ビジネスパーソンの矜持に胸が熱くなる!おすすめ企業小説10選

ビジネスパーソンとして働いている以上、どれほど頑張って働いていても、理不尽な状況に出くわすことがあります。そんなときの立ち振る舞いで、その人の器がわかるものです。この記事では、理不尽な状況においても決して屈することなく、自分の信念を貫くビジネスパーソンが描かれた企業小説をご紹介します。

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本には多くの人の人生と矜持が凝縮されている

「矜持」

それは、自分自身の仕事と能力に誇りを持つ、プライドのこと。本の中には、数多くの人の人生と矜持が詰まっています。企業小説から、自分が経験できなかった人生を疑似体験し、彼らの矜持に刺激を受けてみましょう。

「オレたちバブル入行組」池井戸潤

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「やられたらやり返す。倍返しだ!」のセリフで一世を風靡したテレビドラマ「半沢直樹」の原作となった小説です。銀行員である主人公の半沢は、人一倍負けん気が強く、間違ったことは絶対に認めない性分。そんな性格が災いし、上司からさまざまなパワハラや嫌がらせを受けるのですが、半沢がすごいのは「徹底的に頭を使って合法的に相手を叩きのめすところ」です。

もちろん、小説だからうまくいきすぎな面もありますが、上司からの理不尽にただただ愚痴をこぼすのではなく、頭を使って見返すヒントを得るには、格好の教材となってくれます。

「官僚たちの夏」城山三郎

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何かと批判されることの多い公務員や官僚ですが、国のために身を粉にして働いている人物というのは、いつの時代も存在します。城山三郎の著作「官僚たちの夏」は、今は経済産業省に改変された通商産業省の官僚たちを描いた名作です。

この作品は、佐橋滋という実在した異色の官僚をモデルに描かれており、彼の破天荒かつ人情味溢れる姿が目の前に浮かび上がってきます。国のためなら体がボロボロになることもいとわず、国益にならないと思えば大臣にだって盾をつく。組織に渦巻く思惑や利害関係に真っ向から立ち向かっていく姿を見ていると、気が引き締まる想いがします。

「第三の時効」横山秀夫

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警察で働く刑事たちの矜持がぶつかり合う様が、生々しい描写で描かれた連作短編集です。短編集といっても、舞台は同じ警察署で、章ごとに主人公が異なるといった構成です。犯人を逮捕するためには、鬼にでも悪魔にもでなる彼らの姿を見ていると、「中途半端な優しさは、最悪の結末を招く」という現実をまざまざと見せつけられます。

仕事をしている中で、目標達成ではなく嫌われたくないことが目的になっていると自覚のある人は、一度この小説を読んで喝を入れてもらいましょう。

「君たちに明日はない」垣根涼介

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不景気の世の中、一部上場の大企業といえど、リストラは決して他人事ではありません。

この小説の主人公は、リストラの面接や判断を企業から請負う、いわゆるリストラ代行屋。リストラされる側に一番に嫌われる「憎まれ役」とも言えるでしょう。小説の中ではさまざまな職種や性格の人が、リストラの対象者として登場しますが、その反応は人によって大きく異なります。驚き泣き出す人、怒って怒鳴り散らす人、いい機会だと思ってあっさり承諾してくれる人。

「会社を辞めたときに、自分の能力で食べていける自信があるか?」
「他社からヘッドハンティングがかかるぐらいの人間になっているか?」

ビジネスパーソンとして働きながらも、こうした危機感を刺激してくれる良作です。

「沈まぬ太陽」山崎豊子

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膨大な資料と徹底的な取材により、骨太な社会派小説を数多く生み出してきた、故・山崎豊子の代表作のひとつです。日本航空に実在した人物に取材をして得られた情報を元に構成されており、「こんなことが、本当にまかり通るのか?」と唖然としてしまう場面が多々あります。

本作品は、主人公が左遷されながらも腐らず生き抜く「アフリカ編」、日本史上最大の飛行機事故を軸に描かれる「御巣鷹山編」、そして新しい会長の元、主人公が奮闘する「会長室編」の三部構成となっており、どの章を見ても、それぞれ違ったビジネスパーソンの矜持に、思わず胸が熱くなることでしょう。

「チルドレン」伊坂幸太郎

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一般的な企業とは違う、家庭裁判所の調査官が主人公の物語です。調査官の仕事は、離婚や家庭問題などの相談に乗り、家庭裁判を円滑に進めるためのサポートをすること。しかし、さまざまな事情や感情が入り乱れる現場では、そう簡単に事は進みません。

主人公の陣内は、そうした相談者に真正面から真面目に向き合うのではなく、ユーモアを交えつつ、相手に合わせて柔軟に姿勢を変えていきます。同僚からは「どこか胡散くさい」と思われながらも、相談者からの信頼感は抜群の陣内に、「相手に合わせて自分を変化させていくことの大切さ」と、仕事に対するプライドが学べるはずです。

「下町ロケット」池井戸潤

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直木賞を受賞し、テレビドラマにもなった池井戸潤の代表作です。物語は、小さいながらも確かな技術で仕事を獲得し続けてきた町工場に、大企業からの理不尽な特許侵害の訴えが寄せられるところから始まります。

厳しい状況にあっても、主人公の佃の経営者としての信念や、自分たちの技術を信じる職人たち、そして志ある支援者たちの協力によって、町工場は少しずつ息を吹き返していきます。小さな企業が大企業に立ち向かっていく姿は、企業規模の大小にかかわらず、純粋に「カッコイイ」と思わせてくれるはずです。

「V字回復の経営」三枝匡

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多くの経営者が「バイブル」として挙げる、「三枝匡三部作」のうちの第一部です。架空の設定ではあるものの、すべて著者本人が体験してきた事例を元にした内容であるため、その生々しいエピソードの数々は、無数にあるビジネス書の中でもひときわ異彩を放っています。

小説を読んでいると、「たしかにこういう状況はあるな」と共感したり、「こんな厄介な社員をどうしたらいいんだ?」と一緒に悩んだりすることができるでしょう。ストーリー仕立てで改革の方法論が展開されていくため、「腐った組織でも変えれるかもしれない」という勇気が湧いてくるはずです。

「不撓不屈」高杉良

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実在した税理士・飯塚毅をモデルにした経済小説です。曲がったことの大嫌いな飯塚は、ことあるごとに税務当局と論争を起こします。裁判でメンツを潰された税務当局は、さまざまな手段を使って飯塚やその周りに嫌がらせをし、職員が逮捕までされてしまう事態に。しかし、飯塚はその「不撓不屈」の精神で、真っ向から国税局にぶつかっていきます。

国税局という巨大な国家権力に対しても一切怯むことのない飯塚の姿は、「人としての生き方」を問い直すきっかけを与えてくれるでしょう。

「海賊と呼ばれた男」百田尚樹

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出光グループの創業者である国岡鐵造の生涯を描いた、ほぼノンフィクションといってよい小説です。敗戦直後の日本を舞台に、社員を誰一人として首にせず、再起を図り巨大企業を作り上げた鐵造のバイタリティには、ただただ感服するしかありません。

自ら仕事と市場を作り出すことの難しさと大切さを学べるだけでなく、国や海外の巨大企業に対しても対等に渡り合う胆力からも、「器の大きい人間とは何か」を教えてくれるでしょう。

胸が熱くなる瞬間には、中々出会えないからこそ

普段仕事をしている中で、胸の内側から感情がほとばしるような経験をする機会は、あまり多くはないでしょう。自分自身のモチベーションを高める意味でも、視野を広げ教養を身につける意味でも、こうした本に日頃から触れるようにしてみてはいかがでしょうか。

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