【日帰り旅行にも】関東のおすすめローカル線14選

都会から離れてのんびりしたい、でも何日間も連続して行けない、という人におすすめなのがローカル線の旅です。時間を気にせず、自然を眺めながら沿線を観光するのはとても魅力的です。今回は関東地方のおすすめのローカル線を14個紹介します。大都市の観光とは一味違った楽しみを是非味わってみてください。

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ローカル線の魅力

ローカル線に正確な定義はありませんが幹線からわかれた、輸送量の少ない地方支線に対してよく使われている名称です。大抵の場合は田舎を通っており、地方住民の足として重要な役割を果たしています。東京都内にはなかなかありませんが、少し足を伸ばせば関東地方にもそんな情緒あふれるローカル線は数多くあります。

ローカル線といえば、沿線の風景や観光地ばかりが注目されますが、それ以外のところにもローカル線の魅力は存在します。例えば切符に改札鋏でパチンとしてくれる。交換駅で対向列車を撮影していると「発車しますよ」と教えてくれる。そういった触れあいや細かい気遣いも嬉しいし、「また乗りたいな」と思わせてくれます。

わたらせ渓谷鉄道

出典:gurutabi.gnavi.co.jp

最初に紹介するのは関東北部を走るわたらせ渓谷鉄道です。普通列車は桐生駅と大間駅の間を1日18往復します。特に人気が高いトロッコ列車は1日1往復のみになっています。窓ガラスがなくオープンタイプのトロッコ列車では、爽やかな風を浴びながら大自然を楽しめます秋の紅葉や春の新緑はとても見応えがあり、遠くから見に来る旅行者も大勢います。

周辺には足尾銅山や滝、美術館、温泉など多くの観光スポットが存在します。途中の無人駅には昭和の雰囲気が残っていてのどかな気分にさせてくれます。途中の神戸駅は、特に眺めが良いことで有名で映画のロケにも良く使われます。近くには列車を改造したレストランがあります。

出典:www.jalan.net

銚子電気鉄道

鉄道ファンの中ではローカル線として特に人気が高いのが千葉県を走る「銚子電鉄」です。鉄道ファンでなくても楽しめる要素が多数あり、人気が高いのも頷けます。駅から外川駅まで全長はわずか6.4kmです。短い区間に観光スポットや見所が凝縮されているので、時間をあまりかけたくない人、日帰り旅行者におすすめです。電車もレトロなデザインで、田園地帯を走るという典型的なローカル線です。

犬吠駅からすぐのところには景勝地である犬吠岬があり、一日乗車券を見せると名物の塗れせんべいがもらえます。銚子電鉄が経営に苦しんだ際、窮地を救ったのが地元名物の濡れせんべいでした。他にも仲ノ町駅での車庫見学や、イルミネーション電車も人気です。

出典:www.choshi-dentetsu.jp

1日1往復限定で走るイルミネーション電車

出典:www.choshi-dentetsu.jp

車内も綺麗です

出典:4travel.jp

本銚子駅の近くにある「緑のトンネル」

いすみ鉄道  いすみ線

出典:service-news.tokyo

千葉県の大原 - 上総中野間を結ぶ全長26.8kmの路線です、いすみ鉄道には南北2つのルートがあります。北側の小湊鉄道養老渓谷駅から入るルートのほうがローカル色が強いのでそちらを中心に紹介します。途中の久我原駅は「東京から一番近い秘境」とテレビでも紹介されたことのある有名な駅です。また、大多喜駅は城下町として発展し、古い町並みが多く残されています。観光列車のレストラン・キハものどかな景色を眺めながらご馳走を頂けることで有名です。

車体にムーミンなどのキャラクターを描き、集客に力を入れているのがわかります。非常に人気がありますが、レトロな車両が好きなのであれば、同じ千葉県の銚子電鉄をお勧めします。

出典:service-news.tokyo

東京から一番近い秘境 久我原駅

江ノ島電鉄

出典:kaumo.jp

江ノ島電鉄、通称江ノ電は藤沢から鎌倉の海沿いを走る、全国的にも有名な路線です。100年以上の歴史があり、綺麗な海の眺めはとても魅力的です。海は走る時間によってまた魅力が違います。海といえば昼を想像しがちですが、朝の爽やかな雰囲気、夕方のロマンチックな雰囲気の海も見応えがあります。海を走ったかと思えば、山、住宅街に移動し、あっという間に路面電車に早変わり。
鎌倉は紫陽花で有名ですが、江ノ電からも見ることができます。地形の関係でホームの拡張ができず、1両目が入りきらない駅があるのもローカル線ならではの光景です。

出典:kaumo.jp

ホームが短い腰越駅

箱根登山鉄道

神奈川の小田原駅と、箱根町の強羅駅までを結ぶローカル線です。この路線は夏の間、沿線にあじさいが多数咲き、車内からも見えるのでので「あじさい列車」と呼ばれています。

登山という名の通り急勾配の山を登り、途中で3回スイッチバックを行います。新型車両と旧型車両があり、旧型の車両は「こんな電車が山を登るの」と不安に思ってしまう外観です。クーラーもなく標高が高いところでは冷たい風を浴び、天然の冷房を感じます。標高によってピークの時期が異なるので、6月中旬から8月上旬までの長い期間あじさいが咲いています。夜にはあじさいがライトアップされ、見応えがあります。観光地、箱根の近くにあり、予約も必要なく、気が向いたときに乗れるのも魅力です。

出典:guide.travel.co.jp

箱根登山鉄道とあじさい

鹿島臨海鉄道 大洗鹿島線

2015年に開業30周年を迎えた、水戸駅から鹿島サッカースタジアム駅までを南北に結ぶローカル線です。臨海という名前に反してあまり海は見えず、車窓からは緑豊かな田園風景が眺められます。ローカル線の割に直線区間や高架区間が長いのが特徴です。高架から田園風景を眺められる貴重な路線です。電化されておらずディーゼルエンジンの音が響きます。鹿島スタジアムが沿線にあり、試合の日はとても混雑します。また大洗は『ガールズ&パンツァー』の聖地として復興し、ラッピング車両が人気を集めています。

出典:www.google.co.jp

ガルパンのラッピング車両

出典:twitter.com

高架区間を走ります

上信電鉄

出典:www.joshin-dentetsu.co.jp

R高崎駅に隣接した上信電鉄高崎駅から下仁田駅までを結ぶ群馬県のローカル線です。、1時間に2便の電車が走っています。途中の上州富岡駅から徒歩15分のところには世界遺産、富岡製糸場があります。見学の際は製糸場見学料と高崎駅からの往復分のセット券を使うとお得です。

以前にTV番組でとりあげられたほど揺れる電車で、一部区間ではスマホを使うのも一苦労です。そんなときは外の田園風景を眺めながら時間を忘れてのんびりしましょう。大きな駅では自転車がレンタルできるので電車に自転車を持ち込んで降りた駅でサイクリングするというのもお勧めの楽しみ方です。沿線には世界記憶遺産候補の上野三碑や、観光地でもある日本最初の洋式牧場、神津牧場があります。

出典:www.tomioka-silk.jp

小湊鉄道線

出典:www.e-aidem.com

千葉県市原市の五井駅からいすみ線に接続する上総中野駅までを結ぶ全長39.1kmのローカル線です。銚子電鉄やいすみ鉄道と比べると観光スポットが少ないですが、東京から近く、千葉駅から30分ほどで行けるのが魅力です。小湊鉄道線は上総牛久駅までそこそこの乗客がいます。しかしその上総牛久駅を過ぎると急にローカル線の雰囲気が増してきます。赤とクリーム色のツートンカラーの可愛らしいデザインの車体が特徴的です。

一番の見所は養老渓谷。養老渓谷駅で降りて、ハイキングコースを歩き自然と触れ合い、駅で足湯と駅長である猫に癒されるというのがおすすめの楽しみ方です。ビール列車やトロッコ列車など、ユニークな列車が走っているのも魅力的です。

出典:4travel.jp

養老渓谷駅の猫

富士急行電鉄

出典:www.fujikyu-railway.jp

大月駅と河口湖駅を結ぶ山梨県のローカル線です。富士山に一番近い鉄道というキャッチフレーズや富士急ハイランドにつながることでも知られています。大月駅から富士山に近づくように上りの勾配の中を進み、標高差は約500m。速度は非常にゆっくりなので富士山をのんびり見ることができます。

たくさんの富士山キャラが描かれたフジサン特急、やトーマスをラッピングしたトーマスランド号、など中古のバラエティ豊かな車両が走っています。

出典:www.fujikyu-railway.jp

たくさんの富士山キャラが描かれたフジサン特急

真岡鉄道

出典:allabout.co.jp

茨城県の下館駅と栃木県の茂木駅を結ぶローカル線です。「まおか」ではなく「もおか」と読みます。紙に手書きのチケットというローカル線ならではのスタイルを採用しています。田園地帯を一両のディーゼルカーがコトコト走ります。南東部には筑波山も見えます。
最大の売りは土日を中心に運行される「SLもおか」です。予約なしで乗れる分、混むときは非常に混雑します。真岡駅はSLをイメージした外観で撮影スポットとして人気です。真岡駅には懐かしの鉄道車両が多数展示されており、鉄道ファン必見です。

出典:www.hagakanko.com

関東の駅100選にも選ばれたユニークな駅舎

出典:allabout.co.jp

転車台で向きを変えるSLもおか

上越線

出典:www.kzlifelog.com

群馬県の高崎駅から、水上や越後湯沢駅を経て、新潟県の長岡駅を結ぶJR東日本のローカル線です。こちらもかつては特急列車がたくさん走っていましたが、上越新幹線ができると徐々にローカル化しました。東京から新潟まで普通列車で6時間で行けることもあり、青春18きっぷが使える夏や春にはそこそこ混雑します。時間があれば訪れたいのは水上駅から2駅の土合駅です。日本一のモグラ駅として有名でホームから改札口まで462段の階段を登らなければなりません。(エスカレーターやエレベーターはなし)


沿線には越後湯沢温泉や水上温泉などがあります。あまり有名ではありませんが高崎から水上間を、「SLみなかみ」が走っており、温泉とSLを前面に押し出しています。肝心の景色ですが高崎から渋川あたりは関東平野が広がります。さらに北上すると蛇行する利根川を見ながら勾配を上ります。

出典:www.kzlifelog.com

土合駅の階段

上毛電気鉄道  上毛線

赤城山のふもとを通り、中央前橋駅から桐生市の西桐生駅までを結ぶ上毛電気鉄が運営する路線です。朝夕は通学する高校生がかなりいますが、それ以外の時間は乗客は少なめです。40年ほど前に乗降客数がピークを迎えましたが、人口減少や車の普及により日常的に使う客は一貫して減少してきました。それでもローカル線としての人気は高まりつつあります。田園地帯を走り、北には赤城山が見えます。沿線には渡良瀬川や温泉、富士山(標高は564.4m)があります。


終点の西桐生駅は開業当初からの駅舎を保持しており、マンサード屋根をもつことから登録有形文化財・県近代化遺産に登録され、関東の駅百選にも選定されています。赤城温泉の最寄駅である大胡駅の近くには国の文化財に登録されている車庫があります。外観はレトロで重厚、床は木、布張りの座席と内装も昭和の面影を残しており、鉄道ファンでなくてもかっこいいと思える電車ばかりです。一部の列車は貸し切ることも可能で、結婚式を挙げる人もいるのだとか。終点の桐生には貴重な近代建築が数多くあります。駅で自転車を借りて旅するのもおすすめです。

出典:www.chinjuh.mydns.jp

標高が低い富士山  話の種に登ってみてはいかが

出典:guide.travel.co.jp

車窓から見える赤城山

出典:wideangle2211.cocolog-nifty.com

マンサード屋根が特徴的な西桐生駅

秩父鉄道

出典:chichibu.c-next.net

羽生駅と三峰口駅の間を運行する、私鉄ローカル線です。ライン下りで有名な長瀞、秩父を通り、自然豊かな街を走ります。土日祝日にSL、「パレオエクスプレス」が運行します。秩父鉄道は自社では鉄道を作らず、他社の使わなくなった車両を再利用しています。東急や西武、地下鉄日比谷線などの旧列車が使われています。今では、ことのできない電車が数多くあるので、電車に詳しい人、年配の人であれば懐かしい気分に浸れるかもしれません。

終着駅の三峰口駅は関東の駅100選に選ばれたことのある有名な駅です。木造駅舎の残る懐かしい雰囲気で、映画のロケにもよく使われています。SLの給水やバックで走る姿が見られるのも魅力です。駅から少し歩いたところからは奥秩父の山から流れ出る荒川を眺めることができます。

出典:chichibu.c-next.net

奥秩父の大自然

出典:chichibu.c-next.net

給水中のSL

流山線

千葉県松戸市の馬橋駅と流山市の流山駅を結ぶローカル線です。全長は約6km、2013年までは公式HPを持たないこともあり、日本の中で一番マイナーな路線といえるかもしれません。車両は西武鉄道のものを使っており、車両ごとに「流星」「流馬」などの名前がついています。

かつては朝に通勤する人で一杯でしたが、つくばエクスプレス開業を機に乗客が激減、ローカル線の色が濃くなりました。流山は、古い家屋や古民家カフェ、万華鏡屋、駄菓子屋、博物館がが立ち並んでいる古風な街です。多くは月曜日休館なので注意しましょう。

出典:www.google.co.jp

マンションと一体化した幸谷駅

公式ホームページで情報を集めよう

いかがでしょうか。関東に住んでいる人でなくても乗ってみる価値のあるローカル線を紹介してきました。ローカル線は集客のためにイベントを行っていることも多くあります。公式ホームページで詳しいイベントや運行情報をチェックし、より楽しくローカル線の旅を満喫しましょう。

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