【プロ野球2015回顧】ホームランおかわり!中村剛也のココがすごい!
秋山翔吾と同じ埼玉西武ライオンズのチームメイトで、今季偉大な記録を達成したのは「おかわりくん」こと中村剛也です。
世界野球プレミア12で四番の重責を担う中村の今季の活躍を見てみましょう。
(本文中、敬称は略しました。)
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世界の王を超えた! 満塁本塁打日本記録達成
中村は今季本塁打37本、打点124を叩きだし、自身6度目の本塁打王、3度目の打点王の2冠を獲得しました。2冠王となるのも3回目のことです。
先にご紹介した福岡ソフトバンクホークスの柳田悠岐が3冠王を達成するためには、中村は必ず超えなければならない大きな壁となります。
中村は7月24日の北海道日本ハムファイターズ戦で、通算15本目となる満塁本塁打を放ち、1978年に読売ジャイアンツの王貞治が達成したプロ野球記録に並びました。
それから約半月後の8月9日のオリックスバファローズ戦では16本目の満塁本塁打を打ち、あっさりと王の記録を37年振りに塗り替えてしまったのです。しかも、これが今季4本目の満塁本塁打となり、門田博光らが持つパ・リーグのシーズン記録にも並びました。
通算満塁本塁打が11本以上の選手名を以下に示します。
本数 名前 (現役最終所属球団)
16 中村剛也 (西武)
15 王貞治 (巨人)
14 中村紀洋 (DeNA)
藤井康雄 (オリックス)
13 江藤智 (巨人)
小久保裕紀 (ソフトバンク)
駒田徳広 (横浜)
12 江藤慎一 (ロッテ)
井口資仁 (ロッテ)
野村克也 (西武)
11 山本浩二 (広島)
清原和博 (オリックス)
門田博光 (ダイエー)
※横浜は現横浜DeNAベイスターズ、ダイエーは現福岡ソフトバンクホークス
現役選手は中村の他は井口のみです。
中村がどこまで記録を伸ばせるか、とても興味のあるところです。
プロ野球新記録となる16本目の満塁本塁打を放った中村剛也
ヒットの3割がホームラン! 通算600号も夢ではない
満塁本塁打のタイ記録となった本塁打は2打席連続の本塁打です。
1本目の本塁打は中村にとって、通算1000本安打と300本塁打の同時達成という記念すべき一打となりました。300本塁打はプロ野球史上41人目です。
単純に言えば、中村の放つ10本のヒットのうち、3本は本塁打という計算になります。このペースでいけば、2000本安打達成時には600本塁打という期待もあります。
中村にとって、有利と考えられる数字をあげておきましょう。
日本プロ野球の通算本塁打数の歴代トップ10を以下に示します。
順位 名前 本数 (所属球団)
1 王 貞治 868 (巨人)
2 野村克也 657 (南海・ロッテ・西武)
3 門田博光 567 (南海・オリックス・ダイエー)
4 山本浩二 536 (広島)
5 清原和博 525 (西武・巨人・オリックス)
6 落合博満 510 (ロッテ・中日・巨人・日本ハム)
7 張本勲 504 (東映・日拓・日本ハム・巨人・ロッテ)
7 衣笠祥雄 504 (広島)
9 大杉勝男 486 (東映・日拓・日本ハム・ヤクルト)
10 金本知憲 476 (広島・阪神)
※南海・ダイエーは現福岡ソフトバンクホークス、東映・日拓は現北海道日本ハムファイターズ
おわかりいただけるように、王・山本・衣笠・金本を除く6人は現役をパ・リーグのみで終えたか、パに在籍経験のある選手です。
これもご存知のように、パ・リーグは指名代打制を導入しているので、守備や走塁で衰えや少々のケガがあっても年間を通じて試合に出場することが可能です。
中村が今後、西武、またはパ・リーグ球団に在籍して、これまでのペースを維持していけば、2000本安打を達成する頃には600本塁打前後の記録で、門田を抜き歴代3位に到達、2位の野村に近づく可能性があるのです。
1000本安打と300本塁打の記念の花束を手にファンの声援に応える中村
中村の最大の敵はケガ 最大の味方は強運
中村は今年32歳、14年目のシーズンを終えました。
近年は40歳を超えても現役を続行する選手が多く、選手寿命が伸びています。
一方、中村が全試合出場を果たしたのは2011年の1シーズンのみで、度重なるケガに悩まされました。2012年には左ひざの手術を受けています。
そのため、侍ジャパンなど国際試合の代表選手に選出されたのも今年が初めてです。
今後の中村が順調に活躍するための最大の敵はケガと言っていいでしょう。
他方、上記の7月24日の記念すべき2本塁打は、中村自身が打ちたい投手として名前を挙げていた大谷翔平から、本拠地・西武プリンスドームで放ったものです。
ケガに気をつけ、この強運を味方に付ければ、球史に名を残す大選手となる期待が一層高まります。
「打ちたい投手」と名前を挙げていた大谷翔平からメモリアル・アーチを放つ
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フリーライター。歴史・文学からビジネス、スポーツ等、幅広い分野において執筆を行う。