ジャズ界の伝説、ビル・エヴァンスの名盤5選
ジャズミュージックの巨匠ビル・エヴァンス。彼の残した名盤を紹介します。
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アイキャッチ画像出典:www.flickr.com
ジャズ界の巨匠、ビル・エヴァンス
世界で最も有名なジャズピアニストの一人、ビル・エヴァンス。彼の演奏はピアニストばかりでなく、様々の音楽家に影響を与え、作品はジャズ・ミュージシャンに幾度となく演奏されています。ドビュッシーやラヴェルなどジャズだけでなくクラシック音楽印象派の音楽にも深く傾倒していました。特にピアノトリオとしての活動が有名で、多くの名盤をこの世に残しました。ただしその晩年は悲惨なもので、薬物乱用により体を蝕まれました。演奏会直前のヘロイン注射により右手が全く動かなくなり、左手一本で本番を迎えたというエピソードもあるほど。その長年の飲酒と薬物使用が原因で51歳によりこの世をさりました。
Portrait In Jazz
ビル・エヴァンス(ピアノ)、スコット・ラファロ(ベース)、ポール・モチアン(ドラム)からなるピアノ・トリオのアルバム。ビル・エヴァンス4番目の作品。Waltz for Debbyと双璧をなす代表作です。
Come Rain Or Come Shine
Autumn Leaves
Witchcraft
When I Fall In Love
Peri's Scope
What Is This Thing Called Love?
Spring Is Here
Some Day My Prince Will Come
Blue In Green
Autumn Leaves (枯葉)
ジャズのスタンダードナンバー「Autumn leaves(枯葉)」。元々は第二次世界大戦後にジョゼフ・コズマが作曲したスローテンポのシャンソン曲。6/8拍子の曲です。数多くのミュージシャンにカバーされており、この演奏もその一つです。このビル・エヴァンスのソロはかなり人気でそのままコピーする人もいるほど。
Waltz for Debby
同じくビル・エヴァンス・トリオの代表的なアルバム。
この収録後すぐに、スコット・ラファロが交通事故により他界したため、このアルバムがスコット・ラファロ最後の録音となりました。
My Foolish Heart
Waltz for Debby
Detour Ahead
My Romance
Some Other Time
Milestones
Porgy
Waltz for Debby
「枯葉」とは異なり、この曲は、ビルエヴァンスが1956 年に作った曲。彼の姪、デビイのために作られた曲です。前奏ではワルツですが、インテンポに入ると4拍子に移ります。この曲も数々のミュージシャンによりカバーされています。日本でも、土佐麻子がカバーをしています。CMで聞いた方も多いのではないでしょうか。
Explorations
日本語で「探求」を指す、Explorations。ビル・エヴァンス・トリオの2番目のアルバム。
Israel
Haunted Heart
Beautiful Love
Elsa
Nardis
How Deep Is the Ocean?
I Wish I Knew
Sweet and Lovely
The Boy Next Door
Israel
ビル・エヴァンス好きにファンが多いこの曲。小気味のいいアップテンポのドラムスに合わせ、ピアノソロが響きます。この曲は中盤のコントラバスのソロが聴きどころです。コントラバスのソロに合わせピアノが素晴らしいタイミングで和音を入れてきます。これこそビル・エヴァンス・トリオにしかできない演奏と言えるのではないでしょうか。アンサンブルという点においてその技巧性が際立っています。
I Will Say Goodbye
ビル・エヴァンス晩年のアルバム。薬物乱用が最も酷い時期に作られたアルバムですが、美しく哀愁を持って響き、全く技術力・表現力の衰えが感じられません。
I Will Say Goodbye
Dolphin Dance
Seascape
Peau Douce
Nobody Else But Me
I Will Say Goodbye
The Opener
Quiet Light
A House Is Not a Home
Orson's Theme
I Will Say Goodbye
ドラッグ使用がピークに入った時期とは思えない美しい演奏になっています。先ほどのisraelとは打って変わってスローテンポのピアノソロから入ります。ドラムスのフィルインが効果的に響いていますね。コントラバス、ドラムス、ピアノがソリスティックに響くにもかかわらずうまくバランスが取れた演奏になっています。このような美しいアンサンブルもクラシック音楽に精通しているビル・エヴァンスならではのものなのかもしれません。
Alone
上の4つのアルバムはピアノトリオのアルバムですが、こちらのアルバムは、ビルエヴァンスのピアノソロのアルバムです。彼はピアノトリオで有名ですが、ソロでも独自の世界を作り上げ、成果を上げています。
Here's That Rainy Day
A Time for Love
Midnight Mood
On a Clear Day
Never Let Me Go
All the Things You Are/Midnight Mood(メドレー)
A Time for Love
Here's That Rainy Day
Johnny Burke作詞、Jimmy Van Heusen作曲の名曲です。ソロピアノでここまで飽きさせないアドリブソロをこなせるビル・エヴァンスはやはり「ジャズの伝説」と呼ばれるのにふさわしい人物でしょう。ピアノソロではチック・コリアやキース・ジャレットが有名ですが、彼らほど演奏にクセがなくすっと耳に入ってきます。
ジャズを聴きはじめるなら、ビル・エヴァンスから
ビル・エヴァンスの名盤を紹介しました。ビル・エヴァンスは時代的に言っても、前衛的に過ぎず古典的に過ぎず、ジャズ初心者にとっては聴きやすい曲が多いです。ビル・エヴァンスと並んで有名なキース・ジャレットなどと聴き比べてみるとよく分かります。(キース・ジャレットなどはソロの途中に叫び声などを入れてくるので、はじめて聞くと、少し戸惑ってしまうかもしれません笑)また、ビル・エヴァンスのトリオの音楽は何と言っても上品。センスのいいジャズ音楽への入り方と言えるでしょう。
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この記事のライター
クラシック音楽と文学と少々のお酒をこよなく愛する20代。現在は筋トレにハマりはじめている。慶應義塾大学在学中。