クラシック音楽の有名すぎる名曲おすすめ50選

今回は様々あるクラシック音楽の楽曲から50曲を厳選しご紹介します。交響曲やピアノ曲だけでなく、ピアノ協奏曲やヴァイオリン協奏曲、室内楽曲まで様々なジャンルから有名な曲をピックアップしています。

moririmoriri
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有名すぎるクラシック音楽50曲を

出典:i.gzn.jp

今回は有名すぎるクラシック音楽50曲をご紹介いたします。クラシック音楽にほとんど触れたことがない、という方でも50曲も聴けば、クラシック音楽について理解ができるはずです。クラシック音楽は何度聞いても新しい発見があり、耳に馴染んでくれば馴染んでくるほど歴史に刻まれた理由を知ることができます。ぜひじっくりとご堪能ください。

交響曲

出典:lowch.com

クラシック音楽で最も編成が大きく、幅広い表現が可能なのがオーケストラでの演奏です。そのオーケストラのための音楽で、最も規模の大きいものがこの交響曲。例外もありますが、そのほとんどが4楽章からなります。数々の作曲家が交響曲をその音楽表現のために身を削りながら完成させています。

ドヴォルザーク:交響曲9番「新世界より」

アントニン・ドヴォルザーク作曲、交響曲第9番『新世界より』
テレビCMなどでもこの曲の第2楽章、第4楽章のテーマがよく用いられていますね。新世界とはアメリカのこと。新世界アメリカに滞在していたドヴォルザークが故郷ボヘミアに向けて作った曲です。彼はボヘミアの音楽とアメリカ黒人の音楽が似ていることに刺激を受け、この楽曲を作成したと言われています。そのためボヘミアやアメリカ黒人の古い民謡のモチーフがふんだんに取り入れられています。

第1楽章 Adagio - Allegro molto
第2楽章 Largo
第3楽章 Scherzo - Molto vivace
第4楽章 Allegro - Presto

シューベルト:交響曲第7番『未完成』

実は、シューベルトの交響曲第7番は時代によって、その都度変化しています。なぜならこの交響曲がその名の通り「未完成」だから。時代によってこの曲がいつかかれたか、解釈が異なってきたんですね。少し前までは、交響曲第8番として知られていました。
この交響曲、未完成ながら三大交響曲の一つとして知られています。その理由は…。そんなことはもちろん聞けばわかります!シューベルト特有の美しい響き、物悲しさがふんだんに取り入れられています。私がこの曲を聞いたのは14歳のころなのですが、初めて聞いた時の感動は今も忘れていません。未完成のまま残っていなかったらこれほど有名にはならなかったでしょう。

第1楽章 Allegro moderato
第2楽章 Andante con moto
第3楽章 Allegro (未完)

チャイコフスキー:交響曲第5番

ピョートル・チャイコフスキー作曲、交響曲第5番。チャイコフスキーの作品は聞く人が赤面してしまうほど情緒的。聞けば彼が何を考えてこのフレーズを作り出したのかわかってしまいそうです。情熱、悲哀、喜び、全てを直球勝負で語りかけてくるような音楽。この交響曲第5番は特にその傾向が強いですね。第一楽章のクラリネットによる『運命の動機』に始まる暗澹性。第二楽章のホルンの美しい調べ。第三楽章のワルツ。第四楽章の豪快さ。まさに名曲です。

第1楽章 Andante - Allegro con anima - Molto più tranquillo
第2楽章 Andante cantabile, con alcuna licenza - Moderato con anima - Andante mosso - Allegro non troppo - Tempo I
第3楽章 Valse. Allegro moderato
第4楽章 Finale. Andante maestoso - Allegro vivace (Alla breve) - Molto vivace - Moderato assai e molto maestoso - Presto

ベートーヴェン:交響曲第5番『運命』

ダダダダーン!!!
ベートーヴェンはこのフレーズだけでこの曲を作ってしまうのですからやはり天才です。
世界三大交響曲の一つとしても数えられる有名すぎる交響曲、ベートーヴェン作曲交響曲第5番『運命』。
有名な「ダダダダーン」というのは「運命の動機」と呼ばれています。この「運命の動機」は第一主題として使われるだけでなく、第二主題、第三主題、と様々な主題が登場してもなお、バックでまとわり続けます。この「運命の動機」が穏やかな旋律の裏に流れ続けることによって、この交響曲に緊張感を生み出ているのですね。

第1楽章 Allegro con brio
第2楽章 Andante con moto
第3楽章 Allegro. atacca
第4楽章 Allegro - Presto

ベートーヴェン:交響曲9番

ベートーヴェンの「第九」!みなさんは「第九」を聴いたことはあるでしょうか?
「第九」といえば年末に聞くことが多いですよね。でも実はこの風習は日本だけなんです。
NHK交響楽団がまだ有名でなかった頃、年末に「第九」を演奏して、大成功。それから日本では「第九」を演奏することが流行しはじめました。「第九」は合唱つきであることから「合唱」もしくは「合唱つき」として副題をつけられることが多く、4人の独唱もついています。これほど大編成なのにこれほど頻繁に演奏される交響曲は稀ですね。

第1楽章Allegro ma non troppo, un poco maestoso
第2楽章Molto vivace
第3楽章Adagio molto e cantabile - Andante moderato - Tempo I - Andante moderato - Tempo I - Stesso tempo

ブラームス:交響曲第1番

4曲あるブラームスの交響曲の中で最も有名な「交響曲第1番」。
ベートーヴェンを尊敬してやまないブラームスはベートーヴェンを超える交響曲を書こうと奮闘し、「ベートーヴェンの10番目の交響曲」と言われるほどの大曲を作曲することに成功しました。この曲の最初の短調の主題はなんだか「運命」と歩調が似ていますが、実は第一楽章の終盤では先ほどの「運命の動機」が使われています。本当にベートーヴェンを強く意識して作曲されている曲なのですね。

第1楽章 Un poco sostenuto - Allegro
第2楽章 Andante sostenuto
第3楽章 Un poco allegretto e grazioso
第4楽章 Adagio - Più andante - Allegro non troppo, ma con brio - Più allegro

マーラー:交響曲第1番

今流行りのマーラー!マーラーは今ではクラシック好きなら誰でも知っているような作曲家ですが、実は有名になったのは最近。マーラーの交響曲は編成が大規模すぎて、近年まではあまり演奏されることはありませんでした。しかもその曲の内容自体が難解!あまり評価されなかったのですね。
そんなマーラーの代表曲、交響曲第1番「巨人」。この曲は比較的編成が小さいことから最も演奏機会の多い交響曲です。この副題はジャンパウルの小説から取られた表題なのですが、作曲家本人は「これは適切な表題ではない」と言って破棄したのだとか。ただ、重々しい第一主題からこの副題をつけた人の気持ちもなんだか察せますよね。

第1楽章 Langsam, Schleppend, wie ein Naturlaut - Im Anfang sehr gemächlich
第2楽章 Kräftig bewegt, doch nicht zu schnell
第3楽章 Feierlich und gemessen, ohne zu schleppen
第4楽章 Stürmisch bewegt

モーツァルト:交響曲第39番、第40番、第41番


モーツァルトの三大交響曲第39番、第40番、第41番。その中でも交響曲第40番は数ある交響曲の中でもたった二曲しかない短調の曲。これらの三曲、動画を見ての通り全部で二時間もの大曲なのですが、たった6週間で書かれたと言われています。映画「アマデウス」をご覧の方はご存知かもしれませんが、この交響曲は死の直前に書かれた晩年の曲。最期までいかに精力的に作曲を続けていたかが伺えます。

ベルリオーズ:幻想交響曲

ベルリオーズ作曲「幻想交響曲」。今までこの記事をご覧の方にはわかると思いますが、今までの曲には交響曲ごとに表題がつけられていましたが、この曲には楽章ごとに表題がつけられています。
第一楽章:「夢、情熱」
第二楽章:「舞踏会」
第三楽章:「野の風景」
第四楽章:「断頭台への行進」
第五楽章:「魔女の夜宴の夢」
大変珍しいことにこの交響曲にはストーリーがついています。ベルリオーズ自身が失恋経験を告白するために作られた交響曲なのです。アヘンと恋に溺れた病的な感受性と激しい想像力を持った作曲家による劇的で「サイケデリック」な交響曲です。

ショスタコーヴィチ:交響曲第5番

ドミトリイ・ショスタコーヴィチは旧ソビエト連邦の作曲家。この曲を書く以前には「体制への反逆者」として扱われていた彼が自身の名誉を取り戻すために、革命20年を記念して書いた交響曲です。この曲はある意味「わかりやすい音楽」となっていて、今までの先進的で前衛的な交響曲とは異なり、古典的な構成となっています。この曲の作曲以後、ショスタコーヴィチは名誉を徐々に取り戻していきます。特に第四楽章が有名で、力強く迫力ある曲になっています。少しジョンウィリアムズのスターウォーズに似たフレーズなどもあり、大衆受けした理由がわかりような気がしますね。

第1楽章Moderato - Allegro non troppo
第2楽章Allegretto
第3楽章Largo
第4楽章Allegro non troppo

ニールセン:交響曲第4番

この交響曲には「不滅」という副題がつけられています。ニールセンの交響曲の中では、最も有名な交響曲です。この交響曲、実はティンパニが2群も必要です。右と左の両側から叩き鳴らされるティンパニーは非常に圧巻で、劇的な要素を帯びた楽曲になっています。不協和音などはあまり使われませんが、楽章が分けてあるにもかかわらず、連続して演奏されたりするなど、近代音楽らしさも色濃く見受けられます。

ニールセン:交響曲第五番

ニールセンの交響曲の中で、最も完成度の高いと言われる交響曲です。交響曲第5番は第4番とともに、第一次世界大戦の影響を色濃く受けていますが、第5番は第4番よりも深く内面的になっている楽曲です。第1番〜第4番まで、ニールセンは打楽器をティンパニーしか使いませんでしたが、この交響曲第5番では多様な打楽器類が使われており、太鼓のアドリブソロまであるほどです。

ピアノ曲

出典:upload.wikimedia.org

次に、ピアノ単体で演奏される楽曲をご紹介します。ピアノは他の楽器よりも多くの音を同時に奏でることができるので、ヴァイオリンやフルートといった管弦楽器よりも表現の幅の広いのが特徴です。単体の楽器で演奏されるものを「ソロ曲」とも言いますが、今回はピアノの「ソロ曲」をご紹介します。

バッハ:半音階的幻想曲とフーガ

「半音階的幻想曲」というタイトルからも分かる通り、半音階のめまぐるしいフレーズから入ります。この曲の和声進行と調展開はかなり計算されており、バッハらしさが際立ちます。この曲はバッハが弟子にレッスンする場合には必ずと言っていいほど弾かせた曲であり、自筆譜は残っていないにもかかわらず、弟子の書いた様々な譜面が残されています。

バッハ:平均律クラヴィーア曲集

バッハの生きた18世紀前半には、まだ現代でいうような12等分平均律は実践されていませんでした。つまり未だ音階が完成されていたわけではありません。ただし、バッハは「24の調がすべて綺麗に弾けるように自分の楽器を調律することを学んだ」と語っています。この曲はその24の調全てを用いることを目標に書かれた曲であり、音楽界を歴史的に変えた曲と言っても過言ではありません。

モーツアルト:きらきら星変奏曲

「きらきらひかる夜空の星よ」
この『きらきら星』の原曲でもある、きらきら星変奏曲。変奏曲というのは1番目の主題を元に数々のバリエーションを生んでいく音楽のことです。この曲には12のバリエーションがあります。明るく弾むようで、まさにモーツァルトと言えるようなピアノ曲。『のだめカンタービレ』や『四月は君の嘘』などいろいろな漫画や番組においても取り上げられる有名な曲です。

モーツアルト:ピアノソナタ ハ長調

初心者のためのクラヴィーア・ソナタとモーツァルト自身が名付けたピアノソナタ。今でもピアノを学ぶ方なら誰でも弾いたことがある曲なのではないでしょうか。初心者にとっては練習するのに最適な曲と言えるでしょう。のだめカンタービレや名古屋市営バスの停車時に流れるなど、一般の方にとってもお馴染みの曲でしょう。

ベートーヴェン:月光

ベートーヴェンの三大ピアノソナタの一つである「月光」。かなり有名な曲なので聞いたことのある方も多いのでないでしょうか。「ムーンライト・ソナタ」とも呼ばれ、短調の物悲しい曲ですが、その一見単純な譜面からは想像できないほど美しく、叙情的な曲となっています。この曲はベートーヴェンの弟子であり、恋人でもあったジュリエッタ・グイチャルディに捧げられた曲です。

ベートーヴェン:悲愴

ベートーヴェンの難聴が発覚した時期に書かれたピアノソナタ第8番「悲愴」。この曲もベートーヴェンの三大ピアノソナタの一つです。ただし、難聴が発覚した悲しみから書かれた曲、というわけではありません。この「悲愴」は人生の様々な悲しさを経験したベートーヴェンの魂から発露した名曲です。この2楽章もただ悲しみを表現した曲というよりは、悲哀を超えた先にある美しさを表現した曲と言えるでしょう。

リスト:ラ・カンパネラ

弾くのがかなり難しいとされるラ・カンパネラ。フジ子・ヘミングが演奏したことにより、一躍脚光を浴びた曲でもあります。もともとはパガニーニが作曲したヴァイオリンの曲であり、それがリストによって編曲されたものです。音の跳躍がかなり難しく、手の小さな人にはかなり弾きこなすのは難しいでしょう。

リスト:愛の夢 第3番

当初はソプラノ歌手用に作曲された曲ですが、その後作曲者本人により、ピアノ曲に編曲されました。ラ・カンパネラほどの技巧は問われませんが、それでもかなり難しく、さらにはその表現性もかなりのものを問われる曲と言えます。このフジ子・ヘミングの演奏はその両者、どちらも兼ね揃えた素晴らしい演奏と言えるでしょう。

リスト:詩的で宗教的な調べ第三曲「孤独の中の神の祝福」

先ほどまでの技巧的な曲とは打って変わって、音の量の少ない美しい曲。リストにしてはこの曲は珍しい曲調になっています。このような曲調を持つのは、この曲の他に、村上春樹の「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」にあげられた「巡礼の年」くらいでしょうか。非常に美しく穏やかな曲となっています。

ショパン:子犬のワルツ

デルフィーヌ・ポトツカ伯爵夫人に捧げられたこの曲。ショパンのワルツ第6番であり、子犬のワルツという通称で親しまれています。子犬が跳ねるような、遊ぶような音使いがされ、技巧的に過ぎず美しく響きます。ショパンの中では演奏しやすい曲であり、ピアノを学ぶ方の中では、弾く機会の多い曲と言えるでしょう。

ショパン:幻想即興曲

この曲もかなり演奏機会の多い曲。小犬のワルツとは違い、情熱的で技巧的な曲になっています。ショパンの幻想曲は4曲ありますが、その中で一番最初に作曲された曲です。この曲はショパンの生前には発表されず、「私の死後、この曲は燃やしてほしい」と友人に頼んだそうですが、友人のフォンタナがそれに背いて発表しました。

ショパン:ノクターン第2番

ノクターン第2番は「幻想交響曲」で有名なベルリオーズの元婚約者である、ピアノ製作会社プレイエル社長カミーユ・プレイエルの妻マリーに捧げられた曲。夜想曲(ノクターン)は21曲ありますが、その中で最もよく知られ、演奏機会の多いのが、このノクターン第2番です。左手の同じリズムが繰り返される中で、右手の旋律が変奏されていきます。

ブラームス:6つのピアノ小品

ブラームスの最晩年の曲の一つ。ドイツの音楽家らしく、アーフタクトを強調するような強い主張の音楽が比較的有名なブラームスですが、この曲はかなり穏やかで美しい曲となっています。上の動画にあげた第二曲は6曲ある6つのピアノ小品の中で最も単独で演奏される機会の多い曲であり、メランコリックな曲調が印象的です。

ブラームス:愛のワルツ

ピアノ連弾曲集「16のワルツ」の15番目の曲。16のワルツの中には、スラブ的な民族音楽をモチーフにしたもの、ハンガリーをモチーフにしたもの、子守唄的なものなど様々な色彩を持つワルツが集められています。この曲も『のだめカンタービレ』やCMなどに使われています。

ラヴェル:水の戯れ

印象主義音楽の先駆けとも言えるラヴェル作曲の「水の戯れ」。技巧的ですが穏やかな曲調で、このアルゲリッチの演奏はその技巧的ながら美しい音楽を表現しきっていると言えます。アルゲリッチと言えば表現性を兼ね揃えたテクニック。しばしば通常の演奏よりも少し早めに演奏されますが、この曲についてもそうなっています。

ラヴェル:クープランの墓

オーケストラ、木管五重奏、吹奏楽など様々に編曲されるラヴェルの中でも最も人気の高い曲である、「クープランの墓」。「プレリュード(前奏曲)」、「フーガ」、「フォルラーヌ」、「リゴドン」、「メヌエット」、「トッカータ」の6つの曲からなっています。第一次世界大戦で亡くなった人たちへ捧げるための曲として書かれました。ラヴェル最後のピアノ独奏曲になっています。

ラヴェル:ピアノのためのソナチネ

古典的な形式に則って作られた曲。第一楽章「中庸の速さで」第二楽章「メヌエット」第三楽章「生き生きと」からなる曲です。繊細なメロディーながらもうまく古典的形式にはまった曲です。音楽雑誌作曲コンクールのために書かれた曲で、その完成度が光ります。

ドビュッシー:夢

この曲はドビュッシーが経済的に苦しんでいた時期に書かれた曲です。自身は「ロマンティックなタイトルに惹かれて作曲したに過ぎない」としてこの曲を酷評し、出版しようとはしませんでした。しかし、1908年に出版されました。ドビュッシーにしては平易な曲ですが、ロマンティックなメロディーと美しい構成が特徴的でとても演奏機会の多い曲になっています。

ドビュッシー:月の光

ベルガマスクは「プレリュード」「メヌエット」「月の光」「パスピエ」の4曲からなる組曲であり、「月の光」が最も有名で演奏機会の多い曲です。優しく切ない曲調で有名です。この曲はフォーレの「月の光」を参考にして作られた曲と言われています。月の光に照らされる幻想的な風景が眼に浮かぶようですね。

ドビュッシー:喜びの島

先ほどの二曲は優しく平易な曲調ですが、この喜びの島は非常に技巧的です。しかしながら爽やかな喜びに包まれた聴きやすい曲で、非常にドビュッシーらしい曲と言えるでしょう。もともとはベルガマスク組曲の一つの組曲にいれられる予定でしたが、結局は単独で発表されることとなりました。印象派的で上品な雰囲気に包まれています。

そのほかの楽曲

出典:www.classica-jp.com

もちろん、交響曲とピアノ曲だけがクラシック音楽ではありません。クラシック音楽には様々なジャンルがあり、様々なタイプの編成があります。この項では、クラシック音楽における様々なジャンルから最も有名なものをピックアップしてご紹介致します。交響曲以外のオーケストラ編成の楽曲やオーケストラにソロ楽器を加えた協奏曲、少人数で演奏される室内楽曲などなどです。

リスト:死の舞踏

この曲を聴いて何かが浮かび上がらないでしょうか。そう、ベルリオーズ「幻想交響曲」。きっとベルリオーズを聴いたことがある方ならば、誰でも思い浮かべることができるのではないかと思います。どちらの曲もグレゴリア聖歌「怒りの日」の旋律を利用しており、ありありと「死」が迫る様子を思い浮かべることができます。このようなテーマ性をはっきりとさせた作品は、リストのよく知られたレパートリーの中では珍しいのではないでしょうか。ただし、中間部ではそのようなテーマ性だけでなく、リストらしい叙情性を聞くことができます。

ラヴェル:ボレロ

誰もが知っているこの曲、ボレロ。バレエ曲として作曲されました。スネアドラムの同一のリズムのもと、二つのメロディーが繰り返し奏でられるという形をとっています。初めのフルートソロから始まり、最後には大迫力のフィナーレを迎えます。のだめカンタービレなど様々な番組などで取り上げられています。単純な構成にはなっていますが、この曲には様々な意趣が加えられています。和音も特徴的で、協和音から不協和音まで様々使われています

ラヴェル:ラ・ヴァルス

ヴァルスとは、フランス語でワルツのこと。「スペイン狂詩曲」などラヴェルはオーケストラのためのワルツを多く書いていますね。ただ、この「ラ・ヴァルス」は舞踏会のような華々しさ、軽やかさというよりは怪しさを感じさせるワルツです。冒頭の部分から混沌とした雰囲気が漂いますが、その影からだんだんとワルツらしい主題が現れてきます。ただし、単純に優雅なワルツではありません。その背後には怪しいトレモロが流れ、だんだんとテンポが崩れ、リズムが破壊され、最後は無理やりとでも言えるような終わり方を見せます。

シベリウス:ヴァイオリンコンチェルト

シベリウス作曲のヴァイオリンコンチェルトは、ヴァイオリンコンチェルトの中でもかなり難解な曲に類する楽曲です。シベリウスはヴァイオリニストを目指していた時期もあり、この曲を演奏するのは彼の憧れであったかもしれません。交響曲第2番が作曲された2年後に作曲されています。第一楽章の冒頭部分はとてもカッコイイですね!この冒頭部分をシベリウスは「極寒の澄み切った北の空を、悠然と滑空する鷲のように」とかたっていたそうです。

フィンランディア

記事の冒頭で述べたとおり、フィンランドの独立運動に影響を受けて作曲された曲です。シベリウスの楽曲の中で、最も有名な局地得るのではないでしょうか。作曲された当初は「フィンランドは目覚める」というタイトルであり、いかにもナショナリズムらしいタイトルになっています。金管の序奏は重々しく雄大であり、フィンランドの大自然を表しているようです。

グリーグ:ピアノ協奏曲

冒頭のフレーズはクラシック音楽をほとんど聞かないという方でもご存知なのではないでしょうか?このフレーズはノルウェー民俗音楽に特有のものなのですが、このフレーズだけでなく、この曲のいたるところにこのような民俗的フレーズがちりばめられていますね。
第一楽章:Allegro molto moderato
ティンパニのトリルに導かれてピアノが流れ落ちていくような冒頭のフレーズ。民俗的な主題が印象的です。
第二楽章:Adagio
穏やかな旋律と柔らかな管楽器の絡まりがとても美しい楽章です。終盤ではピアノが情熱的に歌い、だんだんと静かに終わりを迎えます。
第三楽章:Allegro moderato molto e marcato
第二楽章との切れ目なく始まる、前楽章とは打って変わった軽快で力強い三楽章。中間部の叙情的なフルートがとても印象的です。

グリーグ:ペール・ギュント

組曲『ペール・ギュント』は、ヘンリック・イプセンが作った戯曲『ペール・ギュント』につけられた音楽のことです。自由奔放な旅人、ペール・ギュントの生涯を描いた作品であり、韻文で書かれています。最も有名なのは、第一組曲の第一曲目『朝』でしょうか。フルートの第一フレーズがいかにも朝らしく響きます。

ドヴォルザーク:弦楽四重奏「アメリカ」

アントニン・ドヴォルザーク作曲、弦楽四重奏曲第12番作品96「アメリカ」。ドヴォルザークといえば交響曲第9番「新世界より」ですが、この曲にも「新世界」と同じように民謡風のフレーズがいたるところに散りばめられています。最初のヴィオラによるフレーズなどはまさにそれですね。なんとなく、懐かしい響きが感じられます。明るく温かく優しい曲となっています

ラヴェル:弦楽四重奏

モーリス・ラヴェル作曲、弦楽四重奏曲ヘ長調。この曲はドビュッシー作曲の弦楽四重奏曲に大きな影響を受けています。ドビュッシーの弦楽四重奏曲の作曲後十年で作られた楽曲です。まさに印象派!と言った音楽。ドビュッシーに影響を受けているだけあって、第二楽章には特徴的なピッチカートが使われていますね。和音の使い方もとても素晴らしいものです。ドビュッシーの弦楽四重奏と一緒に聞くとより深く味わえるかもしれませんね。

ベートーヴェン:弦楽四重奏第7番「ラズモフスキー第一番」

ベートーヴェン作曲弦楽四重奏曲第7番「ラズモフスキー第1番」。この”ラズモフスキー”という副題はベートーヴェンがラズモフスキー伯爵にこの曲を献呈したことから名付けられています。ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第7番から第9番まではどれもラズモフスキー伯爵に献呈されていて、それぞれ「ラズモフスキー第1番」「ラズモフスキー第2番」「ラズモフスキー第3番」などと副題がついているんですね。快楽から哀愁まで様々な色彩を持った楽曲となっています。

シューベルト:弦楽四重奏「死と乙女」

フランツ・シューベルト作曲、弦楽四重奏曲第14番「死と乙女」。「死と乙女」という副題はシューベルト自身が作曲した歌曲「死と乙女」からきています。第二楽章のテーマがこの歌曲から引用されていることからこう名付けられました。マティアス・クラディウスの詩がついた歌曲であり、病に悩まされる乙女と死神との対話を描いたものです。力強い短調の響きと物悲しさが見事に対照的に光る楽曲です。

ドビュッシー:弦楽四重奏

クロード・ドビュッシー作曲弦楽四重奏曲ト短調作品10。ドビュッシーが唯一完成させた弦楽四重奏曲です。ドビュッシーはこの曲を作る以前にも弦楽四重奏曲を作ろうと尽力していましたが、途中で構想がまとまらずに断念してしまいました。そのためこの曲がドビュッシーの唯一の弦楽四重奏曲となっています。
この曲はドビュッシーの作曲理念を明確に反映しているといえます。決して技巧的に過ぎることなく、絶妙な和音を使用しています。重々しい主旋律の裏で奏でられるピッチカートはとても印象的ですね。

ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番

まさに、『皇帝』!!なんて堂々とした曲なのでしょう。でも実は、この『皇帝』というタイトルはベートーヴェン自身がつけたものではありません。この曲を聞いた人たちがその壮大さに感動してこう名づけたのかもしれませんね。ベートーヴェンはナポレオンへの賛同を示して交響曲『英雄』を書いているくらいですから(完成後、ナポレオン皇帝即位に激怒して『ある英雄の思い出のために』と書き換えたのですが…)この曲も自分の思い描く皇帝を描写したものなのかもしれません。

第一楽章:Allegro
いきなりのピアノ独奏。とてもよく知られているフレーズです。ピアノソロとオーケストラの儀式風のカデンツァがとても印象的です。内省的なピアノ協奏曲第4番とは全く異なる力強さが示されています。

第二楽章:Adagio un poco mosso
穏やかな曲調の第二楽章。変奏曲形式になっており、全体は3部から構成されています。

第三楽章: Rondo Allegro - Piu allegro
第二楽章からそのままなだれ込み、快活なリズムで始まります。

チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第一番

ピョートル・チャイコフスキー作曲、ピアノ協奏曲第1番。クラシック好きならもはや興味の対象外となってしまうほどの有名曲。チャイコフスキーがこの曲を友人のルビーンシュタインに聞かせたところ、即座に酷評されたという話はよく知られているものです。彼はひどく傷つきながらもこの曲を完成させました。
この批判は、第一楽章が主調とは別の調から開始し、さらにその調には戻らないという大胆な構成からくるものなのですが、批判を受けたこの構成こそがこのコンチェルトの緊張感、不安感を高め、この曲の劇的な性格を生んだのです。

第一楽章:Allegro non troppo e molto maestoso- Allegro con spirito
この曲もよく知られたホルンのテーマから始まります。シンフォニックで壮麗です。

第二楽章:Andantino semplice -Prestissimo-Quasi Andante
簡潔な旋律の流れを特色あるロシア風の半音の諸関係で支えています。

第三楽章:Allegro con fuoco
ウクライナ民謡を第一主題としたロンド形式。ソナタ形式の応用も取り入れられています。

ガーシュイン:ラプソディー・イン・ブルー

ジョージ・ガーシュウィン作曲のこの曲。クラシック音楽好きにjazzyなクラシック音楽家って誰?と聞けば十中八九最初に出てくるのが、このジョージ・ガーシュインでしょう。ガーシュインはまさにアメリカ音楽の祖。クラシック音楽界、ポピュラー音楽界双方に大きな功績を残した人物です。
オペラ、ミュージカル、管弦楽曲様々なジャンルで活躍した彼ですが、その中でも最も有名である曲がこの『ラプソディー・イン・ブルー』。のだめカンタービレなどでも度々登場し、日本でも一躍有名な曲となりました。クラリネットのグリッサンドから始まる印象的なソロとまさにアメリカ!なjazzyなメロディ。クラシック音楽に興味がないという方でも押さえておくべき楽曲でしょう。

カプースチン:8つの演奏会エチュード

ニコライ・カプースチンの8つの演奏会エチュード。作曲家としては無名の時代が続いていましたが、近年数々のコンサートでその楽曲を取り上げられるようになった現在を走るウクライナの音楽家です。ジャズだけをかじっていたのではこの曲には出会えないでしょう。まさにクラシックとジャズの見事な融合が果たされた超絶技巧曲です。カプースチンは作曲家としてだけでなく現在にいたっても素晴らしいピアニストとして活躍しています。(少々、マニエリスムチックではありますが。)音楽を志すものならば一度必ずこんな曲が弾ければ…!という思いを抱くような曲です。

ヒンデミット:5つの管楽器のための「小室内楽曲」

このヒンデミットという作曲家もロマン派や印象主義音楽からの逸脱を試みた人物です。木管五重奏という編成が新しいというわけではありませんが、現代の曲ばかりが現在に演奏されているというのはこのクラシック音楽の世界では不思議なものです。ヒンデミットは第一次世界大戦後ごろから活躍した新即物主義の作曲家です。元々は美術における動きだったものが音楽にも影響を及ぼしました。木管五重奏曲はフランスの曲が多いですがこの曲はドイツ人であるヒンデミットが書いていることもあり、ドイツ音楽らしい音楽になっています。

様々なクラシック音楽を堪能しよう

これだけのクラシック音楽を聞けば、クラシック音楽というだけでも編成も楽曲の雰囲気も様々であることをお分りいただけたかと思います。今に残るクラシック音楽の量は膨大です。探せば探すほど面白く、自分の好きな曲がきっと見つかるはずですので、ぜひ色々な曲を聴いてみてください。

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