強者が集まるブゾーニ国際ピアノコンクールがすごい!名ピアニストたち
1949年からイタリアで開催しているブゾーニ国際ピアノコンクールは、ヴィルトゥオーソが腕を競い合う難関のコンクールです。覇者はいずれも国際的なピアニストとして活躍しており、技術力は保証されたようなものといえます。その中から1957年からの4人をご紹介いたします。
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ピアニストの中のピアニストたち
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コンクールの名前となっているフルッチョ・ブゾーニは1866年イタリア生まれです。両親共に音楽家という血筋で、幼少から才能を発揮していたようです。作曲家でもありましたが、ピアノ演奏のヴィルトゥオーソ(名人級)であり、ピアノの学習者には「ブゾーニ版」の楽譜の校訂で馴染みがあります。
1949年にブゾーニ国際ピアノコンクールとして開催され、普通のピアニストの能力を越えた名人級のみが腕を競い合うコンクールとして知られています。従って、覇者はそれぞれ世界的なピアニストとして活躍しています。「ピアニストの中のピアニスト」といえるかもしれません。
1956年 1位 イエルク・デームス
1956年の第1位はオーストリアのイエルク・デームスです。彼は1928年生まれでウィーン音楽アカデミーに学んでいます。硬質な演奏で知られ、レパートリーは主にドイツの作曲家でシューベルトや、ベートーベン、バッハ、モーツァルト、シューマンなどを得意としています。
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1957年 1位 マルタ・アルゲリッチ
ブゾーニ国際ピアノコンクールの1957年優勝は1941年アルゼンチン出身のマルタ・アルゲリッチです。現在女流ピアニストの中ではトップクラスといえるでしょう。過去にショパンコンクール、ブゾーニコンクールで1位を受賞しています。世界的ピアニストとして活躍しながら審査員や自分の名前の付いたコンクールや音楽祭を開催するなど多忙を極めています。
私生活も結婚離婚を繰り返し、話題の耐えない人です。天才児として早くから有名なだけではなく、演奏も技術的に男性ピアニストに引けを取るものではありません。レパートリーは広いのですが、現在は室内楽が多いようです。
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1959年 1位 セシル・ウーセ
1959年開催で1位なしの2位には1936年フランス生まれのセシル・ウーセが受賞しました。彼女は幼少時から天才少女として知られており、エリザベート王妃国際音楽コンクール、ロン・ティボーコンクール、ヴァン・クライバーンコンクールなどでも入賞しています。リストなどの技巧の難しい作品から古典、ロマン派、印象派、近代のものまでレパートリーは幅広く、審査員なども務めたあと引退しているようです。
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1964年 1位 マイケル・ポンティ
1937年ドイツ系アメリカ人のマイケル・ポンティが1964年の1位を獲得しています。彼は編曲で知られる巨匠ゴドフスキーの弟子に師事し、今回の受賞に繋がりました。後にヴォックス・レコーズから大量のピアノ演奏レコードを出しています。
作品は古典やロマン派印象派に限らず、あまり知られていない作曲家の作品まで幅広く、その技術力の高さを証明するものです。世界のピアノ曲はほとんどすべて録音されたのではないかという、その勢いは圧巻です。
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1966年 1位 ギャリック・オールソン
1966年の1位のギャリック・オールソンは1948年アメリカ出身ですが、彼の名前は1970年ショパンコンクールの覇者として世界に名前を広めました。技巧的な曲を得意とし、ショパン、リスト、ラフマニノフ、スクリャービンなどロマン派中心に定評があります。
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実力派のピアノコンクール
いかがでしたでしょうか。1949年、第二次世界大戦後に始まったコンクールですが、すでに半世紀を越えて現在も続いています。このコンクールで1位または3位以内のピアニストは、他のコンクールなどにも名前を連ねる優秀な人たちです。また、すでに世界的に活動している現役のピアニストであり、実力派です。
そういった面では、ショパンコンクールやチャイコフスキーコンクールに匹敵するといってよいのではないでしょうか。ご紹介しました4人も、今世紀を代表する歴史に残るピアニストたちです。
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この記事のライター
検査技師をしておりました。現在は家庭に入り、ライター、アンティークドールのディーラー、人形関連の制作と売買、ピアノ講師などをしています。趣味の薔薇や犬、鳥の世話と夫と子供の世話に忙しい毎日です。