【英語マスターへの道】これはやってみたい!ユニークで画期的な勉強術10選
英語を学習する方法は巷に山ほどあふれています。英語をものにできる術がわからない人や、実際に何かをある程度かじってみたものの、挫折した経験をした人も少なくないはず。ここで紹介するのは、10種類の一風変わった英語の勉強方法です。正攻法で成果が出なかったり、続けていた学習に行き詰まったときに、試してみてはいかがでしょうか。
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英語習得に王道はなし? されど、大人の知恵と工夫で近道は生まれる!
ずばり、言いましょう。語学の習得に王道はありません。自分が日本語を習得するのにどれだけの歳月をかけたのかを考えてみれば、1日やそこらで英語をマスターできるわけがありません。しかし、諦めないでください。全く馴染みのない外国語を一から学ぶのなら途方もない労力と時間がかかるでしょうが、日本人は中学、高校と英語を必修科目として勉強しており、学生時代に「英語は不得意だった」という人でも、それなりの下地はできています。しかも、日本語の日常会話にもたくさんの英語が使われているので、創意工夫によって英語習得はかなりの近道ができる可能性があります。
ここでは、いわゆる受験英語とは違った、実践英語を習得するのに役立つユニークな10種類の学習法を紹介します。スタンダードな方法に加え、独創的なメソッドで楽しく英語の勉強を続けてみませんか。
周波数メソッド
英語耳を作るにはモーツァルトが効果的!?
「英語のリスニング能力を向上させるのに、モーツァルトを聴くのがいいらしい。英語とモーツァルトは同じ周波数だから」という話を耳にすることがあります。日本語は低音域の周波数125ヘルツから1500ヘルツの音が多く、英語は2000ヘルツから12000ヘルツに属する高音域の周波数の音が多いそうです。低音域の周波数に慣れている日本人の耳にとっては、高音域の周波数の英語を言葉として認識するのが難しいと言われているのです。それゆえ、高音域の周波数の音に慣れるという意味で、英語と同じ周波数のモーツァルトがいいとされているのでしょう。
ですが、モーツァルトだけ聴いていても、もちろん英語耳にはなりません。自分が心地よいと感じ、「こんなふうに発音したい!」と思う英語の歌、ニュース映像、会話の音源を繰り返し聴くことも忘れないでください。さらに語彙力を増やすのも同時に行ない、耳に飛び込んできた英語をどんどんピックアックしていきましょう。
また、会話を高音域の周波数を意識した英語のリスニング教材も複数あります。筆者も実際に試したところ、高音域になればなるほど英語の子音、特に無声子音のF、K、S、T、THが強調されていると感じました。「子音+母音」の組み合わせの日本語に耳が慣れている日本人は、つい「母音」を拾おうとするので、子音が聞き取りにくくなっています。そのような周波数メソッドは、なかなか拾えない子音を聞き取る習慣づけをするのにはいいかもしれません。
モーツァルトを併用するにせよ、周波数の英語教材にチャレンジするにせよ、三日坊主にならずに根気よく続けることが大切です。
脳をリラックスさせるモーツァルトは、英語学習の環境作りにも効果的
腹式呼吸
発音時にたくさん息を吐き出す英語を呼吸法で克服!
歌を歌ったり、瞑想やヨガをする場合は別として、普通に会話するときに呼吸法を意識することはほとんどないと思います。ところが日本語と英語では、周波数のみならず、話す際に呼吸の仕方も異なるとされています。筆者自身は、「声が小さくて、あなたの英語が聞き取りにくい」とネイティブの方から言われたことがあるのですが、ふと、「声が小さい」とはどういうことだろうと考えたときに、おなかから声を出していないのだなと思いました。声量アップに役立つのは腹式呼吸だと聞き、英語を話す際に、深く息を吸い、肺にたまった息をきちんと吐き出すことを意識するようにしたところ、意外にも、以前より英語を発音しやすくなったことに気づきました。
日本語は小さく吸って、あまり息を吐かない話し方をし、英語は深く吸って、息を吐き切るような感じで話すと言われ、日本語は胸式呼吸で発音するのに対し、英語の発音は腹式呼吸で行なわれると説く人もいます。もちろん日本語でも、ある言葉を強調したりする場合には、大きく息を吐き出すことがありますが、英語は通常の文章でも、どこかの単語にストレスを置き、緩急や抑揚をつけて発音されているのです。
Would you like a cup of coffee ? 「コーヒーはいかがですか?」
という英文をネイティブが発音すると、“ウジュライカッパブコフィ?”となり、“you”と“cup"と“coffee"にストレスが置かれます。この文を発音する前に深く息を吸い、それらの単語を強めに発音するときに、息を大きく吐き出すのをイメージして言ってみてください。「ウ『ジュー』ライ『カッパ』ブ『コフィ』?」と、『 』の中の言葉を強調し、文章が言い終わるときに吸った息を全て吐き切るという感じです。それが、日本語の「コーヒーはいかがですか?」となると、抑揚が平坦で、特に息を強く吐く部分がないことに気づくでしょう。
日本語では、子音+母音の組み合わせ、また母音だけの単語が多いのも、同じペースで息を吐く発音になるひとつの要因だとも思えます。一方の英語では、ストレスや緩急、抑揚に加え、子音も多く、日本語よりも発音はいろいろと忙しいわけです。このことを頭に入れておくだけでも、英語の発音の仕方が変わってくるでしょう。YouTubeなどでは、英語を発音する際の呼吸法を伝授してくれる動画もいろいろありますので、ぜひ研究してみてください。
腹式呼吸をマスターするのが、英語での発声に有利だと言われている
口周り筋肉エクササイズ
美しい英語発音に適した柔軟な口元を作ろう
英語には、日本語にはない発音が複数存在します。その代表格が「r」の発音ですが、日本人がこの音を苦手とするのは、正しい「r」サウンドを発音する口の形や舌の位置を容易に作れないためです。「f」や「v」「th」といった子音の発音だけでなく、英語の母音にも日本語にはない音があるので、自分では発音したつもりになっても、相手に通じないということが起こります。また筆者は、「w」や「wh」の音が弱いと指摘されたことがありますし、日本人は「si」を「shi」と発音しがちだと言われたこともあります(例えば「sit(座る)」を「shit(排便する)」と発音したら大変です!)。こういった経験から、気をつけるべきなのは、「r」などの発音だけではないのだと気づかされました。つまり、日本語の発音に慣れ切っている私たちの口や舌は、英語特有を発音するための準備ができていないのです。
英語発音の口や舌の形や動きを克服するには、簡単な口周りの筋トレが役に立ち、“アヒル口体操”や“舌のトレーニング”の書籍や動画を利用するのもひとつの手です。「周波数」の項目でも述べましたが、こんなふうに発音したいというネイティブの英語を見つけて繰り返し聴き、頭の中でその発音をイメージしながら、口周りの筋肉エクササイズをすれば、より効果が得られることでしょう。
全て英語での舌エキササイズの動画ですが、舌先、舌の真ん中、舌の側面をトレーニングする様子がわかります。
Siri
相手がいなくても大丈夫! 携帯で発音をチェック
呼吸法や口周りの筋トレで英語の発音に自信がついてきても、ネイティブの人と話す機会も勇気もないのであれば、あなたの携帯を活用しましょう。最近の携帯には音声認識機能が搭載されており、例えば、iPhoneのSiriがその代表格です。あなたがSiriに話しかければ、Siriが認識した文章が画面に表示され、それに反応して答えを返してくれます。日本語に設定しているのであれば、Siriはあなたの日本語を理解し、日本語で返事をするのですが、英会話の訓練をしたい場合は、ぜひ設定を言語を英語にしてみましょう。
「設定」→「Siri」→「言語」→「英語」(複数の国の英語が選択可能ですが、アメリカ合衆国をオススメします)の手順で、Siriの設定を英語に直し、自由に英語で話しかけてみてください。モニターに表示された英文を見れば、あなたが発音した英語がSiriにどう理解されているのか、一目瞭然です。英文でなくとも、英単語でもかまいません。あなたが苦手とする発音を含む単語を言ってみて、それが正しく表示されれば、あなたの発音がSiriに通じているということになります。
では、まず手始めに「Hello, Siri, how are you ?」と話しかけてみましょう。Siriはなんと返事をしましたか? 自分の携帯ですから、緊張する必要もないですし、間違えても恥ずかしくありません。どんどん会話をして、自分の苦手な発音を見つけてください。Siriはあなたの英会話の相手にもなってくれる優秀な機能。実際のネイティブとの会話の下準備として、大いに活用しましょう。
英語発音矯正アプリ
自分の発音を自分の耳で聞いて確かめる
Siriを相手に英会話の練習を始めたはいいものの、自分の英語の発音をどう直せばいいのか、迷ってしまいますよね。英会話学校やオンライン英会話で、ネイティブの人に間違いを指摘してもらい、正しい発音を練習するのが一番なのでしょうが、最近では、スマホという文明の利器のおかげで、もっと手軽に発音の矯正ができるようになりました。そこでオススメするのが、自分の発音をチェックできる英語アプリです。
数ある英語学習アプリの中でも、今回ご紹介するのは「発音博士」というもの。無料で練習できる基本単語は比較的やさしい単語ですが、発音の練習にはもってこいです。各単語とも、ネイティブのお手本の発音を聞くことができ、発音記号も表示されます。さらに自分が発音した声が録音され、100点満点中何点かが示されるとともに、正しい発音記号の下に自分の発音記号が出るので、どこを間違えたのかが一目瞭然。100点を目指して繰り返し勉強し、ネイティブに近い発音を目指しましょう。
アプリ「発音博士」の発音練習画面。
1)ネイティブのお手本を聞く
2)マイクの絵のスタートボタンを押して、自分で発音してみる(あなたの発音が録音される)
3)あなたの発音の点数(100点満点)と発音記号が表示される
4)ネイティブとどこが違うのかを確認
操作が簡単で、発音を矯正しやすい!
「発音博士」のレビューをチェック、カスタマー評価を比較、スクリーンショットを確認、詳細情報を入手。発音博士をダウンロードして iPhone、iPad、iPod touch で利用。
YouTube
利用しないと損!動画共有サイトは英語教材の宝庫
語学の勉強は根気よく続けることが大事なので、同じルーティンになると飽きてしまいます。そこで、通常の勉強に加え、純粋に楽しめる息抜き動画を見てみるのもいいでしょう。もちろん、あなたの英語力向上につながる動画を視聴することがポイントです。ご存じ動画共有サイトYouTubeには、ネイティブやバイリンガルの人たちの英語学習用の動画が数え切れないほどアップされており(既述の項目で紹介した動画もそのひとつ)、正直なところ、何を選べばいいか途方に暮れてしまいます。そこで、ここでは楽しみながら、日本語と英語を比較できる作品を紹介します。
まずは、大ヒット映画『君の名は。』の日本語の予告編と英語の予告編です。字幕をONにすれば、なお理解しやすいでしょう。日本映画がアメリカで公開されることも多くなってきましたので、日本での予告編とアメリカでの予告編を比較してみるのは面白いと思います。
2つ目は、今話題のお笑い芸人ブルゾンちえみのコントを英語で再現したもの。英語学習者の間ではかなり知られた存在のYouTuber、バイリンガールさんの力作。特に「キャリアウーマン」の英語の「career」の発音が、日本語の「キャリア」とずいぶん違うので、注意して聞いてみてください。セリフのひとつひとつも自然な英語会話となっており、「英語だとこんなふうに言うのか」と納得しつつ、そのまま覚えてもOK。ビジネスシーンで役立つことがあるかもしれません。
他にも、アメリカ人の奥さんレイチェルさんと日本人の旦那さんジュンさんの日米の様々な文化を紹介する動画など、楽しく視聴するだけでいろいろなことを知ることができるものがあります。勉強の合間に、ちょっとYouTubeを覗いてみましょう。
まずは『君のは。』の日本語トレーラー。英語字幕が付いているので、これだけでも英語版との比較が可能
こちらは、『君の名は。』の英語吹き替え版予告編。話す言葉が英語になるだけで雰囲気が変わるのが興味深い。「CC」ボタンで吹き替え用の英語も表示される
人気YouTuberバイリンガールChikaさんが、ブルゾンちえみのネタを英語で再現。日本人に馴染みのある単語を多く使用しているので、理解しやすい。ぜひ正確な英語の発音をマスターしよう
5年前から日米の文化、言語などを紹介する作品を投稿している国際結婚カップル、レイチェルさんとジュンさん。真面目で親しみやすい2人に根強いファンも多い。基本的に英語メインだが、字幕が出るので聞き取りの勉強にはもってこい
瞬間英作文
反射的に英文を作る訓練で、英会話をよりスムーズに
会話というのは、どんな言語でも、話す相手の言葉に反応することで、成り立っているものです。例えば、
「あの男の人たちはアメリカ人なの?」「違うよ。ドイツ人だよ」
という会話は、日本語ならばスムーズに話せますが、これを英語で会話しろと言われると、一瞬言葉に詰まってしまうかもしれません。
書き言葉でならば、
「Are those men American ?」「No, they are German.」
と、中学生レベルの英語で済むもの。しかし、これを瞬間的に英会話で、となると、そう簡単にはいきません。「あの男の人たち」と英語で言おうとしても、日本語では、先に単数形の「あの男の人」が来て、その後に「〜たち」と複数形が来るので、思考がその変化に追いつかず、つい「those men」ではなく「the man」と単数形にしてしまいがちです。さらに、うまく主語を「those men」と複数形にできても、疑問文にするのを忘れてしまったりもします。日本語と英語の文章構造があまりにも違うために、脳内で言語変換が滑らかに処理されないのが原因です。
大体の場合、ネイティブの人たちの日常会話は、それほど難しい文法を必要としません。中学生で習うレベルの英語で十分成り立ちます。ならば、シンプルな英文をどんどん反射的に作る訓練をしようというのが、この“瞬間英作文”という勉強法です。書籍やCD、スマホのアプリで手軽に反復練習できるものですし、続ければその成果が手に取るようにわかります。自信がつけば、次は実践としてオンライン英会話や英会話学校で、ネイティブの方との会話を試してみたくなるはずです。
「どんどん話すための瞬間英作文トレーニング」のレビューをチェック、カスタマー評価を比較、スクリーンショットを確認、詳細情報を入手。どんどん話すための瞬間英作文トレーニングをダウンロードして iPhone、iPad、iPod touch で利用。
こちらのサイトでは、レベルや秒数を指定して、瞬間英作文を学習できる。簡単なようでいて、実際に話して英作文をするのは難しい
バイリンガルコミック
漫画を多読し、自然な英語の言い回しを覚えよう
日本の漫画は、外国で「manga」という単語で通じるほど知られています。日本の人気漫画は、様々な国で現地の言葉に翻訳されて出版されており、英語圏も例外ではありません。では、自分の好きな漫画を英語で読めば、英語の勉強にもなる!と気づいた方は多いと思います。とはいえ、英語版をそのまま読むと、わからない単語や言い回しがあっても、いちいち辞書で引くのは面倒で、読むペースが落ちるし、あとで調べようと思っても、復習を忘れてしまいがちですよね。そんなあなたへの救世主が、バイリングルコミックです。
Amazonや書店でも購入できるバイリンガルコミックは、基本的に日本の人気作品を英訳したものですが、セリフの余白に日本語訳が載っているので、ストレスフリーで日英のセリフを比較することができます。ラインナップも豊富で、『あさきゆめみし』や『ちはやふる』といった和テイストの作品で、日本文化が英語でどう表現されているかを知るのも興味深いですし、『部長島耕作』などでビジネスシーンの会話術を学ぶことも可能です。もちろん『進撃の巨人』『SHERLOCK』をはじめとする話題作も魅力的です。
そして、バイリンガルコミックに慣れてきたら、今度は英訳版のコミックに挑戦してみるのもいいでしょう。『ドラえもん』『ワンピース』『ドラゴンボール』『名探偵コナン』など、こちらのラインナップもバラエティに富んでいます。
海外ドラマ
継続できる日常英会話の聞き取りに適した教材
英語のリスニング能力を上げるのに、アメリカやイギリスのテレビドラマを活用するというのは、よく耳にする勉強法です。しかし、海外ドラマを字幕版で見始め、ドラマの面白さで毎回続けて見たとしても、それだけで英語が身についたかと言われると、そうでもないと答える人が多いかもしれません。単に鑑賞して終わるのか、きちんと英語を聞き取る練習をするのかでは、1話から最終話まで見たときに大きな違いが出てしまいます。そこで、筆者も実践した英語のドラマを英語教材として使うやり方を紹介しましょう。
【ディクテーション(聞き取り)】
1)海外ドラマを字幕版で普通に視聴する。
2)その際、気になったセリフがあれば、字幕の日本語と聞き取った英語の両方で書き出しておく。
3)次に、英語字幕をONにできる機能があれば、ONにしてドラマを視聴。
4)聞き取ったセリフの英語表現を確認(英語字幕がなければ、辞書などで正しい表現を調べる)
5)慣れてきたら、聞き取って書き出すセリフの数を増やしていく。
【アクティング(演技)】
1)海外ドラマのワンシーンを選び、上記の要領で英語のセリフを書き出す。
2)そのセリフを発音を真似て、練習を繰り返す。
3)暗記するまで練習をしたら、今度はドラマを再生しながら演技に挑戦。
4)さらにテレビを消して、ドラマを再現してみる。
どんな場面のどんなセリフでも構いません。どんどん書き出し、自分で再現してみましょう。実際に身体を使って演じることで、さらに英語が覚えやすくなります。
では、どのようなドラマがいいのかといえば、ずばり“自分が興味を覚えた作品”ですが、英語の聞き取りやすさから考えれば、『フルハウス』『ママと恋に落ちるまで』『フレンズ』『glee/グリー』をはじめとするファミリー、青春ドラマから始めるといいかもしれません。その他にも、『BONES』『SHERLOCK』『キャッスル』といったクライムもの、人気コメディ『ビッグバン★セオリー』、長寿SFドラマ『ドクター・フー』、アメリカの国民的アニメ『ザ・シンプソンズ』など、バリエーション豊かなラインナップが、DVDやブルーレイのみならず、Hulu、Netflix、Amazonプライムビデオには揃っています。ぜひお気に入りの作品を見つけて、楽しく英語を学び尽くしましょう!
各エピソードでノリノリの歌唱シーンが登場する『glee/グリー』は学園ドラマの秀作
『BONES ー骨は語るー』は、犯罪もの特有の専門用語も出てくるが、セリフの英語はとても聞き取りやすい
多言語学習
複数の外国語を同時に勉強して英語をマスターする
英語を習得するだけでも大変なのに、世の中には数カ国語がペラペラな人もたくさんいます。筆者の友人にも、5ヶ国語を操れる欧州人がいますが、もともと隣国の言語が母国語と似ていることや、小さい頃から外国語を学べる環境にあったため、本人いわく「自分が話せる外国語は、もはや母国語の方言みたいなもの」らしく、なんともうらやましい限りです。
なぜ日本人が英語を話せるようにならないかを分析している人やサイトは多々ありますが、学生時代、筆者は「外国語をひとつだけと学ぶと、いつまでも母国語の日本語と比較し、2つの言語は反発し合う。だから、複数の言語を一気に学んだ方が外国語を習得しやすい」と聞いたことがあります。多言語学習をするにあたり、セレクトする言語は、全く文法の異なる言語だろうが、似たような言語だろうが関係ないと言われますが、実際に試してみたところ、意外にも面白い結果が出ました。
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1)挨拶程度なら、思ったよりも多くの外国語を覚えられる
→自信につながり、実際に使ってみたくなる。
2)興味を持った外国語を2〜3ヶ国語に絞り、さらに文法などを学ぶ
→本格的な文法となるとかなり高い壁が立ちはだかるが、現在はネットでは教材となるものが多数あるので、それなりに継続可能
3)実際に該当の国に赴き、成果を実感する。
→旅行会話の簡単なものでも、相手に通じると感動。もっと勉強したくなる。
4)非英語圏の外国で、現地の言葉での会話に限界があった際に、英語に切り替えて会話。
→「英語って簡単!」「英語って便利!」と改めて気づかされる。
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英語以外の外国語の難しさを知れば、英語が第一外国語として学ぶのにいかに適していたかがわかり、ならばもっと英語を頑張ろう…という結論に達するのも、多言語学習のメリットのひとつかもしれません。
どんな外国語も、流暢に話せるまでになるには時間がかかりますが、上記でも述べたように、今はネットの優秀な教材を使い、無料で自学できる時代です。例えば、東京外国大学の言語モジュールでは、英語を含む26の外国語を学べますし、大阪大学外国語学部の高度外国語教育独習コンテンツでは、19の外国語を学習できます。さらに、「世界の文字で遊ぼう」というサイトでは、名前をひらがなで入れると、世界各国の文字で変換してくれます。なかなか目に触れることのない外国語や古代語、はたまたクリンゴン語まであり、そのアルファベットまで詳しく紹介してくれています。
いずれも、外国語独学のための強力な助っ人となってくれますので、英語学習の合間に覗いてみてはいかがでしょうか。マルチリンガルも決して夢ではありません!
日本語、英語を含めて27言語が学べる東京外国語大学の外国語学習サイト
日本語を含め20ヶ国語が独学できる。東京外国語大学のサイトより言語数は少ないが、そちらにはない外国語も存在している
様々な言語の文字を学べるサイト。ひらがなで名前を入力すれば、各国の文字でどう表記されるかも確かめられる
星の数ほど学習法が存在するが、大事なことはひとつ
テキストを使ったり、学校に通ったりするだけでなく、インターネットの動画やアプリを利用するなど、英語を学ぶ手法はどんどん多様化してきています。今回紹介した、ユニークな英語勉強法は、その一部にすぎません。最初は手当たり次第にトライしても、合わないやり方の学習術は途中で放り出してしまうものです。どんな形でも構いませんが、続けることが大事。言語習得の成功のカギは、「継続は力なり」という言葉に尽きます。
英語を学ぶ際、目標を2つ定めてみてください。ひとつ目は、“どのくらい時期、英語の勉強を継続するのか”です。長く続けられるかどうか不安ならば、取り合えず3日、同じ勉強法を試してみてください。3日間続けられた場合は、1週間を目指し、次は2週間後、1ヶ月後、3ヶ月後、半年、1年と目標を伸ばしていきましょう。続けたら続けただけの成果が出ますし、続けなかった自分と続けた自分では、大きな差が出ます。続けて進歩していく自分を想像し、英語学習を繰り返しましょう。
ふたつ目は、すでに述べた通り、「こんなふうに英語を話したい!」と思えるお手本を見つけて、英語を学ぶこと。具体的に目標となる人や話し方を持って学べば、モチベーションも持続できますし、常に頭の中で目標となる人物の美しい英語の発音を意識できるので学習に効果的です。
今日よりも明日、明日よりもあさっての自分をより輝かせるために、楽しみながら英語学習に取り組んでいきましょう。
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この記事のライター
数々のミステリー、アクション小説、伝記本、映画雑誌のインタビュー記事、人気ゲーム関連の邦訳を手がけるキャリア20年の翻訳家。小学2年で読書の悦びに目覚めた本の虫で、読書と翻訳作業で培った知識は、映画、海外ドラマのショウビズ関係はもとより、生物学、医学から欧米の文化、政治、歴史、犯罪、銃器、ミリタリーなど広範囲に及ぶ。日々の生活で「一日一善、一日一爆笑、一日一感動」を心がけ、読者を笑顔にし、読み手の胸に染み入る文章を目指す。米国フロリダ州オーランド在住で、映画、海外ドラマ、アメリカンカルチャーなどの旬な情報も随時発信。