アイリッシュウイスキーの人気おすすめ15選
アイリッシュウイスキーは酒質が軽いため飲みやすく、ウイスキー初心者の方でも飲みやすいことが特徴です。この記事ではアイリッシュウイスキーのおすすめ銘柄を15選紹介しているので参考にしてください。ジェムソンをはじめとしたメジャーな銘柄から、値段が安く手の届きやすい銘柄まで紹介した決定版的ラインアップになっています。
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アイキャッチ画像出典:www.whiskyadvocate.com
アイリッシュウイスキーとは
世界5大産地のうち、アイルランド共和国と北アイルランドで作られるウイスキーのことを、アイリッシュウイスキーと呼びます。以下でアイリッシュウイスキーの歴史や風味について解説します。
歴史
アイリッシュウイスキーがどこで生まれたか、というのには諸説ありますが、記録として残っている最も古いものでは、1172年にアイルランド人が大麦を原料とした蒸留酒を飲んでいたというものです。
そのようにアイルランドでは古くからウイスキーが作られており、アイルランド国内だけでなくアメリカやカナダ、南アフリカなど様々な地域で飲まれていました。しかし、1900年ごろにピークを迎えた後、衰退してしまいました。
そのきっかけは、主な輸出先だったアメリカで禁酒法が施行されたことです。これに加え、アイルランド自体も経済が危うくなり、生産量、輸出量ともに減少していきました。そしてアメリカでは、戦時中、アイリッシュウイスキーに代わりスコッチウイスキーが配給されるようになり、アイリッシュウイスキーの地位はスコッチウイスキーに奪われてしまいました。
それからアイリッシュウイスキーはどんどん衰退していき、1980年代には蒸溜所がたった2つに集約されてしまいましたが、近年はアイリッシュウイスキーの独特な味わいが見直され、北米では毎年20%以上の販売量の伸びを見せるなど、再び着目され始めています。
風味
アイリッシュウイスキーは、スコッチウイスキーになどと同じように、モルトウイスキー・グレーンウイスキー・ブレンデットウイスキーが作られていますが、それ以外にもう1種類、「ポットスチルウイスキー」という種類が存在することが大きな特徴です。
ポットスチルウイスキーは、原料に大麦麦芽と未発達の大麦、その他のライ麦などの穀物を混合させて作られるウイスキーです。また、他にも基本的にはピートを使用しないという決まりがあり、これらの特徴から、アイリッシュウイスキーはオイリーで酒質が軽く、マイルドで飲みやすいと言われています。
知っておきたい、ウイスキーの基礎知識
ウイスキーには、製法による違いと、作られる場所による違いがあります。産地については、特にスコッチ・ジャパニーズ・アイリッシュ・カナディアン・アメリカンウイスキーが、ウイスキーの世界5大産地と呼ばれています。
アイリッシュウイスキーについてはこの後詳しく解説しますので、ここでは製法・産地ごとに簡単に解説します。
ウイスキーの製法別の違い
■モルト
…モルトは大麦の麦芽のみを使用して作られたウイスキーを指します。よく聞く、「シングルモルト」とは、1つの蒸溜所のみで作られたモルト酒のことを指しています。複数の蒸溜所で作られた原酒を組み合わせたブレンデットに比べて、各蒸溜所の個性が出やすいことが特徴です。
■グレーン
…モルトでは大麦を原料としていましたが、トウモロコシやライ麦、小麦などを原料として作られるウイスキーがグレーンウイスキーと呼ばれます。グレーンウイスキーは、熟成させる樽によって風味が大きく異なることが特徴です。
■ブレンデット
…流通している多くのウイスキーがブレンデッドに分類されます。ブレンデットとは複数のモルト原酒とグレーン原酒を組み合わせたウイスキーを指し、原酒同士の持つ長所を引き立てるように作られています。
■バーボン
…バーボンというのは原料の51%以上がトウモロコシで構成されたアメリカのウイスキーを指します。アメリカンウイスキーの1種でありますが、アメリカンウイスキーの全てがバーボンというわけではなく原料の51%以上に限り、バーボンと言います。
産地別のウイスキーの違い
■スコッチウイスキー
…スコッチウイスキーはスコットランドで醸造・蒸溜されたウイスキーのことを指し、風味としては世界5大ウイスキーの中でもスモーキーな風味が強く、燻製のような香りがします。
■ジャパニーズウイスキー
…ジャパニーズウイスキーは日本で醸造・蒸溜されたウイスキーのことを指し、源流がスコットランドにあるため、スコッチウイスキーに似た風味があります。ただ、スコッチウイスキーよりもスモーク感が弱く、マイルドな風味が特徴です。
■カナディアンウイスキー
…カナディアンウイスキーはカナダで生産されるウイスキーを指し、ライ麦を原料とした軽やかな口当たりとクセのない味わいが特徴です。カナディアンウイスキーは、カラメルやフレーバリングを添加しても良いという独特なルールがあり、様々な味わいを楽しむことができるのも、大きな特徴の一つです。
■アメリカンウイスキー
…アメリカでは、17世紀にとうもろこしを使った蒸溜酒が作られ始めたと言われており、それをルーツに持つウイスキーがアメリカンウイスキーです。赤みがかった色と香ばしい香りが特徴であり、アメリカンウイスキーの中で最も有名なバーボンウイスキーはじめ、ライウイスキーなど様々な種類があります。
おすすめのアイリッシュウイスキー15選
ここまでウイスキーの基礎知識から、アイリッシュウイスキーの特徴等を紹介してきましたが、ここからは具体的な銘柄を紹介していきます。日本ではジャパニーズやスコッチウイスキーよりも知名度が低いアイリッシュウイスキーですが、飲みやすい銘柄が多いのでぜひ一度試してみてください。
1. ブッシュミルズ
ブッシュミルズはアイルランド最古の蒸溜所の一つと言われている、ブッシュミルズ蒸溜所で作られているアイリッシュウイスキーです。
味はフルーティな香りやコクのある甘味、豊潤な余韻がありつつ、口当たりが軽いためウイスキーのアルコール度数の高さを感じさせません。とても飲みやすいため、普段ウイスキーをハイボールで飲むという人もストレートで飲みやすいでしょう。
■蒸溜所:ブッシュミルズ
■製法:モルト or ブレンデット
■度数:40
2. ジェムソン スタンダード
ジェムソンは世界で最も売れているアイリッシュウイスキーです。3回の蒸留によって生まれる豊かな香りとなめらかな味わいは世界中にファンが多い逸品です。紹介している銘柄の中でもアイリッシュウイスキーらしさを強く感じることができるので、アイリッシュウイスキーを初めて飲む人にはおすすめです。
ジェムソンスタンダートが定番ですが、他にも「ジェムソン・カスクメイツ」 「ジェムソン・ブラックバレル」 「ジェムソンボウストリート18年」 など種類が豊富にあるので、定番を飲み終えたら飲み比べてみるとその違いを楽しむことができるでしょう。
■蒸溜所:ミドルトン蒸溜所
■製法:ブレンデット
■度数:40
3. グリーンスポット
グリーンスポットは、1975年から販売開始された比較的新しい銘柄です。100年単位の長い歴史はないもののアイリッシュウイスキーを好む人であればおなじみの銘柄ということができます。
味は口当たりがよくて飲みやすいですが、様々な味の要素を感じることができます。飲みやすいだけでなくアイリッシュウイスキーの深みも楽しめるウイスキーです。
■蒸溜所:ミドルトン蒸溜所
■製法:ポットスチル
■度数:40
4. タラモアデュー
タラモアデューはアイリッシュウイスキーの中では初めて商品化されたウイスキーであり、アイリッシュウイスキーの代表的な銘柄です。売上高も上記のジェムソンに次いで2番目を誇ります。タラモアは当時の蒸留所の地名、デューは英語で 「霧」 を意味し経営者のダニエル・E・ウィリアムズの頭文字からも名前がかけられています。
現在はミドルトン蒸留所で作られていて、穀物の風味とオイリーな質感があり、アイリッシュウイスキーらしさを感じることができます。
■蒸溜所:ミドルトン蒸溜所
■製法:ブレンデット
■度数:40
5. レッドブレスト 12年
レッドブレストは、アイリッシュウイスキーの伝統的なパッケージであるシングルポットスチル・ウイスキーを採用した、特徴的なボトルデザインが目を引くウイスキーです。ウイスキー通から高い支持を得ているウイスキーで、2014年のWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)においてワールド・ベスト・ポットスチルウイスキーを受賞しています。豊かでありつつもフルーティー、スパイシー、クリーミーといった様々な味の要素を感じることのできる深い味わいが特徴です。
■蒸溜所:ミドルトン蒸溜所
■製法:ポットスチル
■度数:40
6. カネマラ
カネマラは、ピートを多く使用し、2回蒸溜を行うなど、アイリッシュウイスキーの中では非常に変わった作り方がされているウイスキーです。ピートを使用しているため、スモーキーな香りを楽しむことができますが、味わいはフルーティーで、アイリッシュらしい軽い口当たりです。スコッチのようなスモーキーさとアイリッシュのマイルドさを同時に感じたいという人にはおすすめのウイスキーです。
■蒸溜所:クーリー蒸溜所
■製法:モルト
■度数:40
7. ティーリング シングルモルト
ティーリングは、アイルランドの首都ダブリンにある、ティーリング蒸溜所で作られているアイリッシュウイスキーです。この蒸溜所は2000年代に設立された非常に新しい蒸溜所で、ダブリンでは125年ぶりに作られた蒸溜所だそうです。
ここで作られているティーリングは、メロンやイチジクなどのフルーティーな香りがありながら、スパイシーな風味があり、それらが絶妙に合わさっています。甘さの中に辛みが加わった、少しクセのあるウイスキーです。
■蒸溜所:ティーリング蒸溜所
■製法:モルト
■度数:46
8. ウエストコーク バーボンカスク
ウエストコーク蒸溜所も2003年に設立された、新しい蒸溜所です。新しいですが、WWA2017 クラフトプロデューサー・オブ・ザ・イヤーにおいて高い評価を得ており、世界でも注目を浴びている蒸溜所です。
このウエストコークで作られている「バーボンカスク」は、モルト25%、グレーン75%でブレンドされた原酒をバーボン樽で熟成させているところに大きな特徴があります。
アイリッシュらしい柔らかで飲みやすい口当たりで、甘みに加えてシトラスの爽やかさやコショウのようなスパイシーさを感じられるウイスキーです。
■蒸溜所:ウエストコーク蒸溜所
■製法:ブレンデット
■度数:40
9. ランベイ シングルモルト
ランベイは、アイルランドの首都ダブリンから約3キロ離れた沖合に浮かぶ小さなランベイ島で作られているアイリッシュウイスキーです。
この「ランベイ」はアイリッシュウイスキー伝統の3回蒸溜の後、バーボンカスクで熟成させ、カミュのコニャック樽で後熟させているところに大きな特徴があります。ノンピートの甘い香りに、かすかな潮の香りが加わった、ココナッツやフルーティーな味わいを楽しむことができるウイスキーです。
■蒸溜所:ランベイ島
■製法:モルト
■度数:40
10. アイリッシュマン ファウンダーリザーヴ
美しい琥珀色が映える「アイリッシュマン」は、ブッシュミルズ蒸溜所で作られているアイリッシュウイスキーです。
3回蒸溜でバーボン樽で熟成させたモルト70%と、シングルポットスチル30%がブレンドされており、スパイスの中にほのかにフルーティーが香ります。味わいは、スパイシーさやスモーキーさに加え、チョコレートのような甘みも感じることができます。
見た目の美しさから、贈り物にも喜ばれるウイスキーです。
■蒸溜所:ブッシュミルズ蒸溜所
■製法:ポットスチル
■度数:40
11. グレンダロッホ トリプルバレル
このウイスキーは、グレンダロッホ(グレンダロウ)蒸溜所で製造されています。このグレンダロッホ蒸溜所は2013年に設立された非常に新しい蒸溜所で、近年人気急上昇中の蒸溜所です。
グレンダロッホ蒸溜所は熟成樽に非常にこだわっており、アメリカンオーク樽で熟成後、シェリー樽に移し、最後はカンテイロと言う特殊な工程を経て作られています。
このこだわりから、味わいはフルーツの酸味や香りがありながら、樽本来の甘みが引き立つアイリッシュウイスキーとなっています。
日本での流通量がまだ少ないウイスキーですが、ぜひ一度試してみてください。
■蒸溜所:グレンダロッホ蒸溜所
■製法:グレーン
■度数:42
12. イエロースポット 12年
こちらのイエロースポットは、レッドブレストと同じミドルトン蒸溜所で作られているアイリッシュウイスキーです。
このウイスキーの特徴は、製造工程の最後で、「マラガ」というワインの醸造で使われる樽を使って仕上げている点にあります。甘口ワインが仕込まれた樽で仕上げることで、他のウイスキーにはない独特の甘みがあります。また、その中にミントのような清涼感やスパイシーさも感じることができます。
今までと一風変わったウイスキーを味わってみたいという方はぜひ一度試してみてください。
■蒸溜所:ミドルトン蒸溜所
■製法:ポットスチル
■度数:46
13. キルベガン
このキルベガンは、アイルランド最古の蒸溜所と言われている、キルベガン蒸溜所で製造されていたアイリッシュウイスキーです。一度この蒸溜所は閉鎖されてしまいましたが、クーリー蒸溜所が2007年に蒸溜を再開し、このキルベガンが再び作られるようになりました。
キルベガンは、花崗岩の貯蔵庫で熟成されているという特徴があり、古くからの味と製法のまま作られています。
アイリッシュらしい軽い酒質で、ロック・水割り・ハイボールなど様々な楽しみ方ができるので、初心者の方にもおすすめです。
■蒸溜所:クーリー蒸溜所
■製法:ブレンデット
■度数:40
14. ジェムソン ボウ・ストリート 18年
このウイスキーは、ミドルトン蒸溜所で3回蒸溜を行った後、厳選されたヨーロピアンオーク樽とアメリカンオーク樽で18年以上熟成し、さらに旧ボウ・ストリート蒸溜所に移して寝かされた、非常に手間がかかったアイリッシュウイスキーです。加水調節をせずにたるから直接ボトリングされているため、アルコール度数がボトルごとに異なることも特徴です。
以上のような特徴を持つこのウイスキーは、砂糖菓子のような奥深い味わいに、ナッツと樽の香ばしさが同時に感じられるウイスキーとなっています。
こちらも高級感あるボトルと、箱が付いているので贈り物にも最適でしょう。
■蒸溜所:ミドルトン蒸溜所
■製法:ブレンデット
■度数:55
15. ティーリング ディスティラリー シングルポットスチル
2018年に、ティーリング蒸溜所での自社蒸溜ウイスキーの第一弾として販売されたのが、この「ティーリング ディスティラリー シングルポットスチル」です。
このウイスキーは、未発達の大麦を50%も使用したシングルポットスチルで、クリーミーさとスパイシーさが共存した味わいを生み出しています。また、製造過程で昔ながらの製法を踏襲することで、大麦本来の甘みを活かし、フルーティーでまろやかなウイスキーに仕上がっています。
初心者の方も上級者の方も多くの人が楽しめる、王道のアイリッシュウイスキーです。
■蒸溜所:ティーリング蒸溜所
■製法:ポットスチル
■度数:46
お気に入りの銘柄を見つけよう
ここまでおすすめのジャパニーズウイスキーについて紹介しました。
既に記述しましたが、アイリッシュウイスキーは酒質が軽くマイルドで飲みやすいウイスキーです。その中にも様々な種類があるので、いろいろ試してみて自分好みのアイリッシュウイスキーを見つけてみましょう。
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この記事のライター
野球歴10年以上。スポーツは見るのもやるのも全般的に好きです。