ジャズになったショパンの曲がスウィングする！粋でノリの良い編曲5選

ショパンの曲はジャズにされやすい？

ショパンの曲はジャズピアニストにとって、「恰好の餌食」になりやすいのでしょうか。答えは「イエス」ですが、おそらくショパンに限らず人々に馴染み深いメロディであればどんな曲でもジャズ化されやすいと思われます。それは、決して笑いものにしているわけではなく、尊敬を持って「ジャズ風装飾」をしてもっと身近に感じてみたいという欲求からかもしれません。よく知っている曲のジャズ編曲が、どう新しい刺激を与えてくれるのかも興味深いものです。

オイゲン・キケロピアノトリオ　

1940年ルーマニア生まれのオイゲン・キケロは、母親がピアニストであったため幼少期からピアノの才能があったようです。途中からジャズに転向し、主にクラシックの曲をジャズ化したことで一躍有名になりました。曲は、即興性主体の支離滅裂のものではなく、誰もが聴いて楽しく美しいと感じるような品の良いジャズです。

ショパンのワルツやプレリュード、エチュードなどが軽くノリの良いジャズに生まれ変わっていますが、ハ短調の葬送プレリュードが「楽しい葬送」になっているものもありますので聴いてみてください。

ショパン・ジャズ[オイゲン・キケロ][LP盤]
価格　1,500円

マル・ウォルドロン

1926年アメリカ生まれのマル・ウォルドロンはクラシックのショパンやエリック・サティの曲もジャズに編曲しています。彼の代表曲は「レフト・アローン」ですが、哀愁を帯びた印象深いメロディはジャズという垣根を超え幅広く愛されている曲です。
ご紹介していますショパンの曲ですが、プレリュードの中の曲を気だるく物憂いスローなジャズが落ち着いた雰囲気に響きます。

マチュリティー(1)クラシックス
価格　4,999円

ヨーロピアン・ジャズトリオ

ヨーロピアンジャズトリオは、比較的新しく結成されたグループです。オランダのジャズ・ミュージシャン3人で結成されています。ヨーロッパの品格あるジャズで、ホテルのバーなど落ち着いた場所で流れている雰囲気の曲です。クラシック、ピアソラ、モリコーネから日本の曲などを美しくジャズ化しています。

このトリオは日本に対しての興味が強くあるようで、「ジャパネスク」などの曲も出しています。ショパンのプレリュードの一曲をスローなジャズにしていますが、トランペットの音が主旋律を担当しピアノとの協奏がすばらしい作品です。

ベスト・オブ・ショパン
価格　2,855円

ロッサノ・スポルティエロトリオ　　

イタリア生まれでアメリカで活躍しているピアニスト、ロッサノ・スポルティエロのショパンの曲たっぷりのジャズは、軽い雰囲気のものです。ピアノ演奏は、クラシックピアノを習ったことがあるため基本の音楽が美しいことが特徴で、高級クラブで演奏される類の上品なジャズという雰囲気です。

ショパン生誕200年記念企画 ショパン・イン・ジャズ
価格　2,863円

マイケル・スパーク Etude Op 10 No.12 (jazz version)

最後にご紹介するピアニストは、近年アメリカで活躍しているジャズピアニストで、アレンジの作曲をしている「マイケル・スパーク」です。ショパンのエチュード「革命」のジャズ版は、曲自体だけでなくそのパフォーマンスも大変楽しいので、ご覧下さい。短いものですがよくまとまっていますし、原曲を弾くことができる人であればこのジャズ演奏は可能と思われますが、演出が見事です。

たまにはショパンのジャズをどうぞ

いかがでしたでしょうか。クラシック音楽は、聴きなれている人であっても疲れることがあります。ショパンの有名な曲をジャズに編曲した曲は軽く楽しくなっていたり、情感が深くなっているものもあり意外な発見があります。いつもフルコースの料理ばかりでは重くなり、胸焼けをおこしそうなときは「夜のお酒とショパンのジャズ」をお勧めします。