ウイスキー初心者こそマッカランから始めるべし!シングルモルトのロールスロイスと呼ばれる魅力とは
「シングルモルトのロールスロイス」と謳われるほど世界中から評価を得ているスコッチ、マッカラン。これからウイスキーの世界に足を踏み入れようとする貴方も、やがて口にする名酒です。とは言え、ウイスキーは舌に合わないものを飲んで挫折することもしばしば。どうせそのうち飲むのなら、先ずは美味しいマッカランから始めてみましょう。
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スコッチの種類は6つだが、そんなに覚える必要なし
スコッチは産地ごとにハイランド、ローランド、スペイサイド、アイラ、アイランズ、キャンベルタウンの6つに分類されます。マッカランはこのうちのスペイサイドに該当します。
スペイサイドとはスペイ川沿岸地域のことで、現在も数多くの蒸溜所があり、マッカランの他にも世界的に有名なグレンリベット、グレングラント、グレンフィディックなどスコッチウイスキーの半数以上がこの地域で製造されています。
スペイサイドで製造されるウイスキーは、シェリー香を帯びたスムースな喉ごしと、花のような華やかさ、程よい甘味のバランスがいいのが特徴と言われています。
この分類はさほど重要なものではありません。ただ、今後貴方が「ラフロイグの10年が好き」と言うようになったら、「ラフロイグの産地はアイラなので、アイラで製造されているボウモアやアードベックも好きになれるかもしれない」と推測が立てられる可能性もあります。
一応頭の片隅に入れておくといいでしょう。
生産過程のこだわりを知れば一杯の深みも増えるはず
マッカランは生産される過程において独自の様々なこだわりが見られます。
先ずモルトの元となる大麦は、生産が難しく高価であった「ゴールデンプロミス」という品種の大麦を使用しています。以前はゴールデンプロミスのみでしたが、現在は他種ともブレンドをしています。
また樽については、自社で管理する森林で育ったアメリカンオークとヨーロピアンオークを自前で乾燥させて作ったものを、わざわざスペインのヘレス地方に輸出。現地のシェリー酒製造業者に貸し出し、一定期間を経過しシェリー酒の香りが十分に染み渡った樽のみを熟成に使用しています。これがマッカランに特有の華やかなシェリー香を産み出しています。
そして蒸留においても、スペイサイドでは最小サイズの直火式蒸留器を使用しているのが特徴。ストレート型と呼ばれる珍しい形状をしており、香りの成分を可能な限り高めることに成功しています。
飲み方はストレート、ロック、水割り、ハイボール全てOK
ウイスキーにはストレート、ロック、水割り、ハイボールと色々な飲み方があります。
飲みやすいのは水割り、ハイボールですが、それでは風味が薄れて味が飛んでしまうものもあるのが難点。ですが、マッカランについては全ての方法で美味しく飲むことができます。
ただ、本来の味わいを感じるためにも先ずはストレートで飲んでみましょう。
一口含めばシェリー由来の香りがすぐに立ち上がってきます。やがてレーズンのような味と香り、その奥には、ウッディな香りとカラメルのような甘さもやってきます。
スモーキーさはあまりなく、喉を焼くような刺激も控えめ。ワインが好きな人も薦めるウイスキー、というのも納得できる味わいです。
ロックや水割りで加水してみると、アルコールの辛味が大人しくなり、その分だけ甘さがグッと前面に出てきます。チョコレートのような甘さとバニラの香りが感じられ、後味には一抹の渋みで引き締まります。なんともまろやかで飲みやすい味わいになります。
ハイボールでは炭酸の刺激とシェリーの香りが絶妙にマッチし、食前酒にも最高の味わいに。
全局面で美味しく飲めるので、気分や料理に合わせて飲み方を変えて行くといいでしょう。
一瓶は高いが一杯あたりのコスパは高い
マッカランは1本700mlあたり、概ね3000~4000円程度で購入可能です。
一本4000円は高価に感じますが、シングルで飲む場合だと1杯あたり30ml程度のため、約170円という計算になります。
水割りもハイボールもこれを基準に考えると、市販の缶ビールやハイボールを買うよりは安上がりになる、と考えることもできます。
おつまみはチョコやドライフルーツが好相性と言われていますが、自分の好みに合うものを試してみるのもウイスキーの醍醐味です。
ワインと違って開けてからも長く付き合えるので、自分の飲みたい時に飲みたい方法で、ちびちびとやっていくといいでしょう。
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この記事のライター
慶應大学卒業→大手証券会社→外資系コンサルティングファーム。表参道に在住し「日常をドラマに」することに腐心し人生の上質化を目指す日々。酒を飲むこと、酒を飲むように本を読むことが好き。目を離せばすぐに眠りこもうとする遊び心をジャズとビールで蹴飛ばしながら、今日も都心で生きてます。