本当の自分を知る 遺伝子分析でベストなフィットネスを選択しよう
人はどんな分野においても人それぞれ向き、不向きというものがあります。これには性格や体質的な要因が深く関係しているのですが、当然スポーツやフィットネスにおいてもこれは同様です。あなたは自分がどんな運動に向いているのか、知りたくはありませんか?
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遺伝子分析で分かる事
現在では医学や科学の進歩により簡単な遺伝子分析を行うだけでどんな病気に罹りやすいのか、肥満や高血圧、糖尿病に罹るリスクはどのくらいあるのか等、かなりの精度で分かるようになっています。私自身も、とある分析結果を活用し医療保険の特約を選ぶ際などに活用しているのですがこの遺伝子分析、実は筋肉や筋繊維の質を判定する事も可能なのです。
運動能力や筋肉の発達に関する遺伝子分析は主に3つの種類があります。1つは「ACTN3遺伝子」です。ACTN3遺伝子はいわゆる速筋(白筋)派か遅筋(赤筋)派かを決定するもので、1型の場合は速筋優位。3型の場合は遅筋優位。2型の場合はバランス派となります。速筋派は瞬発系の運動に適していますから、スプリント系や格闘技、パワーリフティング、または筋肥大しやすい特性を活かしてフィジークやボディビルに適しています。逆に遅筋派はマラソンなど持久系の種目に向いていると言えるのです。
出典:ganmaga.jp
2つ目は「ACE遺伝子」です。ACE遺伝子は血管が筋肉に栄養を供給する能力を決定づけています。ACE遺伝子には血管拡張能力が高く疲労の蓄積が遅い1型、標準的で特に長所も短所もない2型、そして瞬間的な供給力に特化している3型があります。
3つ目は「PPARGC1A遺伝子」です。PPARGC1A遺伝子は細胞内のミトコンドリアの数に大きく関係しています。ミトコンドリアの数が多ければ多いほどエネルギー生産性が高く、スポーツにおいて長時間に渡って高いパフォーマンスがキープできるのです。
PPARGC1A遺伝子にはミトコンドリアの増殖性が高い1型、増殖性の低い3型。そして標準的な2型があります。
3種類の遺伝子にそれぞれ3つのタイプ。合計で9つの筋肉遺伝子のタイプが存在する事になるのです。
なんのためのフィットネス?
あなたは何のためにフィットネスやスポーツをしていますか?好きだから?健康のため?もしくは自己実現のためでしょうか。その理由は一人ひとり違いますがこの世の中にたくさんあるフィットネスやスポーツの中から何か1つ(或いは2つ)を選ぶ時、自分にはどんな特性があり、どんな運動に向いているのかを遺伝子レベルで理解していれば、おそらくその知識は運動の選択において重要な役割を持つ事でしょう。
あなたが、長距離を走る事が三度の飯より好きだ、というのであればそこに才能の有無は関係ありません。スイミングも筋トレによるボディメイクも、フットサルも社会人野球もボウリングクラブだって同様です。「LOVE」に勝る強い動機は存在しないのです。
しかし、多少なりとも他人より良い成績を残したい。自分の成長を強く実感したいというのであれば自分に向いているであろう運動を選ぶ方が得策です。例えば、ACTN3遺伝子が1型タイプで、ACE遺伝子が3型の人がフルマラソンで結果を出すのは相当難しいと考えられますが、逆に短距離走で良いタイムを出したり、ウエイトトレーニングによって筋肉を大きく成長させ見栄えのする体を作ろうとすることは他の人よりもかなり有利に進められるはずです。
また、PPARGC遺伝子が1型で、ACTN遺伝子が3型の人などはトライアスロンにチャレンジしてみても良いでしょう。
自分の可能性を知り、選択肢を広げることは人生に大きな喜びを与えてくれるのです。
正解は一つではない
多くの人にとっては趣味であり、楽しみであるスポーツやフィットネスは、目的では何であれ自分自身がエンジョイすることが最重要です。価値観は人それぞれですから正解は1つではありません。つまり、正解はゴロゴロとたくさん転がっているものなのです。
遺伝子分析の結果はそんな数ある正解の中の一つに過ぎません。ただ、それでも、科学的に自分にどんな特性があるのかという答えは大きな拠り所になる事は事実です。自分の成長が止まってしまった、壁にぶつかった、スランプに陥った…そんな状態を切り抜けようとする時、遺伝子分析は大きな精神的支柱になってくれるかもしれません。
自分を見つめ直し、何かを始めるきっかけや変化のきっかけとして、遺伝子分析を活用してみてはいかがでしょうか。
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この記事のライター
コンテストフィジーカーとして日々鍛錬しております。ボディメイク・筋トレ・フィットネス関連を中心に執筆致します。筋トレノウハウやサプリメントに関しても全て自分で実践している物。使用した経験がある物に限定しております。ネットに溢れるウソの情報や質の悪い情報を淘汰するため戦い続けます!