高野山へは様々な工夫がされている観光列車「天空」を利用しよう
今回は大阪のなんばから高野山を結ぶ南海電車の観光列車「天空」を紹介します。自然豊かで心が落ち着く高野山。「天空」を利用すれば高野山の魅力が増すことは間違いありません。それでは早速見ていくことにしましょう。
- 4,686views
- B!
そもそも、観光列車「天空」とは
「天空」は大阪のミナミの中心地、なんばと高野山を結ぶ南海電車の観光列車です。運行区間は和歌山県の橋本駅から極楽橋駅までの19.8kmの区間。この区間は急勾配と急カーブが続くので、一般車両が乗り入れません。そのような山岳路線を「天空」は走るのです。
「天空」が登場する前は観光列車とは無縁だった南海電車。そのような南海電車が送り出した観光列車「天空」には期待と注目が集まっています。
1.「天空」の見所
「天空」に使われている車両は一般の通勤電車を改造したので、外見はあまり目立つポイントはありません。しかし、車内は外見とは大きく異なる大胆な座席配置になっています。座席の一部は線路と平行に向いており、大型の窓ガラスからは青々とした迫力満点の山々を楽しむことができます。また床面は木目調となっており、否応なしに観光気分が高まることでしょう。
グループ客には4人座席のコンパートメント座席がおすすめ。こちらにも大型の窓が付いていることから、美しい景色を見ながらの語らいは一生の思い出となることでしょう。
鉄道好きな方は先頭の展望席に行ってみましょう。展望席からは運転手になりきった気持ちで迫力満点の前面展望が楽しめます。
思いっきり山の空気を味わいたい方は展望デッキに行きましょう。展望デッキは吹き抜け構造になっており、山の空気を吸いながら鳥のさえずりを聞くことができます。
このように「天空」は2両編成でありながら、様々な「楽しみ」が詰まった素敵な列車です。
2. 「天空」のダイヤ
冒頭にも書いた通り、「天空」は高野線の橋本~極楽橋までの運行。そのため、なんばから橋本までは一般車両に乗る必要があります。橋本駅には全ての列車が止まりますので、あまり悩む必要はありません。また、JR和歌山線が橋本駅に乗り入れているので、和歌山駅からのアクセスも容易です。
「天空」は毎日、運行されているわけではありません。特に12月から2月にかけての冬期は土曜日、日曜日、祝日のみの運行。「天空」を利用する際には事前にホームページで運行日をチェックされることをおすすめします。
ダイヤは基本的に1日2往復です。ただし、季節によっては臨時便が運行されます。
3. 「天空」に乗車するには
「天空」は座席指定制となっており、事前予約が必要です。事前予約は「天空予約センター」への電話のみの受付。また、普通料金とは別に座席指定料(大人510円、子供260円)がかかります。切符は乗車当日、主要駅の窓口で現金を支払った上で入手可能です。なお、空席があった場合は当日券の販売もありますが、満席になり次第、販売が中止となりますのでご注意ください。確実に「天空」に乗車されたい場合は、事前予約をおすすめします。
4. 「天空」が停車する駅について
「天空」は橋本駅を出発すると、学文路(かむろ)駅、九度山駅、終点の極楽橋駅に停車します。学文路駅は受験シーズンになると大人気になる駅。毎年期間限定で販売されている学文路駅の入場券は学文路天満宮で祈祷を受け「すべらない砂」が付いています。受験生がいる方は、ぜひ学文路駅の入場券をチェックしましょう。
九度山は大河ドラマで話題となっている真田幸村が蟄居した場所として知られています。そのため、九度山駅は真田家独自の赤色に化粧直し。ハッとするような美しい駅に変わりました。終点の極楽橋駅は高野山へのケーブルカーの乗り継ぎ駅。駅周辺には何もありません。
工夫が詰まった「天空」で山岳列車の楽しみを
いかがでしたか。「天空」には高野山への旅路が思いっきり楽しめる様々な工夫がなされていることがお分かり頂けたでしょうか。「天空」の始発駅である橋本駅の標高は92m、終点の極楽橋駅の標高は535mになります。これを19.8kmかけて登るわけですから、いかに急勾配か分かりますね。景色だけでなく、勾配にも注目してみましょう。
この記事のキーワード
この記事のライター
神戸市出身。東ヨーロッパと鉄道はライフワーク。歴史(現代史)と政治(国際政治)は興味分野。さすらいの鉄道旅を趣味としています。