ぎあげたハサミを首に突き立てる猟奇殺人犯「ハサミ男」。3番目の犠牲者を決め、綿密に調べ上げるが、自分の手口を真似て殺された彼女の死体を発見する羽目に陥る。自分以外の人間に、何故彼女を殺す必要があるのか。「ハサミ男」は調査をはじめる。精緻にして大胆な長編ミステリの傑作! 【2005年公開映画「ハサミ男」原作】(講談社文庫)
『十角館の殺人』 綾辻行人
たった一文のための伏線が物語になっています。
殺人が起こる「角島」と物語のサブ「本土」においてのストーリーが交互に書かれています。
読者は両方の視点から推理をしていくことが可能なのですが…
可能性を一つずつ潰していくと犯人にたどり着くことは容易なのですが、驚愕の一文にたどり着いた瞬間に最初から読み返してしまうと思います。
そしていつの間にか作者の仕掛けた罠にはまってしまいそのことにも気づかないところが面白いです。
十角形の奇妙な館が建つ孤島・角島を大学ミステリ研の7人が訪れた。館を建てた建築家・中村青司は、半年前に炎上した青屋敷で焼死したという。やがて学生たちを襲う連続殺人。ミステリ史上最大級の、驚愕の結末が読者を待ち受ける! 1987年の刊行以来、多くの読者に衝撃を与え続けた名作が新装改訂版で登場。(講談社文庫)
『ラバー・ソール』 井上夢人
叙述がとにかくすごいと感じた作品です。
こちらも視点に騙されてしまう、防ぎようのない罠にはまってしまいます。
主人公「鈴木誠」の行為は苛立つ点が多く目立ちます。
しかしラストで理由を知りやりきれないもどかしさを感じるはずです。
ミステリーの中に恋愛小説も盛り込まれている二重の面白さを感じる作品です。
幼い頃から友だちがいたことはなかった。両親からも顔をそむけられていた。36年間女性にも無縁だった。何度も自殺を試みた―そんな鈴木誠と社会の唯一の繋がりは、洋楽専門誌でのマニアをも唸らせるビートルズ評論だった。その撮影で、鈴木は美しきモデル、美縞絵里と出会う。心が震える、衝撃のサスペンス。
『造花の蜜』 連城三紀彦
2011年11月から12月頃にWOWOWにて全4話で放送されました。
緊迫感、驚きなどあらゆる感情が次々に襲ってくるはずです。
しかし、そんなに単純なものではありません。
「ラストの最大の犯罪」を書くための伏線が巧妙です。
そして、すり替えのテクニックが最も優れた作品になっています。
造花の蜜はどんな妖しい香りを放つのだろうか…その二月末日に発生した誘拐事件で、香奈子が一番大きな恐怖に駆られたのは、それより数十分前、八王子に向かう車の中で事件を察知した瞬間でもなければ、二時間後犯人からの最初の連絡を家の電話で受けとった時でもなく、幼稚園の玄関前で担任の高橋がこう言いだした瞬間だった。高橋は開き直ったような落ち着いた声で、「だって、私、お母さんに…あなたにちゃんと圭太クン渡したじゃないですか」。それは、この誘拐事件のほんの序幕にすぎなかった―。
騙される方が素敵!!
今回のおすすめはいかがだったでしょうか。
「語りは騙り」これは小説の中だけではありません。
本を読むことの意味は「物語を通じて新しい体験をする」ことだと思います。
お気に入りのミステリー小説の旅に出てみませんか?
この記事のキーワード
この記事のライター
カープ女子が流行る中、15年間貫いている鷹ガール。(20)好きなお酒はビールと純米酒。好きなものはフリフリとピンクのもの。趣味は野球観戦。学部は文学部。The掴めない系女子。