信州のライターが選ぶ長野の信州そば名店おすすめ10選
信州の人々にとって魂の食ともいえる蕎麦。古くはそばがきなど団子状が主流だった蕎麦、これを麺にして食す「蕎麦切り」となったのは信州が始まりと伝わります。長野県各地にある旨い蕎麦の銘店を北から南に向かってご紹介しましょう。
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アイキャッチ画像出典:tosaisai.g1.xrea.com
「もり・ざる・かけ」など シンプルなスタイルでも多彩に
蕎麦の材料はシンプルに蕎麦粉と水とつなぎのみ。しかし、シンプルさは全て味として表現されます。冷涼な高地を好む蕎麦は、国内では長野県や北海道などで多く生産され、特に栽培地には多くの蕎麦店があるのです。一方そばつゆは関東と関西でも大きく違い、出汁の選び方や醤油の使い方などにこだわりなどがありこちらも店の特色。そしてグルテンが少なく低GI食品であることから、ヘルシー志向の方にも好まれている健康食品であります。食し方はもり・ざる・かけなどスタイルも様々、貴方のお好み次第です。
木島平村「手打ちそば 樽滝」
長野県北部に位置する木島平村は、米処でもあり農業の盛んな地域。北陸新幹線の金沢延伸によって新たに造られた飯山駅からのアクセスもよく、木島平スキー場をはじめ周辺の野沢温泉などへも近いエリア。温泉施設やスキー場など様々なアクティビティが揃っています。
「手打ちそば 樽滝」は、村内の観光拠点として村が運営する木島平村観光交流センターの中にあります。この地方独特のつなぎである雄山火口(オヤマボクチ)を使った蕎麦が名物。「名水火口そば」をメインに、地元産の米で造る「おにぎり」も揃えています。おすすめの「名水火口そば」は喉越しが良く香り高い逸品、季節の野菜天婦羅も地元産の旬の品を使った絶品。旨い蕎麦とおにぎり、天婦羅を供する銘店です。
店名:手打ちそば 樽滝
住所:下高井郡木島平村大字上木島2548-1
TEL:0269-82-3955
飯綱町「そば処 よこ亭」
多くのスキー場やゴルフ場を擁する飯綱町。長野市内からのアクセスも良いリゾートエリアで、グリーンシーズンからウィンターシーズンまで多彩なアクティビティが楽しめます。高原の冷涼な気候が好まれることから別荘地もあり、観光スポットも沢山。長野市内から妙高や新潟方面に向かうルートにあり、多くの観光客で賑わうエリアです。
「そば処 よこ亭」は、飯綱町ふるさと振興公社が運営する店。峠の中腹に立地しており、大きく設えられた窓からは眼下の中野市を挟んで志賀高原を望む景色が楽しめます。この店で使用される蕎麦粉は100%地元飯綱町産で、豊かな香りと強いコシが特徴。おすすめは冬季限定の「地鶏そば」で、地鶏や葱などの野菜が入ったそばつゆで食すスタイルの逸品です。夏場の6月から8月には雪の中で低温熟成させた蕎麦の実を使った「雪ねむりそば」も用意、山中の隠れた銘店です。
店名:そば処 よこ亭
住所:上水内郡飯綱町大字柳里847-3
TEL:026-253-8287
戸隠「そば処 よつかど」
戸隠蕎麦は、「岩手県・わんこそば」や「島根県・出雲そば」とあわせて「日本三大蕎麦」と呼ばれる逸品。長野市戸隠は戸隠神社を擁し、古くから山岳信仰が隆盛した地域です。戸隠神社は「奥社・中社・宝光社・九頭龍社・火之御子社」の五社で構成されており、戸隠地域一帯に点在しています。その中で天表春命を祀る宝光社は、長野市内から近い参道入り口ある神社です。
「そば処 よつかど」は、宝光社を望む道沿いにある店。アットホームな印象のインテリアで絶品の戸隠蕎麦が供されます。おすすめはシンプルに「ざるそば」、そして店オリジナルの「西岳そば」。こちらはぶっかけのスタイルで頂く蕎麦で、地元の山菜をはじめ野菜の天ぷらや大根おろしなどバラエティ豊かにトッピングされた逸品。ほっこりと温かな気分になれる戸隠蕎麦の銘店です。
店名:そば処 よつかど
住所:長野市戸隠2179-4
TEL:026-254-2145
長野市「十割そば 大善」
善光寺は信州を代表する名刹であり、国宝に指定されている無宗派の単立寺院です。絶対秘仏の本尊は一光三尊阿弥陀如来で日本最古だとか。7年に1度の御開帳では前立本尊が公開され、多くの参拝客で賑わいます。周辺一帯には多くの寺が点在しており、参道の脇には多くの院と坊が立ち並びます。
「十割そば 大善」は、善光寺の門前町である大門町にある店。名前の通りつなぎを使わない十割蕎麦を供する店で、足繫く通う常連も多くいます。従来の十割蕎麦にありがちなパサついた感じが一切なく、ツルリとした喉越しと豊かな香り。十割蕎麦に良いイメージがない諸氏には「目から鱗」の絶品蕎麦を供する銘店です。
店名:十割そば 大善
住所:長野市大門町46-1
TEL:026-233-5002
千曲市「蕎麦料理処 萱」
全国にその名を知られる信州戸倉上山田温泉。江戸時代には北国街道の宿場町として栄え、1893年に戸倉温泉が開湯しまた。1903年には上山田温泉が開湯、後に笹屋ホテルとなる清涼館笹屋ホテルがオープンします。こちらは文化財に指定されている数寄屋造りの別館「豊年虫」を擁すホテル。この別館は近代建築の巨匠フランク・ロイド・ライトの弟子である遠藤新が設計したものです。
「蕎麦料理処 萱」は、しなの鉄道・戸倉駅前の正面に位置する店。酒蔵である坂井銘醸株式会社が運営する店舗で、酒の仕込み水を使って信州産の蕎麦粉で造られる蕎麦を供します。そばつゆにもこだわり、出汁は「本鰹・宗田の厚削り・昆布・干し椎茸」を贅沢に使用。さらに「かえし」は「醤油・三河のみりん・ザラメ」を使い、2週間以上熟成させています。おすすめの「そばきり」は細打ちで喉越しの良い逸品、安曇野産の本わさびが沿えられます。萱葺き屋根の古民家で頂く秀逸な蕎麦です。
店名:蕎麦料理処 萱(かや)
住所:千曲市大字戸倉1855-1
TEL:026-276-7205
上田市「車屋 浦里店」
NHKの大河ドラマ「真田丸」で一躍有名になった上田市。ドラマにも登場した上田城は真田昌幸が築城した城で、2度にわたって強大な徳川軍を撃退した名城です。現在は「櫓・石垣・土塁・堀」などが史跡として残っており、「南櫓・北櫓・西櫓」の3つが県の文化財に指定されています。
「車屋 浦里店」は、上田市内から青木村に向かう途中にある店。田園風景が広がる閑静な住宅地の一角にあります。メニューはシンプルに定番を揃えており、おすすめは「もりそば」です。この他にも名物のくるみを使った「くるみそば」があり、こちらも是非味わいたい逸品。地元民に愛される隠れ家的な銘店です。
店名:車屋 浦里店
住所:上田市浦野47-14
TEL:0268-31-2228
佐久市「佐久の草笛」
北陸新幹線と上信越自動車道の開通によって一躍アクセスが良くなった佐久市。国内有数のリゾート地である軽井沢からも近く、近年発展している都市です。大きなショッピングモールをはじめ新しい道路も整備されており、周辺のリゾートへのアクセスにも便利な地域。いずれは静岡県まで延伸する中部横断自動車道の建設も始まっています。
蕎麦処「草笛」は小諸市の本店をはじめ長野市や上田市にも店を構えており、蕎麦の量が多いことでも有名な人気の店。地産地消を掲げて自社栽培の蕎麦を使用、さらに蕎麦畑を広げる計画もあるようです。
「佐久の草笛」は、北陸新幹線・佐久平駅の立科口正面に立地しており、国道に面した駐車スペースも広い店舗です。おすすめは「もり蕎麦・中盛り」で、蕎麦は桶で供され最初は食べきれない程の量に見えますが、その旨さから不思議と箸が進み完食。「くるみだれ」や「とろろだれ」も単品で用意、たっぷり満足できる銘店です。
店名:佐久の草笛
住所:佐久市佐久平駅東21-3
TEL:0267-66-3939
松本市「女鳥羽そば」
信州の中央部に位置する松本市は国宝・松本城を擁する城下町です。松本城は地元ではその美しい漆黒から烏城とも呼ばれ、日本各地に現存する12天守のなかで唯一の平城。周囲は公園として整備されており、冬には「氷彫フェスティバル」が、春には「夜桜会」が、秋には「菊花展」と多彩なイベントが開催されます。
「女鳥羽そば」は、松本城や四柱神社からも近い女鳥羽川沿いにある店。なまこ壁が美しい土蔵造りの店舗で、街並みに溶け込む秀逸なデザインです。店内は純和風、松本民芸家具で設えられた調度や器にも店主のこだわりが見えます。蕎麦は地元の農家から仕入れる松本産を100%使用。熱が入らないように石臼で丁寧に挽きます。おすすめはオリジナルの「三重(みかさね)そば」で、3つの桶それぞれに「海苔・とろろ・抹茶」がトッピングされており蕎麦との組み合わせが絶妙な逸品。城下町の風情を感じられる銘店です。
店名:女鳥羽そば (めとばそば)
住所:松本市中央3-4-8
TEL:0263-35-8502
箕輪町「水車家」
お盆に開催される湖上花火大会で有名な諏訪湖から南へ。箕輪町は山々に囲まれた盆地で長閑な田園風景が広がる地域、辰野町と伊那市の中間に位置します。この地域で近年注目されているのが「赤蕎麦」、通常蕎麦の花は白く可憐な花が特徴なのですが、「赤蕎麦」は華やかな桃色の花を咲かせます。そしてこの「赤蕎麦」は蕎麦としては原種に近いようで、食した時に強い野性味とコシがあることがポイント。通常の蕎麦の3分の1程度しか収穫できないことから貴重な蕎麦として人気があります。
「水車家」は、近年人気の「赤蕎麦」を味わえる店。落ち着いた趣の店構えで、和のインテリアが寛ぎの時を演出します。目当ての「赤蕎麦」は数量・期間とも限定の逸品、前日までに要予約です。こちらのおすすめは「信州辛味おろしそば」で、辛味大根の大根おろしと一緒に味わえます。数少ない「赤蕎麦」を供する銘店です。
店名:水車家
住所:上伊那郡箕輪町中箕輪大出2931
TEL:0265-79-9841
木曽町「旗挙そば 源氏」
木曾義仲としても知られる源氏の武将・源義仲。その木曾義仲が平家討伐のために挙兵した地であることに因んで名付けられた日義村は、現在木曽町日義としてその名を受け継いでいます。山々に囲まれた中山道沿いにあり、山間の閑静な地域です。
「旗挙そば 源氏」は、木曾義仲の挙兵に因んで名付けられた木曽町日義の店。落ち着いた雰囲気の店内で、広い座敷もあって雰囲気も良し。おすすめはシンプルに「もりそば」で、2段のセイロで供されしっかりとしたコシと濃厚な香りが楽しめる逸品です。「七笑」や「中乗さん」など地酒も揃えており、ゆっくりと蕎麦と地酒を堪能できる銘店です。
店名:旗挙そば 源氏
住所:木曽郡木曽町日義原野4398
TEL:0264-24-2600
北から南まで 地域の特色がある蕎麦処
信州の名産品である蕎麦、北から南まで地域毎に特色があり多彩な味わいが楽しめます。スキーや温泉などアクティビティも様々、こだわりの職人が供する絶品の信州蕎麦を是非本場で味わってください。
ガイドのとら 信州そば SHINSYU SOBA 名店一挙掲載 300件 (ガイドのとら)
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この記事のライター
信州の曲者が集まるCLUB Autistaに所属する道楽者。車と酒と湯を愛し、ひと時を執筆に捧げる。