四国に新幹線が走る?「鉄道ホビートレイン」の魅力に迫る
突然ですが、四国に新幹線が走っているのをご存知でしょうか。「えっ」と思われる方もいるでしょうが、新幹線の形をした観光列車が走っているのです。今回は、そのような謎の観光列車の魅力に迫ります。
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「鉄道ホビートレイン」の概略
冒頭で述べた新幹線の形をした観光列車は「鉄道ホビートレイン」と名乗っています。車体は初代新幹線0系を彷彿とさせるデザイン。0系と似ているものの、どこかユーモラスな様子がたまりません。「鉄道ホビートレイン」は清流四万十川に沿って走る予土線で運行されています。一般的に観光列車に乗車するには特別料金が必要ですが、「鉄道ホビートレイン」はそのような料金は必要ありません。つまり、日本で最も気軽に乗車できる「新幹線」なのです。
「鉄道ホビートレイン」のダイヤ
先に「鉄道ホビートレイン」のダイヤをチェックしておきましょう。「鉄道ホビートレイン」は予土線の宇和島~窪川を定期運行しています。一部の便は途中の近永で折り返すものもあります。運転本数は平日が2.5往復(1本は宇和島発近永行き)、土休日は3.5往復(1往復は宇和島発近永折り返し、1本は宇和島発近永行き)が設定されています。所要時間は宇和島から近永までが約35分、終点の窪川までが約2時間です。「鉄道ホビートレイン」は普通列車として運用されているため、全ての駅に停車します。
マニア心をくすぐる「鉄道ホビートレイン」
「鉄道ホビートレイン」はたったの1両ですが、車内にはマニア心をくすぐるアイテムがたくさんあります。車内のレイアウトはロングシートとクロスシートが配置されていますが、「鉄道ホビートレイン」に使用されているクロスシートは0系新幹線で実際に使用されたものを利用しています。0系の座席は博物館などで目にする機会は多いですが、座れる機会はなかなかありません。ぜひ、「鉄道ホビートレイン」で懐かしの座席に座ってみましょう。
そして、「鉄道ホビートレイン」で忘れてはならないのが鉄道模型です。車内には様々な場所に鉄道模型が飾られています。圧巻は0系からN700系までの新幹線の模型。マニア心がくすぐられること、間違いないでしょう。また、四国で活躍した往年の名車の模型も展示されています。他にも、「鉄道ホビートレイン」には楽しい仕掛けがいっぱい。ぜひ、車内で「楽しい仕掛け」を見つけてくださいね。
床面にもご注目
「鉄道ホビートレイン」に乗ったら、床面に注目してみましょう。床面には機関車の設計図が描かれています。床面に描かれている機関車は多度津~丸亀・琴平間で活躍したA1形タンク機関車です。登場は何と100年以上前の1899年。四国の鉄道にとってエポック的な存在と言えるでしょう。そのような機関車が新幹線を模した車両に描かられるのも、興味深いでしょう。
予土線の魅力
「鉄道ホビートレイン」が走る予土線の魅力にも少しだけ触れておきましょう。予土線からは清流四万十川が見られます。遠い距離からも、四万十川の水量や水の美しさが感じられます。予土線に乗車したら、必ずチェックしたいスポットです。
「四万十川を見るだけじゃつまらない」という方は四万十川でカヌーにチャレンジしてはいかがでしょうか。四万十川にはカヌー用具やカヌーのレッスンが受けられる施設がいくつもあります。季節は4月1日~10月31日まで。ぜひ、この時期に予土線を訪れて、カヌーにチャレンジしてみましょう。他にも釣りやキャンプなど様々なアウトドアが楽しめます。
予土線には他にも魅力的な観光列車が
予土線には「鉄道ホビートレイン」以外にもトロッコ型やかっぱを紹介した列車など、ユニークな観光列車が走っています。時間に余裕のある方は、これらの観光列車を乗り比べるのもおもしろいでしょう。
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この記事のライター
神戸市出身。東ヨーロッパと鉄道はライフワーク。歴史(現代史)と政治(国際政治)は興味分野。さすらいの鉄道旅を趣味としています。