アメリカ大学留学を目指す社会人にオススメ！良質コミュニティカレッジ10選

コミュニティカレッジは公立の2年制大学。4年制大学への編入も可能！

アメリカの大学に行きたいけれど、有名どころは入学基準が大変厳しく、しかも学費の高さは日本の比ではありません。私立の総合大学で年間35000ドル〜50000ドル、1ドル120円だとしても600万円かかってしまう大学もあるわけです。かの最難関校ハーバード大学は700万円を優に超えると言われています。しかも、留学となると学費だけではなく、生活費も必要になるわけですから、相当金銭的に余裕がある人か貯蓄がある人に限られてしまいます。
経済事情が厳しいのは、何も日本だけではありません。これだけ教育費がかかるのですから、アメリカでも大学費用を捻出するのはひと苦労なのです。多くの学生は奨学金をもらい、教育ローンを駆使して進学しますが、学費の安い2年制のコミュニティカレッジから有名どころの4年制大学に編入するという手段もあり、このコースを利用して学ぶ人も大勢います。

大事なのは、質の良いコミュニティカレッジを見つけること

確かに、コニュニティカレッジは州立大学や私立大学と比較したら、かなり入学しやすいです。高校の成績もTOEFLの点数も必要ない学校もありますし、希望者を全員受け入れるところもあります。とはいえ、侮ってはいけません。コミュニティカレッジとて、アメリカの大学。日本の大学に通うのと同じ考えでいたのでは、到底卒業も他の大学への編入も難しくなるでしょう。試験で平均点以下を2回取れば、容赦なく退学になるところもありますし、本気で勉強しなければ2年で卒業できる可能性は低いのが現実です。なんとなく留学してみたいから、という漠然とした思いだけでなく、しっかり勉強をして己を向上させる強い意志を持って進学してください。
コミュニティカレッジは、総合大学と違って社会人が働きながら通うケースも多く、学生の平均年齢も高めです。その分、サークルなどが少なく、授業が終われば、さっさと仕事に戻る人も多いので、あなたが想像しているキャンパスライフとはやや異なるかもしれません。また、学費の安さは、教育の質にそのまま反映しているカレッジもあり、きちんとリサーチしていい学び舎を見つけることが重要になってきます。
それでも、容易に入学でき、学費が安く、4年制大学の3年次に編入できるというのは、コミュニティカレッジのメリットで、多くのアメリカ人がこの方法で実際に進学しています。社会人学生が多いとなれば、社会人留学生にとっても友人を作りやすいかもしれません（アメリカ人は年齢を気にすることなく、フレンドリーですが）。
ここで紹介するのは、2016年にアメリカで評判の高かったコミュニティカレッジ10校です。米国大学への留学を考えている方、留学先で悩んでいる方、社会人で留学を希望している方は、ぜひ参考になさってください。

デアンザ・カレッジ（De Anza College）

卒業＆編入率の高さが自慢！シリコンバレーにある高評価の学校

デアンザ・カレッジは、1967年、サンフランシスコの南72キロのクパティーノという小さな町に創設されたコミュニティカレッジです。スペインの探検家フアンバウティスタ・デ・アンザが1776年に切り拓いた土地ゆえに、彼の名前が校名となっています。クパティーノといえば、アップルの本社がある場所として有名で、シリコンバレーの心臓部とも捉えられています。
このカレッジは、50ヶ国から毎年25000人ほどの学生が入学する大規模校で、カリフォルニア大学とカリフォルニア州立大学への編入率が全米で1〜2位を誇り、卒業率と合わせると、2016年のデータではなんと72.7％！　卒業率が30%に満たず、編入率も10％台というコミュニティカレッジが多い中で、この記録は別格。それだけ優秀な学生が集まっているという証でしょう。同校には1700もの講座があり、著名人を迎えた講演、シリコンバレーの有名企業へのインターンシップ制度なども魅力のカレッジですが、アニメーションのプログラムに対する評価は高く、多くの卒業生が映画、テレビ、ゲーム業界で働いています。授業料は年間6300ドルで、私立大学よりかなり安く学べるのも大きな魅力といえるでしょう。

オレンジコースト・カレッジ（Orange Coast College）

履修科目の豊富さも魅力！憧れのオレンジカウンティで学ぶ

ロサンゼルスを南に1時間ほど下ったオレンジカウンティに建つオレンジコースト・カレッジは、カリフォルニア大学、カリフォルニア州立大学への編入率が、デアンザカレッジと並んで高いコミュニティカレッジです。大学があるのはオレンジカウンティの中心部で、ディズニーランドへもアクセスしやすいですし、太平洋側のビーチ、大きなショッピングセンターもキャンパスからほど近いので、非常に利便性に富んだ立地となっています。
こちらも学生数25000人近い大規模校で、施設が素晴らしいのはもちろんのこと、履修できるコースも豊富で、幅広く勉強することができます。中でも、船舶関係のプログラムは全米一充実していると言われ、航空会社、旅行業界を目指す人向けのプログラムも人気です。75ヶ国から留学生が集まり、留学生の割合は6％。コミュニティカレッジの中ではかなり高く、他と比べると日本人の数も多め。年間授業料は7300ドル強となっています。

ノースイースト・コミュニティカレッジ（Northeast Community College）

就職率及び卒業率で99％の高い割合を誇る米中西部の中規模大学

アメリカには1000を超えるコミュニティカレッジがありますが、その教育水準が高く、素晴らしい功績を成し遂げた学校にだけ贈られる賞が、Aspen Prizeです。ネブラスカ州ノーフォークにあるノースイースト・コニュミティカレッジは、2017年にトップ10のファイナリストに残り、表彰されました。就職率と卒業率が99％というずば抜けた結果を出しているのも、その理由のひとつです。1〜2年間の職業訓練、一般教養課程、社会人向けクラスが一ヶ所のメインキャンパスで全て受けられるといったコミュニティカレッジは、ネブラスカ州ではここのみ。学生数が5000人ほどど、規模はそれほど大きくはないものの、その分、学生のサポートや教育には手が行き届いると言われています。

ノースイースト・コミュニティカレッジの公式サイト

メリディアン・コミュニティカレッジ（Meridian Community College）

優等学位プログラムがある米南部の優良カレッジ

アメリカ南部のミシシッピー州にはあるコミュニティカレッジは、わずか15校。そのうちのひとつが、メリディアン・コミュニティカレッジです。ミシシッピー州立大学のメリディアンキャンパスに隣接する72エーカーの敷地に建ち、およそ4000人が在学する小規模の学校では、医学、科学、建築学、経済学、文学、語学、法学など幅広い分野を学ぶことが可能です。また、放送、建築、機械、電気、化粧、看護、歯科衛生といった専門職に直結するプログラムを履修することもできます。
メリディアン・コミュニティカレッジには、優等学位プログラム（オーナーズプログラム／オーナーズカレッジ）があり、学業成績が優秀な学生は、返済不要の多額の奨学金で学費生活費が免除になるだけでなく、オーナーズ生対象の特別な授業も受けられます。ミシシッピー大学のオーナーズカレッジに編入もできますので、学習意欲の高い学生が集まり、質の高いキャンパスライフが過ごせます。

メリディアンコミュニティカレッジの公式HP

サンタバーバラ・シティカレッジ（Santa Barbara City College）

全米最高の名誉に輝いた歴史の古い西海岸の大学

アメリカのリビエラと称されるリゾートタウン、サンタバーバラの高台に建つサンタバーバラ・シティカレッジは、1909年に創立されたかなり歴史の古い学校です。太平洋を一望できる立地、温暖な地中海気候、治安の良い環境も魅力ですが、2013年には、その優れた教育が評価され、Aspen Prize for Community College Excellenceを受賞した、お墨つきの優良校です。学生数18000人ほどで、留学生率は8％と高く、留学生に対するサポートも充実。学べる分野も音楽や演劇、映画学といった芸術系から、医療、エンジニアリング、ホスピタリティ、メディアデザインまで幅広く、カリフォルニア大学サンタバーバラ校への編入システムが整っています。もちろん州内外の他の大学へも編入が可能です。学費は年間8000ドルほど。

アノーカ・ラムゼイ・コミュニティカレッジ（Anoka Ramsey Community College）

高水準の教育で定評があるミネソタ州のコミュニティカレッジ

ミネソタ州に2つのキャンパスを持つアノーカ・ラムゼイ・コミュニティカレッジは、1965年に開校し、ミネアポリスとセント・ポール北部地域で人々に高い水準の教育や職業訓練を提供し続けてきました。人文科学、応用科学はもちろんのこと、看護士や理学療法助手のプログラムでは、該当分野の認定評価委員会からの信頼を得ています。学生数は7000人ほどで、年間の学費はおよそ5000ドル。社会人向けの専門教育プログラムもミネソタ州の各4年制大学などへの編入コースも充実しており、少人数制の授業が多く、学生に対するサポートも学習から生活面までしっかりしていると評判です。ミシシッピー川などの川沿いに位置する美しい景色が眺められる環境で、学生活動やスポーツサークルにも盛んに行われています。

Anoka-Ramsey Community College is a multi-campus institution and a member of the Minnesota State Colleges and Universities system. アノーカ・ラムゼイ・コミュニティカレッジ公式サイト

ハイライン・カレッジ（Highline College）

公共交通機関で通学可能！シアトルにほど近い国際色豊かな学校

シアトルのダウンタウンから車で20分ほど南下したところに、ハイライン・カレッジは建っています。マイクロソフト、ボーイング、スターバックスといった有名企業の本拠地がある土地で、キャンパスからはピュージェット湾やオリンピック山脈も眺められる景色も大学の自慢です。海外留学生の割合が多いのも特徴で、特に日本人のアドバイザーもいるのは安心材料のひとつ。また、車がないと通学にも不便な大学が多い中、シアトルから公共交通機関を利用してキャンパスにアクセスできるのもうれしい要素です。
難関大学編入、選抜プログラムがあるのは、ワシントン州ではハイライン・カレッジのみで、在学2期目以降の優秀な学生に対する奨学金も。なんとアメリカの4年制大学だけでなく、立命館大学、上智大学、明治大学といった日本の有名私立大学に編入できるプログラムもあるのがユニークです。2014年からは、コンピュータ・サイバーセキュリティや国際ビジネスでも学士号取得が可能になりました。

Award Winning Highline College in Des Moines, Washigton offers OVER 100 fields of study, Applied Bachelors Degrees, Scholarships, FREE Events, and MORE! ハイライン・カレッジ公式サイト

ハイライン・カレッジ公式サイトより

ノースイースト・ミシシッピー・コミュニティカレッジ（Northeast Mississippi Community College）

寮生活も堪能できるミシシッピー州の優良コミュティカレッジ

1948年にミシシッピー州に創設されたノースイースト・ミシシッピー・コミュニティカレッジは、スクールカラーが黒と黄色で、“タイガー”の愛称で人々から親しまれています。学生数は4000名ほどと小規模のだ学校ですが、キャンパスは広大。学習面、生活面で学生をサポートする体制が整っており、ミシシッピー州内外の大学への編入コースや科学系の専門プログラムも定評。ビジネス、エンジニアリング、健康科学を含む豊富な学位が取得可能です。
コミュニティカレッジでは、寮がないところも多いのですが、こちらはキャンパス周辺に5つの寮があり、より安全でリーズナブルな居住スペースが確保できるため、安心して学業に取り組めるのも魅力。もちろん寮生活ならではの楽しいカレッジライフも堪能できます。

モンロー・コミュニティカレッジ（Monroe Community College）

素晴らしい学習環境を提供！全米トップ2％に選ばれるニューヨーク州立の学校

SUNY（The State of University of New York／ニューヨーク州立大学機構）の加盟校の中で、トップクラスの評判を誇るのが、モンロー・コミュニティカレッジです。教授陣の努力と貢献により、教育プログラムは高い水準を保ち、学生の7割が4年制大学への編入を目指しています。毎年卒業生は、140を超える全米の大学へ編入しますが、本校の提携先は70校にも上り、継ぎ目のないスムーズな編入が実現可能です。
ハイテク化されたキャンパス設備は、コンピュータやインタラクティブ・ホワイトボードが完備された教室やビデオ会議が可能な施設など、カレッジ側は素晴らしい学習環境を提供。それに応える形で優秀な結果を出す学生も大勢います。人気のコースは、ビジネスやホスピタリティ、刑事学、犯罪学、看護学など。学生は15000人ほどで、年間の学費は約7000ドルです。

モンロー・コミュニティカレッジの公式サイト

サンタモニカ・カレッジ（Satna Monica College）

UCLAの編入者が常にトップの全米最大規模の2年制大学

創立は1929年と約1世紀近い歴史を誇り、学生数30000人のマンモス学校でもあるサンタモニカ・カレッジ。100以上あるカリフォルニアのコミュニティカレッジの中で、過去15年間、UCLAへの編入者数が最も多く、カリフォルニア在住のアメリカ人にも留学生にも人気の高い学校です。東京ドームの3倍はある広大なキャンパスを持ち、年間の学費は10000ドルほどで留学生に対するサポートもしっかりしています。アーノルド・シュワルツェネッガー、ジェームズ・ディーン、ダスティン・ホフマンといった有名なハリウッド俳優が学んでいたことでも有名で、芸術分野の教育カリキュラムに長けており、演劇、映画、コンピュータグラフィックス、音楽、アニメーションデザインも学べます。学校からはビーチもショッピング街も近く、市内を網羅するバスシステム（Big Blue Bus）を学生は無料で利用できるため、車がなくても移動には困りません。

サンタモニカ・カレッジ公式サイト

留学する具体的な目的を持ち、充実したコミュニティカレッジライフを！

アメリカには山ほどコミュニティカレッジがありますが、3年卒業率が10％前後という低レベルの学校があるのは事実です（2年制大学だというのに！）。そもそもコミュニティカレッジは、地元の人々が誰でも学べるようにと門戸を広く開放する姿勢をとっているため、入学審査は厳しくないのですが、卒業するには、真剣に学問に取り組み、常にテストで平均点以上の成績を残さなくてはいけません。米国の大学は純粋に学ぶための場所なので、勉強しない学生はお払い箱になります。逆に成績優秀者には、返済不要の高額な奨学金を出したり、特別枠の授業を設けたりと、学生のモチベーションを上げるシステムも十分に用意されているのです。オールAの成績を取れば、学費も生活費も免除されるのですから、アルバイトで小銭を稼ぐより、必死に勉強した方がずっと経済的にもプラスになりますし、その後のキャリアにも大きく貢献できることになります。とはいえ、勉強だけがカレッジライフの醍醐味ではありません。友人をたくさん作り、アメリカの文化を満喫し、有意義な時間を過ごしてください。留学を考えている方は、コミュティカレッジから4年制総合大学へ編入するという道もあることを頭に入れておけば、選択肢が広がるでしょう。
アメリカの人気テレビシリーズ『コミ・カレ！！』は、コミュニティカレッジを舞台にしたコメディドラマです。Huluなどで配信されていますので、まずは視聴して、コミュニティカレッジの雰囲気を味わうのもいいかもしれません（コメディなので破茶滅茶なことも起きますが……）。