英検1級に合格するために効果的な勉強法と対策
英検1級資格を持つ筆者が英検1級に合格するために効果的な勉強法と対策を紹介します。合格率を高めるための英作文のコツや勉強法、2次試験対策など、実際に筆者が行ったものを中心に紹介します。英検1級は英語能力以外にも表現力など求められるものが多くTOEICなどとは異なる対策が必要です。英検1級合格に向けて参考にしてください。
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英検1級合格のための勉強法
英検1級で要求される語彙力はネイティブにとっても難しい単語が含まれます。ビジネスで使用するものや、新聞の社説などに登場するものが対象になります。またリーディングの文章もしっかり1ページあるものが3点、読むスピードも要求されます。リーディングでは読解能力と穴埋めでよく使われる言い回しなどが問われます。語彙がしっかりしていることはもちろん、前後の文脈からどのような流れかということも理解しないといけません。難関なリーディングと語彙の対策を紹介します。
英検1級って?英検の試験概要とその対策
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英検の正式名称は実用英語技能検定。公益財団法人日本英語検定協会が実施する、日本で最も古く権威のある英語の資格試験です。5級から1級まであり、3級と2級の間には準2級、2級と1級の間には準1級があります。その中でも英検1級は超難関と言われる資格。英検1級を持っているということは、ネイティブと同等に英語を使用できる証明になります。語彙、文法、読解、リスニングはもちろん、フリーライティングやその場で与えられたテーマでのスピーチなども含まれます。どの分野でも英語力を伸ばすのが英検1級への合格への道です。
どんな能力が要求されるの?英検1級に必要な英語のレベル
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英検1級は、民間の外交官と言われる通訳ガイドの語学試験も免除になるほどの威力を持ちます。英語を勉強してよく知っているだけではなく、フリーライティングやテーマに沿ったスピーチのように「使いこなせる」英語が必要です。英語でどんな内容でも対応できるのが英検1級に求められるレベル。したがって普通に英語を「勉強」するだけではなく、英語に「慣れる」ことが合格へのポイント。英語を日常に取り入れて、リスニング、ライティング、スピーキングとすべてのスキルを伸ばしていきましょう。
リスニングの勉強方法
リスニングは級を問わず英検で重要視される部分です。準1級までと比べて話すスピードも上がり、1パッセージも長くなります。内容も医療や金融など、普段の生活で使う複雑なものが対象になります。ただ「分かる」というより一歩進んで「理解する」ことが求められるのが英検1級の特徴。そして1級ならではなのが、実際のネイティブのインタビューを聞いて問いに答えるというもの。試験用に話されるわかりやすい英語ではなく、生きている英語を聞き取る力が必要です。そんな高レベルのリスニングを鍛えるツールをご紹介します。
オーディオブックを聴く
リスニングの試験は4つに分かれており、それぞれ会話、パッセージ、放送内容、インタビューを聞いて理解する必要があります。その中でもパッセージや放送内容は、長文を読んでいます。会話のように2つの声が交互に聞こえるわけではなく、常から長いパッセージに耳を慣らしておくことが有効です。おすすめなのが、オーディオブックやCDを聞くこと。本を読んでいるので長い文章を聞く力がつきます。特にビジネスに関連する内容はレベル的にも1級に最も近いので、英語力もビジネス力も鍛えられます。
英語のニュースを見る
生の英語が聞きたい時は動画やライブ映像の使用がおすすめです。特に1級リスニング試験特有のインタビューのトレーニングにはニュースチャンネルに登場するインタビューが役に立ちます。時事問題を扱っており、実際のニュースで流れている映像と音源なのでよりリアルな英語に接することができます。その中でも筆者がおすすめなのがイギリスのBBC放送です。アメリカの放送局に比べ世界全般のニュースを扱っており、ドキュメンタリーや世界の重要人物のインタビューなどもあります。また、ニュースによっては字幕がついているので、聞き取りにくいところは文字を見ながら学べます。
オンライン講座の受講
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動画と同じように現在はオンラインで良質の英語の音源を手に入れることができます。ただ実際に勉強したいと思う場合は、聞くだけでなく問題を解くことが理解力を深めます。オンラインの英語レッスンでは、レベルにあったリスニングの音源を使用できるだけでなく、記載されている問題を解くことによって目的を持って聞くことができます。手始めにおすすめなのがブリティッシュ・カウンシルが提供しているラーン・イングリッシュというサイトです。ビデオや音源、問題、そしてスクリプトが全て揃っています。またビジネス用の教材もあるので、仕事でも役立つ内容で英語を学ぶことができます。
語彙の勉強
英検1級で要求される語彙力はネイティブにとっても難しい単語が含まれます。ビジネスで使用するものや、新聞の社説などに登場するものが対象になります。またリーディングの文章もしっかり1ページあるものが3点、読むスピードも要求されます。リーディングでは読解能力と穴埋めでよく使われる言い回しなどが問われます。語彙がしっかりしていることはもちろん、前後の文脈からどのような流れかということも理解しないといけません。難関なリーディングと語彙の対策を紹介します。
好きなことから入る
語彙を築く近道はリーディング。どれだけ多くの英語に接しているかがポイントです。しかし英語で文章を読むのは慣れていても日本語で読む以上に体力がいります。読まなければ、と思って始めても途中でやめてしまったら意味がありません。少しずつでもいいので続けることが決め手になってきます。その点、好きな内容は知りたい気持ちが大きいので自然と読み進めることができます。「もっと知りたい」という気持ちから辞書を引くので語彙も増えていきます。
英字新聞を読む
英語で読む習慣がついたらぜひチャレンジしたいのが英字新聞。新聞で使用される英語は政治経済や社説、書評など知的なものが多く、英検1級の対策にぴったりです。合わせて現在世界で起きている問題などを知ることもでき、トピックに合わせて書くライティングの試験にも役立ちます。英語特有の言い回しを学べるのも英字新聞が一番。リーディングの穴埋め問題には、この言い回しをよく知っていることが重要です。自分が好きな内容を面白く読み進めるところから一歩踏み出して、時事問題など実際に試験で使用されるリーディング問題に慣れていきましょう。
仕事に関連する書籍を読む
一番英語力がつくのが「仕事に関連すること」です。仕事に絡むと取り組み方が違うので、難しい文章でも読み進めることができます。仕事に関連する専門的な書籍もいいのですが、より一般的にビジネススキルを伸ばすのに役立つ書籍もおすすめです。というのが英検で出題されるのは一つの専門分野に限られるわけではありません。幅広い知識が必要ですが、ビジネススキルに関連するものは一般常識に近いものが多く、またアメリカで研究されたものも多いので、オリジナルなアイディアをそのまま読むことにも役立ちます。
ライティングスキル
選択回答式のTOEICなどと異なり、英検では英作文が試験に含まれます。1級では社会性の高い問題について、理由を述べて自分の意見を記載する必要があります。トピックは様々で、2016年度は死刑制度や民主主義の啓蒙についてが出題されました。語数は200〜240文字で起承転結で書く必要があります。問題提起ができ、かつ自分の意見を書くことが求められます。英語力はもちろん、基礎的な文章力が問われるライティング問題。その対策を紹介します。
ブログを英語で書く
英文ライティングの採点基準は4つ:内容、構成、語彙、文法です。それをフルに活用できるのがブログ。200〜240文字といえばA4用紙半分から60%程度の量です。トピックに対しての自分の意見とその理由を考えて時間以内に記述する必要があります。そのためには日常から、問題提起とその理由、そして自分の意見を英語で文章を書くという作業に慣れておくことが有効です。ニュースなどに対して自分がどう思うかをブログで毎日書いていれば、試験でどんな問題が出題されても戸惑うことはありません。
英語でSNSに挑戦
ブログは比較的長文を書くことができるので文章力をつけるのに最適です。ただ、まとまった文章を書こうと思うと肩に力が入ってしまいがち。その点SNSは手軽に写真などにコメントをつけてアップできるので、英語を気軽に使えるようになります。またSNSの良い点は他のメンバーからの反応があること。一方通行ではないので、続けやすいのが特徴です。Facebookなどではグループ機能があるので、英語を使用しているグループに入って他の人の投稿にコメントするのも英語を使う良い勉強になるでしょう。
要約してみる
英語でのライティングを鍛えるには書くことが重要ですが、正しい英語で書く必要があります。良い文章を書くには良い文章をたくさん読むこと。そしてそれを真似して書くことが近道です。新聞の記事や、Webの記事など中長文のものを自分なりに要約してみましょう。読むことによって難易度の高い英語の文章が身につき、それを要約する際に自分で書く力がつきます。要約においても起承転結を心がければ、文章の構成力にも役立ちます。読む力、語彙力、そして書く力と英検1級に必要な技能が全て養われる勉強法です。
スピーキング
英検1級では日常会話に加え、5つのトピックから1つ選んでスピーチをすることが求められます。トピックから1つを選んで内容を考える時間は約1分。ノートをとることはできません。その後、スピーチは2分程度。2分は長いようで短く、時間以上だと途中で止められます。効率よく自分の意見をまとめて2分のスピーチをするには、日常から自分の意見を英語で話すことに慣れていなければいけません。またスピーチの後には試験官からの質問があります。会話力とスピーチ力を英語で伸ばす方法を紹介します。
侮れない音読
スピーキングを一人で練習する際に効果的なのが音読です。音読というと中学、高校のクラスで強制的にさせられたイメージがありますが、実は声を出すことや耳から音が入ることは外国語の練習に最適です。特にスピーチなど、日本人は自分の意見をいうことにあまり慣れていません。まずは新聞記事や本など、書いてあるものを音読してみましょう。また、自分で書いたブログや文章などを音読するのも効果的です。声に出して読むクセをつけておくと、英語の響きに自分の体が慣れてきます。私自身、お風呂に英語の本を持ち込み音読していましたが、目と耳と声を全て使うので音に慣れるのに役立ちました。
英語を話す環境に身を置く
自分一人で練習するには音読が効果的ですが、会話力を鍛えるには話す相手が必要です。英検1級の面接試験では、入室すると日常会話から面接が始まります。そしてスピーチの後の質問も会話形式です。会話力を磨くには実際に英語で会話することが効果的です。日本の文化は海外で人気が高く、日本でもたくさんの国際グループが活動していたり、町の案内のボランティアを募集していたりします。そういった活動に参加して英語で会話することによって実力がつきます。その中で学んでおきたいのが英語で日本の文化を紹介すること。試験のスピーチのトピックでも登場するので、学んでおくと試験の時にも慌てずにすむでしょう。
プレゼンする
会話力は英語サークルなどに入ることで伸ばすことができますが、スピーチとは手法が異なります。自分の知っている内容について2〜5分のスピーチやプレゼンをする習慣がついていると、英語でのスピーチがスムーズにできます。そんな環境を提供してくれるのがトーストマスターズというグループ。パブリックスピーキングを鍛えるという目的に集まって、お互いにプレゼンをして評価をするというグループです。英語でプレゼンができる環境としては最適で、日本の各地域で開催しています。スピーチ力を鍛えたい方はのぞいてみてはいかがでしょうか。
目的意識を持つことが重要 英検1級の先にあるもの
リスニングから読解、ライティングそしてスピーキングとオールマイティな英語力を求められる英検1級。試験合格への道は並大抵ではありません。常に英語に接しており、英語で考えたり表現することに抵抗がないことが必須条件です。内容も多岐にわたるので勉強への情熱を失わないことも重要ポイント。ただ英語を勉強するだけでは、疲れが出てしまいます。私も語学の勉強を何度も諦めかけました。しかし、それでも続けられたのはその先に目的があったから。英語自体が目的ではなく、英語を通して読みたい書籍や伝えたい事柄があったので、続けることができました。もし勉強に挫折しそうになったら、ぜひその先にある本来の目標をもう一度見直して前向きに取り組んでください。
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この記事のライター
イタリア政府公認観光ガイド。本場イタリアからグルメ、ワイン、そしてイタリア男のカッコイイ生き様をお届けします。大手外資系企業で勤務中のある日「トスカーナの風に吹かれたい!」と思いつき、キャリアを捨ててイタリアに移住。フィレンツェ公認観光ガイドとして、大好きなルネサンス発祥の地フィレンツェで、現代にも通じる芸術、歴史、ライフスタイルを紹介しています。Twitterでほぼ毎日イタリアの「生」の情報を提供中。