飯山線の観光列車「おいこっと」で懐かしさを感じる旅に出ませんか
全国各地に観光列車が走っていますが、一番「懐かしさ」を感じさせる観光列車は長野県、新潟県の飯山線を走る「おいこっと」かもしれません。今回は「おいこっと」はもちろん、飯山線の魅力にも迫ります。
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「おいこっと」の概略
「おいこっと」は長野から飯山線を通って十日町まで走る観光列車です。車内は温かみが感じられるレイアウトとなっており、懐かしいふるさとに戻ってきたような感覚になるでしょう。また、飯山線の風景を楽しむだけでなく、地元ならではのサービスも見逃せません。
多くの観光列車は特別料金を徴収しますが、「おいこっと」は普通車の自由席なので特別料金は不要。普通列車、快速列車乗り放題の切符「青春18きっぷ」でも乗車できるのも大きなポイントです。起点の長野駅は北陸新幹線と接続しており、新幹線からダイレクトに乗り換えられるのも、嬉しいところです。
「おいこっと」のダイヤ
先ほども書いた通り「おいこっと」は一般車両の扱いになります。そのため、他の観光列車のように特急料金や指定席料金は必要ありません。走行区間はどの列車も飯山線の長野~十日町間になります。運転本数は時期によって異なり、1日1往復~2往復です。また、「おいこっと」は毎日運行ではなく、土曜日、休日を中心に運行されます。「おいこっと」に乗車される際は、あらかじめホームページをチェックしておきましょう。
「おいこっと」は一般車両扱いですが、全ての駅には止まりません。停車駅は替佐、飯山、北飯山、戸狩野沢温泉、森宮野原、津南です。所要時間は長野から十日町までが約2時間30分、戸狩野沢温泉までが約1時間10分です。
気になる「おいこっと」の車内をチェック
「おいこっと」は2両編成で構成されており、車内は3つのパート(ロングシート、2人がけボックスシート、4人がけボックスシート)に分かれています。シートの生地は赤色などの暖色系を採用。そのため、車内全体が温かみのある雰囲気となっています。また、ロングシート部分はユニークな色使いをしているので、そのあたりもチェックしてみましょう。
それぞれのシートはロングシートも含めて、テーブルが備え付けられています。そのため、気兼ねなくお弁当を広げながら、飯山線の旅が楽しめます。また、車内には車椅子対応のトイレも備え付けられているため、どの年代でも「おいこっと」が楽しめるように工夫されています。
心温まるおもてなしの数々
「おいこっと」で忘れてはならないのが、心温まるおもてなしの数々です。まず「おいこっと」に乗ると、野沢菜の漬物パックが配られます。信州ではお茶と一緒に漬物を出す習慣があることで知られています。野沢菜を口にすると、どことなく懐かしい雰囲気に浸れるのではないでしょうか。
次は車内放送に耳を傾けてみましょう。「おいこっと」では長年「まんが日本昔ばなし」のナレーションを担当された地元出身の常田富士男さんによる音声案内が流れます。車内にいながら「まんが日本昔ばなし」が味わえるのも興味深いところです。
飯山線の観光で聞きたいことがあれば、乗務している「おいこっと あてんだんと」に聞いてみましょう。インターネットでは出てこない様々な情報を教えてくれるはずです。
飯山線の魅力とは?
飯山線は正式には豊野(長野県長野市)から越後川口(新潟県長岡市)までの区間を指します。千曲川を沿うようにして走り、車内からはのんびりとした田園風景が見られます。沿線には温泉とスキーが両方楽しめる野沢温泉や縄文文化に親しめる津南町などの魅力的な観光スポットがあります。また、沿線全体に渡ってアウトドアが楽しめるのも大きな特徴と言えるでしょう。
ぜひ、気軽に「おいこっと」の旅を
「おいこっと」が走る長野県北部や新潟県は首都圏から見ると「遠い」というイメージを持たれるかもしれません。しかし、「おいこっと」の起点駅である長野は東京から北陸新幹線を使うと約90分でアクセスできます。ぜひ、気軽に「おいこっと」の旅を満喫してくださいね。
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この記事のライター
神戸市出身。東ヨーロッパと鉄道はライフワーク。歴史(現代史)と政治(国際政治)は興味分野。さすらいの鉄道旅を趣味としています。