1956年からのエリザベート王妃音楽コンクールのピアニストたち

1956年からのエリザベート王妃コンクールは、世界的な大ピアニスト「アシュケナージ」が1位の他、20世紀を他代表するピアニストの粒ぞろいです。もっとも全盛期であったコンクールの入賞者たちをご紹介いたします。

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今世紀最大のピアニスト現る

出典:pixabay.com

1956年開催のコンクールは素晴らしいピアニストを輩出しました。ウラジーミル・アシュケナージは戦後のもっとも良い時期に現れた幸運なピアニストといえます。世界のコンクールは彼のために存在したように、次々に1位と2位を獲得します。その後の音楽人生は「光の中心」にあったのではないでしょうか。

1956年 1位 ウラジーミル・アシュケナージ

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1956年開催のエリザベート王妃音楽コンクール第1位は、1937年ロシア生まれのウラジーミル・アシュケナージです。彼は20世紀と今世紀を代表する巨匠ピアニストですが、チャイコフスキーコンクールでも1962年に1位となり、ショパンコンクールでは1955年2位という好成績をあげています。1位はアダム・ハラシェビッチでしたが、アシュケナージが2位であることに審査員のミケランジェリは抗議したという話は有名です。

アシュケナージは、幼少期からの神童でロシアの期待を背負っていました。モスクワ音楽院で研鑽を積み、コンクールの優勝後に海外演奏旅行の間に亡命しています。その後の活躍は目覚しく、指揮者としてもピアニストとしても充実した音楽人生おくる「成功者」です。彼の演奏は、完璧で模範的、非の打ち所がない素晴らしいテクニックで、歴史に残るピアニストのひとりといえます。

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5位 ラザール・ベルマン

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1930年ロシア生まれのラザール・ベルマンは5位という結果ではありますが、神童であり旧ソ連が長い間手放さなかったヴィルトゥオーソ(名人級)のピアニストです。リストを得意とし、難曲をこなすピアニストとして知られています。ショパンのような深い内面性を表現するタイプではなく、巨体でピアノという楽器から徹底的に音を絞り出す重量級ピアニストです。

戦後、世界中に演奏旅行で知られるようになったのですが、やはり今世紀を代表するピアニストの1人といえます。

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1964年 1位 エフゲニー・モギレフスキー

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1964年開催のコンクールの1位は、エフゲニー・モギレフスキーです。彼は1945年ロシア生まれです。技巧的なピアニストで、ラフマニノフのピアノ協奏曲3番の演奏は伝説的になっています。ただ、受賞後の彼の活躍はあまり世界的ではなく、録音もほとんどありません。日本への演奏公演も評判はあまり良いとはいえませんが、興に乗ったときの演奏は素晴らしく、特にラフマニノフに関しては情熱的な演奏を聴くことができます。

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2位 ニコライ・ペトロフ 

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1943年ロシア生まれのニコライ・ペトロフは2位となりました。その技巧は非常に安定しており、難曲を得意としています。「ジャズとクラシックの融合」をさせた作曲家ニコライ・カプースチンの作品を早くから世に広めた1人です。母国の作曲家、ラフマニノフ、プロコフィエフなどを中心にしたレパートリーがあります。

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6位 マイケル・ポンティ 

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1937年ドイツ系アメリカ人のマイケル・ポンティは、素晴らしい技巧の持ち主ですがコンクールでは6位という結果となりました。彼はコンサートピアニストというより、価格の安い「廉価版クラシックCD」を出している「ヴォックスレコーズ」のピアノ曲のほとんどを演奏していることで有名です。演奏を聴く限りでは廉価イコール「安っぽい演奏」ということはまったくありません。彼のレパートリーの広さと技術力には驚くばかりです。

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戦後すぐのピアニストの演奏

いかがでしたでしょうか。1950年、1960年代は戦争という悲劇が終わり平和な時代に向かって夢と希望にあふれていた時期でした。ピアニストたちも、世界の舞台という夢に向かって光輝いていたのではないでしょうか。演奏を聴くと、豊かな現代のピアニストたちとは違う「本当の輝き」「悲惨な死から逃れて光に向かう」人間的で感動的な輝きがある気がします。

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検査技師をしておりました。現在は家庭に入り、ライター、アンティークドールのディーラー、人形関連の制作と売買、ピアノ講師などをしています。趣味の薔薇や犬、鳥の世話と夫と子供の世話に忙しい毎日です。

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斉藤情報事務

信州の曲者が集まるCLUB Autistaに所属する道楽者。車と酒と湯を愛し、ひと時を執筆に捧げる。

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