【英語学習法リスニング編】最短で効果的に英語耳をつくる方法
英語がそこそこ読めるのにネイティブの発音が聞き取れない、という日本人は多いと思います。英語はただ聞き流せば聞き取れるようになるわけではありません。自分のレベルに合わせた学習が必要です。最低限の英語耳を作って、いつ海外に行っても困らないようにしましょう。
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間違った英語の勉強法
英語をただ聞き流すだけの教材が数年前に話題を呼びましたが、ただ何も考えずに聞き流すのは時間の無駄でしかありません。「聞き流したら聞き取れるようになった」という人は、きっとそれ以外の学習法を並行して行っています。
確かに人間の赤ちゃんは皆大量の言葉を聞くことで言葉を識別できるようになります。しかし逆に言えば、一日中ある言語を聞き続けていても数年はかかることになります。仕事で忙しい社会人が同じ方法をとっていては10年あっても足りませえん。もっと効率的に英語を勉強する必要があります。
英会話教室に通うのも一つの手ですが、短いレッスンの時間だけで英語耳をつくるのは難しく、いずれにせよ一人で勉強する時間をとらなくてはいけません。また、ひたすらに速い英語を聞こうとする人もいますが、あまりお勧めできません。全く聞き取れないと自信を失ってしまいますし、中途半端に聞き取れても実際はかなりの聞き間違いをしていることがあります。自分のレベルに合わせた英文を聞く必要があります。
地道にシャドーイングを繰り返すのが基本
もちろん英語耳をつくるには大量の英語を聞く必要があります。その際も、ただ聞くのではなく「シャドーイング」をすることが有効です。シャドーイングとは聞き取った英語の音声を0.5秒ほど遅れて発音する方法です。自分では聞き取れていると思い込んでいても、いざ口に出そうとすると詰まってしまう、ということはよくあります。自分で発音できなかった箇所は、後からスクリプトを見て確認しましょう。同じ文章を何回も聞くということを地道に繰り返すことで、少しずつわからないことが少なくなっていきます。
細かな発音やアクセントを意識しよう
英語がそこそこできて、日本人の中ではリスニングができる人でも細かい発音の違いがわからない人も結構います。TOEICで800点台を取る人でも「L」と「R」もしくは「B」と「V」の発音を聞き分けられないことは珍しくありません。母音の細かい聞き分けもなかなか習得しにくいと思います。細かい発音ができなくても英語ができる人は単語や文法の面で隙がなく、背景知識や文脈を使うことで補っています。しかし、そういう人たちは、あまり背景知識のない分野の話の聞き取りで苦労したり、長い会話や演説で一度文脈がわからなくなると聞き取れなくなりがちです。TOEICは短いビジネス英語が中心なので対策が立てやすく、英語耳の試金石には向きません。
アクセントについても同様のことがいえます。つづりを覚えていてもアクセントを間違えて覚えていると思わぬ聞き間違いをすることがあります。洋楽ではメロディに合わせるために意図的にアクセントの位置を変えることがあり、それが勘違いを生むこともあります。例えばビートルズの名曲「Hey Jude」には「don't be afraid」という部分があり、曲の中ではaにアクセントがおかれていますが、正しいアクセントはrの部分におかれます。ここを誤って覚えていると「afraid」が「a friend」に聞こえてしまいます。
初心者におすすめのパーフェクトリスニング
ここからは英語耳をつくるのに有効な教材をレベル別に紹介します。細かい発音を聞き分ける自信がない人は駿台文庫が出している「大学入試 パーフェクトリスニング Volume1」がおすすめです。本来は大学入試用の問題集ですが、受験生でなくてもリスニングの勉強にはもってこいです。前半では「L」と「R」の違いや母音の違い(例 catとcut)など基本的なことをみっちり学べます。ページが進むにつれ少しずつスピードが上がっていくので、耳を徐々に慣らすことができます。この本の最大の特徴は、問題数が多く、バラエティに富んでいること。同じような問題ばかりだと飽きてしまいがちですが、パーフェクトリスニングには読者を飽きさせないような変わった問題がたくさんあります。問題数が多い分解説は少なめなので、リーディングがある程度できる人が対象となります。
中級者におすすめのCNN English express
英語を学べる雑誌はたくさんありますが、一番のおすすめはCNN English expressです。アメリカのCNNが放送したニュースの音声を聞ける月刊誌です。もちろんネイティブが話す英語なのでとんでもなく速いですが、同じ文章をゆっくりのスピードで聞けるのが魅力です。最初に何回か元の音声を聞き、次にゆっくりスピードで丁寧に聞いてから、スクリプトを聞き取れなかったところを確認するという使い方がお勧めです。ネイティブが話す英語なので、母音と子音がつながる連結、子音が発音されない脱落などの音声変化を体感できます。アクセントも含めて、一音一音丁寧に聞き、シャドーイングすると新たな発見があるでしょう。単語やフレーズに関する解説が豊富なの魅力です。英語耳がつくれて、海外のニュースにも詳しくなれれば一石二鳥ですね。是非定期購読しましょう。
上級者におすすめのTED
CNN English expressのゆっくりスピードがほぼ聞けるような人には、もっと長い英語が聞ける「TED」がお勧めです。 TEDとはTechnology, Entertainment, Designの頭文字をとったもので、各分野の著名人のプレゼンを無料で公開するサービスです。ビル・ゲイツやAmazonの創業者、ジェフ・ベゾスなど大物が多く登場します。公式ホームページの動画では下の方に日本語の字幕がでます。短いものは4分、長いもので20分以上続くので最初は短いものから聞いてみましょう。著名人のプレゼンは面白いものばかりで、真面目な話題でも笑えるジョークがところどころあり、飽きずに見ることができます。身振りや話すスピード、声の調子など非常に参考になるものが多いので、シャドーイングにとどまらずスピーチを暗唱して物真似をしてみるのもお勧めです。
下に載せたのはビル・ゲイツのスピーチの動画です。
Siriを英語の学習に使う方法
Siriを使って自分の弱点を探すことができます。人間はそもそも発音できない音を聞き取ることはできません。まずはSiriの設定を英語にして英語で話しかけてみましょう。例えば「play」と「pray」と話しかけ、Siriに正しく認識されていれば、正しく発音できているので、リスニングでも聞き分けられる可能性が高いです。誤って認識されたらそこが弱点とわかります。
もちろんSiriの英語をシャドーイングするのもいい学習法です。Siriは本当に次に何を言うかわからないという点で難しく、勉強になります。
毎日英語に触れよう
今回紹介した学習方法はいずれも飽きずに続けやすい点が共通しています。単調になりやすい学習だからこそ、そこに楽しみや変化を加えることが大切です。忙しい日でも電車の中や、朝夜の隙間時間を有効に活用して毎日少しずつ英語に触れることが英語耳を作る近道です。