旅行好きが選ぶ九州のおすすめローカル線10選

九州地方の楽しみ方はたくさんありますが、一度は体験しておきたいのがローカル線の旅です。九州地方の路線はローカル化している割合が高く普通に旅をしていれば、かなりの確率でローカル線に乗ることになります。今回はその中でも特におすすめできる、旅行好きが選んだローカル線は10個紹介します。

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九州のローカル線は自然とヒトが魅力

九州のローカル線といえば、数こそ多くありませんが、北から南まで多様性に富んでいることが特徴としてあげられます。同じ海岸沿いでも南の方は南国のような雰囲気が漂い、北とはまた違ったよさがあります 。また、九州のローカル線はひとつひとつの路線が長いことも重要な特徴です。のんびりと旅をしたいならそのあたりは重要になります。
九州の人々は旅行者が声をかければ気軽に応じてくれるほか、自分から話しかける気さくな人も大勢います。車窓からの風景や観光だけでなく地元の人とのコミュニケーションも旅の重要な構成要素といえるでしょう。

長崎本線

出典:4travel.jp

有明海と長崎本線

長崎と佐賀県の鳥栖を結ぶ、JR九州の代表的なローカル線です。九州のローカル線の中で知名度は1,2を誇り、鉄道マニアにはおなじみといえるでしょう。
長里駅から備前七瀬駅の間では、有明海の近くを走るため、美しい有明海を車窓から眺めることができます。有明海といえば絶対見たいのが夕日。うまく時間を合わせれば夕日が水平線に沈む様子を眺めることができます。有明海の非常に入り組んだ沿岸を通るためカーブが非常に多く、減速と加速を繰り返すのも長崎本線の特徴です。また、有明海は干潮と満潮の差が日本一なのでそこにも注目です。

眺めだけでなく沿線も面白いところが多数あります。もちろん長崎駅の近くは山ほど観光スポットはありますが、他にも吉野ヶ里遺跡や諫早湾の干潟がおすすめです。駅数が42とローカル線の割に多いため全てを紹介しきれませんが、自分で面白いところを探してみるのも面白いでしょう。

出典:4travel.jp

有明海の海中鳥居

松浦本線 西九州線

出典:hirado-ebisu.jugem.jp

佐賀県の有田駅と長崎県佐世保市の佐世保駅を結ぶ松浦鉄道が運営するローカル線です。本州の中で、そしてJRの路線では一番西に位置することで知られています。かつては4本の支線が出た国営の路線でしたが、赤字により廃止となり、第三セクターとされた歴史を持ちます。

海岸線は複雑に入り組んでいるため、海が見えるのは一部の区間にとどまりますが、ときどき見えるからこそ余計に絶景に感じるのが、松浦本線の良いところです。西に行けば、佐世保炭田の残骸や廃墟が車窓から見え、心細い気持ちになってきます。それでも沿線には山あり、川あり、海あり、田園ありと風景が頻繁に変わるので飽きずに楽しむことができます。平戸口駅はJR最西端の駅で対岸には平戸島が見えます。駅舎内には鉄道博物館があり、松浦鉄道の歴史が残されています。

出典:ttpanatani.fc2web.com

海沿いも走ります

大村線

出典:www.kyushu-navi.com

雄大な大村湾

JR九州が運営する、佐世保市の早岐駅と諫早市の諫早駅を結ぶローカル線です。北九州の中では人気の高いローカル線です。最大の魅力は車窓から見える壮大な大村湾です。輝く水面と車窓から見える夕日は圧巻です。駅舎はどれも懐かしさを感じるものばかりで、ローカル線の雰囲気を味わいたい人にはぴったりでしょう。
風景だけでなく、途中下車をして沿線をぶらぶらするのも楽しみの一つです。大村城や木造の千綿駅を改装したカフェ、ハウステンボスといったおすすめのスポットがあります。

出典:www32.tok2.com

平成筑豊線

出典:netrain.makibisi.net

平成筑豊鉄道は1989年、つまり平成元年に創業された比較的新しい鉄道会社で、「へいちく」の愛称で親しまれています。会社は糸田線、田川線、伊田線の3つの路線を運行しています。車両の色は多様性に富み、いたるところにキャラクター「ちくまる」が描かれています。車窓からはのどかな田園の風景が遠くまで広がる様子がわかります。

どこの駅で降りてもそれなりに楽しめるのがへいちくの魅力です。直方駅の直方リバーサイドパークはキャンプ場もある家族で楽しめる公園です。ほかにも公園が多数あり、桜や地元の山の景色をのんびりと楽しむことができます。お花見スポットも多く、家族で行くならなかなか使い勝手のいい路線といえます。直方駅付近はかつて炭鉱で栄え、それに関する資料館やレトロな街並みが残されており、一人旅なら立ち寄りたいところです。

出典:www.heichiku.net

へいちくのキャラクター ちくまる

豊肥本線

出典:www.nikkeibp.co.jp

車窓から見える阿蘇山

豊肥本線は、JR九州が運営する、熊本駅と大分駅を結ぶローカル線です。九州のローカル線は南北に走るものが多い中で、豊肥本線は別府湾と島原湾を東西に結ぶ貴重な路線です。ICカードのSUGOCAが使えたり、通学、通勤需要が多い点ではローカル線の要素は薄いですが、内陸部に入るとローカル線の雰囲気が強くなってきます。竹田市の長湯温泉は世界有数の炭酸含有量を誇り、温泉好きなら訪れたい名湯です。また、竹田氏は滝廉太郎との関係が深く、「荒城の月」のモデルになったことで有名です。阿蘇外輪山付近の急勾配もなかなか都会では体験できません。

大分と熊本のちょうど中心あたりには阿蘇山があり、阿蘇カルデラの中を横切って走行するため「阿蘇高原線」という異名も持ちます。南側にはかなり近いところから阿蘇五山が眺められます。

出典:www.nikkeibp.co.jp

日南線

出典:tabinori.net

JR九州が運営する、宮崎市の南宮崎駅から志布志駅までを結ぶローカル線です。今から約100年以上前に開業し、赤江と日南(どちらも宮崎県南部)を南北に結んでいます。宮崎の南部は本州からはなかなか行かないところですが、美しい自然と南国のような雰囲気が魅力的で、訪れる価値のある場所です。

日南線は南国の雰囲気にぴったり合うようなゆっくりとしたスピードで進みます。車両のデザインも白と青を基調としたもので海と砂浜を連想させます。沿線は美しいビーチがあり、マンゴーや海の幸をいたるところで味わえます。特にカツオの水揚げが多く、カツオをあぶった「日南一本釣りカツオ炙り重」が近年話題を呼んでいます。他にも、青島神社や鬼の洗濯板などのおすすめスポットがあります。

2009年からは、日南の素晴らしさを発信するため、観光列車「海幸山幸」が運行されています。ソファシートとリクライニングシートでくつろぎながら、山と海の景色を眺めることができます。

出典:hobbycom.jp

海を連想させるシンプルかつ美しいデザイン

出典:www.miyazaki-city.tourism.or.jp

青島を取り囲む波状岩 通称「鬼の洗濯板」

くま川鉄道 湯前線

出典:yuubagawa.cocolog-nifty.com

90年前の面影を残す湯前駅

湯前線は熊本県人吉市の人吉温泉駅と湯前町の湯前駅を結ぶくま川鉄道が運営するローカル線です。運営するくま川鉄道は「くまてつ」の愛称で親しまれ、地元の足としてはもちろん観光列車としての需要も高まってきています。土日祝日を中心に運行している「田園シンフォニーはぴねすトレイン」は、予約制の観光列車です。車内では地元のひのきが贅沢に使用されており、窓や日よけなどの内装の一つ一つにこだわりを感じます。九州のローカル線の中では区間が短いため所要時間は44分と少し短めですが、春の桜や菜の花、田園地帯の美しい緑に癒されること間違いなし。
終点の湯前駅は90年以上前に作られた、湯前線の中で唯一開業当時の面影を残す駅です。パステルカラーの木造建築や近くの桜並木は見事です。元々赤字だったうえに震災により観光客は激減。熊本に行ってお金を使うことで復興が早まることを願いましょう。

出典:yuubagawa.cocolog-nifty.com

肥薩線

ループとスイッチバック

熊本県の八代駅から鹿児島県霧島市の隼人駅までを結ぶJR九州が運営するローカル線です。少しマイナーな路線ですが、肥薩線は日本三大車窓にも数えられ、途中下車をしなくても十分に魅力を味わうことができます。球磨川は日本三大急流にも数えられ、深い渓谷を流れる様子はの見応えがあります。渡駅と西人吉駅の間の桜のトンネル、遠くに見える霧島連山、日本三大車窓に数えられる矢岳越えが続き、飽きることがありません。
JR九州内で最多となる木造の駅舎やループ線、スイッチバックが主な見どころです。人気の高さから「はやとの風」「いさぶろう号・しんぺい号」「SL人吉」の3つの観光列車が走っており、風景だけでなく、車内でも楽しめる工夫が施されています。

出典:www.kyushu-navi.com

肥薩おれんじ鉄道

出典:allabout.co.jp

肥薩おれんじ鉄道が運営する、熊本県の八代駅と鹿児島県の川内駅を結ぶローカル線です。かつてはJR九州の鹿児島本線の一部で、九州新幹線開業を機に肥薩おれんじ鉄道に経営権が移されました。おれんじという名前には、海岸に沈む夕日やみかんの色を表現するために付けられたと言われています。

沿線には種田山頭火が愛したという日奈久温泉や、日本一の大鈴がある箱崎八番神社や八代城など、風情溢れるスポットが多数あります。東シナ海の海岸沿いを走る区間が長く、とにかく海岸に近い場所を通るのが魅力です。途中で景勝地として有名な「人形岩」のすぐ近くを通ります。2016年からは毎週木曜日に、JR九州の観光列車「ななつぼし」が運行しています。

出典:allabout.co.jp

東シナ海に浮かぶ人形岩

指宿枕崎本線

出典:hamaguchi.enjyuku-blog.com

人気の高い「なのはな号」

最後に紹介するのは鹿児島市の鹿児島中央駅から枕崎市と枕崎駅を結ぶ指宿枕崎線です。JRグループで最も南を走る路線として有名で、日南線と同様に沿線は南国のようなのどかな雰囲気が漂います。
西大山駅はJR最南端の駅として有名で、2003年にゆいレールが開通するまでは日本最南端の駅でした。駅のホームからは雄大な開聞岳が見えます。開聞岳は薩摩富士という異名を持つ美しい山で鹿児島県民の誇りでもあります。数分間停車して、記念撮影をするという嬉しいサービスもあります。それより少し北の区間からは東側に大隅半島や桜島が見えます。

観光列車、「特急指宿のたまて箱」は全国から観光客が乗りに来る人気の高い観光列車です。座席は海がよく見えるように設計されており、内装もアロハシャツを連想させる派手な色使いが特徴で、南国に来た気分になれます。浦島太郎にちなんで、乗車時に白い霧が出る仕掛けになっています。

出典:www.jrkyushu.co.jp

西大山駅から見える薩摩富士

出典:www.jrkyushu.co.jp

玉手箱をイメージした白い霧(特急指宿のたまて箱)

ローカル線で九州を旅しよう

いかがでしょうか。九州は北から南まで万遍なくローカル線が張り巡らされています。旅に車やバスを使うのもいいですが、鉄道を使うことで、より景色を眺められ、地元の人々の生活や方言などを味わえるメリットがあります。都会では味わうことができない貴重な体験をローカル線で味わってみてはいかがでしょうか。

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斉藤情報事務

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