フランツ・カフカのシュールな世界を楽しむ
実存主義を描いた現代文学の代表者フランツ・カフカ。不思議な夢の世界に取り込まれるようなシュールな作風が特徴ですが、意外とユーモラスなシチュエーションも多く、チャレンジしやすい世界文学とも言えます。
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シュールさが魅力の文豪
20世紀最大の文学者とも言われるチェコの作家、フランツ・カフカ。
実存主義を描いた深いテーマが隠された作品が多いですが、淡々とした文体でどこかユーモラスな雰囲気すら漂う作風が特徴です。
シュールなシチュエーションが多く、不思議な夢の世界に飲み込まれたような感覚に陥るかもしれません。
変身
日本に限らず世界で最もメジャーなカフカの作品と言えるでしょう。
「ある朝目覚めたら虫になっていた」という書き出しは有名です。その一文通り、巨大な虫に変身してしまったグレゴール・ザムザとその家族を描いた作品です。
異常な状況下であるにもかかわらず、主人公や家族が意外と「日常的」な態度である点にはおかしみすら感じられます。
流刑地にて
日本では「変身」以外の作品がが注目されることが少なかったのですが、この『流刑地にて』は村上春樹氏の『海辺のカフカ』で扱われたことで読む人も増えています。
流刑地に訪れた男が見た「人を殺すための機械」を描いた作品です。
短編なのでボリュームは少なめなので読みやすいです。
「変身」以外のカフカにも触れてみたいと思ったら、まずは短篇集からスタートしてみてはいかがでしょうか。
城
著作があまり多くないカフカの数少ない長編。
ある「城」がある土地に訪れた主人公「K」が、さまざまな理由によって城に入ることができない…というストーリーです。
主人公と街の人々の不条理とも言えるやりとりは、どこか喜劇的とも言えます。
失踪者
ドイツから米国に流れ着いた少年が、アメリカ各地をさまようストーリー。
残念ながら未完の作品となっていますが、カフカ独特のミステリアスな雰囲気は存分に楽しめます。
短編・長編でカフカの魅力を知ったら、ぜひ押さえておきたい作品です。
「寓話」として読むのもおすすめ
カフカの作品は文体がシンプルなので、基本的には「読みやすい作品」となっています。
テーマ自体は「難解」と言われることも多いですが、「昔話」や「寓話」を読むような気持ちで読んでみるのもおすすめです。
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