【プロ野球2015回顧】快進撃の巨人!藤浪晋太郎&大谷翔平のココがすごい!
今季、パ・リーグでは北海道日本ハムファイターズの大谷翔平は投手部門3冠を達成しました。
セ・リーグでも阪神タイガースの藤浪晋太郎が最多奪三振のタイトルを初受賞しました。
同じプロ3年目のこの2人、年齢だけでなく、他にも共通することがあります。
(本文中、敬称は略しました)
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投手3冠! 大輪の花を咲かせた大谷
大谷は勝利数15、防御率2.24、勝率.750で投手3冠を獲得しました。奪三振数196も東北楽天ゴールデンイーグルスの則本昂大の215に次ぐ2位でした。
既に昨季、高卒2年目の投手としては松坂大輔(当時西武)以来14年振りとなる主要4部門でトップ5入りを果たし、タイトル獲得も間近と思われていましたが、初タイトルが3冠とはやはりケタ違いのスケールです。
埼玉西武ライオンズの中村剛也が通算300号のメモリアルアーチを放った際に、もっとも打ちたい投手として大谷の名前を挙げていたことは先にご紹介しました。
中村の言葉を裏付けるように、今季のオールスター・ゲームの選手間投票で、大谷はパ・リーグの先発投手で最多票を獲得しました。
常時150km/h台後半を超える速球と大きく鋭いフォークを自在に操る大谷は、リーグを問わず強打者ならば対戦してみたいと思うのももっともです。
大谷は昨年のオールスターでは外野手として、今年は先発投手としてファン投票1位となりました。投手・野手の両方でオールスターに出場するのは史上2人目です。
1人目は横浜やヤクルトの監督を務めた関根潤三です。
大谷は侍ジャパンにも選出され、プレミア12では大事な初戦となる韓国戦に登板、見事な投球で勝利に貢献しました。
将来のメジャーリーグ挑戦を公言していますが、メジャーで活躍する姿ももちろんですが、日本でのプレーも長く観たいと思わせてくれる選手です。
最多勝・最優秀防御率・最高勝率の投手3冠を獲得した大谷翔平
プレミア12の初戦となる韓国戦で好投する大谷
師匠に続け! 初の奪三振王獲得
藤浪は221で奪三振王となりました。藤浪もまた3年目で初のタイトル獲得です。また、完投7、完封4は両リーグを通じて最多の数字を残しました。
これで2012年の能見篤史(巨人・杉内俊哉と同時受賞)、13・14年のメッセンジャーに続き、4年連続で阪神投手陣が手にしたことになります。
藤浪は3年連続の2ケタ勝利も達成、高校からプロ入りした選手の3年連続は松坂以来9人目となり、この点では大谷を上回りました。セ・リーグでは阪神の大先輩となる江夏豊以来です。
同じく1年目に同一リーグの5球団から勝利を挙げたのも、セで2ケタ勝利を挙げたのも江夏以来46年振りの快挙です。
大きな飛躍を果たした3年目の今季は、広島東洋カープの前田健太と自主トレを行い、春のキャンプでは江夏臨時投手コーチに直々指導を受けました。こうした経験を活かした結果が、初タイトルと3年連続の2ケタ勝利につながりました。
前田健太(中央)と合同自主トレに励む藤浪(左)
キャンプで江夏豊コーチから指導を受ける藤浪
目指せ! 田中・前田・ダルビッシュ超え!
かつてプロ野球には、本来有利であるはずの長身投手でも190cmを超える投手は大成しないと、まことしやかにささやかれていた時代がありました。
しかし、大谷は193cm、藤浪は198cm。「190cmを超える長身投手は大成しない」は過去の戯れ事です。
メジャーリーグに目を向ければ、今季だけで27人もの200cmを超える長身の投手がメジャー契約をしています。
2人は揃って今季の沢村賞候補に挙げられましたが、残念ながら前田が2度目の選出となりました。
大谷が選出されていれば2007年のダルビッシュ有以来、藤浪ならば03年の井川慶以来の日本ハム・阪神からの選出でした。
近年、高校からプロ入りした投手では、前田の初受賞が4年目、ダルビッシュが3年目、田中将大(当時楽天)が5年目、松坂が3年目で受賞しています。
連続2ケタ勝利で言えば、前田・ダルビッシュが6年、田中が5年連続です。その先には、江夏の入団以来9年連続という記録があります。
江夏が現役引退してから30年以上の歳月が過ぎました。この伝説となりつつある大投手に追いつき、追い越せと願うのは、資質と才能にあふれる大谷・藤浪の2人にとって決して夢物語ではありません。
出典:p.npb.or.jp
2015年のオールスター・先発投手部門でファン投票1位となり、第1戦の先発投手となった大谷。
出典:p.npb.or.jp
大谷と同じく2015年のオールスターに選出され、力投する藤浪
2013年、ともに出場した甲子園球場前でガッツポーズをつくる高校時代の大谷と藤浪
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フリーライター。歴史・文学からビジネス、スポーツ等、幅広い分野において執筆を行う。