「ピアノの詩人」ショパンの魅力!おすすめの名曲ベスト10
ショパンといえば、誰もが知っている有名作曲家ですが、その曲はご存知でしょうか。子犬のワルツや幻想即興曲など有名な曲はたくさんありますよね。今回はショパンの名曲を10曲ご紹介します。
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アイキャッチ画像出典:www.shimamura.co.jp
フリデリック・フランソワ・ショパン
ショパンは19世紀前半のポーランドの作曲家、ピアニスト。リストが「ピアノの魔術師」と呼ばれたのに対し、ショパンは「ピアノの詩人」と呼ばれました。ピアノの演奏会で取り上げられるのはショパンが一番多いのではないでしょうか。様々な形式や旋律によってピアノの新たな新天地を切り開きました。その必要とされるテクニックだけではなく、叙情性の豊かさがショパンの魅力です。マズルカやポロネーズなど民族音楽独特のリズムの表現なども聞きどころ。今回はそんなショパンの名曲をご紹介します。
子犬のワルツ
デルフィーヌ・ポトツカ伯爵夫人に捧げられたこの曲。ショパンのワルツ第6番であり、子犬のワルツという通称で親しまれています。子犬が跳ねるような、遊ぶような音使いがされ、技巧的に過ぎず美しく響きます。ショパンの中では演奏しやすい曲であり、ピアノを学ぶ方の中では、弾く機会の多い曲と言えるでしょう。
別れのワルツ
ショパンの初期作品です。切なくロマンティックなワルツであり、第一主題の半音階のフレーズの切れ目が印象的です。ショパンはドレスデンに滞在した際にマリア・ヴォジンスカという貴族の娘に恋をしました。結局、ショパンは平民と貴族という身分差ゆえに結婚することができず、マリアと別れることになります。この「別れのワルツ」はその際に作られた曲であり、独特の悲哀と感傷にあふれた曲になっています。
幻想即興曲
この曲もかなり演奏機会の多い曲。小犬のワルツとは違い、情熱的で技巧的な曲になっています。ショパンの幻想曲は4曲ありますが、その中で一番最初に作曲された曲です。この曲はショパンの生前には発表されず、「私の死後、この曲は燃やしてほしい」と友人に頼んだそうですが、友人のフォンタナがそれに背いて発表しました。
ノクターン二番
ノクターン第2番は「幻想交響曲」で有名なベルリオーズの元婚約者である、ピアノ製作会社プレイエル社長カミーユ・プレイエルの妻マリーに捧げられた曲。夜想曲(ノクターン)は21曲ありますが、その中で最もよく知られ、演奏機会の多いのが、このノクターン第2番です。左手の同じリズムが繰り返される中で、右手の旋律が変奏されていきます。
軍隊ポロネーズ
ショパンのポロネーズの中では「英雄ポロネース」と並んで有名な曲です。ポロネーズ自体が威厳に満ちた曲ではありますが、この「軍隊ポロネーズ」は特にその色合いの強い曲であり、「軍隊的」と言える曲でしょう。ショパンを「ピアノの詩人」たらしめた叙情性は見受けられず、ショパンの曲の中では珍しいと言えるかもしれません。曲の終わりも突然に訪れます。
英雄ポロネーズ
ショパンのポロネーズの中では最も有名な曲。ショパンの最高傑作として知られています。まさに「英雄」と言わんばかりの堂々とした第一主題は印象的です。ポロネーズとは「ポーランドの」を意味するフランス語で、三拍子のポーランドの国民的な民族舞踊を指しますが、その民族舞踊を見事な芸術的音楽に昇華させています。第二主題から感傷的な第三主題へ、そして第一主題への回帰は非常にうまく構成されており、「最高傑作」と言われるのも頷けます
幻想ポロネーズ
英雄ポロネーズ、軍隊ポロネーズと並んで有名な曲です。この曲が果たして堂々たるポロネーズと言えるかは果たして疑問です。この曲はポロネーズというよりは、ポーランド舞踊独特のリズムを利用した幻想曲と言えるでしょう。「この曲はいたるところ突然の変動に傷つけられた深い憂愁や、急な驚きに乱された平安や、忍びやかな嘆きで 色取られている。全ての希望が失われ、かつ乱れた感情を経験する。」フランツリストはこのように語っています。断片的な主題が交錯し、感情の揺れをうまく表しているのですね。ショパンの叙情性が全面に現れた曲と言えるでしょう。
革命のエチュード
ショパンが演奏旅行でポーランドを離れていた際、ポーランドの独立運動がロシアに鎮圧されたと聴いて作曲されたというエチュード。「革命」というタイトルはフランツ・リストがつけました。「ピアノの魔術師」と呼ばれたリストはどんな曲でも初見で弾きこなせたという逸話がありますが、この曲だけは初見では引くことができなかったというエピソードがあるほどの超絶技巧曲です。様々なテレビ番組や、アニメなどで紹介されており、ショパンの代表曲と言える曲です。
木枯らしのエチュード
ショパンのエチュードの中では最も演奏機会が高く最も人気のあるエチュード。初めの単純な第一主題が繰り返されますがその背景には下降系の非常にテクニックの必要とされるアルペッジョが繰り返されます。かなりの難曲であり、左手が旋律を担当し、右手が6連符を鳴らし続けます。この6連符がまるで宝石のようにキラキラと輝き、ショパンの詩的センスを感じさせています。
スケルツォ第二番
「スケルツォ」はイタリア語で冗談を意味し、陽気で速いテンポの三拍子の曲の事を言います。このスケルツォ第二番はショパンが作曲した4曲のスケルツォの中でも最も有名な曲です。ベートーヴェンが生きたような少し前の時代のスケルツォは軽く跳ねるような曲が多いのですが、このショパンの第二番は一見すると暗く重々しい曲になっています。ですが、その暗さの合間合間にスケルツォらしいユーモアが感じられ、うまくコントラストを作り出しています。
「ピアノの詩人」と呼ばれた作曲家
いかがでしたでしょうか。どの曲も叙情性と独創性に富んだ曲が多かったですね。「ピアノの詩人」と呼ばれたショパンの曲はどの曲も単一のイメージで片付けることはできません。憂鬱、滑稽、愛情など様々な感情が織り交ぜられる中で見事な音楽に昇華させています。聞けば聞くほどその深さが身にしみて感じられます。ぜひこの10曲だけでなく様々なショパンの曲を聴いてみてお気に入りの一曲を見つけてみてください。
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この記事のライター
クラシック音楽と文学と少々のお酒をこよなく愛する20代。現在は筋トレにハマりはじめている。慶應義塾大学在学中。