海外在住者がおすすめする本当に勉強になるビジネス英語教材15選
今やビジネスの現場で必須条件となった英語。ビジネスではただ聞いたり話したりする日常会話とは異なり、それを使って理解し相手を説得させる必要があります。英検1急を取得し、外資系メーカーで5年マネージャーを務め、海外からの役員と渡り合ってきた筆者が、ワンランク上の英語に挑戦したい方のために効果的な教材を紹介します。
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ビジネスの現場で使用される英語に慣れるための教材5選
ビジネスのための英語といってもまずは英語に慣れるのが重要です。そのために効果的なのがニュース。ビジネスの現場では必ず使われるのに加え、日本語ですでに知識があるので入りやすいのが特徴です。まずはビジネス英語への一歩を踏み出したい、そんな方に最適な5つの教材を紹介します。
芸能から政治まで旬なニュースを楽しみながら読めるイングリッシュ・ジャーナル
英語でニュースを聞くのはビジネス英語の第一歩。ただ最初から全て英語だと途中でギブアップすることにもなりかねません。英語というのは毎日少しだけでもいいので継続することがポイントです。継続の秘訣は楽しめることとわかること。英語のニュースを日本語で解説しているものから始めるのがお勧めです。その中でもイングリッシュ・ジャーナルは、時々ネタに加え芸能やスポーツなどライトな記事が載っていて、気軽に英語に触れることができます。CDもしくはダウンロードの音声も付いているので通勤で勉強するにも最適です。
アメリカのニュースで英語を学ぶ CNN English Express
英語に抵抗がなくなってきたらぜひ挑戦してもらいたいのが実際の英語ニュースを聞くこと。それに一番役立つのがこのCNN English Expressです。アメリカの生のニュースであるCNNを元に作られた雑誌で、ネイティブのニュースでも文字を追いながらだと、わからないところを確認することができるのが便利です。イングリッシュ・ジャーナルがライトな話題も取り扱っていたのに対し、こちらはビジネスを意識しており、ニュース以外にも海外とのビジネスに役立つ情報がたっぷりです。
実際のビジネスの現場を体験できるNHKビジネス英語ラジオ講座
ビジネスで欠かせない時事問題を英語で学ぶのに最適なのはCNN English Expressですが、実際にビジネスの現場で使用する英会話を学べるのがNHKビジネス英語ラジオ講座です。スキットを通して会議からプレゼンまで、実際にどんなことを聞かれたり話したりすればいいかの勉強ができます。入門編は月、火、そして実践編は水〜金とどちらも聞けば毎日続けることができるのも魅力の一つ。CDやダウンロード音声を聞きながら英語での擬似ビジネス体験をして、実際の現場に備えるのはいかがでしょうか?
世界のビジネスパーソン必読のニューヨーク・タイムズ誌
出典:pixabay.com
英語でビジネスをするメリットの一つに英語でより広い視野で物事を見ることができる、というものがあります。いろいろな国や地域のビジネスパーソンと話をすることになり、日本で報道されているニュースだけでは情報が足りないこともしばしば。そんな上級ビジネスパーソンにぜひ手にとっていただきたいのがニューヨーク・タイムズです。世界のマーケットの中心であるニューヨークはもちろん、海外のあらゆる地域から記者が届ける情報に加え、世界トップクラスの編集者による社説は世界のビジネスパーソンが参考にしています。会社の役員クラスと話す機会に備えて読んでおくのはいかがでしょうか?
The New York Times: Find breaking news, multimedia, reviews & opinion on Washington, business, sports, movies, travel, books, jobs, education, real estate, cars & more at nytimes.com.
英語で日本を説明できますか?意外と難しい日本文化を英語で説明してみよう
ビジネスの現場で意外に聞かれるのが日本文化。まずはアイスブレイクとして、そして仕事の後の会合などでも必ず日本文化について聞かれます。スティーブ・ジョブスにも見られるように、特に近年日本の文化や哲学などは海外から注目を浴びています。しかし灯台下暗しで意外に日本に住んでいると当たり前と思ってしまって日本語でも説明するのが難しいのが現実。ただ英語に訳すだけでなく、なぜこれを使うのか、どういう歴史的背景があるのか、なぜこのような行動をするのか、ということを理解してもらう必要があります。それを理解してもらうことによって、時にはビジネスが前進することも。知っていそうで知らない日本文化を英語で説明する練習をしてみるのはいかがでしょうか。
通勤の最中も勉強できる 耳から学ぶビジネス英語教材5選
英語を勉強したくても時間がない、という方もたくさんいると思います。時間を効率良く使うには通勤時間が一番。特に英語は読み書きだけでなく、耳から入る情報が重要。手元に資料があっても、会議ではどんどん新しい情報が音声として入ってくるので、リスニングが重要になります。耳から学べるビジネス英語に役立つ教材を紹介します。
英国政府創設のブリティッシュ・カウンシルが提供するラーン・イングリッシュ
英語教材はオンラインでたくさん出回っていますが、しっかりしたソースのしっかりした教材で学びたいという方にオススメなのがブリティッシュ・カウンシルが提供しているラーン・イングリッシュです。ブリティッシュ・カウンシルは1934年に英国政府が英語の普及を目的に創設した公的機関です。ラーン・イングリッシュではビジネス英語はもちろん、英語を勉強中の学生に向けてのプログラムを提供しています。音声も本場イギリス英語、そしてすべてのスクリプトと練習問題をすべてオンラインで閲覧することができます。英語教育の専門施設によるオンラインプログラムで正しい英語を学べます。
毎日ちょっとずつを繰り返せる6 minute English
英語の勉強を始めるともっとうまくなりたいという気持ちが強くなります。3ヶ国語を学んできた経験から言うと、1日にたくさん学ぶより少しずつを継続して学ぶ方が長い目で見ると上達します。その点この6 minute Englishは6分間という短い時間ですが、その代わり集中して聞くことができます。特定のトピックについてボキャブラリーを紹介しながら進めていくという構成。どの内容も難しすぎず簡単すぎず、大人にとって面白い内容になっています。英語の勉強だけでなく豆知識としてビジネス上の会話でも役立ちます。ちょっとずつを継続したい方にオススメの教材です。
会計からITまで 英語で学べるカン・アカデミー
ビジネス英語と一言で言っても実際には様々な分野があるため、自分の職種にあった英語を学ぶ必要が出てきます。そんな時に便利なのがカン・アカデミー。オンライン上で様々なレッスンを受けることができるのが特徴です。様々な内容が登録されており、特に会計やIT、経済といった内容は職種にかかわらずボキャブラリーを増やしたい分野。英語字幕を付けたり、0.5倍速で再生することもできるので、最初はゆっくりと文字を見ながら学ぶことができます。専門分野に必要な英語を学ぶのに役立つオンラインセミナーです。
You can learn anything. Expert-created content and resources for every subject and level. Always free.
日経英語版を使って学ぶ英語と経済 実践!グローバルコミュニケーション
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ビジネスパーソンなら必ず読んでおきたいのが日経新聞。日本唯一の経済新聞として信頼されているメディアです。「実践!グローバルコミュニケーション」は日経新聞の英語版であるNikkei Asian Review、そして日経木曜夕刊を元に経済を英語と日本語で解説します。日経ならではの質の高い視点が特徴。世界の時事問題を扱っているのはもちろん、それらを英語で理解するのに必要なボキャブラリーをピックアップして解説しているのが勉強になります。英語だけでなく日本語のトークも交えての番組なので、英語も経済もしっかり理解するのに最適です。
英語でのプレゼンに備えるのにぴったりなTED
ビジネスで英語を使う中で最大の難関が会議とプレゼン。その中でもプレゼンは相手を説得させる必要があるのでいかに魅力的に話すかが焦点になります。TEDは様々な分野で活躍する人たちが英語で自分たちの分野がどのように一般の人々にかかわるのかを説明します。スピーチは数分から20分程度のものまでありますが、どれも共通するのが思わず聞き入ってしまうようなプレゼンの手法。いかに自分の話に聴き手を引き込んでいくか、英語でのアクティブなスピーチとプレゼンを学びたい方にぜひ見てもらいたい映像資料です。
TED Talks are influential videos from expert speakers on education, business, science, tech and creativity, with subtitles in 100+ languages. Ideas free to stream and download.
英語でビジネス書を読んでみよう!気軽に読める洋書5選
入門書からスタートして英語に慣れ、リスニングで耳を鍛えた後にはビジネス書を英語で読んでみることをオススメします。その中でも自己啓発本は専門用語が少なく洋書ビギナーにぴったり。また内容は英語、日本語にかかわらずビジネスの実践で使うことができます。数ある中から人気の高いものと筆者が特にオススメのものを紹介します。
短いながらも仕事観を揺さぶられる名書「仕事は楽しいかね?」
洋書を最初に手に取る時のアドバイスは2つあります。1つは量が少ないこと、もう一つはストーリー仕立てになっていること。そのどちらも満たす自己啓発本が「仕事は楽しいかね?」英語では「The Max Strategy」です。普通のサラリーマンである主人公が雪で空港に閉じ込められた時に老人と出会ったところからストーリーは始まります。イライラしている主人公とは対照的な老人。彼と話すことによって主人公はチャレンジし続けることの重要さを学びます。ボキャブラリーも基礎的なものが多く、ストーリーに沿って読み続けることができるので、ビギナーにもぴったりです。
仕事と人生の両方の目的を達成するための「7つの習慣」
本当に成功している人というのは国を問わずビジネスだけでなく家庭や趣味も含めて幸せを手にしています。それをステップごとに解説しているのがフランクリン・コヴィーの「7つの習慣」英語では「7 Habits of Highly Effective People」として知られています。今や企業研修でも使用されているメソッド。緊急ではないが本当に大事なことに優先順位をつける、など忙しくなりがちな現代社会で考えたい内容が盛りだくさんです。ステップごとに学んでいき実際にビジネスで使っていくこともできます。英語で読みながら実践していくと体感しながら学ぶことができます。
マネージャーにおすすめしたいチームの重要性を説く「ザ・ゴール」
キャリアをスタートさせた時は上司が羨ましく見えるものですが、実際に管理職に就くと問題を解決しチームをまとめていく大変さを味わいます。自分が正しいと思って進めるだけでなく、目標を定めてチームを動かしていくのがマネージャーの仕事。著者のエリヤフ・ゴールドラットは物理学者でありながら経営に関する本をたくさん出版しています。どれもが仕事の中で埋没しがちな本質をついており、経営に携わるようになったら一冊は手に取ってほしいと思います。量が多く、マネジメントの内容になるので英語のビジネス書に慣れてきた方におすすめです。
グローバルビジネスで求められる判断能力を養うCritical Thinking Skills for Dummies
英語でビジネスをするということは海外とのやりとりを意味します。日本だけでビジネスをしているのと異なる最大の点は、様々なシチュエーションに応じて判断を下していくことです。自分で考えて自分の責任で実行していくことが求められるのがグローバルビジネス。そんな時に役立つのが問題解決能力を養うクリティカルシンキング。Dummiesシリーズは全くわからない初心者向けに作られた入門書で、様々な分野について全く知らないところから基礎的な内容を学ぶことができる本です。その中でもクリティカル・シンキングはビジネス全般で使えるテクニックとして読んでおきたい一冊です。
本当の幸せを探して…成功者に読んでほしい「幸せはどこにある?」
主人公ヘクターは精神科医。毎日のように悩みを相談に来る人が彼の元に訪れます。治療を通して彼が気づいたのは社会的な成功をしている人ほど悩みを抱えて彼の元に訪れるということ。一体本当の幸せはなんだろう、と考えたヘクターが幸せを探して旅に出るという話で、2015年に映画化されました。著者は実際に精神科医で彼の実体験がベースとなっています。野心的に英語でのビジネスを追求して成功した時に何が待っているのか…成功した人にこそ手に取っていただきたい心温まるストーリーです。(英語名称「Hector and the Search for Happiness」)
英語のビジネスを通してグローバルマインドを育てよう
ビジネス英語を学べる教材を書籍から音声まで15点紹介しました。英語でのビジネスというと言葉のハードルが高いように感じます。しかしそれと同時に学ばなければいけないのが海外でも通用する考え方。時にはシビアな判断を下す必要があるのが海外との取引です。また様々なバックグランドの人と仕事をするということは日本以外の視点からものを見ることも重要。海外のニュースや洋書を通して英語と同時にグローバルマインドも学んでいきましょう。
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この記事のライター
イタリア政府公認観光ガイド。本場イタリアからグルメ、ワイン、そしてイタリア男のカッコイイ生き様をお届けします。大手外資系企業で勤務中のある日「トスカーナの風に吹かれたい!」と思いつき、キャリアを捨ててイタリアに移住。フィレンツェ公認観光ガイドとして、大好きなルネサンス発祥の地フィレンツェで、現代にも通じる芸術、歴史、ライフスタイルを紹介しています。Twitterでほぼ毎日イタリアの「生」の情報を提供中。