大注目のトレーニング法「ケトルベルクリーン」とは?やり方や応用メニューまで徹底解説!
ケトルベルを使ったトレーニングは、ダンベルやバーベルよりも消費カロリーが多く効率的に全身を鍛えることができます。今回はそのケトルベルトレーニングの中でも基本的な動きである「ケトルベルクリーン」をご紹介します!クリーンの正しいやり方からクリーンを使った応用メニューまで徹底解説していきます!
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アイキャッチ画像出典:silver-gym.net
「ケトルベルクリーン」とは?
出典:jooy.jp
まず、ケトルベルのトレーニング種目には様々な動きのベースになるような動きが存在します。それが「スナッチ」「クリーン」「ジャーク」と呼ばれる動きです。この動きは他の種目のベースになるだけでなく、組み合わせて行うとより効果的に全身に刺激を与えることができます。今回紹介する「クリーン」は、ケトルベルを肩の位置まで持ち上げる動きのことです。簡単に見えますがこの種目だけ単体で行っても充分な効果が期待できますし、他の種目と組み合わせればさらに効果的に全身に刺激を与えることができます。
具体的なメリット・効果は?
1. 初心者でも行いやすい
ダンベルやバーベルで行うとパワーリフターの競技ですが、ケトルベルを使えば筋トレ初心者でも手軽に同程度の負荷を得ることができます。特に筋トレ初心者の人は「ダンベルやバーベルはちょっとハードルが高いかも」と感じる方もいると思います。しかしケトルベルはそれらより圧倒的に手軽に扱えますし、負荷の設定もわかりやすいです。そのため自分に合った負荷でより多くの回数をこなすことができます。
その他の効果についても以下で解説します。
2. 全身の筋肉に刺激を与えられる
ケトルベルクリーンでは、力こぶでお馴染みの「上腕二頭筋」を中心に、脚やコアまでほぼ全身の筋肉を同時に鍛えることができます。例えば上腕二頭筋はいわゆる「目に見える筋肉」ですので、誰が見てもわかるたくましい身体を作り上げるためにはぜひとも鍛えておきたい部位です。筋トレというとこの目に見える筋肉ばかりにフォーカスしてしまいがちですが、目に見えない「コア」の部分の筋肉を鍛えることもボディメイクを考えた時にはとても重要なトレーニングになります。その両方に同時に負荷を与えられるケトルベルクリーンは効果的に全身を鍛えるのにはピッタリのトレーニング法といえます。
3. ダイエットに効果抜群!
前述もした通り、ケトルベルクリーンでは全身の筋肉を使います。その消費カロリーは数多ある器具を使ったトレーニングの中でもナンバーワンと言われています。また同じウエイト系の器具(ダンベルやバーベルなど)はどちらかというと筋肥大に効果を発揮するので、ボディメイクや身体のコンディションを整える効果は少ないといえます。しかし「ケトルベルクリーン」では重すぎず軽すぎない負荷で回数をこなすことができるので、筋肥大効果はもちろん脂肪燃焼効果も期待できるというまさに画期的なトレーニングなのです。
4. クリーン+αで効果倍増
ケトルベルトレーニングでは、複数の動きを組み合わせてより効果的に全身を鍛えることができます。クリーン単体で行ってももちろん効果はあるのですが、他の動きと組み合わせてさらに効果を高めるのもケトルベルトレーニングの醍醐味といえるでしょう。今回はクリーンの正しいやり方だけではなく、クリーンを組み合わせた応用メニューまでご紹介するので、自分の目的に合わせてトレーニングしてみてください。
まずは基礎から!ケトルベルクリーンの正しいやり方徹底解説!
まずは両足の間にケトルベルを通します。ここからヒップドライブ(お尻を前に突き出すように動かすこと)を使ってケトルベルを押し上げていきます。ケトルベルが腰のあたりまで来たら肘を曲げ、胸の位置までケトルベルを持ち上げます。胸の位置に来たと同時に手のひらを開いてケトルベルを前腕の背面に動かすことも忘れずに。そして腕を身体に密着させてケトルベルを腕の上に乗せ、手のひらは開いたまま親指をのどの方へ向けた姿勢で静止します。この姿勢を「ラックポジション」といい、休憩の姿勢でもあります。ラックポジションでは背中を若干反ってヒップを少し前に突き出します。ケトルベルの真下にヒップが位置しているような状態が理想です。
以上がケトルベルクリーンの正しいやり方です。ポイントは
・ケトルベルをヒップドライブを使って上げる際、スクワットの動きで足の力も使うこと
・ケトルベルを持ち上げた最初の時点から前腕の周りでケトルベルを回し始めること
・ケトルベルは常に身体の中心線を保つようにすること
・脚の間にケトルベルがあるときに、肩が内側に入らないようにすること
以上の4点です。この動きを繰り返すことで、上腕二頭筋を中心とした身体全体の筋肉に負荷をかけることができます。
クリーンを使った応用メニュー10選!フォームから効果まで徹底解説!
1. デットクリーン
まずご紹介するのがデッドクリーン。通常のクリーンとは違い、ケトルベルを地面に置いた状態からスタートするのでより腕と肩に強く負荷をかけることができます。たくましい腕の筋肉を作り上げたい人におすすめのクリーン応用メニューです。
【やり方】
1. 足を肩幅から若干広いくらいに開いて、その間にケトルベルを置く
2. 太ももとヒップに力を入れてケトルベルを一気に引き上げてラックポジションをとる
回数は10~15回×2,3セットを目安にしましょう。膝に手をついたり、ケトルベルを足の間ではなく足の前側に置いたりしてしまわないように注意しましょう。
2. ミリタリープレス
次はプレスという動きをご紹介します。この動作では主に肩や腕、背中の筋肉と上半身の幅広い筋肉を鍛えることができます。
【やり方】
1. クリーンでラックポジションの姿勢をとる
2. 身体の中心線に沿ってまっすぐ頭上に向けてケトルベルを上げていく
3. ケトルベルが頭上に上がったら腕を耳に寄せ、手のひらを正面に向けて開いた状態で肘をしっかりと伸ばす(ロックアウト)
4. ゆっくりと元の姿勢に戻る
回数は8~10回×2セットを目安に、しっかりフォームを確認しつつ徐々に回数を増やしていくようにしましょう。初動時には腕や肩よりもむしろ背中に力を入れるように意識しましょう。
3. スクワット
動画内ではラックポジションからスクワットを始めていますが、クリーンからラックポジションにするやり方で行うとさらに効果が高まります。
続いてはクリーンとスクワットを組み合わせるメニュー。スクワットといえば下半身を強化するトレーニングとしてとても有名です。それに全身運動のクリーンを加えることで、さらに効果的なトレーニングになります。
【やり方】
1. 足を肩幅よりやや広めに開き、ラックポジションをとる
2. 目線はまっすぐ前を見据え、背すじを伸ばしたまま腰をゆっくり落とす
3. 膝が90度くらいにまで曲がったらゆっくりと元の姿勢に戻る
回数は10~15回×2セットを目安に行いましょう。腰を落とした時に曲げた膝がつま先より前に出てしまうと下半身にしっかりと負荷をかけることができなくなってしまうので、膝を曲げるというよりも「腰を落としてお尻を後ろに突き出す」という意識で行ってみてください。
4. ジャーク
続いてはジャークという動きです。この動きは消費カロリーのすさまじいケトルベルトレーニングの代表格ともいえるほど多くのカロリーを消費してくれます。動作は一見プレスと似ていますが、プレスが上半身の筋肉を幅広く使うのに対し、ジャークでは下半身を使ってケトルベルを持ち上げていきます。
【やり方】
1. まずクリーンでラックポジションをとる
2. ヒップを前に押し出し膝をなるべく深く曲げて腰を落とした姿勢を作る
3. 足の力を使って身体を一気に真上に伸ばし、ケトルベルも腕の力ではなく足の力で浮かせる
4. ケトルベルが浮いたと同時に膝を少し曲げて腕を頭上にまっすぐ伸ばし、その後膝もまっすぐ伸ばして直立の姿勢を保つ(ロックアウト)
5. 元のラックポジションに戻して一連の動作は終了
回数は8~10回×2,3セットを目安に行いましょう。腕でケトルベルを上げようとすると腕に疲労がたまって回数をこなせなくなってしまうので、脚の力をうまく利用してケトルベルを上げるようにしましょう。
5. バックワードランジ
次はバックワードランジです。リバースランジとも呼ばれ、オーソドックスなランジは足を前に出して腰を落とすのに対し、バックワードランジでは足を後ろに引いて腰を落としていきます。下半身強化のメニューとして、さらにバランスを保つためのコアの筋肉を鍛えるメニューとしても最適です。
【やり方】
1. ラックポジションでセットする
2. 足は肩幅より少し狭めて背すじを伸ばし、視線は前を見据えたまま足を後ろに1歩引く
3. 足を引くと同時に腰をゆっくりと落としていき、前に残した膝が90度くらいになるまで落とす
4. ゆっくりと元の姿勢に戻って反対足も同様に行う
回数は10~15回×2,3セットを目安に行いましょう。動作中は背中が丸まらないようにしましょう。3の動作時にバランスを崩してふらつきがちになるので、しっかり体幹を使ってバランスを保つように意識しましょう。
6. サークルクリーン
サークルクリーンは、他の動きとの組み合わせというよりもクリーンの動き自体を少し変形させたトレーニングです。全身の筋肉に刺激を与え、筋持久力や瞬発力も鍛えることができます。さらに、体幹がぶれるとうまく効果が得られないので、バランスを保つためにコアの筋肉も使われます。ここでは動画に合わせて動きを解説します。
【やり方】
1. ラックポジションでセットする
2. ケトルベルを持っている腕の方(動画では左側)に身体を90度回転させ、反対側に振り子のような動きでクリーンをする
3. 右側でラックポジションをとったらそのポジションのまま元の左側を向いた姿勢に戻る
回数は左右10~15回×2セットを目安にしましょう。左側を向いてのラックポジション時には左ひざに、ケトルベルが身体から離れてから身体の正面にくるまではほぼ両足に、正面から右側に向かうときは右ひざに体重を乗せて、スムーズにケトルベルを動かせるようにします。左側から右側に半円を描くように、反動を利用してテンポよく行えるように意識しましょう。
7. スラスター
スラスターは、今までご紹介してきた動作のうちの「クリーン」「スクワット」「プレス」を一気に行うトレーニングで、脚・腕・肩など全身の筋肉を同時に鍛えることができます。動き自体もそこまで難しくないので、この3つの動作を一通り練習したらぜひ一度挑戦してみてください。
【やり方】
1. クリーンでラックポジションをとってセット
2. 腰をゆっくり落としてスクワットを行う
3. 膝を伸ばして元の姿勢に戻っていく
4. 膝が伸びきると同時に腕も頭上に伸ばしてプレスの動きをする
5. ロックアウトの状態を数秒維持してから元のラックポジションに戻る
回数は8~10回×2,3セットを目安にしましょう。スクワットを行うときには膝がつま先よりも前に出ないように、動作中は背すじが丸まらないように注意して行いましょう。
8. ボトムアップクリーン
ボトムアップクリーンも他の動きと組み合わせたトレーニングではなく、クリーン自体のやり方を少し変えたもの。握力やコアの筋力、さらには集中力も高めることができます。
【やり方】
1. 足を肩幅に開き、間にケトルベルを置く
2. グリップを前から包むようにつかみ、腰を少し落とす
3. 通常通りクリーンを行う
4. ケトルベルを胸の位置まで上げたら底面を天井方向に向けて静止
回数は10~15回×2,3セットを目安にしましょう。負荷は高くありませんが、しっかりやれば疲れがたまっていることにふと気が付くはず。それはちゃんと集中してトレーニングできているサインなので、休憩も適宜挟みつつ行いましょう。
9. ボトムアッププレス
先ほどご紹介した「ボトムアップクリーン」と「プレス」の動きを組み合わせたトレーニングです。バランスを保つためのコアの筋肉と、腕や肩の筋肉を鍛えるのに適しています。
【やり方】
1. ボトムアップクリーンで底面を天井方向へ向けて静止
2. そこからゆっくりとケトルベルを頭上に持ち上げる
3. ロックアウトのポジションで数秒静止し、ゆっくりとボトムアップクリーンの最後の姿勢に戻る
4. ケトルベルを下におろす
回数は8~10回×2,3セットを目安にしましょう。このトレーニングでは筋力だけではなく、ケトルベルのバランスを保つための集中力も養うことができます。強度はそこまで高くないですが、集中して行うと疲れもたまりやすいので休憩も挟みながら行いましょう。
10. ダブルオルタネイティングクリーン
最後にご紹介するのがケトルベルを2つ使ったトレーニングです。2つのケトルベルを使って左右交互にクリーンを行います。ダブルオルタネイティングクリーンは「1カウント式」と「2カウント式」の2通りのやり方があり、今回は2カウント式のやり方をご紹介します。
【やり方】
1. 足は肩幅からやや広めに開いて、その間に2つのケトルベルを置く
2. 2つを同時に床から持ち上げて、まずは片方のケトルベルでクリーンを行う
3. ラックポジションからケトルベルをおろし、両腕がぶら下がった状態になったら逆側の腕でクリーンを行う
4. ケトルベルをおろして動作を繰り返す
回数は8~10回×2セットを目安に行いましょう。このトレーニングでは通常のクリーンで行うようなヒップドライブができないため、より腕の力だけでケトルベルを持ち上げることが求められます。疲れてきたらすぐに休憩を入れて、リズムよく行えるようにしましょう。
可能性は無限大!クリーンと応用メニューで理想の身体を作り上げよう!
以上「ケトルベルクリーン」とクリーンを使った応用メニューのご紹介でした。クリーンは爆発的な筋肉動員で消費カロリーが非常に多いだけでなく、負荷を調整して回数をこなせば筋持久力や集中力も鍛えることができます。気分転換からガッツリ鍛えたい人まで、目的に応じて毎日の生活の中にトレーニングを取り入れてみてください!
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この記事のライター
都内在住、スポーツと音楽と食べることが大好きな体育大学3年生。体育大生とはいえ本人はインドアも好んでいたり。休日は外でバリバリサッカーを教えていたり、友達とカフェ巡りやらショッピングをしたり、おでかけしたり、家にひきこもったり。大学で学んだ知識などを活かしてフィットネス系の記事を主に書いています。でんぱ組.incと水族館が大好きです。どうぞよろしくお願いします。