現代の名ピアニスト誕生!1978年からのリーズ国際ピアノコンクール
1978年から2009年までのリーズ国際ピアノコンクールの覇者は、現代を代表する名ピアニストであり後進の指導もしているパワフルな人たちです。いずれもそれぞれの出身国を代表し、ピアニストの歴史に残る名人です。その5人をご紹介いたします。
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名ピアニストであり名指導者
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リーズ国際ピアノコンクールは、1963年からイギリスのリーズで開催されている国際的なピアノコンクールです。今回は1978年から2009年までの間の覇者をご紹介いたします。1975年くらいから、世界各国のコンクールは旧ソ連の国際的な政治問題から自国のピアニストの出場を自粛したという経緯があります。
そのため、ロシアのピアニストはほんど見かけませんが、無国籍で出場するということもあったようです。各コンクールは一時期、海外のピアニストの覇者が多く見られました。今回ご紹介するピアニストたちは、ロシアのピアニスト不在の覇者ですが、いずれも優れたピアニストであり指導者でもあります。
1978年 1位 ミッシェル・ダルベルト
1978年1位のミッシェル・ダルベルトは1955年フランス出身です。パリ音楽院で重鎮のヴラド・ペルルミュテールに師事しました。シューベルトの演奏は定評があります。2006年、日本のNHK「スーパーピアノレッスン」ではテレビ公開レッスンを行い、人気が出ました。貴公子のようなインテリの雰囲気があり、繊細で人間味のある曲の解釈をするピアニストです。
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1984年 1位 ジョン・木村・パーカー
1984年の1位はジョン・木村・パーカーです。1955年生まれの日系カナダ人です。弟、いとこ、母親などの親族が音楽家という恵まれた環境で、幼少期から音楽の才能あふれる少年時代を過ごしています。大柄な体格でラフマニノフやバーバーなどの大曲を「いとも簡単にやってのける」雰囲気があります。
日本へも「さくら」の変奏曲、「オスカー・ピーターソン」メドレーなどをアンコールに、たいへん粋な演奏を聴かせてくれました。クラシックピアノコンサートのアンコールにジャズを取り入れることは日本ではあまり行われなかったこともあり、美しい音色に見せられた人も多いように思います。「世の中のすべての音楽を聴く」というスタンスのもと、後進の指導と演奏活動に多忙なピアニストです。
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1987年 1位 ウラディーミル・オフチニコフ
1987年の1位はロシア出身のウラディーミル・オフチニコフです。彼は1958年生まれで、モスクワ音楽で研鑽を積みました。チャイコフスキーコンクールでは惜しくも1位なしの2位という成績でしたが、リーズでは1位獲得です。現在は母校で教授として後進の指導に尽力しています。得意なラフマニノフなどロシアの作曲家の作品を中心に演奏活動をしていますが、現在ロシアを代表するピアニストの1人です。
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1990年 1位 アルトゥール・ピサロ
1990年1位のアルトゥール・ピサロは1968年ポルトガル生まれです。祖母がピアニストという血筋で幼少から本格的にピアノの勉強を始めています。3歳で公開演奏をするほどの才能だったようです。コンクール優勝後は国際的に活躍するピアニストとして活動しています。現在のポルトガルを代表するピアニストの1人です。
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2009年 1位 ソフィア・グルャク
2009年の1位は、1979年ロシア生まれのソフィア・グルャクです。ロシア生まれですが、イギリスの王立音楽院で学び世界中のコンクールに数多く出場し、ほとんどは優勝または3位以内の入賞という成績です。ブゾーニ国際ピアノコンクール、リスト国際ピアノコンクールなどですが、最高峰であるショパンコンクールとチャイコフスキーコンクールはなぜか挑戦していません。
得意とするものは、ロシアの作曲家ラフマニノフ、スクリャービン、プロコフィエフ、メトネルなどで、リスト、ショパンなどの難曲です。現代を代表する実力派女流ピアニストといえます。
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リーズ国際ピアノコンクールの行方
いかがでしたでしょうか。リーズ国際ピアノコンクールはイギリスの名門ピアノコンクールです。ただ、近年レベルの低下に関して心配される声もあったのですが、審査員の総入れ替えにより次回からは刷新されるということです。ショパン、チャイコフスキーコンクールなどに人気が集中し、優秀なピアニストの参加が集まらないという今の現状を打破できるかどうかは次回にかかっているかもかれません。楽しみに待ちたいものです。
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この記事のライター
検査技師をしておりました。現在は家庭に入り、ライター、アンティークドールのディーラー、人形関連の制作と売買、ピアノ講師などをしています。趣味の薔薇や犬、鳥の世話と夫と子供の世話に忙しい毎日です。