スミスマシンスクワット|下半身のジムマシントレーニング|足の置き方に工夫が必要
スミスマシンスクワットは、フリーウエイトに近い感覚で下半身を鍛えられる上、ウエイトのグラつきをマシンのレールが支えてくれるので、より高負荷でトレーニングができる効率的なマシン筋トレ種目です。ただし、挙上の軌道が一直線となるため、膝への負担を考慮して、足の置き方にやや工夫が必要になります。
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アイキャッチ画像出典:www.drivelinebaseball.com
スミスマシンスクワットが効果のある筋肉
スミスマシンスクワットは、膝関節を伸展させる作用のある大腿四頭筋を中心に、その拮抗筋であるハムストリングス、臀筋群や下腿筋群など下半身全体に効果の高いトレーニング種目です。
大腿四頭筋の英語名称・構造・部位詳細・起始停止
読みかた:だいたいしとうきん
英語名称:quadriceps
部位詳細:大腿直筋|外側広筋|内側広筋|中間広筋
起始:腸骨下前腸骨棘・寛骨臼上縁|大腿骨大転子外側面・転子間線・殿筋粗面|大腿骨粗線内側唇|大腿骨前外側面
停止:膝蓋骨上縁・脛骨粗面|膝蓋骨上外側縁・頸骨粗面|膝蓋骨上内側縁・脛骨結節|膝蓋骨・頸骨粗面
ハムストリングスの英語名称・構造・部位詳細・起始停止
読みかた:はむすとりんぐす
英語名称:hamstrings
部位詳細:大腿二頭筋長頭|大腿二頭筋短頭|半膜様筋|半腱様筋
起始:坐骨結節|大腿骨粗線外側唇・外側筋間中隔|坐骨結節|坐骨結節内側面
停止:腓骨頭|腓骨頭|脛骨内側顆・斜膝窩靭帯|脛骨粗面内側
下腿三頭筋の英語名称・構造・部位詳細・起始停止
読みかた:かたいさんとうきん
英語名称:triceps muscle of calf
部位詳細:腓腹筋外側頭|腓腹筋内側頭|ヒラメ筋
起始:大腿骨外側上顆|大腿骨内側上顆|腓骨頭・脛骨後面
停止:踵骨隆起|踵骨隆起|踵骨隆起
なお、さらに詳しい全身の筋肉名称と作用については下記の記事をご参照ください。
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スミスマシンスクワットの注意点
スミスマシンスクワットはフリーウエイトのスクワットと違い、挙上の軌道がマシンによって一直線に限定されます。これは、言いかえればウエイトの負荷が一箇所(特に膝や腰)にかかった時に負荷を逃がすことができないということであり、フリーウエイトのスクワットよりもさらにフォーム・ポジションのチェックが重要になります。
このため、事前にシャフトだけでフォームチェックを行い、十分に安全を確認した上で行うことを強く推奨します。
なお、基本となるバーベルスクワットのフォームのポイントは以下のようになります。
■バーベルスクワットの正しいやり方
1. 胸を張る
2. 背中を反らせる
3. お尻を突き出す
4. やや顎を上げる
5. 膝をつま先より前に出さない
6. やや斜め後ろに腰を下ろす
そして、バーベルスクワットとスミスマシンスクワットの最大の差異は、「6.やや斜め後ろに腰を下ろす」ことがスミスマシンではできないということです。
このため、フォーム・ポジションが悪いと膝や腰に無理な負荷がかかってしまいます。
スミスマシンスクワットはやや足を前に置く
こちらがスミスマシンスクワットの模範的な動画です。ポイントは足をやや前に置き、シャフトに軽くもたれるようなイメージで斜め後ろ方向にウエイトを押し上げることです。これにより、膝関節や腰椎への過剰な負荷を外すことができます。
スミスマシンハックスクワットがおすすめ
膝や腰へのリスクを考えると、スミスマシンでスクワットを行う場合は、できればこの動画のようなハックスクワット=完全にマシンに後傾してもたれて行う方法をおすすめします。この場合、下半身後側(ハムストリングスや臀筋群)への効果は弱まりますので、レッグカールなどの補助種目を行うとよいでしょう。
レッグカールでハムストリングスの仕上げを
こちらが、レッグカールの模範的な動画です。スミスマシンスクワットは、通常のバーベルスクワットよりもハムストリングスへの負荷が少なくなりますので、このようなハムストリングスを集中的に鍛えられる補助種目を最後に追加するのがベストです。
慣れてきたらバーベルスクワットに挑戦
慣れてきたら、ぜひ挑戦したいのが「筋トレBIG3」の一つにも数えられるバーベルスクワットです。下記の記事は、元日本代表選手が非常に詳しく解説したものです。
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スミスマシンスクワットの目的別の重量回数設定
筋トレで鍛える筋肉=骨格筋には三種類の筋繊維があり、それは、以下のようになります。
○遅筋(持久筋・SO筋・赤筋)
持久的な運動および筋収縮の主体となる筋繊維の種類が遅筋です。収縮する速度が遅く(Slow)、酸素(Oxygen)をエネルギーにして収縮することからSO筋と呼ばれています。筋トレにおいては、20回以上の反復回数で限界がくるような低負荷・高回数でトレーニングします。
○速筋(短瞬発筋・FG筋・白筋)
10秒以内の瞬発的・爆発的な筋収縮の主体となるのが、速筋のなかでも短瞬発筋と呼称される筋繊維です。この筋繊維は、収縮速度が非常に速く(Fast)、筋細胞内のグリコーゲン(Glycogen)をエネルギー源として収縮するのでFG筋とも呼ばれます。筋トレにおいては、10回以下の反復回数で限界がくるような高負荷・低回数でトレーニングします。
○速筋(長瞬発筋・FO筋・ピンク筋)
やや持久的な1分ほどの筋収縮の主体となるのが、もう一つの速筋である長瞬発筋と呼ばれる筋繊維です。収縮速度が比較的速く(Fast)、呼吸による酸素(Oxygen)をエネルギー源とするためFO筋とも呼ばれています。筋トレにおいては12~15回の反復回数で限界がくるような中負荷・中回数でトレーニングします。
つまり、ダイエット目的で身体を引き締めたい場合は20回、細マッチョトレーニングなどで適度に筋肥大したい場合は15回、本格的に筋肉を増やすトレーニングでは10回で反復限界がくる重さの設定でトレーニングを行ってください。
スミスマシンスクワットにおすすめのグッズ類
トレーニングベルトは腰を締め付けて筋力をサポートすることにより「腰を保護する」働きがあるほか、腹圧を高めることによって「最大筋力を向上させる」作用があります。
自宅での筋トレでも、とくに追い込んだ効果的なトレーニングを行い方には必須のアイテムです。
なかでも、写真のようなナイロン製のタイプは簡単に洗濯できて清潔な上、丸めるととてもコンパクトになりますので、公営ジムなどに出かけるときにも便利です。
このほかにも、筆者のジムで実際に使用しているおすすめの筋トレグッズを下記の記事にまとめましたので、是非、ご参照ください。
▼おすすめの筋トレグッズを見る
参照記事
競技団体による正しい筋トレ知識メディア 【トレーニング情報コーナートップへ】 スミスマシンの使い方を、ビッグ3
競技団体による正しい筋トレ知識メディア 【トレーニング情報コーナートップへ】 自宅(自重トレーニング・チューブ
参考にした公的サイト
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この記事のライター
アームレスリング元日本代表/ジムトレーナー/生物学博物館学芸員/一般社団法人JAWA日本アームレスリング連盟常任理事