ロシアの巨匠チャイコフスキーはピアノ曲も傑作がいっぱい!名曲5選
ロシア最大の作曲家チャイコフスキーは「白鳥の湖」などバレエ音楽が有名ですが、実はピアノ曲も小品がたくさんあります。叙情的で美しいメロディーはピアノ曲にも顕著です。いずれも珠玉の数々ですがその中から名曲を5つ選びました。
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アイキャッチ画像出典:www.flickr.com
ピョートル・イリッチ・チャイコフスキーという音楽家
チャイコフスキーは、クラシック音楽に馴染みがない人でもその名前を知っているほど、大変大きな存在です。ロシア音楽もヨーロッパと同様1800年代から、次々に偉大な芸術家を輩出してきました。ピアノでは、グリンカ以降ルビンシュタイン、チャイコフスキー、ムソルグスキー、リムスキーコルサコフ、ラフマニノフ、スクリャービンなどの巨匠が世に出て現在も輝き続けています。
チャイコフスキーは、1840年にロシアで生まれています。もともと法律を学び、官僚として勤めていましたが音楽への想いが断ち切れず、ルビンシュタインの元で勉強を始めたあとモスクワ音楽院で教鞭をとっていました。本格的に音楽を始めた時期が遅いということと作曲の質にはあまり関係がなく、素晴らしい作品を残していることは驚異的です。三大バレエ曲「白鳥の湖」「眠れる森の美女」「くるみ割り人形」はあまりにも有名ですね。
ピアノ曲は協奏曲や小品があり、他の作曲家と違いピアノソナタ10曲などというまとまったものは残していません。そういう意味ではピアノという楽器に特別な感情はなかったものと感じます。あまり技巧的に難しいものはなく、音楽自体の内面性も誰にでも理解しやすいでしょう。チャイコフスキーの曲風は、ロシア的というよりは西側諸国のロマンチックな音楽を多く取り入れていますから、ロシア音楽によくいわれる「湿度の高い、重々しく陰鬱なイメージ」はないといわれています。今回ご紹介する5曲は、ピアノの代表曲である協奏曲第一番、そして小品の中から4つですが、いずれも傑作であり演奏される機会が多いものです。
ピアノ協奏曲 第一番
チャイコフスキーは、ピアノ協奏曲を3曲書いていますが、この第一番がもっとも演奏される機会が多い作品です。ピアノ協奏曲は多くの作曲家が手がけていますが、チャイコフスキーの第一番は、ピアニストにとっての重要度の位置付けは高いものです。実は、この曲に関するモスクワ音楽院のルビンシュタインによる評価は低く、チャイコフスキーはひどく傷ついたというエピソードがあります。しかし、後にルビンシュタインはその評価を撤回しているそうです。出だしの部分からダイナミックで印象的な和音の連続があり、現代ではこの最初の数小節のみが多くの人に知られるようになりました。
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くるみ割り人形 ピアノ独奏曲編曲 プレトニヨフ編
チャイコフスキーは、三大バレエ曲が有名です。そのうちの一つ、「くるみ割り人形」は夢の中のお話が現実になり、主人公の女の子と王子様が結ばれるという幻想的な童話です。バレエのそれぞれの場面に合わせて独創的で可愛らしい音楽が生き生きとして楽しい雰囲気になっています。
チャイコフスキーは、管弦楽曲として作曲していますが人気があり、いろいろな人たちが楽器編成にあわせて編曲をしています。お勧めは、ピアニストのミハイル・プレトニヨフによるピアノ独奏曲編曲のものです。技巧の限りを尽くしたダイナミックな傑作です。
「四季」から「六月 舟歌」
チャイコフスキーのピアノ小品は技巧的なものはなく、この「四季」も比較的初歩のピアノ学習者が気軽に楽しめるものです。四季は1月から12月まで12曲あり、それぞれに題名がついています。特に単独でアンコールなどで弾く曲として「6月 舟歌」があります。憂いある、ちょっと悲しげなイメージがしますが魅力的なメロディはすぐに虜になるのではないでしょうか。
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「6つの小品」から「感傷的なワルツ」
「感傷的なワルツ」は、題名通り「感傷的、センチメンタル」な、少し物悲しい感じの曲です。悲壮な悲しみというより時折明るく立ち直り堂々と前に向かうのですが、やはり悲しさから完全に逃れられずに暮れる、といった短いながらもよくまとまった名曲です。
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「18の作品」から「瞑想曲」
瞑想とは、目の前の事象を忘れて心を何かに集中させることですが、音楽にも「瞑想曲」と題したものを書いている作曲家はいます。いずれも、何か「はっきりとしたメロディ」を聴くというよりは、いつのまにか内面に向けて「自分自身の心に何かの光景が浮かんでくる音楽」といった感覚があるように思います。
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大作曲家のピアノ作品は名曲が多い
いかがでしたでしょうか。大作曲家といわれる人は、ピアノの名手が多く自身がピアニストであるためピアノ曲も優れた名品を残しています。チャイコフスキーはピアノの名手とまではなかったようですが、ピアノ協奏曲という大曲を残しています。また小品はかわいらしく美しいものが多いので、機会があればぜひお聴きくださいね。
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この記事のライター
検査技師をしておりました。現在は家庭に入り、ライター、アンティークドールのディーラー、人形関連の制作と売買、ピアノ講師などをしています。趣味の薔薇や犬、鳥の世話と夫と子供の世話に忙しい毎日です。