ショパンのあの曲が編曲されて名曲に!お勧めのピアノ曲5選
ショパンの曲は有名な幻想即興曲や小犬のワルツがありますが、曲名は知らなくてもよく流れているのでご存知の人も多いでしょう。その聞き覚えのある曲はいろいろな作曲家がアレンジして名曲になっているのです。お勧めの曲を5つご紹介いたします。
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ショパンの曲は編曲も美しい
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ピアノを学習する人にとって、ショパンは絶対的な存在であるといえます。また、そうでなくてもショパンの曲はどこかで流れているため、誰でも知らず知らずに聞き覚えているのではないでしょうか。とてもポピュラーになっているショパンの曲は作曲家にとって「編曲しやすい」ということのようです。よく編曲されているものに「小犬のワルツ」があります。今回ご紹介していないソラブジなどたくさんの人が編曲しています。
作曲家はショパンのメロディを主題にして自分らしさもしっかりと曲に入れていますから、どのように「料理」しているかを少し注意して聴いてみてください。
ラフマニノフ作曲 「ショパンの主題による変奏曲」
ショパンの曲は、それぞれが有名なものですから数々の音楽家が編曲しやすいもののようです。中でもラフマニノフのものは技巧的な難曲ですが、ショパンのプレリュードの「葬送」はラフマニノフの声に変わっています。少し長い曲ですが、ショパンの葬送のメロディをはっきりと繰り返しているというわけではないので気づきにくいかもしれません。ショパンを感じるものはリズムと音の動きが同様といったものです。
途中にラフマニノフ独特の甘いメロディ部分があり、たいへん美しく葬送の悲しみを感じます。最終部は逆に明るく勇ましい和音の連打ですが、嘆き悲しんだ葬送の後の心境なのでしょうか。
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モンポウ作曲 「ショパンの主題による変奏曲」
モンポウはスペイン出身の作曲家です。スペインにはグラナドスやアルベニスなどの巨匠がいますが、モンポウは「スペイン的」というよりも独自の強い個性を持つ作曲家で、静かにつぶやくように流れる音楽はしみじみと心に響きます。このショパンの主題による変奏曲は、ショパンのプレリュードのメロディを情緒的に変奏させていき幻想即興曲のメロディも流れ、モンポウ独自の言葉で問いかけてくるのです。
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ローゼンタール作曲 「ショパンの三度の和音による小犬のワルツ」
ローゼンタールはポーランド出身のピアニストですが、作曲家というより優れたピアノ教育の指導者であったようです。知名度が高いとはいえませんが、いくらかの作品を残しています。この「小犬のワルツの編曲」は、右手の和音が三度(ドとミなど)、六度(ドとラなど)になりそのままスピードは落とさずに技巧的になっています。軽快で小犬の数が増えたように楽しい作品です。
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ドゥーセ作曲 「ショピナータ」
ショパンのポロネーズやワルツ、幻想即興曲はすっかり深刻さを失い、とにかく楽しく陽気な作品となっています。思わず踊りだしてしまいそうな「ノリの良い曲」で、ピアニストがアンコールに選ぶということもある作品です。クラシック音楽は「真剣」に聴かなければならない芸術ですが、こういった「ほっと肩の力を抜いて聴くことができる」曲は、デザートとしてとても「粋でおしゃれ」ではないでしょうか。
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アムラン作曲 「小犬のワルツ」
アムランはカナダ出身のピアニストで、凄腕のピアニストとして現在注目されています。レパートリーはかなり広く、リストやラフマニノフなどの超絶技巧の曲が中心です。どのような難曲でも容易くこなしてしまう才能は、自作の曲や巨匠作曲家の作品を編曲してしまうことにも表れています。この「小犬のワルツ」は数人の作曲家やピアニストにより、「技巧的な曲」あるいは「ジャズ」などに編曲され愛されている作品です。
アムランは、この短いワルツを楽しい作品に仕上げています。右手の部分は「カプースチンのエチュード」を模倣したと思われますが、二度の和音(ドとレなど隣り合う音)でそのままスピードは落とさずに弾き、聴衆から「笑み」がこぼれるほどです。後半部分を楽しみにお聴きください。
編曲作品を楽しむ
いかがでしたでしょうか。ショパンの曲を耳にしたことがある人は、思わず「聞いたことがある」と感じたのではないでしょうか。今回ご紹介できなかった作品にも、難しい作品や聴衆から拍手喝采される楽しいものまでありとあらゆるタイプが存在します。編曲する作曲家も聴く人も、心から楽しんでいることがわかります。機会があれば、どうぞ他の編曲も探してみてはいかがでしょう。
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この記事のライター
検査技師をしておりました。現在は家庭に入り、ライター、アンティークドールのディーラー、人形関連の制作と売買、ピアノ講師などをしています。趣味の薔薇や犬、鳥の世話と夫と子供の世話に忙しい毎日です。